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Channel: 更新情報 --- 東工大ニュース | 東京工業大学
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第4回 原子力基礎教育シリーズ・セミナー 開催報告

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このセミナーは、大学生・高専生を主な対象としたTVセミナーで、地球環境や原子力のことをわかりやすく学べます。原子力関係以外の分野を学ぶ学生でも、原子力の基礎を学べるように、TV遠隔システムを利用して全国16大学が協力して実施しています。

今回は第4回目で、9月2日に、大阪大学の講義が全国の拠点会場へ配信されました。東工大に加えて北海道大学、八戸工業大学、長岡技術科学大学、茨城大学、山梨大学、東京理科大学、湘南工科大学、東海大学、名古屋大学、金沢大学、京都大学、福井大学、大阪大学、近畿大学、岡山大学、九州大学等から、98名の学生が参加しました。講義テーマは「放射線と医療工学」で、以下のような内容でした。

1.
病気を学ぶ
2.
放射線診断・治療を知る
3.
最新がん治療法、ホウ素中性子捕捉療法を理解する
4.
先端レーザー光をがん診断・治療に橋渡す

大阪大学の歴史ある医学系研究科と工学研究科の連携による、最新のがん診断や治療法についての講義で、分かり易く大変説得力のある内容でした。
受講生からは、「理工系ではあまり触れない医療の知識を学べた。」「放射線利用が医療分野でこれほど進んで実用化されていることを具体的に知ることができた。」「中性子を利用して行うがん治療で日本が世界をリードしているのに感動した。」等の感想が寄せられました。

なお、次回のセミナーは、11月20日に「原子力施設耐災化と放射性廃棄物」について岡山大学からの講義です。

東工大での受講風景(北2号館6階会議室にて)

東工大での受講風景(北2号館6階会議室にて)

今回は女性の参加者も多かった(金沢大学にて)

今回は女性の参加者も多かった(金沢大学にて)

北海道から九州まで全国16拠点で同時に講義が受けられる

北海道から九州まで全国16拠点で同時に講義が受けられる

お問い合わせ先
原子炉工学研究所 大学連合人材育成事務局
Tel: 03-5734-2188
Email: g-dojo@nr.titech.ac.jp


陸上競技部「三工大対校陸上競技定期戦」、「13大学対校陸上競技大会」優勝

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三工大対校陸上競技定期戦

三工大対校陸上競技定期戦

東京工業大学陸上競技部は、名古屋工業大学、大阪工業大学と毎年開催している三工大対校陸上競技定期戦(三工大戦)において総合の部で優勝いたしました。大会は8月11日(月)、快晴・猛暑という真夏の祭典にふさわしい天候の下、大井埠頭海浜公園陸上競技場で行われ、本学はトラックの部の短距離種目、中長距離種目及びフィールド部の跳躍種目、投擲種目でまんべんなく上位の順位を占め、2008年以来久々に栄冠を手にしました。
最終種目の4☓400mリレーでは、主将の米川晴義さんがアンカーで大阪工大と息もつまるデッドヒート、最後は意地で差し切り1位をとったシーンが大変印象的でした。
この三工大戦は、今回で53回目を数え、1962年から半世紀以上にわたって続いている由緒ある大会です。過去には他の部活動でも同様の定期交流戦が実施されていましたが、現在では国公立の工大対校戦などに姿を変えるなどし、陸上競技の他に1競技でしか存続していないとのことです。

三工大対校陸上競技定期戦 集合写真

三工大対校陸上競技定期戦 集合写真

13大学対校陸上競技大会 4☓100mリレー

13大学対校陸上競技大会 4☓100mリレー

また、三工大戦の1カ月半程前の6月28日(日)、梅雨で雨の続く大井埠頭陸上競技場で13大学対校陸上競技大会(13大戦)が開催され、本学陸上競技部は男子総合の部1位で連覇を達成いたしました。
大会では、短距離陣100m、 200mで3名とも決勝(8名)に進出し入賞。4☓100mリレーでは大会記録を更新するなど絶好調。長距離では5000mで松井将器さんが大会記録を更新する走りで1位。更にフィールドでも、走高跳で出場3名とも入賞。その他の種目でも上位の順位をとり総合優勝に至りました。

また、これからも本学陸上競技部にご声援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

上記の大会の様子や陸上競技部のその他の成績

光強度の増加とともに吸収効率が向上する材料を開発

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概要

東京工業大学大学院理工学研究科の平田修造助教とバッハ・マーティン教授らは、太陽光などの弱い非コヒーレント[用語1] 連続光[用語2] でも、光の照射強度が強くなるに従い、吸収効率が大きく増加する材料の開発に成功した。生体内に含まれるヒドロキシステロイド[用語3] の中に光増感剤[用語4] と縮環芳香族[用語5] を分子レベルで分散することにより実現した。

この材料に光を照射すると、縮環芳香族の励起状態[用語6] が蓄積され、蓄積された励起状態が光をさらに効率よく吸収することにより、吸収効率の大きな上昇が生じることを確認した。光の強さに応じて色の濃さが変化する色剤や調光素子[用語7] など、新しい光学材料への応用が期待される。

従来、光の照射強度の増加とともに吸収効率が増加する現象は、大型かつ高強度のレーザーパルス[用語8] を照射した時にのみ生じるものとして知られていた。今回の研究では非コヒーレント連続光で、その現象が生じる材料を開発した。

研究は日本学術振興会、住友財団、コスメトロジー研究振興財団、科学技術振興機構、新化学技術推進協会の支援で行った。成果は国際学術雑誌「ネイチャーマテリアルズ (Nature Materials) 」のオンライン版に9月7日、掲載された。

研究成果

平田助教とバッハ教授は、室温大気中で励起状態の寿命が長くなる材料に関する研究を進めた。生体分子であるヒドロキシステロイド中に、光増感剤と縮環芳香族の 2種類の分子を添加した材料を作成した。この材料に非コヒーレント白色光を、強度を増加させながら照射したところ、強度の増加とともに可視域の吸収効率が大きく上昇し、色が濃くなる逆過飽和吸収 [用語9] 現象を見出した。さらに、この現象が光照射時に縮環芳香族の励起状態が蓄積されることで生じることを突き止めた。

逆過飽和吸収は、これまで強いレーザーパルスを照射した時にのみ生じる現象として知られていた。太陽光などの非コヒーレント連続光レベルの弱い光でその機能が発現する材料の開発は、逆過飽和吸収材料の応用を飛躍的に拡張する可能性を示すと期待される。

