Quantcast
Channel: 更新情報 --- 東工大ニュース | 東京工業大学
Viewing all 4086 articles
Browse latest View live

多孔質内部の流動現象を可視化 -マイクロフォーカスX線CTを活用-

$
0
0

概要

東京工業大学大学院総合理工学研究科創造エネルギー専攻の末包哲也教授のグループはマイクロフォーカスX線CT(用語1)装置を利用して多孔質内部の流動現象を可視化する手法を開発した。

研究の背景

多孔質内部における混相流(用語2)は二酸化炭素地下貯留技術、原油回収、汚染土壌修復などさまざまな分野でみられる現象である。しかしながら、土壌や岩石などの多孔質媒体は光学的に不透明であるために内部の可視化が容易ではなく、これまでの現象理解は多孔質を体積的に平均化した現象論的な範囲に限られていた。

研究成果

近年、マイクロフォーカスX線CT装置の急激な発達により、多孔質内部の流動現象を空隙スケールで可視化することが可能になって来ている。末包教授のグループでは、X線CT装置内部で流動現象を再現できる実験装置を開発するとともに、X線CT画像において流動場を可視化するトレーサー手法を開発した。

これを用いることにより、油で満たされた多孔質に水が注入される際に、空隙のスロート部分に濡れ性により水が侵入し、油を連続相から切断することを示した。また、いったん油が切断されると、その周囲の水は急激によどみ、流動性が低下することを明らかにした。これらの情報は貯留層からの原油回収率向上のための指針を与えることができる。

今後の展開

開発した多孔質内部の流動現象の可視化手法は、多孔質媒体を扱うエネルギー環境分野の発展に貢献すると期待することができる。

オイル(赤)で満たされた多孔質(半透明)の水による置換

オイル(赤)で満たされた多孔質(半透明)の水による置換。画像は10分おき。最初連続しているオイルが水の侵入により切断され、多孔質内部にトラップされる。

トラップされたオイル(赤)周りの水(透明)の流動場の可視化

トラップされたオイル(赤)周りの水(透明)の流動場の可視化。画像は10分おき。画像bの後に着色剤を投入。流動が顕著なところほど色の変化が速い。

用語説明

(用語1) マイクロフォーカスX線CT
物質内部の3次元断層画像を非破壊で取得する装置。

(用語2) 混相流
気相と液相、液相同士など、複数の相が混在し、相互に影響を及ぼしあう流体。今回は油と水の非混和性(混じらない)混相流を可視化した。

論文情報

著者:
Arief Setiawan, Tetsuya Suekane, Yoshihiro Deguchi, Koji Kusano
論文タイトル:
Three-Dimensional Imaging of Pore-Scale Water Flooding Phenomena in Water-Wet and Oil-Wet Porous Media
雑誌名:
Journal of Flow Control, Measurement & Visualization, 2014, 2, 25-31
DOI:

お問い合わせ先

大学院総合理工学研究科 創造エネルギー専攻
教授 末包 哲也
TEL: 045-924-5494 FAX: 045-924-5575
Email: tsuekane@es.titech.ac.jp


「大田区民大学(東工大提携講座)」開催報告

$
0
0

今年度も、5月28日から7月2日までの毎週水曜日19:00より2時間弱、大田区教育委員会と東工大の提携区民大学が開催されました。

今年は「最新科学技術が生み出す明るい未来」という主題で、以下の6名の教員が、専門とする研究分野の全体像、並びに社会との関わりを、わかり易く紹介し、大変好評でした。

(1)平田 敦 准教授
(大学院理工学研究科 機械物理工学専攻)
(2)和地 正明 教授
(大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻)
(3)小尾 高史 准教授
(像情報工学研究所 応用画像部門)
(4)田中 順三 教授
(大学院理工学研究科 材料工学専攻)
(5)笠井 和彦 教授
(応用セラミックス研究所 材料融合システム部門)
(6)小田 光茂 教授
(大学院理工学研究科 機械宇宙システム専攻)

会場となった講義室の定員が100名程であるのに対し、各講座とも多数の方に応募をいただき抽選となりました。各教員の講演内容に関しては、公共施設で区に配布いただいたチラシを参照ください。

この区民大学は、20年ほど前に開催されていた旧応用物理学科公開講座が基となって、16年前より大田区教育委員会との共催で開催しているものです。東工大側の窓口として、大学院理工学研究科 物質科学専攻の腰原教授が学習コーディネーターをつとめています。特徴としては、自然科学交流会という大田区民サークルが、区民自身による「テーマの企画、立案」を行う点が挙げられます。区民大学の運営は、本学教員から講師を選択して依頼し、区が配布するチラシを準備するなど、このサークルの皆さんの、大田区と密接に連携した地道な活動が中心となって進んでいます。

また、毎回大田区がアンケートを実施し、聴衆層やその要望の把握に努めています。退職後の新たなる知的活動を楽しんでいる方々、仕事の帰りに立ち寄っている方々に加えて、少数ですが大学生、高校生、場合によっては小学生も混じるという、極めて幅広い聴衆層となっています。そのため、講師の教員は、熱気あふれる講義のみならず、その表現の仕方に大変努力しており、その結果、区民の皆さんから極めて高い評価をいただいています。

今後もできる限り、大田区と協力しながら、この区民大学を続けていきたいと考えています。

大田区民大学(東工大提携講座) チラシ

大田区民大学(東工大提携講座) チラシ

大田区民大学(東工大提携講座) チラシPDF

お問い合わせ先

大学院理工学研究科 物質科学専攻
腰原伸也(学習コーディネータ)
Tel: 03-5734-2449
Email: skoshi@cms.titech.ac.jp

熱分布の同定を通じて空間の曲がり具合を知る

$
0
0

概要

東京工業大学 大学院理工学研究科の桒田和正(くわだ かずまさ)准教授はNicola Gigli氏(Nice大学 Chaire d´excellence)、太田慎一准教授(京都大学)との共同研究により、必ずしも通常の可微分構造を持たない特異空間であるAlexandrov空間上で、2つの異なる方法で定義される熱分布が同一のものであることを証明した。更に、この結果を基に、空間の方位平均的な曲がり具合を記述するRicci曲率の理論の特異空間上での2つの定式化 --最適輸送理論による定式化と、Dirichletエネルギー汎関数の勾配曲線としての熱分布を用いた定式化-- の間の関係を解明した。

研究の背景

熱分布の概念は、エネルギー汎関数の勾配曲線としての古典的解釈とは別に、最適輸送理論の枠組みでBoltzmannエントロピー汎関数の勾配曲線として定式化できる。この2つの定式化は特異空間上でも意味を持つが、それらの空間で同一の量を定めるかどうかは未解決であった。また、熱分布を用いたRicci曲率の理論は抽象的な枠組みで機能し、幅広い応用を持つ反面、理論適用の為の条件は可微分空間でしか検証されていなかった。

研究成果

エントロピー汎関数の勾配曲線としての熱分布の、初期条件に対する解の一意性に問題を帰着させる全く新しい手法により、熱分布の2つの定式化を同定した。最適輸送理論に基づくRicci曲率の条件がエントロピー汎関数の凸性の度合いで表されることを同定結果と結合して、最適輸送理論と熱分布の理論の各々におけるRicci曲率の理論を結合した。

