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ウプサラ大学・東工大 合同シンポジウム開催

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9月16日~17日、Uppsala University Ångström Laboratory(ウプサラ大学:1477年創立、北欧最古の大学。THE世界大学ランキング98位。ヨーロッパ最高の大学の一つ。材料研究のÅngström研究所、生命科学のウプサラ生物医学センターなどを擁する。)において、東工大とのジョイントシンポジウムが開催されました。

本シンポジウムは、東工大が世界に貢献できる理工系人材育成と革新的科学技術創出を担う「世界最高の理工系総合大学」を目指して教育・研究の国際化を推進する取組の一環として、スウェーデンのウプサラ大学へ著名な研究者を派遣してセッションを行い、相互の研究交流を図るとともに、今後の教育や研究における相互協力を推進するものです。 東工大、ウプサラ大学、日本学術振興会ストックホルム研究連絡センター主催で開催され、また、在スウェーデン日本大使館の後援もいただきました。東工大が特定の分野ではなく、様々な研究分野において全学を挙げて海外で実施する初のシンポジウムになりました。

ウプサラ大学メインビルディング
ウプサラ大学メインビルディング

プログラムは9月16日の Opening Session から始まり、ウプサラ大学のEva Akesson学長、東工大の三島学長及び阿久津日本学術振興会ストックホルム研究連絡センター所長の挨拶をいただきました。双方の大学間交流の展望が語られ、また激励の言葉をいただき、各プログラムへの期待が大きく膨らみました。

その後、 Electronics & Materials Science Physics/Nuclear Science & Technology, Life Science and Biotechnology の3つのセッションが行われ、それぞれのセッションでは本学からはフロンティア研究機構 細野教授、大隅栄誉教授らが、ウプサラ大学からも各分野で著名な研究者の講演が行われました。

初日の夜は、日本学術振興会ストックホルム研究連絡センター主催、日本大使館後援でウプサラ大学出身の植物学者リンネ博士由来のボタニカルガーデンにおいてレセプションディナーが和気藹々とした雰囲気の中で行われ、一層の交流に貢献しました。

翌日9月17日は、初日の講演を踏まえ、New Materials, Energy, Life Scienceの3つの分野ごとに分科会に分かれ、それぞれの研究者間で活発な意見交換が行われました。その後、Global Energy and Future Blue Sky Possibilities, Renewable Energy, Academic - Industrial Collaboration の3つのセッションがあり、研究活動から産学連携、資金の獲得など幅広い分野での意見交換が行われました。

2日間に渡り開催された各セッションには、ウプサラ大学の研究者、学生や本学からスウェーデンへ留学中の学生も参加し、著名研究者の話を直接聞く機会にもなりました。

Closing Session においては、研究者レベルのMOU(Memorandum of Understanding)の締結や将来の全学研究交流協定に向けた東工大とウプサラ大学LOI(Letter of Intent)の締結が行われました。2015年度にはシンポジウムを東工大で開催することや、より一層の協力関係の推進についてそれぞれ期待が述べられ、暖かな雰囲気の中で閉会となりました。

三島学長によるプレゼンテーション

三島学長によるプレゼンテーション

両学長によるLOI

両学長によるLOI

学長室での集合写真
学長室での集合写真

お問い合わせ先

広報センター
TEL:03-5734-2975
Email : pr@jim.titech.ac.jp


グローバルリーダー教育課程所属式 挙行

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10月1日、東工大蔵前会館手島記念会議室にて、平成26年度東京工業大学グローバルリーダー教育課程所属式が執り行われました。

グローバルリーダー教育院(AGL)とは、国際的リーダー人材を養成する学位プログラムを実施する教育組織です。本学全研究科と連携先である一橋大学より士気あふれる学生を募り、個々の専攻分野における深い専門知識をベースに、日本や世界における文化の理解と国際性、技術経営に関する知識、コミュニケーション能力、俯瞰力や行動力を備えた人材の育成を目的としています。

第4期目を迎えたAGLは、この秋、新たに15名の所属生を迎えました。一橋大学からの参加に加え、中国、オーストラリア、タンザニアからの留学生も加わり、より多彩で国際性豊かな顔ぶれでの所属式となりました。