研究の背景

光照射により励起状態が蓄積され、それにより吸収効率が増加する材料(逆過飽和吸収材料)は古くから研究されてきた。しかし、励起状態の寿命は室温大気中では通常1ミリ秒以下と短いため、そのような現象は大型で高額の高強度パルスレーザーからの光を照射した時にのみ瞬間的に生じる現象として知られていた。そのため、このような機能を有する材料は実験室用途や一部高額な光学機器に搭載されるにとどまっており、一般消費者に広く用いられてこなかった。

研究の経緯

平田助教とバッハ教授らはこれまでに、さまざまな縮環芳香族を生体分子であるヒドロキシステロイド中に分散すると、各種縮環芳香族の励起状態の寿命が1秒以上に延びることを発表してきた (Adv. Funct. Mater. 2013, 23, 3386outer) 。平田助教とバッハ教授らは、今回ヒドロキシステロイド中に、光増感剤と縮環芳香族の 2 種類の分子を添加した材料を作成した(図1)。

材料の概要

図1. 材料の概要

この材料に白色の非コヒーレント光の強度を変化させて照射したところ、白色光の強度の増加とともに吸収効率が大きく上昇し、色が濃くなっていくことを見出した(図2)。

白色光の照射強度の増加に伴う吸光度の増大。写真は白色光の照射強度の増加に伴う材料粉末の色の変化

図2. 白色光の照射強度の増加に伴う吸光度の増大。写真は白色光の照射強度の増加に伴う材料粉末の色の変化

またその材料の薄膜に照射する青色や緑色の光を強めていったところ、照射強度の増加とともに透過率が大きく減少した。このような吸収の増大は、従来の過飽和吸収体と比較して100万分の1程度の弱い光の照射により生じた。また九州大学、東京農工大学、そして東京工科大学との共同研究により、この現象は光増感剤で吸収された光が縮環芳香族に受け渡され、長い寿命を有する縮環芳香族の励起状態が材料中に蓄積されていくことにより生じることを明らかにした(図3)。

光の照射強度の増加とともに縮環芳香族の励起状態が材料中に蓄積されていく様子のイメージ

図3. 光の照射強度の増加とともに縮環芳香族の励起状態が材料中に蓄積されていく様子のイメージ

今後の展開

この成果は、過飽和吸収体の応用を大きく拡張する可能性を示すものである。このような材料は例えば、屋外のような明るい場所でより発色する色剤、スキャナーの強い光で読み取り時に発色することで偽造を防止するような紙媒体、ポータブルのレーザーポインターの光線から目を守るコンタクトレンズ、日差しの強い場合に自動的に斜光してくれるスマートウィンドウなどへの応用が期待される。

用語説明

[用語1] 非コヒーレント : 波の位相や進行方向に秩序性がないことを指す。コヒーレントの対比語である。太陽光や発光ダイオード(LED)などの光は非コヒーレントな光に相当する。

[用語2] 連続光 : パルスは、途切れる時間域が存在する光であるのに対して、連続に放射され続ける光。

[用語3] ヒドロキシステロイド : 下図に示すステロイド環の骨格を有する化合物のいずれかに水酸基を有する分子の総称。ホルモンやコレステロールなどもヒドロキシステロイドの分類に属する。筋肉増強剤やアトピー性皮膚炎の薬剤などにも用いられる。

ステロイド環

[用語4] 光増感剤 : 光を吸収した際に他の材料とエネルギーや電子の供受を効率よく行うことで、周囲の材料の機能を効率よく引き出す際に用いられる分子もしくは添加剤。色素増感太陽電池、光水素発生、フォトレジストなどの高性能化の際にも用いられる。

[用語5] 縮環芳香族 : 下図のようにベンゼン環が連なった構造を有する分子。

縮環芳香族

[用語6] 励起状態 : 分子が光を吸収した時に、分子の中の電子の位置が変化することにより形成される準安定状態の分子の状態を指す。通常、光材料や光機能デバイスでは、分子の最低励起一重項状態と最低励起三重項状態の制御が材料やデバイスの機能に直接的に繋がる場合が多いため着目される。通常の有機材料では、室温大気中において分子の最低励起一重項状態の寿命はマイクロ秒以下、最低励起三重項状態の寿命は1ミリ秒以下である。

[用語7] 調光素子 : 外部から照射された光の強度を調節する素子。液晶シャッターやフォトクロミック材料をコートした薄膜なども広い意味で調光素子である。

[用語8] レーザーパルス : レーザーが連続的に放射されずに、瞬間的に何度も繰り返して放射される光。

[用語9] 逆過飽和吸収 : 照射される光の強度の増加とともに、吸収効率が増加する現象。この現象は広い意味では非線形光学現象の一つであり、過飽和吸収(光の強度が増加すると吸収効率が低下する現象)の対比語である。

論文情報

掲載誌 :
Nature Materials 2014, 13, 938-946.
論文タイトル :
Large reverse saturable absorption under weak continuous incoherent light.
著者 :
Shuzo Hirata, Kenro Totani, Takashi Yamashita, Chihaya Adachi, and Martin Vacha
(平田修造、戸谷健朗、山下俊、安達千波矢、バッハ・マーティン)
DOI :

 

掲載誌 :
News and Views, Nature Materials 2014, 13, 917-918.
論文タイトル :
Nonlinear optics: Modulating optical power.
著者 :
Anjun Qin and Ben Zhong Tang
DOI :

研究支援

本研究は以下の支援を受けて行われました。

問い合わせ先

大学院理工学研究科 有機高分子物質専攻
助教 平田修造
Email: hirata.s.af@m.titech.ac.jp
TEL: 03-5734-3643 / FAX: 03-5734-2725

平成26年度10月東京工業大学大学院入学式を挙行

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10月1日、東工大蔵前会館くらまえホールにて、平成26年度10月東京工業大学大学院入学式が執り行われました。

東京工業大学では、春と秋の年に2回、入学式を行っています。10月期の入学式は国際大学院プログラムに所属する留学生とその家族が多数出席するため、9月の学位記授与式同様に英語で進行します。この秋、新たに修士課程173名、専門職課程9名、博士課程152名、計334名の新入生を迎えました。このうち約7割、232名は海外30か国からの留学生です。

大学院入学式 (東工大蔵前会館くらまえホール)
大学院入学式 (東工大蔵前会館くらまえホール)

式典では三島学長から、日本人学生と留学生の積極的な意見交換や異なる文化・価値観の理解を通じ、幅広い視野で、より深く国際性を養うことの重要性が語られました。また、2016年の新システムスタートに向けて現在取り組んでいる教育改革や、先日参加を発表したオンライン講座コンソーシアム「edX」にも触れ、充実した教育環境を活用した実りある学習、研究活動にエールが送られました。