今後の展開

本研究成果を通じて、Ricci曲率の理論を熱分布の理論と組み合わせて理解する方法が特異空間において確立された。この観点は、より一般の特異空間へと理論を拡張し、それらの空間上で更なる幾何解析を展開する上での礎となっている。

Heat flow on Alexandrov spaces

論文情報

論文タイトル:
Heat flow on Alexandrov spaces
雑誌名:
Communications on Pure and Applied Mathematics, Vol. 66, no.3 (2013) 307-331.
DOI:
執筆者:
Nicola Gigli (University of Nice)、桒田 和正(東京工業大学)、太田慎一(京都大学)

お問い合わせ先

東京工業大学 大学院理工学研究科 数学専攻
准教授 桒田 和正
TEL:03-5734-2204 / FAX: 03-5734-2738
Email: kuwada@math.titech.ac.jp

有機フッ素医農薬中間体の簡便な合成に成功 ―フォトレドックス触媒使い、室温で短工程の反応系を開発―

$
0
0

概要

東京工業大学資源化学研究所の小池隆司助教、穐田(あきた)宗隆教授、富田廉大学院生らは、医農薬品中間体として有用なトリフルオロメチルケトン類を、入手容易なアルケン類(1)から直接合成することに成功した。フォトレドックス触媒(2)と呼ばれる光触媒を用いて、アルケン類から直接合成できる新しい反応系を開発して実現した。

開発した反応系の特徴は、可視光(LEDランプ照射)で働く光触媒を用い、室温という温和な条件で実施可能な点である。トリフルオロメチル基をはじめとするフルオロアルキル基(3)は医薬品の化学・代謝安定性や結合選択性などに大きな影響を与え、薬物活性の向上をもたらすことが知られている。このため、新反応系は医農薬品開発の分野で今後、広く使われていくことが見込まれる。

研究成果は7月7日発行の権威あるドイツ化学会誌「アンゲバンテ・ヘミー国際版」に掲載され、同時に口絵にも選ばれた。

研究成果

小池助教、穐田教授らは、人工光合成分野で活発に研究されている光触媒作用を有機分子の変換反応に活用しようと考え研究を進めた。今回、光触媒作用を最大限活用し、市販の求電子的トリフルオロメチル化剤(4)ジメチルスルホキシド(5)(酸化剤)を反応溶媒として用い、入手容易なアルケン類から直接、医農薬品中間体として有用なトリフルオロメチルケトン類の合成に成功した(図1(a))。この反応は、室温、LEDを光源とした可視光照射、汎用有機溶媒であるジメチルスルホキシドを酸化剤に用いるというきわめて温和な条件で実施可能である。

従来、トリフルオロメチルケトン類は対応するケトン類の活性化を経て合成されるのが一般的だったが、今回の研究成果によりアルケン類を原料として一段階で合成できるようになった(図1(b))。この反応系を利用することで多様な有機フッ素医農薬品合成への応用が期待される。

図1(a)本研究成果: 光触媒によるアルケン類の酸化的トリフルオロメチル化 (b)従来法と本方法の比較

図1 (a) 本研究成果:光触媒によるアルケン類の酸化的トリフルオロメチル化 (b) 従来法と本方法の比較

背景と経緯

近年、含フッ素低分子医薬品が増えている。1991年から2011年の間に売り出された新薬の14%が含フッ素医薬品といわれている(6)。フッ素化合物の特異な性質は以下に要約される(7)

1.
全元素中最大の電気陰性度(8)を有し、結合している炭素および近傍の炭素の電子密度を下げ、分子の化学状態の変化や酵素による酸化の抑制をもたらす。
2.
水素原子に次ぐ小さな原子であり、水素をフッ素に置き換えても生体は立体的に識別できず取り込む。
3.
炭素―フッ素結合は、炭素―水素結合や、炭素―炭素結合に比べ非常に強固であり、化学・代謝安定性を有する。
4.
フッ素化合物は親油性を増し、生体内での吸収、輸送を促進する。このような性質から、様々な有機フッ素生物活性物質が開発されている。

それと同時に、いかに簡便に、工程数を少なくフッ素ユニットを分子骨格に導入するかが重要な課題となっている。

小池助教、穐田教授らは、光触媒作用を研究する一方で、こうした課題に取り組み、市販されている取り扱いしやすいTogni試薬とUmemoto試薬という求電子的トリフルオロメチル化剤を用いることでアルケン類のトリフルオロメチル化反応が効率よく進行することを見いだした。加えてこの方法は、様々な官能基(9)をもつアルケン類のトリフルオロメチル化を可能にした。

今後の展開

小池助教、穐田教授らの開発した反応の特徴は、炭素―炭素二重結合にトリフルオロメチル基を導入するだけでなく、同時に他の官能基(今回の反応ではカルボニル基)も導入できる。さらに大量スケールでの反応も可能である。今後はカルボニル基以外の官能基の導入も可能にし、簡便・短工程で有用な有機フッ素化合物の合成法の開発とその医農薬品としての利用をめざす。

用語説明

(1) アルケン

脂肪族不飽和炭化水素で、C=C結合1個をもつ化合物の一般名。例えば、アルケンをオゾン酸化することでケトンなどのカルボニル化合物(>C=Oをもつ有機化合物)が得られる。

(2) フォトレドックス触媒

下図に示すようなビピリジン配位子を有するルテニウム錯体誘導体やフェニルピリジンを有するイリジウム錯体誘導体など。可視光領域に吸収帯を有し、太陽光や蛍光灯、LEDランプなどを光源に一電子酸化還元反応を触媒することができる。
ビピリジン配位子を有するルテニウム錯体誘導体、フェニルピリジンを有するイリジウム錯体誘導体

(3) フルオロアルキル基

アルキル基の水素原子(H)をフッ素原子(F)に置換したもの。一つの水素原子をフッ素原子に置き換えるだけでもフッ素原子の特異な性質に起因して分子全体の性質が大きく変化する。

(4) 求電子的トリフルオロメチル化剤

電子豊富な求核試薬と反応するトリフルオロメチル化試薬。室温で固体、扱いやすいトリフルオロメチル化剤として下図の試薬が市販されている。代表的なものとしてAntonio Togni(アントニオ・トニ)教授によって開発されたTogni試薬と梅本照雄博士によって開発されたUmemoto試薬が知られている。
Togni試薬 Umemoto試薬

(5) ジメチルスルホキシド(CH3SOCH3, DMSO)

非プロトン性極性溶媒として、有機反応・有機合成に一般的に用いられる。また、分子に含まれる酸素原子を酸素源とした酸化反応(Swern(スワーン)酸化、Kornblum(コーンブルム)酸化など)が知られている。

(6) 「ファルマシア」2014年1月号「構造式から眺める含フッ素医薬」井上宗宜

(7) 「創薬化学--有機合成からのアプローチー」北泰行・平岡哲夫編

(8) 電気陰性度

化学結合している原子が、結合電子を自分の方に引きつける傾向の大小を示す相対尺度。結合原子間でこの差が大きいとイオン性が増える。

(9) 官能基

有機化合物に含まれる原子団で分子に特有の性質を付与するもの。例えば、水酸基(OH)やアミド(CONH)など。

論文情報

著者:
Ren Tomita, Yusuke Yasu, Takashi Koike, and Munetaka Akita
論文タイトル:
Combining Photoredox-Catalyzed Trifluoromethylation and Oxidation with DMSO: Facile Synthesis of α-Trifluoromethylated Ketones from Aromatic Alkenes
Combining Photoredox-Catalyzed Trifluoromethylation and Oxidation with DMSO: Facile Synthesis of α-Trifluoromethylated Ketones from Aromatic Alkenes
掲載誌:
Angewandte Chemie International Edition(ドイツ化学会誌国際版)
DOI:

研究支援

内藤記念科学振興財団奨励金・研究助成

問い合わせ先

資源化学研究所
助教 小池隆司
TEL: 045-924-5229 FAX: 045-924-5230
Email: koike.t.ad@m.titech.ac.jp

「第21回大岡山蔵前ゼミ 文系と理系の交差点に立つ」開催報告

$
0
0
富士ゼロックスシステムサービス(株)代表取締役社長 勝丸泰志氏

富士ゼロックスシステムサービス(株)
代表取締役社長 勝丸泰志氏

大岡山蔵前ゼミは、東工大の全学同窓会である蔵前工業会の東京支部が主催する卒業生と学生の交流の場です。日本社会や経済をリードしている先輩を講師に迎え、これから社会に出る大学生・大学院生に、講演会・懇親会をとおして、様々な情報提供、意見交換を行っています。

7月8日、大岡山蔵前会館くらまえホールにて、「第21回大岡山蔵前ゼミ」が開催され、学生約50名、社会人38名、計88名が参加しました。今回は「文系と理系の交差点に立つ」と題して、富士ゼロックスシステムサービス(株)代表取締役社長 勝丸泰志氏よりお話を伺い、技術者として入社しプリンターの開発など技術畑を歩まれた後に、営業・経営に関わってきた経験から、東工大の現役学生に対する熱いメッセージをいただきました。親会社である富士ゼロックス(株)では200名を超える東工大卒業生が活躍していて、同社の技術力の基幹を支えているとのことです。世の中の多くの問題には答えの無い場合が多く、その答えにチャレンジするためには文化系の素養が必要である事を、特に理系の学生に対して力説されました。

第21回大岡山蔵前ゼミ 講演会での様子

講演会での様子

「知性とは答えの無いものを考える力」であるにも関わらず、高学歴であっても知性の欠落している若者が増えているのではないかとの講演は、東工大に対しても大きな問いかけとなりました。知識を得ることに多くの時間を費やしている学生にとって、知識の使い方を知らなければいけないとのメッセージは貴重なものでした。

講演に引き続き多くの質疑があり、学生にとって大変興味深い内容であったことが伺われました。講演会に引き続き、学生と先輩の懇親会がロイアルブルーホールにて開催され、賑やかな交流が行われました。

第21回大岡山蔵前ゼミ 懇親会の様子

懇親会の様子

お問い合わせ先
蔵前工業会東京支部事務局
Tel: 03-3748-4447
Email: kuramae-tokyo@deluxe.ocn.ne.jp

ワークショップ「Sharing Asia:アジアの環境問題とその解決」開催報告

$
0
0

7月14日、大岡山キャンパスにて「Sharing Asia:アジアの環境問題とその解決」が開催されました。このイベントは、文部科学省「大学の世界展開力強化事業」であるキャンパス・アジアプログラム 第3回サマープログラムの一環として開催された、TKT CAMPUS Asia Consortium2014グローバル・ワークショップです。

キャンパス・アジアプログラム | 国際交流TOPICS | 国際交流

サマープログラムに参加中の留学生、東工大生、教職員、本学卒業生、そして学外からの一般聴衆を含む、約200名の参加がありました。特別講師として、本学リベラルアーツセンター・池上彰教授、同パトリック・ハーラン講師を迎え、日本語と英語で討論が行われました。

池上教授、パックン講師とともに、中国・清華大学、KAIST(韓国科学技術院)、香港科技大学、シンガポール・南洋理工大学からの留学生が1名ずつと、東工大生2名、計6名の学生がパネリストとして登壇しました。東工大生の2名は今夏、キャンパス・アジアプログラムにより清華大学とKAISTに留学予定の学生です。

学生とのディスカッション学生とのディスカッション

まず、登壇した学生それぞれが、「アジアの環境問題とその解決」というテーマに基づいて発表を行いました。PM2.5問題に始まり、黄砂、二酸化炭素貯留(CCS)、3Dプリンターを利用したリサイクル、森林破壊や水不足対策、バイオマス・エネルギーの利用と、各自の研究分野に関連するテーマが挙げられました。池上教授、パックン講師とのディスカッションでは、環境はすべての研究に関係する課題であり、それぞれの立場で環境の意識を高めていくことが大切であることが強調されました。

コメントする池上先生、パトリック先生コメントする池上先生、パトリック先生

その後、会場に座っている6名の留学生から質問がありました。中でも「これらの環境問題に対して、自分たちのようなエンジニアがこれからできることは何か?」という問いかけには、池上教授、パックン講師から「いい質問ですね!(Good Question!)」と声がかけられました。つづいて、環境問題のような技術的な課題には、技術の専門家が政策決定の場に入るべきである、というコメントがありました。

質疑応答の後、パネリストの学生達から、環境問題に関して自分たちが今できることとして、エコがかっこいいという風潮を作る、多少の不便さを我慢する犠牲的精神も必要、技術同士で競争してより良い技術を創ることが大切である、という発言がありました。最後に両先生は、「若者よ、(選挙で)投票しよう!」としめくくり、盛況のうちに会は幕を閉じました。

お問い合わせ先
国際部留学生交流課事業推進グループ
Tel: 03-5734-2984
Email: campusasia@jim.titech.ac.jp

広く使用されている圧電体の圧電基礎特性の測定に成功 ―60年間の問題に決着、新規非鉛圧電体開発に道―

$
0
0

概要

東京工業大学大学院総合理工学研究科 舟窪浩 教授、物質・材料研究機構(NIMS)中核機能部門 坂田修身 高輝度放射光ステーション長、名古屋大学大学院工学研究科 山田智明准教授(科学技術振興機構 さきがけ研究者)らの研究グループは、最も広く使われている圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛について単結晶膜を作製し、電気的エネルギーと機械的エネルギーの変換係数を直接測ることに成功しました。

圧電体(1)は、電気信号により構造が変化する性質を活かして、ガスコンロの着火器や加湿器のミストの作製、さらにはインクジェットプリンタや3次元プリンタで使用されるマイクロデバイス(Micro Electro Mechanical Systems、MEMS (2))等の動力源として利用されています。実用化されているチタン酸ジルコン酸鉛は、電気信号によって結晶構造や微構造が複雑に変形するため、これまで60年間も使用されているにも関わらず電気的エネルギーと機械的エネルギーの変換係数という圧電体で最も基本的な特性は明らかになっていませんでした。

本研究グループでは、世界で初めて作製に成功したチタン酸ジルコン酸鉛の単結晶膜を用いて、大型放射光施設 SPring-8(3)の高輝度放射光で高速に電気信号を加えた時の結晶格子の伸びを、直接観察しました。その結果、1億分の2秒(20 ナノ秒(4))以下という極めて短時間の結晶格子の歪みを観測する事に成功し、電気的エネルギーと機械的エネルギーの変換係数を初めて測定することに成功しました。