三島学長からは、式に参加した第4期生に対して「専攻とグローバルリーダー教育院の2つの課程を履修するのは時間的にも大変だが、忙しい時こそ成長の時」とのエールが送られました。これに引き続き、佐藤教育院長は「AGLは何かを与えられる場ではない。グローバルリーダーとしての気概と自分の夢を持ち、その実現のためには何をすべきかを考え、自らそれに取り組んでほしい。AGLはそのための環境を作り、諸君の夢の実現を支え続けることを約束する」と激励の式辞を述べました。

佐藤教育院長より、ひとりひとり所属許可書を授与された第4期生たちは、真のグローバルリーダーとなることを目指し、道場での切磋琢磨やオフキャンパス教育に取り組んで行く決意を新たにしていました。

道場とは、AGLにおける教育の特徴の一つで、さまざまな専門を専攻する所属生がディベートやグループワーク等を通じて議論を戦わせながら、実社会で通用する合意形成力や人間力を身に付ける修練の場です。詳しくは、AGLのWebサイトouterをご覧下さい。
所属許可書授与

所属許可書授与

学長式辞

学長式辞

教育院長式辞

教育院長式辞

全体写真

全体写真

お問い合わせ先

東京工業大学グローバルリーダー教育院
TEL:03-3754-3116(大岡山) / 045-924-5988(すずかけ台)
Email : agl.jim@agl.titech.ac.jp

科研費公募に関する説明会 開催

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9月29日・30日に、科学研究費助成事業(科研費)の公募に関する説明会を開催しました。
科研費の重要性の高まりから、参加者は想定した人数を上回り、会場を埋め尽くしました。

両日とも同じ内容で開催されましたが、「科研費の最近の動向」について、29日は辻山 隆 日本学術振興会研究事業部研究助成第二課長をお招きしてご講演いただきました。

また、「計画調書の作成にあたってのアドバイス」は、29日を大竹 尚登 教授、30日は寺野 隆雄 教授が担当しました。2人とも科研費第1段審査委員経験者で、審査する側に立って調書を作成することの重要性が伝わってくる講演でした。

「科研費の不正使用の防止等」については、両日とも植松 友彦 副学長(安全・コンプライアンス担当)から説明がありました。

説明会の資料については多少余りがありますので、必要な方は以下の問い合わせ先まで連絡をお願いします。

辻山隆 日本学術振興会 研究事業部研究助成第二課長
辻山隆 日本学術振興会 研究事業部研究助成第二課長

大竹尚登 教授

大竹尚登 教授

寺野隆雄 教授

寺野隆雄 教授

お問い合わせ先

研究推進部 研究企画課 研究推進グループ
TEL:03-5734-3806
Email : efund@jim.titech.ac.jp

オープンキャンパス2014 開催報告

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8月8日、東京工業大学オープンキャンパス2014を開催しました。本学のオープンキャンパスはこれまで、秋の工大祭と同時に行われていましたが、本年度からは夏に単独の日程が設けられました。

オープンキャンパスの趣旨は、本学を目指す高校生・受験生の皆さんに、本学の教育・研究の実際を紹介し、本学の特徴を体験的に理解してもらうことです。このために、第1類から第7類までの教員ならびに学生の積極的な協力を得て、アドミッションセンター・入試室・広報センターの3組織が中心となって準備を進めてきました。 当日の天気は曇りで小雨が一時ぱらつきましたが、炎天下での開催を避けられたことは幸いでした。各類による企画が開始される午前11時頃までに来場者が5,000名を超え、最終的には約12,000名を数える盛況となりました。

70周年記念講堂での大学説明会
70周年記念講堂での大学説明会

大学説明会と類・学科説明会

すべての企画に先立ち、70周年記念講堂にて大学説明会が開かれました。三島良直学長の講演に引き続き、各学部の説明、平成28年度から始まる教育改革の概要、入学試験の概要の説明がなされました。その後、同講堂に加えてくらまえホールやディジタル多目的ホールにおいて、類ごとに特色のある、類・学科説明会が行われました。