新入生総代答辞ではタイからの留学生、スクマーン アーシャーサンティスさんが今後の学生生活に向けての抱負を述べました。

平成26年度10月東京工業大学大学院入学式次第

  • 開式
  • 大学歌斉唱
  • 学長式辞
  • 役員・部局長等紹介
  • 部局長式辞
  • 蔵前工業会理事祝辞
  • 新入生総代答辞
  • 閉式
学長式辞 (三島良直学長)

学長式辞 (三島良直学長)

部局長式辞 (大学院情報理工学研究科長 米﨑 直樹教授)

部局長式辞 (大学院情報理工学研究科長 米﨑 直樹教授)

蔵前工業会理事祝辞 (太田 幸一氏)

蔵前工業会理事祝辞 (太田 幸一氏)

新入生総代答辞(スクマーン アーシャーサンティスさん)

新入生総代答辞(スクマーン アーシャーサンティスさん)

第5回Techカフェ開催報告

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本学の産学連携推進本部と蔵前工業会は、7月22日、本学西9号館のコラボレーションルームにて、第5回Techカフェを開催しました。Techカフェは、東工大の技術を紹介し、ベンチャー企業の創出と成長を促進するイベントです。

(株)forEst後藤匠CEOの発表

(株)forEst後藤匠CEOの発表

今回は、株式会社forEst代表取締役CEOの後藤匠氏に、同社のサービスやビジネスモデルについてご発表いただきました。東工大発ベンチャー第69号のforEst社は、高校生向けの受験問題集を電子化し、タブレット上で利用できる「ATLS(アトラス)」というサービスを提供しています。 

このサービスは、個々の利用者の学習履歴にみあった適切な問題を推薦し、また、復習のタイミングを指示してくれます。個々の問題には独自のメタデータが付与され、「項目応答理論」を応用した難易度判別アルゴリズムが用いられています。第10回日本e-Learning大賞でデジタル参考書部門賞を受賞し、また、高校での実証実験も行われています。 

後藤CEOの発表後は、技術的な内容から長期的なビジョンまで、さまざまな観点からの活発なディスカッションが行われました。

質疑応答の様子

質疑応答の様子

ネットワーキング風景((株)forEst後藤CEO)

ネットワーキング風景((株)forEst後藤CEO)

株式会社ビジュアルテクノロジー研究所 金谷末子社長の発表

株式会社ビジュアルテクノロジー研究所
金谷末子社長の発表

つづいて、「ショートプレゼン」のコーナーでは、株式会社ビジュアル・テクノロジー研究所の金谷末子社長より、これまでの歩みと現況について、ご発表をいただきました。

東工大発ベンチャー第46号の同社の事業は、本学の中村芳樹准教授(大学院総合理工学研究科人間環境システム専攻)の研究成果にもとづいています。「照度」よりも「輝度」に着目して「知覚色」「視認性」「消費電力」などを総合的に分析し、最適なアピアランス・デザインを実現するための支援ソフトウェア「REALAPS」を開発・販売しています。

ネットワーキング風景(VTL金谷社長、中村准教授)

ネットワーキング風景(VTL金谷社長、中村准教授)

ネットワーキング風景

ネットワーキング風景

今回のTechカフェにご参加いただいたのは31名でした。 プログラムの終了後も、1時間余にわたり、発表者と参加者をまじえた熱心な意見交換が続けられました。

会場風景

会場風景

お問い合わせ先
産学連携推進本部
Tel: 03-5734-2445
Email: sangku@sangaku.titech.ac.jp

東京工業大学陸上競技部16年ぶりの快挙達成 ~関東理工系大会において総合優勝~

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9月14、15日の両日、埼玉県鴻巣市陸上競技場で行われた第46回関東理工系学生対校陸上競技大会において、本学陸上競技部が16年ぶりに男子の部 総合優勝を勝ち取りました(通算3回目;初優勝は41年前)。

関東理工系学生対校陸上競技大会は半世紀近い歴史を持つ、参加が理工系所属の学生に限られている陸上競技大会です。東工大は、絶好のコンディションの下、男子100m走では,主将の米川晴義さん(情報工学科 3年生)が10秒88の工大記録で入賞。1500m走・5000m走では、松井将器さん(機械宇宙学科 3年生)、柴田幸樹さん(高分子工学科 修士1年)が1・2位を独占するなど多数の選手が自己記録を更新する活躍で、ハードル種目を除くすべてのトラック種目で入賞。また、跳躍種目でも入賞を果たし、2位早稲田大学陸上競技同好会、3位東京理科大学の強豪2校を抑えて栄冠を勝ち取ることができました。

男子100m 6位入賞 米川さん(中央) 工大記録10秒88を樹立

男子100m 6位入賞 米川さん(中央) 工大記録10秒88を樹立

男子5000m 1位 松井さん(右)と2位 柴田さん(左)

男子5000m
1位 松井さん(右)と2位 柴田さん(左)

コメント

主将 米川さん

この関東理工系大会での総合優勝は部としての大きな目標でした。理工系と冠する大会で東工大が陰に埋もれてはいけないという思いがありましたので、優勝校の発表で東工大が呼ばれたのを聞いたときは感無量でした。
これは部員一同、授業や実験、研究で忙しい中、練習に励んできた成果だと思います。今後も文武両道に努めながら更なる高みを目指していきますので、ご声援をよろしくお願いします。

顧問 杉野准教授

これからも、本学陸上競技部は、文武両道に精進していく所存ですので、皆様からの温かいご声援をよろしくお願いいたします。

大会終了後の集合写真

大会終了後の集合写真

「第91回箱根駅伝予選会」のお知らせ

10月18日(土)、立川の昭和記念公園およびその周辺で開催される箱根駅伝予選会に本学陸上競技部が出場します。20kmを走り、各校上位10名の合計タイムで箱根駅伝の残り枠10校を目指します。
みなさま、東京工業大学陸上競技部の応援、よろしくお願いいたします。

  • 期日: 平成26年10月18日(土) 9:35スタート
  • 場所: 陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園

【箱根への道】走力“偏差値” も本物! 東工大・松井、「学連チーム」復活で初出場チャンス : スポーツ報知outer

関連情報

関東理工系学生対校陸上競技大会の結果や陸上競技部のその他の成績

学勢調査2014開始

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東京工業大学では、本学における教育改善や施設建設・整備、学内サービス向上といった大学の事業に学生の声を取り入れ、本学をより魅力ある大学とすることを目的とした全学的アンケート調査「学勢調査」を、2年に1度実施しています。本年は10月1日~31日に実施します。