今回の成果は、応用物理の分野において影響の大きい科学学術誌「Applied Physics Letters」のオンライン版に7月9日付で掲載されました。

研究の背景

結晶が外力に応じて誘電分極を生じる効果を圧電効果といいます。また結晶に電圧を加えることで結晶が歪む効果を逆圧電効果といいます。このような現象を示す物質を圧電体という。応用の観点から言い換えると、電気的エネルギーを機械的エネルギーに、逆に機械的エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換物質とも言えます。ライターの着火石(機械的エネルギーの電気エネルギーへの変換)からプリンタのインクジェットヘッドや自動車のエンジンへの燃料の噴射ノズル(電気エネルギーを機械的変位に変換)、さらにはデジタルカメラの手ぶれ防止機構(機械的エネルギーの電気エネルギーへの変換)まで我々の暮らしの中で広く使用されています。最近では、自動車のエンジンや高速道路の車の走行による振動でも発電でき、振動を検出する機能と組み合わせて、安全安心を支えるバッテリー不要のインフラモニターシステムとして、注目を集めています。

大きな圧電性を示す物質としては、約 60 年前に発見されたチタン酸ジルコン酸鉛が広く使用されています。その大きな圧電性は、電圧を加えた時の結晶自身の伸びと、ドメインと呼ばれる微小領域の結晶の向きの変化、という2つのメカニズムの組み合わせで実現されていることがこれまでの研究で分かっていました。しかし、発見から 60 年たった今でも、この2つのメカニズムを区別して理解することが出来ませんでした。最大の原因はドメインの効果を完全に排除したチタン酸ジルコン酸鉛の単結晶がほとんど作製できていなっかったからです。

研究手法・成果

我々は最も広く使われているチタン酸ジルコン酸鉛 Pb(Zr1-xTix)O3を、蛍石という特殊な結晶の上に合成することで、膜状の単結晶の作製に成功しました。この試料を用いて、大型放射光施設 SPring-8 表面界面構造解析ビームライン BL13XU の数マイクロメータに集光した高輝度単色パルス X 線を、単結晶膜上に形成した電極に照射し、200 ナノ秒幅のパルス電圧を印加している間の回折プロファイルを電荷量の変化とともに高速記録しました(図1)。電圧を加えた時間のみ、電荷量および回折プロファイルの変化が観察され、電圧に対する電気特性および結晶の伸びを直接観察することに世界で初めて成功しました。(図2)。結晶の伸び量と電気分極量の2乗の変化の間に直線関係が得られ、その傾きから、世界で初めて変換係数を実験的に測定することに成功しました。(図3)

電界を加えた時の結晶の伸びと電気特性を直接測定できる測定システム

図1 電界を加えた時の結晶の伸びと電気特性を直接測定できる測定システム(数マイクロメータに集光した高輝度 X 線を電極上に集光し、電圧印加しながら回折X線強度と電荷量の変化を 20 ナノ秒の時間分解で同時に測定できるシステムを構築し、それを用いました。今回の測定では、200 ナノ秒幅のパルス電圧を印加しているときの回折プロファイルと電荷量の変化とを、加える電圧を固定し高速記録しました。そのパルス電圧値は順次変えました。)

試料に電圧を印加した時の、電荷量の変化と結晶の回折角度の時間依存性。結晶の回折角度の変化は結晶の伸びを反映しており、低い値程、大きく伸びていることを示しています。加える電圧が大きくなると、電荷量および結晶の変化が大きくなっていることがわかります。

図2 (a)試料に電圧を印加した時の、(a)電荷量の変化と(b) 結晶の回折角度の時間依存性。結晶の回折角度の変化は結晶の伸びを反映しており、低い値程、大きく伸びていることを示しています。加える電圧が大きくなると、電荷量および結晶の変化が大きくなっていることがわかります。

結晶の伸び量と電気分極量の2乗の変化の関係。傾きから世界で初めて変換係数を明らかにすることに成功しました。

図3 結晶の伸び量と電気分極量の2乗の変化の関係。傾きから世界で初めて変換係数を明らかにすることに成功しました。

期待される波及効果

今回の成果は、以下に述べる波及効果が期待できます。

a)

60年を経て初めて明らかにされたチタン酸ジルコン酸鉛の圧電特性

現在最も広く使用されているチタン酸ジルコン酸鉛は約 60 年前にその優れた圧電応答性が見いだされ、それ以降現在まで広く使用されている。しかし、その大きな圧電応答は、電気信号によって結晶構造や微構造が複雑に変化することで起こるため、物質本来の基本特性は不明であり、圧電体を用いた機器の設計は経験的に得られた値を用いていた。今回の研究で、チタン酸ジルコン酸鉛の本来の特性が発見から 60年後に初めて明らかになりました。

b)

圧電体の性能向上への貢献

本研究で、チタン酸ジルコン酸鉛の本質的な圧電性が明らかになったことで、圧電体の設計が飛躍的に進み、圧電体の性能向上が期待できます。こうした圧電体の性能向上は、3次元プリンタ技術の飛躍的向、上自動車用エンジン用フュエル・インジェクタ(燃料噴射装置)の高効率化、さらには、発電所等や自動車のエンジン等の高効率運転が可能になる等の大きな波及効果が期待できます。

c)

非鉛圧電体開発の加速による環境問題への貢献

i)
チタン酸ジルコン酸鉛は毒性元素の鉛を重さで 50%以上含有しており、環境への配慮から非鉛圧電体の開発が強く求められています。
ii)
今回の成果により、非鉛圧電体開発のお手本であるチタン酸ジルコン酸鉛の圧電特性が明らかになったことで、目標とすべき値がはっきりし、現在盛んに開発されている新規な非鉛圧電体材料の開発が加速されると期待できます。
d)

高速応答デバイスの時間分解測定による材料評価の実現と製品開発へ貢献

  • 圧電体の評価には、電圧を加えたときの結晶の変形と微構造の変化、という2つの異なる圧電応答を区別して測定することが不可欠ですが、今回の成果で電圧を加えたときの圧電応答について、時間を追って観察可能になり、両者が区別できるようになりました。
  • JR 東日本の鉄道 IC カード「Suica (スイカ)」等に用いられている強誘電体メモリ(圧電体の一種)の評価にも適用できます。強誘電体メモリに電場を印加する、つまり駅の自動改札口に Suica 等をかざす、とメモリ内のプラスとマイナスが反転して情報を書き換えることができるので、広く利用されています。この IC カードに医療カルテ等のより多くの情報を入れて携帯できるようにするための性能向上に貢献できます。
  • さらに圧電体以外にも、外部刺激によって、結晶構造や微構造の変化が起きる相変化メモリ等の時間分解測定にも有効であると期待できます。

特記事項

本研究は、日本学術振興会の科学研究費、JST 戦略的創造研究推進事業さきがけ「ナノシステムと機能創発」(長田義仁研究総括)、最先端研究開発支援プログラム、マイクロシステム融合研究の再委託事業の一環として行われました。

用語説明

(1) 圧電体薄膜

ある結晶が外力による圧力に応じて誘電分極を生じる効果を圧電効果といいます。また電場を結晶に加えることで結晶が歪む効果を逆圧電効果といいます。このような現象を示す結晶を圧電体といい、その薄膜になっているものが圧電体薄膜です。

(2) MEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)

MEMSは、機械要素部品、センサー、アクチュエータ、電子回路を一つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料などの上に集積化したデバイスのことです。