三島学長による講演

三島学長による講演

岸本工学部長による説明

岸本工学部長による説明

西森理学部長による説明
西森理学部長による説明

講演会・模擬講義

講演会・模擬講義は高校生・受験生に非常に人気の高い企画です。講演会では、現役の学生や卒業生の先輩が自分のことばで本学の魅力を伝え、模擬講義では、各類の教員が最先端の研究成果について、一般の方々にもわかりやすいように身近な観点から語りました。どの企画にも多数の来場者が集まり、立ち見や会場から溢れる場面も見受けられました。

グローバル理工人育成コース所属学生による講演「チャンスをつかむ」

グローバル理工人育成コース所属学生による講演
「チャンスをつかむ」

模擬講義「躍動する第3類の応用化学」

模擬講義「躍動する第3類の応用化学」

大学の施設見学

見学 TSUBAME2.5

見学 TSUBAME2.5

教育・研究のための施設・設備が充実していることも本学の強みです。理工系の図書を中心に約80万冊の蔵書を有する附属図書館、世界トップレベルの計算速度と省エネ性能を誇るスーパーコンピュータTSUBAME 2.5のほか、博物館、ものつくり教育研究支援センター、環境エネルギーイノベーション棟で見学会が実施されました。

研究室公開・研究室ツアー

第1類 情報科学科サイエンス・カフェ

第1類 情報科学科サイエンス・カフェ

理工系大学のオープンキャンパスの真骨頂は研究室公開です。研究室を訪問し、研究の一端に触れると、本学の特徴がよく理解できます。各類がそれぞれの研究の内容や室内の空間的制約を考慮し、実験や展示が高校生・受験生にとって印象深いものとなるよう、創意工夫を凝らしていました。

第2類 研究室公開

第2類 研究室公開

第3類 研究室公開

第3類 研究室公開

第4類 ニコニコ生放送中の研究室

第4類 ニコニコ生放送中の研究室

第5類 学生交流サロン

第5類 学生交流サロン

第6類 研究室公開

第6類 研究室公開

第7類 研究室ポスター案内

第7類 研究室ポスター案内

オープンキャンパス2014を終えて

来場者で賑わう生協第二食堂

本年度は、来場者数の見込みが十分ではなかったことなどから運営面での不備が目立ち、さまざまな場面で来場者の皆さんに不自由な思いをさせてしまいました。この点を深く反省し、今後その改善策を検討していきます。その一方で、「研究室で学生と話ができて有意義だった」、「模擬講義を聴いて自分の興味あるものがわかった」、「東工大に入りたいと思った」といった声もたくさん寄せられ、先述の趣旨が実現されたという手応えが大いに感じられました。

高校生・受験生の皆さんにとって、科学と技術を中心とする大学のイメージはつかみにくいものかもしれません。それゆえ、大学の教育と研究がどのようなものかを皆さんに体験してもらうために、オープンキャンパスは貴重な機会であると考えています。研究室公開や模擬講義を通じて本学を知ってもらうことは、これからもますます重要になることでしょう。このような認識を全学で共有したうえで、今回明らかとなった課題を踏まえ、次年度はさらに強力な体制でオープンキャンパスを実施します。

お問い合わせ先

アドミッションセンター・学務部入試課
TEL:03-5734-3990
Email : opencampus@jim.titech.ac.jp

剛能く柔を制す:分子チューブによる"ひも状"生体分子の識別

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概要

東京工業大学資源化学研究所の吉沢道人准教授と矢崎晃平大学院生らは、剛直な骨格を有する分子チューブを利用して、柔軟な"ひも状"分子を高選択的に捕捉することに成功した。生体内には、長鎖の炭化水素部位を含むひも状分子が数多く存在し、構造と機能の面で重要な役割を担っている。しかしながら、既存の合成化合物では、その構造の違いを見分けることが出来ない。本研究では、「炭化水素鎖」と「多環芳香族骨格」間の相互作用を利用することで、分子チューブによるひも状生体分子の識別を達成した。