「東工大をこうしたい!あれがやりたい!でも・・・」「もう少し、こうなってくれればいいのに・・・」という学生の声を表現し、実現する形へと学生自らがつなげる場、それがこの学勢調査です。

全学生を対象とした、この大規模なWebアンケート調査は、2004年の試行を経て、2005年より本格実施となりました。全国でも例を見ない、本学独自の取り組みであり、国勢調査になぞらえて、「学勢調査」と名付けられました。

また、「勢」という漢字には「ありさま」「かたむき」そして「さかんな力」という意味があります。学生の状況=「ありさま」を見きわめ、学生の意見や希望=「かたむき」を受けとめることで、学生たち自身の「さかんな力」がよりのびやかに開花するようにとの願いをこめて実施しています。

この調査のユニークな点は、調査結果の集計、解析、提案を、公募に応じたサポーター学生が主導で実施していることです。学生の視点でアンケート結果を読み解き、建設的な提案がおこなわれています。膨大なアンケート結果や提案等は学長を中心とする役員会でも紹介され、議論がなされています。

学生からの意見や提案とアンケート結果は大学にフィードバックされ、各組織でできる限りの対応に取り組んでいます。提案の中には、慎重な検討を要するもの、大きな予算を伴うものなどもあり、対応しきるには時間がかかるものもありますが、学勢調査は学生の意見を大学側に伝える大きな役割を果たしています。

お問い合わせ先

学生支援センター学勢調査担当
E-mail:gakuseichousa@jim.titech.ac.jp
Tel: 03-5734-7629

細野秀雄教授が米国物理学会 James C. McGroddy Prize for New Materials を受賞

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細野秀雄教授が米国物理学会 James C. McGroddy Prize for New Materials を受賞

本賞は新物質の科学と応用に関して優れた研究成果を挙げた研究者に毎年1件授与されるもので、日本人としては江崎玲於奈、飯島澄男、十倉好紀、秋光純、井上明久博士に次いで6人目の受賞です。(過去の受賞者については米国物理学会Webサイトouterを参照)

今回の受賞は「鉄系超伝導体の発見」の業績が評価されたものです。
表彰式と講演は、来年3月に開催される米国物理学会年会で行われる予定です。

細野秀雄教授のコメント

「最初の発見だけでなく、それ以降も存在感を示すことができたのが評価されたのでしょう。神原陽一(元PD、現慶大)、渡辺匠(元院生)、平野正浩(元JST)さんをはじめ共同研究者、並びに研究を支援いただいたJSTと東工大に感謝いたします。当時は、その後の6年半でまさか15,000報もの論文が出版されるような事態になるとは思いませんでした。
物質の秘められた可能性の大きさに改めて驚嘆する次第です。引き続き、役に立つ新材料の創出に精進したいと思います」


台風19号接近に伴う対応について

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大型で強い台風19号が北上しています。11日以降、沖縄に接近し、13日から14日にかけて九州や本州に上陸の恐れがあるとの予報が出ています。

イベント等で東工大へお越しの方

工大祭(10月11日(土)、12日(日))の開催・実施情報について

当日の天候に応じて工大祭または工大祭の一部の企画が中止となる可能性があります。

当日の工大祭の開催および企画実施情報については工大祭実行委員会が発表する「工大祭2014当日特設ページouter」にて随時お知らせします。

当日はご来場前に、「工大祭2014当日特設ページ」をご確認の上、安全に留意してお越しください。

その他のイベントについて

学内で開催予定のイベントの実施につきましては、各イベント主催者へお問い合わせください。

在学生の方

10月14日(火)の授業実施についての連絡

台風19号の接近に伴う、10月14日(火)の授業の開講・休講については、当日朝までに下記のメディアで連絡します。通学前に情報を確認してください。

  • 在学生向けメールニュース

台風19号接近に伴う10月14日(火)の授業等について(午前休講)

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10月14日(火)の授業等の取り扱いについて下記のとおり連絡します。

在学生の方

10月14日(火)の授業について

台風19号接近に伴い、10月14日(火)午前の授業を休講とします。

午後の授業については、10月14日(火)午前10時までに下記のメディアで連絡します。通学前に情報を確認してください。

  • 在学生向けメールニュース

イベント等で東工大へお越しの方

学内で開催予定のイベントの実施につきましては、各イベント主催者へお問い合わせください。

10月14日(火)午後の授業等について(午後平常通り開講)

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10月14日(火)午後の授業等の取り扱いについて下記のとおり連絡します。

在学生の方

10月14日(火)午後の授業について

本日10月14日(火)午後の授業は平常通り開講します。授業によっては、休講となる場合もありますので、各自教務Webシステム(休講一覧)で確認してください。

イベント等で東工大へお越しの方

学内で開催予定のイベントの実施につきましては、各イベント主催者へお問い合わせください。

キングモンクット工科大学トンブリ校の学生と教員が東工大を訪問

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7月23日、タイのキングモンクット工科大学トンブリ校(KMUTT)のデザイン設計プログラム長ブッサラカンパーコーン・ショッカアナン准教授と、建築デザイン大学院(SoA+D)から6人の大学院生が、東工大を訪問しました。デザインのワークショップを行うため、本学大学院理工学研究科機械物理工学専攻メカノインフラデザイン分野ムージュノ研究室が招待しました。彼らはその後、東京のチームラボ株式会社outerを訪問しました。

国際デザインワークショップ「防災・救援のためのデザイン思考」

このワークショップの目的は、異なるアカデミック・バックグラウンド(プロダクトデザイン、機械工学など)や、異なる国籍(インド、カナダ、タイ、中国、日本、フランスなど)を持つ学生の間で、創造性とコラボレーションを促進することです。KMUTTと東工大の学生を混合し、幾つかのチームがつくられました。

そして、チームごとに、日本とタイに共通した問題である洪水に対応するための、サバイバルキットのコンセプトを検討しました。各チームから、独創的で実用的なデザインコンセプトが提案されました。

チームラボ株式会社を訪問

東工大とKMUTTグループは、本学卒業生2人が取締役を務めるチームラボ株式会社を訪問しました。同社は、エンジニアリング、アート、デザインの境界領域での「クリエイティブ・テクノロジー」を専門にしています。チームラボの従業員のほとんどは、エンジニアリングのバックグラウンドを持っています。東京スカイツリーに展示中の、全長40メートルの東京の地図壁画(デジタル絵巻)のような、革新的でインタラクティブなシステム、製品、施設を設計するために、技術力(コンピューターサイエンス、ロボッティクス、数学など)を結集しています。