(3) 大型放射光施設 SPring-8

独立行政法人理化学研究所が所有する、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高の放射光を生み出す施設で、その運転管理と利用者支援は JASRI が行っています。SPring-8の名前は Super Photon ring-8 GeV に由来します。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、電磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。SPring-8 では、この放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われています。SPring-8 は日本の先端科学・技術を支える高度先端科学施設として、日本国内外の大学・研究所・企業から年間延べ1万4千人以上の研究者に利用されています。

(4) ナノ秒

10億分の1秒です。

論文情報

題名:
Direct Observation of Intrinsic Piezoelectricity of Pb(Zr,Ti)O3 by Time-Resolved X-ray Diffraction Measurement Using Single-Crystalline Films
(日本語訳):
時間分解 X 線回折測定による、単結晶膜を用いた、チタン酸ジルコン酸鉛の圧電性の直接測定
著者:
Takashi Fujisawa, Yoshitaka Ehara, Shintaro Yasui, Takafumi Kamo, Tomoaki Yamada, Osami Sakata and Hiroshi Funakubo
ジャーナル名:
Applied Physics Letters
掲載日:
2014年7月9日
DOI:

お問い合わせ先

大学院総合理工学研究科 物質科学創造専攻
教授 舟窪 浩
TEL&Fax: 045-924-5446
Email: funakubo@iem.titech.ac.jp

金属工学創成プロジェクト、フレームカーレース 開催報告

$
0
0

7月15日(火)、大岡山キャンパス本館前ウッドデッキにて今年も恒例の「フレームカー耐久レース」が開催されました。
このレースは金属工学科3年の講義「金属工学創成プロジェクト」の一環として開催されているイベントです。

フレームカーはアルミパイプを加工したフレームに鉛蓄電池を搭載し、モーターで自走する車です。
このフレームカーで、ウッドデッキに設置したコース1周のタイムを競うタイムトライアルと30分間にコースを何周出来るかを競う耐久レースの2部門のレースが行われました。

金属工学創成プロジェクト、フレームカーレース

金属工学創成プロジェクト、フレームカーレース

各チーム、個性的な形のフレームカーには学生の技術と工夫が詰まっています。
なお、今回出走したフレームカーの一部は10月の工大祭で来場者も試乗できる予定です。

金属工学創成プロジェクト、フレームカーレース

金属工学創成プロジェクト、フレームカーレース

金属工学創成プロジェクト、フレームカーレース

金属工学創成プロジェクト、フレームカーレース

タイプの異なる4種類のフレームカーが競い合いました


8月の学内イベント情報

$
0
0

2014年 8月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

8月の学内イベント情報

プノンペン市初の3次元地質情報データベースを開発 -地質・地盤情報の全体像可視化によりインフラ整備に威力-

$
0
0

要点

  • 3次元地質学モデルを提示
  • 1,200カ所以上のボーリングデータを使用
  • プノンペン市初の地質・地盤情報データベースが完成

概要

 東京工業大学学術国際情報センターのピパットポンサー・ティラポン准教授らはタイ国チュラロンコン大学工学部と共同で、カンボジアの首都プノンペン市で初めての3次元統合化地質・地盤情報データベースを開発した。
1,200カ所以上のボーリングなどによるデータを活用して作成したもので、同市のインフラ開発に威力を発揮すると期待される。
この研究成果は応用地質学術雑誌「エンジニアリング・ジオロジー(Engineering Geology)」8月号に掲載される。

研究成果

地盤工学・地質学分野において、地下の地質構造区分を把握することは重要な意義を持つ。最近では、カンボジアの首都プノンペン市のインフラ開発に向けて、地盤調査の数が増加している。ボーリングによる地層構成や土の性質などの調査は多数行われているが、得られた地質データに基づいたプノンペン市の3次元地質構造モデル(用語1)の構築は、実施されていなかった。
そこで、東工大のティラポン准教授らは、地下水モデル化システムGMS(用語2)のソフトウェアを用いて、1,200カ所以上から収集した既存のボーリングデータによるプノンペン市の地質・地盤情報データベースの作成に取り組んだ。その結果、GMS上で集積したデータによって3次元的に地下構造を可視化することに成功した。これにより、同市における地質情報の全体像を視覚的に捉えることが可能になり、地盤の工学的特徴に関する理解が深まった。
この研究成果は、同市初の3次元統合化地質・地盤情報データベースの構築のみならず、より正確な地盤形成に関する地質学的解釈の根拠を与え、いくつかの土のせん断強度に関する新たな経験的相関の提案にも結びついている。

研究の経緯

東工大学術国際情報センターは2007年にチュラロンコン大学工学部との部局間国際交流協定を結んだ。今回の成果は交流協定に基づいた情報技術を利用する共同研究成果の一つである。

今後の展開

カンボジアの首都プノンペン市のインフラ開発に向けて、開発した3次元統合化地質・地盤情報データベースを活用することで、現地社会に貢献することが期待される。

図1: (a) プノンペン市の3次元地質構造モデル (b) 複数断面およびボーリングによる地層構造
図1: (a) プノンペン市の3次元地質構造モデル (b) 複数断面およびボーリングによる地層構造

用語説明

(用語1) 地質構造モデル:
地層の形成を3次元的に表現するモデル

(用語2) GMS:
米国Aquaveo社によって開発された浸透流解析の専門的なソフトウェア

論文情報

著者:
Samphors Touch, Suched Likitlersuang, and Thirapong Pipatpongsa
論文タイトル:
3D geological modelling and geotechnical characteristics of Phnom Penh subsoils in Cambodia
雑誌名:
Engineering Geology, 178, 58-69 (2014)
DOI:

問い合わせ先
東京工業大学 学術国際情報センター
准教授 ピパットポンサー・ティラポン
Tel 03-5734-2121 FAX 03-5734-3276
E-mail pthira@gsic.titech.ac.jp

「理数学生応援プロジェクト」採択24大学の取組が冊子になりました

$
0
0

理数分野に強い学習意欲を持つ学生の意欲・能力をさらに伸ばすことに重点を置いた「理数学生応援プロジェクト」事業を文科省の支援より平成19年度から24大学が実施してきました。東京工業大学は同プロジェクトに平成19年度に採択され、平成22年度まで4年間実施しました。事業期間終了後も大学が主体となり、「理工系学生能力発見・開発プロジェクト」として、毎年30名程度の学部生を選抜し、継続実施しています。

このたび、同プロジェクト採択24大学の取組が1冊の報告書にまとめられました。本学のみならず、他大学の取り組みも紹介されています。

東京工業大学の取り組み
〜 理工系学生デビューしませんか? 〜

プログラムの紹介

理工系学生能力発見・開発プロジェクトは本学が全面的に費用を負担して実施している全学部生対象のプロジェクトです。 前身である文部科学省の「理数学生応援プロジェクト」(平成 19 年度採択)の事業内容が平成 22 年度に終了した後に、それらを引き継いで本学が主体となり「理工系学生能力発見・開発プロジェクト」として継続しています。

本プロジェクトでは、「創造性の育成、国際的リーダーの育成」を目的に、 本学で既に実施している高大連携特別選抜等の学生を含む多様な学生を毎年 30 名ほど選抜し、能力発見および能力開発のプログラムを実施しています。最終的には、本学の教育システム全体の改良につなげる予定です。