分子チューブとして、多環芳香族分子のアントラセンに着目し、これら4つを連結したナノ構造体を新規に合成した。このチューブは、多環芳香族骨格に囲まれた1ナノメートルサイズの剛直な筒型空間を有し、また、イオン性の連結部を持つため水系溶媒に可溶である。一方、標的として選んだ長鎖の炭化水素部位を含むひも状分子は、柔らかな構造でかつ相互作用が弱いため、その構造の違いを分子レベルで識別することが困難である。両者を水系溶媒中、室温で混合した結果、多点の分子間相互作用(疎水性、π-π、CH-π相互作用)が働き、剛直な分子チューブが柔軟なひも状分子に含まれる分岐のメチル基および不飽和の2重結合を効率的に認識することが分かった。これにより分子チューブは、ほぼ同じ構造の2種類のひも状生体分子(例えば、ネルボン酸とリグノセリン酸の誘導体、スクアレンとスクアラン)の混合物から、一方の分子のみを選択的に内包および分離することに成功した。

これらの研究成果は、最先端・次世代研究開発支援プログラムの支援によるもので、英国科学誌 Nature Publishing Group の「Nature Communications」のオンライン版に、平成26年10月17日(英国時間)付けで掲載された。

研究の背景とねらい

長鎖炭化水素[用語1] 部位を含むひも状の化合物は、生物にとってなじみの深い分子であり、細胞膜やタンパク質など、生体内の至る所に存在している。その種類は多く、脂肪酸誘導体[用語2] は500種類以上、テルペン類[用語3] は50,000種類以上も存在し、わずかな構造の違いで、大きく異なる機能を示す(図1a)。このような特徴的な生体分子に対して、フラスコ内で、合成化合物による認識が試みられている。これまでに、ボウル型やカプセル型化合物を利用したひも状分子の内包とその構造の制御に関する報告例はある(図1b)[文献1a,1b] 。しかしながら、これらの分子は、柔軟な構造でかつ強い相互作用部位を持たないため、既報の合成化合物による厳密な識別は不可能であった。

図1. (a) 長鎖の炭化水素部位を含むひも状の生体分子.(b)既報の合成化合物によるひも状分子の内包.

図1 (a)長鎖の炭化水素部位を含むひも状の生体分子。(b)既報の合成化合物によるひも状分子の内包。

吉沢らのグループは約1年前に、パネル状の多環芳香族骨格[用語4] であるアントラセン環を利用して[文献2] 、それらをイオン性の共有結合で連結した水溶性のボウル状分子を開発した(図2a)[文献3] 。この半球状ナノ空間には、中程度の大きさの芳香族分子が効率的に内包された。この知見を活かして本研究では、ひも状分子の前例の無い高選択的な内包を目指して、多環芳香族骨格に囲まれた筒型ナノ空間を有する剛直なチューブ状分子の開発に着手した(図2b)。

多環芳香族骨格に囲まれたナノ空間を有する(a)ボウル状分子および(b)チューブ状分子の模式図.

図2 多環芳香族骨格に囲まれたナノ空間を有する(a)ボウル状分子および(b)チューブ状分子の模式図。

研究内容

吉沢准教授と矢崎大学院生らは、4つのアントラセン環に囲まれた1nmサイズの内部空間を有する分子チューブを新規に設計および合成した。その剛直な分子チューブを利用して、柔軟なひも状分子に含まれる長鎖炭化水素部位の分岐のメチル基および不飽和の2重結合の高選択的な識別を達成した。

分子チューブの合成

新規な分子チューブ1(図3a)は、2つのハーフチューブ構造体から、金属触媒を必要としない Zincke 反応を利用して合成した。その構造は、詳細なNMRおよび質量分析、X線結晶構造解析で決定した。結晶構造解析の結果、分子チューブは4つのアントラセン環に囲まれた直径および長さ約1nmの内部空間を有することが明らかになった(図3b)。この分子チューブは、剛直な筒型骨格内に2つのイオン性部位(ピリジニウム基)を有する構造のため、水系溶媒に可溶であった。