学生達は、製品や空間のデザインから新しいユーザー体験を生み出すために、エンジニアリングがいかに利用されているかを理解することができました。

KMUTTと東工大の交流協定

KMUTTと東工大は、2007年の締結以来、授業料等不徴収協定に基づき、交換留学生を相互に受け入れています。東工大では、Academic Cooperation Agreement Program (ACAP)により、KMUTT修士課程のデ-ヴィド・ワトソンさんを、海外交流学生として受け入れています。彼は現在「マジカルユーザーエクスペリエンスのための設計」に関する6ヶ月の研究プロジェクトに取組んでいます。

KMUTTのブッサラカンパーコーン・ショッカアナン准教授と東工大のムージュノ・セリーヌ准教授は、学生交流やデザインの共同研究を通じて、両大学間の交流の強化に取り組んでいます。

キングモンクット工科大学トンブリ校と東工大の学生と教員

キングモンクット工科大学トンブリ校と東工大の学生と教員

国際デザインワークショップとチームラボ株式会社を訪問 国際デザインワークショップとチームラボ株式会社を訪問

お問い合わせ先

機械物理工学専攻
ムージュノ・セリーヌ准教授
TEL:03-5734-2162
Email : mougenot@mech.titech.ac.jp

"P&I Laboratory Open House (精研公開)"開催のお知らせ

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電気・情報・機械・材料の幅広い分野の最新成果を紹介する研究所公開を、下記の通り開催致します。

企業や大学において研究開発に携わっている方々をはじめとした皆様に向け、わたくしどもの研究が産業界を通じて社会に役立つための一助となりますよう、各専門分野の最新成果を紹介する研究室公開(9:30~17:00)、技術講演会(13:30~15:20)、および各研究室を実際にご訪問いただけるラボツアー(第1回11:00~、第2回14:30~)を行います。
この公開は本学産学連携本部とも協力して産学連携に結びつく研究室公開を目指しております。

概要

開催日時
2014年10月24日(金) 9:30~17:00
開催場所
すずかけ台キャンパス 精密工学研究所
神奈川県横浜市緑区長津田4259

開催内容

  • 研究室公開  9:30~17:00
  • 技術講演会  13:30~15:20
    講演者:里 達雄(本研究所教授・先端材料部門)
    「軽金属材料の最近の発展とものづくり技術」
    講演者:横田 眞一(本研究所教授・高機能化システム部門)
    「機能性流体ECFを用いたマイクロデバイス」
  • ラボツアー(研究室および研究支援設備見学) 1. 11:00~ 2. 14:30~
精研公開2014 チラシ表
精研公開2014 チラシ裏

お問い合わせ先
精密工学研究所
 所長 新野秀憲
Tel: 045-924-5020
Email: shinno@pi.titech.ac.jp

TAIST-Tokyo Tech修了式を開催

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9月1日、タイ王国パトゥムターニ県タイランドサイエンスパーク内のNSTDAにおいて、TAIST-Tokyo Techの修了式が挙行され、新たに30名の学生が修了証書を授与されました。

TAIST-Tokyo Techは、タイの先端研究機関であるNSTDA (National Science and Technology Development Agency)outer、タイの四大学(KMITLouterKMUTTouterカセサート大学outer、及びタマサート大学SIITouter)、および東工大の連携により、2007年に設立された国際協働による大学院です。

タイを中心として、アジア圏での理工系分野での高度人材の育成と、研究開発のハブを目指して、タイの学術界、産業界に貴重な人材を送り出しています。今回の修了生30名を加え、これまでに128名の修了生を輩出しました。

修了式では、NSTDAからThaweesak長官、本学から丸山俊夫理事・副学長が出席し、学生たちに祝辞を述べました。また、蔵前工業会の滝久雄理事長も出席され、修了生たちにお祝いの言葉を送りました。

学生たちは、丸山理事からプログラム修了証書を、Thaweesak長官から記念品を授与され、ひとりひとり記念写真に納まりました。これから彼らは、博士課程進学、民間企業や政府機関への就職など、それぞれの進路で、TAIST-Tokyo Techで学んだ知識や経験を活かしてゆきます。

挨拶するThaweesak長官

挨拶するThaweesak長官

挨拶する丸山理事・副学長

挨拶する丸山理事・副学長

丸山理事、Thaweesak長官と記念写真(撮影:S28卒須山英三氏)

丸山理事、Thaweesak長官と記念写真(撮影:S28卒須山英三氏)

集合写真:卒業するみなさん(前2列)と教授陣 集合写真:卒業するみなさん(前2列)と教授陣

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修了生が着用しているガウンは、自動車工学(AE)がブルー、組み込み情報システム(ICTES)が紫、環境工学(ENVE)がグリーンと、専攻ごとに色分けされています。

お問い合わせ先

東京工業大学国際部国際事業課(TAIST担当)
TEL:03-5734-2237
Email : taist@jim.titech.ac.jp

TSUBAME e-Science Journal Vol.12発行

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学術国際情報センターが、TSUBAME e-Science Journal Vol.12を発行しました。
TSUBAME e-Science は、東工大のスーパーコンピュータTSUBAMEを利用した研究成果を発表する広報紙です。
Vol.12には、ビッグデータ処理、GPUプログラミング支援の記事を含む、TSUBAME を利用した 3つの研究事例が掲載されています。

  • 将来のスーパーコンピュータにおけるエクストリームなビッグデータ処理にむけたTSUBAME2での取り組み
  • OpenACCを用いた全球雲解像モデルNICAM力学コアの大規模GPU計算
  • 気象計算のためのGPUコンピューティング・フレームワーク

ご希望の方には、日本語(前半)と英語(後半)を合冊して印刷した冊子を郵送いたします。
送付先の住所(学内の場合はメールボックス番号)、所属、氏名を以下のアドレスまでお知らせください。
宛先: tsubame_j@sim.gsic.titech.ac.jp

TSUBAME e-Science Journal Vol.12

TSUBAME e-Science Journal Vol.12

お問い合わせ先
学術国際情報センター TSUBAME ESJ 編集室
Tel: 03-5734-2085
Email: tsubame_j@sim.gsic.titech.ac.jp


国際共同研究のためのMIT訪問

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東京工業大学は、世界のトップ10に入る理工系総合大学を目指して、様々な取り組みを行っています。中でも国際化は、今後の成長・発展になくてはならない要素です。この一環として、東工大と同じ理工系大学である米国マサチューセッツ工科大学(MIT)との交流を活発化させるため、本学三島学長が今年2月にMITを訪問し、Reif学長他と会談しました。