具体的には、1、2 年生(能力発見段階)では、本学が斡旋している国際集会への派遣(AEARU; 東アジア研究型大学協会のサマーキャンプやロンドン国際青少年科学フォーラムなど)、本学のカリキュラムに含まれる創造性プログラムへの参加支援、特別講義・シンポジウムの企画などを中心に実施し、3、4 年生(能力開発段階)では、学会参加(主に国内開催の学会)、インターンシップへの派遣、早期研究室所属を実施し、理工系分野の学力はもちろんのこと、それだけに留まらない学生の多様な能力を開発しています。

附属図書館(大岡山キャンパス)

附属図書館(大岡山キャンパス)

本館(大岡山キャンパス)

本館(大岡山キャンパス)

STUDENT VOICE

村山 真道 工学部 電気電子工学科3年

村山真道 工学部 電気電子工学科3年

本プロジェクトでは、参加学生が自ら立案しシンポジウム・特別講義を開催しています。企画段階では講演者やパネリストの方に直接お会いして出演交渉をしたり、当日の打ち合わせを行ったり,開催内容を学内外に広報を行うなど、普段の学生生活では得られない体験ができます。この他にも、春休みなどを利用して学会を聴講しています。参加する学会については先生方からもアドバイスをいただきますが、学生が自ら見学内容など行動計画を立てます。学部1年生から学会の様子を知ることができることは非常に有意義だと思います。

参加学生のメリット

スーパーコンピュータ TSUBAME

本プロジェクトの最大の特徴は学生の自主性を尊重した取組を行っていることです。プロジェクトの活動を通して参加学生は、普段の大学の授業だけでは身に付けるのが難しい企画力やリーダーシップといった、社会において求められる能力を幅広く発見・開発することを目指します。例えば、シンポジウムの出演交渉の際に相手から断られてしまう等うまくいかないこともありますが、参加学生にとってそうした経験を積むのも成長の一環であり、チャレンジ精神を高める機会となります。また、学部生時に自分の関心に応じて様々な学会を見学したり、早期研究室配属(体験所属)をしたりすることによって、国際性を磨き、大学院での研究への意欲を高めることができます。

学会参加に要する旅費や、シンポジウムの広報費用は、基本的に大学のプロジェクト専用の予算から支出可能です。また、普段の活動にあたり東工大が世界に誇るスーパーコンピュータ TSUBAME(写真)等の学内の設備を使用できます。

参加学生の在学中の実績等

シンポジウム・特別講義の企画にあたり、参加学生は多くの専門家に対して直接出演交渉を行ってきました。これまでに有馬朗人氏(元文部大臣)、茂木健一郎氏(脳科学者)、宮田亮平氏(東京藝術大学学長)、川口淳一郎氏(JAXA はやぶさプロジェクトマネージャー)をはじめとする著名人を招待し、開催当日には多くの聴衆に参加していただきました。参加学生のこうした自主的な活動に対し、学長はじめ大学当局は高い評価を与えており、特にリーダー的な役割を果たした数名の学生は東工大学生リーダーシップ賞を受賞しています。また、国際集会や学会に参加した学生は、その後積極的な学習姿勢を身に付け、大学院進学後、早くも修士課程の段階から国際学会で報告を行っている事例が多く聞かれます。

OG/OB からのメッセージ

専門分野外の学会にも参加したことで得た広い視野や世界の第一線で活躍されている講師の方々がまとう空気感、今後もずっと刺激しあえる志の高い仲間など、このプロジェクトを通して出会った全てのことが今の自分を大きく形作っています。入学から間もなかったあの日、思い切って応募して本当に良かったです。
(大学院社会理工学研究科社会工学専攻修士課程修了・大橋友佳)

このプロジェクトでは、海外訪問・シンポジウムの企画・講演会の企画などの経験をすることができ、その中で自発的に行動することにより、様々なスキルが自然に磨かれました。本プロジェクトを通じて会得した、専門外・海外への幅広い視野と、行動力・交渉力・リーダーシップなどの机上の学習では得られない実践的なスキルは、私にとっての一生の財産です。
(大学院総合理工学研究科創造エネルギー専攻修士課程修了・宮武裕和)

プログラムへの参加条件(入試の種類)

プロジェクトへの参加資格のため特別な入試を課すことはありません。毎年4月に新入生を主な対象とし参加学生の募集を実施しています。その際にプロジェクトに参加する目的や活動への意欲を書かせ、その内容を判断して参加学生の選抜を行っています。

プログラムへの問い合わせ

理工系学生能力発見・開発プロジェクト担当:
齋藤宏文 03-5734-3230 (教育工学開発センター内)

入試一般について

入試課 03-5734-3990

SSH指定校の高校生がすずかけ台キャンパスを訪問

$
0
0

7月16日、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校である埼玉県立松山高等学校の2年生42名および教員3名が、本学すずかけ台キャンパスを訪問し、講義の聴講および研究室の見学を行いました。松山高等学校は、埼玉県東松山市にあり、創立90年を越える県立の高等学校(男子校)です。今回、SSHの教育活動の一環として、松山高等学校の清水千津子先生から訪問の依頼があり、講義および見学会を開催することになりました。清水先生は、資源化学研究所 吉沢道人准教授の高校時代の恩師、清水則尚先生の奥様でもあります。

当日、大型バスで予定の約30分前に到着した高校生らは、講義会場のフロンティア研究機構の配慮で、館内の付属博物館への入場が可能となり、シーラカンスなどの見学で時間調整が出来ました。講義の部では、本学の学部および大学院の紹介の後、吉沢准教授の研究成果を中心に、「超分子化学:新しい分子フラスコを作る!」と題する講義を行いました。講義時間は、大学院の講義と同じ90分(45分×2回)として、その中で多くの質疑応答や分子模型を使ったカプセルの作製を行いました。自ら手を挙げて積極的に講義に参加する高校生が数多くいました。

講義中の様子

講義中の様子

講義の主題である「分子フラスコ」は、特別なものと思われがちですが、その代表例であるシクロデキストリン(糖の環状化合物)は、身の回りの飲料や食品に含まれています。また、ミセル(石鹸や洗剤からできる球状の集合体)は、日常生活で必要不可欠な分子フラスコです。吉沢准教授は、前例のない分子フラスコの作製を数年前から始め、約1 nmサイズのカプセル型の分子フラスコを開発することに成功しています[1,2,3]。本講義では、これまでの分子フラスコの紹介と、新しい分子フラスコの設計から合成、そして、その機能(フラーレンC60の選択的内包や蛍光性など)を、専門用語を出来るだけ使わずに説明しました。その努力もあり、講義後のアンケートでは、理解できたとの意見が多くありました。

講義後、高校生らは大学院生に混じってキャンパス内の食堂で昼食をとり、その後の自由時間に生協や図書館、博物館を見て回りました。見学会の部では、資源化学研究所の彌田・長井研究室、藤井・酒井研究室、そして吉沢准教授が所属する穐田・吉沢研究室という、研究分野の異なる3つの研究室(材料・分析・合成)を、4班に分かれて見学しました。測定中の最新の分析機器(電子顕微鏡やレーザー発生装置など)や合成反応中のガラスフラスコを目の前に見ながらそれぞれの説明を受け、高校生らは感動していました。合成の実験室では、穐田・吉沢研究室の学生が丁寧に説明しました。

今回、40人を越える高校生の訪問で、特に研究室の見学に関して心配されましたが、事前の安全確認(見学ルートの調整、実験メガネの用意など)により、全ての予定をトラブルなく終了することが出来ました。また、研究室見学が予想以上に、高校生らの印象に残ったことがアンケートから分かりました。