三島学長の訪問結果を踏まえ、機械工学分野での具体的連携を進めるため、9月22日~23日にわたってMITおよびボストンを拠点とする企業を訪ねて交流を行い、今後の共同研究や共同開発の可能性を探る視察団を派遣しました。この視察団には、東工大教員7名と、日本の企業関係者14名が参加しました。9月22日にMITとの共同ワークショップを実施し、23日にはボストン地区の大学(MITとハーバード大学)及びMIT発のベンチャー企業を訪問しました。

オープニングセッションでMITの紹介をするMIT Gang Chen機械工学科長

オープニングセッションでMITの紹介をする
MIT Gang Chen機械工学科長

オープニングセッションで東工大の紹介を行う理工学研究科 武田 行生 教授

オープニングセッションで東工大の紹介を行う
理工学研究科 武田 行生 教授

引き続き12月にはMITの中心メンバーの一人であるProf. Asadaが来日し、東工大で講演会が予定されています。また、来年には、東工大でMITとの共同ワークショップが計画されています。何れも近づきましたら詳細をご案内しますので、皆様奮ってご参加ください。

この取り組みが新たな共同研究や製品開発プロジェクトにつながり、東工大・MIT・日本企業が協業することで、新たな大型国際共同研究へ繋がることが期待されます。また、機械工学分野での進展をふまえて、さらに分野を広げて交流を進め、研究・教育の両面でMITとの連携を深化させたいと考えています。

ボストンには、MIT以外にもハーバード大学等の教育研究機関や、潤沢なベンチャーキャピタルを背景にICT、医薬、医療機器、エネルギーなどの分野において数多くのハイテク企業が集積しています。将来は、米国企業も巻き込んだ、日米国際産学連携の実現を目標としています。

ポスターセッションで議論を行うワークショップ参加者

ポスターセッションで議論を行うワークショップ参加者

MIT主催夕食会を前に視察ミッションメンバーとMIT Chen学科長他と記念撮影

MIT主催夕食会を前に視察ミッションメンバー、
MIT Chen学科長他と記念撮影

お問い合わせ先
大学院理工学研究科機械系3専攻
東工大-MIT機械系連携構想ワーキンググループ
Email: office@mech.titech.ac.jp

研究情報発信ページを全面リニューアル

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東工大公式ウェブサイトの「研究」ページをリニューアルしました。

新しくなった研究ページでは、多様な分野で世界をリードする東工大研究の魅力を皆さまにわかりやすくお伝えするよう、研究に関わるさまざまな情報を集約し発信していきます。

「東工大研究の強み」では、ホットな研究をピックアップした「研究ハイライト」、インフォグラフィックでご覧いただく「データで見る東工大研究」など新しい企画で東工大研究の魅力を紹介します。

また、理工学から応用、学際まで多岐にわたる研究分野から、その研究を実施している専攻や研究所を検索する「研究分野で探す東工大研究」の機能を追加しました。

これまでも掲載してきた研究者の素顔に迫るインタビュー記事「顔 東工大の研究者たち」や研究秘話は「研究ストーリー」として、最新の研究成果や研究関連情報は「研究ニュース」としてまとめられ、過去のニュース・アーカイブも一覧いただけます。

今後も東工大研究者たちの魅力や最新の研究情報を紹介していきますので、ぜひご注目ください。

アフリカ・シクリッドの多様性は過去のゲノム多型が基盤 ―シクリッド5種の全ゲノム配列を決定して解明―

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要点

  • 適応放散のモデル魚種シクリッド5種の全ゲノムDNA配列を決定
  • ゲノム中に機能的制約の緩和や正の淘汰の痕跡を数多く発見
  • 祖先多型が急速な適応放散のゲノム基盤である可能性を示唆

概要

東京工業大学大学院生命理工学研究科の二階堂雅人(助教)、西原秀典(助教)、岡田典弘(名誉教授)が参画している国際研究チーム[用語1] は、東アフリカの三大湖に生息する淡水魚シクリッドの形態的・生態的な多様性は、祖先のゲノム中に存在した多型[用語2] がDNAレベルでの基盤となって生み出されたことを突き止めた。三大湖とその周辺河川に生息するシクリッド計5種の全ゲノムの塩基配列を解読、解析して実現した。

具体的には、三大湖に生息するシクリッドのゲノムは、河川に生息する祖先種に比べ、遺伝子重複[用語3] や遺伝子コード領域[用語4] におけるDNA配列の多様化、転移因子[用語5] 挿入に伴う遺伝子発現の多様化が顕著であった。さらに適応放散[用語6] を起こす前の祖先集団中のゲノムに存在していた多型が、その後の急速な多様化や平行進化[用語7] に寄与した可能性を見いだした。

シクリッドは大規模な適応放散や平行進化の好例として生物学的に極めて重要なグループであることが知られていたが、分子レベルでの解明はこれまでなされていなかった。同チームは今後、今回の研究で明らかになったDNAの違いが実際に形態の多様化に関わっているのか、そして、そのDNAの違いに自然選択[用語8] は働いたのかを実験的に検証していく。成果は9月に発行の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。

研究の背景と経緯

東アフリカの大地溝帯(アフリカ大陸を南北に縦断する巨大な谷)に位置する三大湖(ビクトリア湖、マラウィ湖、タンガニィカ湖)には、形態的・生態的に非常に多様化したシクリッドが数百種を超えて生息しており、これらはすべて各湖に固有の種であることが分かっている(図1)。また、これらのシクリッドは各湖において急速な適応放散を遂げたことが知られており、形態や生態が如何にして進化・多様化するのかをDNAレベルで研究することが可能なモデル魚種として世界の研究者が注目している。

東アフリカ三大湖と周辺河川に生息するシクリッド

図1. 東アフリカ三大湖と周辺河川に生息するシクリッド

これまでシクリッドの進化研究は、各研究者が特定の遺伝子配列に狙いをつけて、もしくは絞り込みをかけた上で、それらの遺伝子配列を種間で比較する形で進められてきた。しかし、次世代シーケンサー[用語9] の登場によりその様相は一変し、全ゲノム配列を一気に解読することも可能となってきた。

ただ研究対象とする種の選別やゲノム決定、さらには進化解析を考えると1研究機関がすべてを網羅するには規模が大きすぎるため、2003年9月に箱根で開催されたシクリッドの国際会議にてゲノムコンソーシアムの設立が議論された。今回のゲノム計画は、その議論に基づいてトーマス・コーカー教授(メリーランド大)が作成した提案書PDFに沿って進められた。