講義と見学会後の集合写真

講義と見学会後の集合写真

お問い合わせ先
資源化学研究所 准教授 吉沢道人
Email: yoshizawa.m.ac@m.titech.ac.jp

夏季一斉休業(8/11-12)

$
0
0

本学では、省エネルギー推進のための夏季一斉休業を、下記の日程で実施いたします。

実施期間
2014年8月11日(月)~12日(火)

夏季一斉休業

事務職員独自採用試験 公募開始

$
0
0

東京工業大学では、多様な経験を有する人材を確保することにより、組織の活性化及び教育研究支援体制の充実・強化を図ることを目的として、主に社会人経験者(就業経験のある者)を常勤事務職員として採用するための試験を実施いたします。

採用メッセージ

saiyou1
saiyou2

 現在、環境やエネルギー問題など地球規模の大きな問題が生じていますが、このような困難な課題を打ち破るには、科学や技術の力が不可欠であり、大学に対する期待が高まっています。このような中、本学では、これまでの長い歴史と輝かしい実績の上に立ちつつ、さらに、新しい時代の世界最高の理工系総合大学となることを目指して、現在、様々な改革に精力的に取り組んでいます。
 教員と職員では役割が違いますが、本学では、以前から、教員と職員が一緒になって取り組む「教職協働」の体制を作ってきました。事務局には研究支援や国際、学生支援、総務、財務など様々な部署があり、皆さんも様々な形で大学の発展に携わっていくことができます。もちろん、各種職員研修に加え、他機関との人事交流も盛んに行っており、多様な経験が可能ですし、皆さんの力を存分に発揮していただけるよう事務局パワーアップの取組も進めています。
 まさに世界が大きく変わろうとしている今、私たちと一緒に「世界のTokyoTech」を目指して、ともに頑張ってみませんか。

東工大はこんな人財を求めています

saiyou

  • 大学運営のプロになれる人
    近年、国立大学では職員の担う役割が拡がり、学生対応や事務的な業務に加え、大学陰影に関する企画・立案の場でも活躍する機会が増えてきています。自分の領分を限定せずに、東工大職員としてのプロフェッショナリズムを持って、どのような仕事にも真剣に取り組む人財を求めています。
  • 「成長・変革」できる人
    東工大には、実務を通じてはもちろんのこと、様々な研修やプロジェクトなど、自分を磨くことのできる環境が整っています。その中で自身のキャリアマップを描き、高い志と学ぶ意欲を持って、自ら成長・変革していけるエネルギッシュな人財を求めます。
  • 「協働」出来る人
    大学は、学生を中心として教員をはじめ、様々な役割を持つスタッフによって構成されている組織です。その中で互いに理解・協力しながら良好な関係を築き、本学の発展に向けて「協働」できる人財を求めます。

公募案内

※必ず確認してからご応募ください。

応募書類

※履歴書はA4用紙1枚(両面印刷)で印刷してください。指定の履歴書以外での応募はご遠慮ください。

お問い合わせ先
総務部人事課人事企画グループ
Tel: 03-5734-7620・2048
Email: jin.kik@jim.titech.ac.jp

附属図書館すずかけ台分館リニューアル

$
0
0

すずかけ台キャンパスにある附属図書館すずかけ台分館(以下、すずかけ台図書館)1階の全面改修が完了し、7月4日にリニューアルオープンしました。2階にあったペリパトス文庫を1階の入館ゲートから入ってすぐの場所に移動し、カーペットを敷いて新たに椅子や机を用意しました。カウンタースペースを縮小し、ゆとりのあるくつろげる空間に生まれ変わっています。

また、より多くの方に広く読書に親しんでいただくため、 7月4日よりすずかけ台図書館内にあるペリパトス文庫の運用が変わりました。蔵書検索(OPAC)outer から検索できるようになりました。貸出中の場合、返却予定日や予約人数も表示されます。学外の方は直接すずかけ台図書館に来館してご利用ください。図書館利用証をお持ちの場合、2冊2週間借りることができます。

  • すずかけ台図書館1
  • すずかけ台図書館2
  • すずかけ台図書館3

ペリパトス文庫とは

ペリパトス文庫は2007年3月、理工学系以外の分野について知識や教養を深め、研究・学習活動の合間に憩える空間のひとつとして、すずかけ台図書館内にオープンしました。小説、新書、ガイドブック等の新刊書を中心とした図書5,100冊余りを備えており、本年度もすずかけ台5部局から拠出された経費をもとに、新しい図書を購入しています。

ペリパトス文庫の名前の由来

「ペリパトス文庫」という名前は、すずかけ台キャンパスの将来計画の名称「ペリパトスの研杜(けんと)21」からとって名づけられました。「ペリパトス」Peripatos (英語では "Peripatetic" ) とは、ギリシア語で散策路,遊歩道を意味しています。
アリストテレスが開いた学園には、散策路(ペリパトス)が張り巡らされ、そこを歩き回りながら講義したというアリストテレスの弟子たちは「ペリパトス学派」と呼ばれました。日本では、これを逍遥(しょうよう)学派と訳すこともあります。すずかけ台キャンパスは、開設50年を迎える2025年までの道筋を示すキャンパス計画の名称を、『すずかけ「ペリパトスの研杜21」将来計画』としています。

ペリパトス文庫

お問い合わせ先
東京工業大学附属図書館すずかけ台分館
Askサービスouter


東京工業大学 オープンキャンパス2014 ―生中継のお知らせ―

$
0
0

東京工業大学オープンキャンパスがいよいよ明日(8月8日)、大岡山キャンパスにて開催されます。

当日、大岡山キャンパスへお越しになれない方は、ぜひニコニコ生放送をご覧ください。 現役学生によるガイドで図書館や本館などキャンパスツアーや研究室見学を体験できます。また、東工大の教育や入試についてもお話しいたします。

生放送は2014年8月8日(金)11:50から開始予定です。 なお、ニコニコ生放送を視聴するためにはユーザー登録が必要ですのでご注意ください。

OPEN CAMPUS 2014

お問い合わせ先

広報センター
Tel: 03-5734-2975
Email: pr@jim.titech.ac.jp

第20回スーパーコンピューティングコンテスト 高校生・高専生の熱き知的な戦い「夏の電脳甲子園」開催

$
0
0
昨年度開催風景

昨年度開催風景

スーパーコンピューティングコンテスト(以下、スーパーコン)は、スパコン上で行う高校生・高専生対象のプログラミングコンテストです。
予選を通過した高校生・高専生の21チームがスパコンを使い、4日間をかけて難題を解くプログラムを作成し、その性能を競います。
1995年より毎年夏に行われ、『夏の電脳甲子園』という名で、プログラミングが大好きな若者を惹きつけてきました。このコンテストからは、毎年、様々なドラマが生まれています。また、情報オリンピック等で活躍する生徒たちも出てきます。
例年、東京会場(東工大)と大阪会場(阪大)の2会場で本選を行っていますが、今年は20回記念大会として全21チームが東工大に集結し、熱き知的な戦いを繰り広げます。

  • 東工大の超並列スーパーコンピューター「TSUBAME2.5」を使用
  • 予選を通過した強豪21チームが東工大に集結、本選(8月18日~22日)に挑む
  • 成果発表会・表彰式を8月22日に開催