研究成果

今回の研究は、東アフリカ産シクリッド全体をうまく網羅するように(1)河川に生息し東アフリカ産シクリッドの中ではもっとも祖先的なティラピア(オレオクロミス・ニロティカス)(2)タンガニィカ湖に生息するネオランプロロガス・ブリチャーディ(3)タンガニィカ湖の浅瀬もしくは周辺河川などに生息する広域分布種のアスタトティラピア・ブルトニ(4)マラウィ湖に生息するメイランディア・ゼブラ(5)ビクトリア湖に生息するプンダミリア・ニエレレイ―について全ゲノムDNA配列を決定した。

まず、国際研究チームは計5種のシクリッドに加えて、これまでに全ゲノム配列が決定されているモデル魚種の中からメダカ、トゲウオ、フグを含めて構築した分子系統樹[用語10] 上の各枝における遺伝子重複の割合を算出した。すると興味深いことに、東アフリカ産シクリッドが放散を遂げた枝において、顕著にその値が高いことが明らかとなった。これは、遺伝子重複がシクリッドの多様性を生み出すDNAレベルでの基盤となった可能性を示唆している。これまでにも遺伝子重複が生物の多様化に重要であることは議論されてきたが、それが実際のデータとして示されたことは今回研究の重要な点であると考えられる。

次に、シクリッドの遺伝子コーディング領域の進化速度を算出したところ、河川に生息する祖先的なティラピアと比較して三大湖で多様化を遂げたシクリッドの方が、タンパク質のアミノ酸を変える非同義置換率[用語11] が有意に高いことが示された(図2)。非同義置換率の上昇は遺伝子の機能的な制約[用語12] が緩んだこと、もしくは遺伝子が正の淘汰を受けたことを示している[用語13]

東アフリカ産シクリッドにおける非同義置換率と同義置換率の比較

図2. 東アフリカ産シクリッドにおける非同義置換率と同義置換率の比較

今回の解析では三大湖産シクリッドのゲノム中における機能的制約の緩和が、遺伝子の発現を調節する非翻訳領域への変異率の上昇といった面からも観察されており、機能緩和や正の淘汰がシクリッドの適応放散に関与してきた可能性を示唆する結果といえる。

そして、今回もっとも注目すべき結果として、ビクトリア湖産シクリッドにおいて種間での分化が高い変異サイト(つまり種の分化や形態的多様化に関わると予想される変異サイト)の多くが、過去の祖先集団に存在していた多型(祖先多型、standing variation)に由来するものである可能性を示唆した(図3)。一般に、生物集団中には種内で固定せずに種間においても共有される多型が存在することが分かっているが、ゲノム中に占めるその割合は低く、それが進化に寄与する可能性も低いと考えられてきた。

ビクトリア湖産シクリッドゲノム中における遺伝的分化度Fst値(左パネル)と、全変異サイトおよび祖先多型由来変異サイトにおける遺伝的分化度の分布(右パネル)

  • 図3.
    ビクトリア湖産シクリッドゲノム中における遺伝的分化度Fst値(左パネル)と、全変異サイトおよび祖先多型由来変異サイトにおける遺伝的分化度の分布(右パネル)
  • ところが、今回の解析によってシクリッドゲノム中には多くの祖先多型が存在し、その祖先から受け継いだ多型サイトに自然選択が働くことで、各湖のシクリッドが急速に適応放散したのではないかと同チームは予想している。この研究結果はこれまでその多くが明らかにされていない、種分化や生物の多様化に関する分子メカニズムの一端をうまく説明できるものと期待される。

    今後の展望

    今回の研究によって特定された種間におけるDNAの変異が実際に種分化や形態の多様化に関わっているのかを、実験的に明らかにしていく。実際に、東工大のグループでは、いくつかの遺伝子について祖先多型由来の変異をもつことを他論文としてすでに発表しており、これがどのような表現型につながるのかを研究している。また、この遺伝的変異に自然選択は働いたのかどうかを、集団遺伝学的に検証していくことが期待される。

    用語説明

    [用語1] 国際研究チーム : 米国Broad Institute(ブロード研究所)を中心とする国際研究チーム。Broad Instituteは米国マサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の共同研究施設。

    [用語2] 多型、祖先多型 : 集団中に生じた突然変異は、ある一定の進化時間を経た後に集団全体に広がるか、もしくは消失することが知られている。しかし、一定期間を超えて集団中に多型状態で存在し、その後に分岐した子孫となる集団に受け継がれていく変異も見つかっており、これを祖先多型と呼んでいる。今回のゲノム比較解析においてシクリッドゲノム中にはこの祖先多型が数多く存在することが明らかとなった。

    [用語3] 遺伝子重複 : 1つの遺伝子が2つもしくは複数の遺伝子へと数を増やしていくこと。一般的に、重複した遺伝子はその機能が変化し個体の多様性に寄与すると予想される。Hox遺伝子群や嗅覚受容体遺伝子群は遺伝子重複によって形成されたと考えられている。

    [用語4] 遺伝子コード領域 : 生物のゲノムDNA配列のうちタンパク質に翻訳されるmRNAの鋳型となる領域。ゲノムDNA配列には、それ以外にもイントロンや遺伝子間領域が存在し、これらは非コード領域と呼ばれる。

    [用語5] 転移因子 : ゲノム上のある場所から他の場所へ移動することが可能なDNA配列の単位のこと。転移因子の中にも様々な種類が存在する。

    [用語6] 適応放散 : 1種もしくは少数の祖先種が、短期間に著しい種分化を繰り返すことを指す。生態的ニッチェの空白が生じた環境下で起こりやすいと考えられている。

    [用語7] 平行進化 : 祖先の異なる生物が、似通った形態や生態へと進化すること。それらの多くの場合は、似た環境に適応することで起こると考えられている。

    [用語8] 自然選択 : 生物に起きた突然変異をもつ個体の中で、有利な個体が子孫を多く残し、不利な個体は集団から取り除かれること。集団中において環境に適した個体が数を増やす方向性ができる。

    [用語9] 次世代シーケンサー : サンガー法を利用した蛍光キャピラリーシーケンサーを第1世代シーケンサーとして呼ぶ場合に、新型のものをそれに対比させて次世代と呼ぶ。一度に大量の塩基配列を取得することができるため、現在では全ゲノム配列の決定など大規模解析に威力を発揮している。

    [用語10] 分子系統樹 : DNA配列やタンパク質のアミノ酸配列を比較することで、その種間の類縁関係を表した樹形図。

    [用語11] 同義置換率、非同義置換率 : 遺伝子をコードするゲノム領域における突然変異はアミノ酸置換を伴う非同義置換とアミノ酸置換を伴わない同義置換に分けられる。

    [用語12] 機能的な制約 : 非同義置換はタンパク質の性質や構造を変える可能性があるため生体にとっては不利になる事が多く、それらは負の淘汰によって集団から取り除かれることが多く、これを機能的な制約と呼ぶ。

    [用語13] 正の淘汰 : あるタンパク質のアミノ酸置換が、個体にとって有利な環境下においては、非同義置換率が上昇すると予想され、これを正の淘汰と呼んでいる。

    論文情報

    掲載誌 :
    Nature (Article), 513, 375-381 (18 Sep. 2014)
    論文名 :
    The genomic substrate for adaptive radiation in African cichlid fish
    著者 :
    二階堂雅人(本学助教)、西原秀典(本学助教)、岡田典弘(本学名誉教授)等75名
    DOI :

    問い合わせ先

    大学院生命理工学研究科
    助教 二階堂雅人
    Email: mnikaido@bio.titech.ac.jp
    TEL: 045-924-5744 / FAX: 045-924-5835

    東工大の学生が開発した超小型人工衛星"TSUBAME"宇宙へ向けて旅立つ

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    「宇宙開発」というと、国際宇宙ステーションのような大型宇宙建造物がすぐに思い浮びますが、東工大にはそのまったく逆を行く、「超」小型衛星の開発に情熱を燃やす学生たちがいます。

    松永三郎 連携教授(大学院理工学研究科機械宇宙システム専攻)、谷津陽一 助教(同 基礎物理学専攻)と、東京理科大学の木村真一 教授のチームが開発した人工衛星 "TSUBAME" は、東工大として4機目となる大学発の超小型衛星であり、独自に開発した高速姿勢制御装置を軸とした新しい地球観測技術の実証、超小型衛星を用いた本格的な宇宙観測の実現を目標としています。通常の衛星が1トンを超えることも多いのに対し、超小型衛星は100kgを下回るような規模の衛星を指します。今回取り上げる"TSUBAME"は、50cm四方、50kg級の衛星です。

    衛星組み上げを行う相模原市 宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所には、不眠不休で黙々と最終調整を行う学生たちの姿がありました。

    この衛星は、東工大松永研が世界ではじめての超小型衛星CUTE-Iを打ち上げた翌年に、松永研・河合研チームが衛星設計コンテストに出品し、見事設計大賞に輝いた「偏光X線観測衛星 燕」が設計のベースになっています。CUTEシリーズ開発の背後で要素技術開発が進められ、2010年からは実際に打ち上げるフライトモデルの開発が始まりました。

    CUTE-Iの打ち上げから11年、「大学生が人工衛星をつくるのはもはや当たり前」という時代を東工大の学生たちが切り開いてきました。その彼らにさえも、新規技術満載のTSUBAME開発は「実現不能」と思われるほどの過酷を極めましたが、構想から10年の歳月を経てついに宇宙へ向けて飛び立ちます。

    TSUBAME本体。4枚の太陽電池パネルが取り付けられています

    TSUBAME本体。4枚の太陽電池パネルが取り付けられています

    TSUBAME軌道上イメージ図

    TSUBAME軌道上イメージ図

    衛星軌道上での天体観測シーケンスを確認する学生たち
    フライトピンを外す(衛星の主電源スイッチを入れる)TSUBAMEプロジェクト・マネージャーの松下君(修士2年)

    (左)衛星軌道上での天体観測シーケンスを確認する学生たち。(右)フライトピンを外す(衛星の主電源スイッチを入れる)TSUBAMEプロジェクト・マネージャーの松下君(修士2年)

    開発に参加した学生の中には、工学部機械宇宙学科の授業「機械宇宙プロジェクトA」で、超小型人工衛星プロジェクトを経験した人もいました。

    最終テストを終えたTSUBAMEは無事、完成しました。打ち上げは10月末以降の予定です。

    輸送前のTSUBAMEを囲んで

    TSUBAMEには、この衛星のために開発された機器が複数搭載されています。

    • 超小型コントロールモーメントジャイロ(CMG)
      CMGとは、回転するコマの軸の向きを変えることでトルクを発生し、衛星の姿勢制御を行う機器のことです。従来、国際宇宙ステーションなどの大型構造物に搭載されてきた実績がありますが、松永研では、超小型衛星にも搭載できるような超小型CMGを新規開発し、TSUBAMEによって軌道上での動作を実証する予定です。
    • X線偏光観測装置
      数十億光年という遙かかなたの宇宙でブラックホールが誕生する時に放射される強烈なガンマ線閃光現象「ガンマ線バースト」を観測します。主検出器であるX線偏光観測装置は世界でもほとんど例のないX線エネルギーバンドにおける偏光観測という新しい観測手法により、ブラックホール誕生の瞬間に迫ります。
    • 地球観測用高解像度可視光カメラ
      地球の一点を継続監視して地上・海洋・雲などの高解像度画像を撮影します。CMGを用いて必要なポイントを向くことが可能で、災害監視などへの応用が期待されます。

    搭載機器とミッションの詳細は、リンクよりご覧ください。

    陸上競技部エースが箱根駅伝関東学生連合チームに選出

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    10月18日、第91回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会が開催され、この予選会の結果、2015年1月2日、3日に行われる第91回東京箱根間往復大学駅伝競走の関東学生連合チーム選手16名に東京工業大学陸上競技部 松井将器さん(工学部機械宇宙学科3年)が選出されました。

    本戦の出場枠10校をめざし、出場48大学の選手が快晴の自衛隊立川駐屯地を朝9時35分に一斉スタート、好コンディションの前半はかなりのハイペースで進行しました。後半は気温の上昇で苦しむ選手たちの中、本学、松井さんは冷静に自分の走りに徹し、20kmを1時間00分44秒と自己ベストを更新して、完走560選手中43位の好順位につけました。この結果、本戦への出場を決めた上位10校を除く選手により構成される関東学生連合チームへの選出につながりました。

    本戦出場となれば、本学初の箱根駅伝出場選手の誕生となります。

    残り1km地点(中央青ユニフォームが松井さん)

    残り1km地点(中央青ユニフォームが松井さん)

    会場には陸上競技部部員の他、OBOGらも応援に駆け付け、本学チームは出場選手の全員が完走、うち3名が自己ベスト更新する走りを見せ、42位となりました。

    引き続き、陸上競技部、そして松井さんへの声援、よろしくお願いいたします。

    陸上競技部監督 杉野准教授(左)・松井将器さん(右)

    陸上競技部監督 杉野准教授(左)・松井将器さん(右)

    集合写真

    集合写真

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