最終日の成果発表会・表彰式では、その奮闘の様子を紹介いたします。
成果発表会・表彰式にお越しいただき、若者たちの熱い戦いをご覧ください。

第20回 スーパーコンピューティングコンテスト 本選

開催場所
開催期間
2014年8月18日(月)~ 22日(金)

第20回 スーパーコンピューティングコンテスト 成果発表会・表彰式

日時
2014年8月22日(金)10:00 ~ 13:00
場所
東京工業大学蔵前会館1階 くらまえホール
東京都目黒区大岡山2丁目12-1(東急大井町線・目黒線 大岡山駅 徒歩1分)

スーパーコンに関する問い合わせ先

スーパーコン14実施委員会
(東京工業大学学術国際情報センター)
E-mail: sc14query@gsic.titech.ac.jp

取材に関する問い合わせ先

東京工業大学広報センター
TEL: 03-5734-2975
FAX: 03-5734-3661
E-mail: media@jim.titech.ac.jp

超音波放射力による非接触浮揚プレートの試作

$
0
0

概要

 東京工業大学精密工学研究所の中村健太郎教授らは、超音波振動を利用して平らな床の上に浮上する移動プレートを開発した。200 mm四方程度の面積で数kgf(重量キログラム)の荷重を搭載した場合、移動のための力が大幅に削減できる。

研究の背景

 工場内などで部品の移動パレットなどをなるべく少ない力で搬送する方式が望まれている。こうした要望に応えるため、超音波振動による音響放射力(用語1)を利用して、振動板を床の上にわずかに浮上させる方式を開発した。中村教授らはこれまでに、振動板上に液晶ディスプレイ用ガラスパネルを浮揚させる技術の開発を行ってきた。今回はこれとは逆に、平面床上に振動板を浮かす機構を考案した。

研究成果

  •  約80 mm角のアルミニウム板に圧電素子を接着した「たわみ振動板」4枚を1つの板に組み込み200 mm角程度の浮揚ユニットとした。
  • このユニット1つで数kgf(用語2)の荷重に耐え、少ない力で搬送できる。
  • ユニット数を増やすことで大面積の搬送装置を実現できる。

今後の展開

  • 100 kgf程度の大型搬送装置の実現をめざす。
  • 装置に搭載できる小型電源装置を開発する。

超音波浮揚による搬送プレート

超音波浮揚による搬送プレート

用語説明

(用語1) 音響放射力
超音波がものにあたったときに、超音波の進行方向にものを押す力。

(用語2) kgf
重量キログラム。1重量kgは1 kgの質量をもつ物体が、地球表面で受ける重力の大きさ。

論文情報

著者:
T. Ishii, Y. Mizuno, D. Koyama, K. Nakamura, K. Harada, and Y. Uchida
論文タイトル:
Plate-shaped non-contact ultrasonic transporter using flexural vibration
雑誌名:
Ultrasonics, vol. 54, no. 2, pp. 455-460 (2014).
DOI:

お問い合わせ先

東京工業大学 精密工学研究所
教授 中村健太郎
TEL: 045-924-5052 FAX: 045-924-5091
Email: knakamur@sonic.pi.titech.ac.jp

Tokyo Tech Inspiring Lecture Series1, Origins:Earth and Life -Science at ELSI- 開催報告

$
0
0

会場入り口

7月16日、東京工業大学で行われている最先端研究のダイナミズムを紹介する新しい講演会シリーズである “Tokyo Tech Inspiring Lecture Series” が開催されました。シリーズ第1回目となる今回は、“Origins:Earth and Life” ~Science at ELSI~ と題し、生命惑星学の世界的研究拠点を目指す「地球生命研究所(ELSI)」をハイライトし、研究所の主任研究者でもある2009年ノーベル生理学・医学賞受賞者Jack W. Szostak教授や所長の廣瀬敬教授ら4人の世界トップレベルの研究者が、それぞれの専門分野の視点から「地球・生命の起源と進化」の研究最前線を講演しました。

講演会には、会場の東工大蔵前会館くらまえホールの定員340名を超える事前申込があり、また当日参加者も多数来場しました。参加者層も幅広く、高校生から社会人の方まで多くの方にお越しいただきました。講演は英語(同時通訳あり)で行われたこともあり、登壇者も参加者も国際色豊かなものになりました。

2009年ノーベル生理学・医学賞を受賞したJack W. Szostak 教授の講演

2009年ノーベル生理学・医学賞を受賞したJack W. Szostak 教授の講演

地球生命研究所は、地球の起源・進化の研究から得た初期の地球環境をもとに、生命起源の謎を解くことを目的とし、地球科学・惑星科学・生命科学の研究者が集まって研究を進めています。

今回は各分野を代表する4人の研究者が講演を行いました。

1.
細胞型生命の起源

Jack W. Szostak 教授

東京工業大学 地球生命研究所 主任研究者
ハーバード大学メディカルスクール 教授
Jack W. Szostak教授

2.
太陽系外の地球の仲間たちや生命を探して

Dimitar Sasselov 教授

ハーバード大学
生命起源イニシアチブ(ELSIサテライト) ディレクター
Dimistar Sasselov教授

3.
水と海の起源

廣瀬 敬 教授

東京工業大学 地球生命研究所
教授・所長
廣瀬 敬 教授

4.
火星VS地球 ~生命の起源に惑星が与える制約~

Joseph L. Kirschvink 教授

東京工業大学 地球生命研究所 主任研究者
カリフォルニア工科大学 卓越教授
Joseph L. Kirschvink教授

講演後に行われた質疑応答では、「生命の定義って何?」「生命誕生に必要な条件は?」など、たくさんの質問が飛び出し、大いに盛り上がりました。英語での質問に挑戦する学生や、イベント後、各教授に直接質問を投げかける高校生たちの姿もみられました。

様々な角度の質問に柔軟に答える教授たち

様々な角度の質問に柔軟に答える教授たち

今後も東工大の最先端研究をご紹介する “Tokyo Tech Inspiring Lecture Series” を開催予定です。どうぞご期待ください。

お問い合わせ先
東京工業大学 地球生命研究所 イベント担当
Tel: 03-5734-3163
Email: event@elsi.jp

駐カタール日本国大使が三島学長を表敬訪問

$
0
0

8月7日、津田愼悟 駐カタール特命全権大使が東工大を訪問し、三島良直学長、辰巳理事・副学長、大谷理事・副学長と懇談しました。津田大使は、1975年に本学工学部建築学科を卒業し、商社勤務を経て、2013年10月に着任した民間出身の大使です。

まず津田大使からカタールの現状と将来のビジョンについて、続いて三島学長から東工大の概要についての紹介が行われた後、今後のカタールと東工大の連携の可能性について幅広く情報・意見交換を行いました。

カタールは、秋田県ほどの面積に約220万人の人口が暮らす中東の国で、原油や液化天然ガス(LNG)の輸出拡大で成長してきましたが、現在はエネルギーに頼らない国づくりという新たなビジョンを打ち出し、教育や人材の育成に力を入れてきています。東工大との今後の協力関係が期待されます。

懇談の様子(右が津田大使、左中央が三島学長)

懇談の様子(右が津田大使、左中央が三島学長)

記念撮影(左から辰巳理事・副学長、津田大使、三島学長、大谷理事・副学長)

記念撮影(左から辰巳理事・副学長、津田大使、三島学長、大谷理事・副学長)

Viewing all 4086 articles
Browse latest View live


<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>