図3 分子チューブ1の(a)化学構造および(b)X線結晶構造(空間充填モデル)。

図3 分子チューブ1の(a)化学構造および(b)X線結晶構造(空間充填モデル)。

分岐を含むひも状分子の識別

分子チューブ1は、分岐のメチル基を含むひも状分子を選択的に内包した(図4a)。具体的には、チューブ1の水/メタノール混合溶液中に、ヘプタメチルノナン(2a)、または、同じ鎖長の n-ノナン(2b; 図4b)を加えたところ、チューブはそれぞれ1分子を定量的に内包した。一方、2a2bを同時に加えた結果、チューブは、複数の分岐メチル基を持つ2aのみを内包した(選択性98%以上)。また、2aと同じ炭素数の n-ヘキサデカン(2c; 図4b)を同時に加えた場合も、2aのみがチューブに内包された。これらの選択性は、剛直なチューブ骨格と分岐を含むひも状分子の間で、疎水性相互作用および CH-π相互作用が協同的に働いたためと考えられる(図4c)。

図4 (a)分子チューブ 1 によるひも状分子の選択的捕捉.(b)ひも状分子 2a-c, 3a-b および 4a-b の化学構造.(c)2a を内包した分子チューブ 1 および(d)スクアレンとスクアランの構造(空間充填モデル)。

図4 (a)分子チューブ1によるひも状分子の選択的捕捉.(b)ひも状分子 2a-c, 3a-bおよび4a-bの化学構造.(c)2aを内包した分子チューブ1および(d)スクアレンとスクアランの構造(空間充填モデル)。

ひも状分子の不飽和結合/メチル基の識別

分子チューブ1を利用することで、ひも状の生体分子に含まれる(i)不飽和2重結合と(ii)不飽和2重結合および分岐メチル基の識別を達成した。まず、不飽和の脂肪酸誘導体のネルボン酸エステル(3a)と飽和のリグノセリン酸エステル(3b; 図4b)の競争実験では、チューブ1は1つの不飽和2重結合を有する3aのみを内包した。その選択性は99%以上であった。また、複数の分岐メチル基を有する長鎖の生体分子で、複数の不飽和結合を含むスクアレン(4a)とそれらを含まないスクアラン(4b; 図4b)では、立体的な分子構造が近似しているにも拘らず(図4d)、4aのみを内包した。さらに、チューブ1 は、スクアレンの部分構造を含むコエンザイムQ4も効率良く内包した。以上のように、剛直な分子チューブは、柔軟なひも状分子に対して、効果的な疎水性相互作用、π-π相互作用、CH-π相互作用により、その不飽和2重結合および分岐メチル基を認識し、高選択的な分子捕捉能を発現した。

今後の研究展開

エミール・フィッシャー(1902年ノーベル化学賞)によって提案された「鍵と鍵穴」説のように、生体内では、タンパク質の柔軟なナノ空間で様々な分子が識別されている。しかしながら、その部分構造を切り抜き、フラスコ内に入れても、同じ機能は発現しない。今回、柔軟な長鎖炭化水素部位を含むひも状分子に対して、多環芳香族骨格からなる剛直な人工ナノ空間を用いることで、フラスコ内でも高い識別能が達成できた。今後は、この原理を利用した、様々な生体分子(アミノ酸やステロイドなど)の高選択的かつ高感度なセンシング法の開発が期待される。

用語説明

[用語1] 長鎖炭化水素 : 複数の炭素と水素からなる鎖状(ひも状)の有機化合物。

[用語2] 脂肪酸 : 長鎖炭化水素の末端にカルボキシル基(-COOH)を含む化合物。細胞膜の原料で、様々な長さ、不飽和結合、分岐などの化合物がある。

[用語3] テルペン類 : イソプレン骨格(-CH=C(CH3)-CH=CH-)から構成される炭化水素群。植物色素や生体ホルモンなどの材料。

[用語4] 多環芳香族骨格 : 複数のベンゼン環が縮環した平面状構造。アントラセン環もその1つ。

論文情報

掲載誌 :
Nature Communications (英国科学誌; Nature Publishing Group)
論文名 :
A Polyaromatic Molecular Tube That Binds Long Hydrocarbons with High Selectivity
(多環芳香族骨格を含む分子チューブによる長鎖炭化水素分子の高選択的認識)
著者 :
Kohei Yazaki, Yoshihisa Sei, Munetaka Akita & Michito Yoshizawa*
(矢崎晃平、清悦久、穐田宗隆、吉沢道人*
DOI :

主な研究支援

最先端・次世代研究開発支援プログラム(内閣府)

研究内容に関する問い合わせ

資源化学研究所 准教授 吉沢道人
Email: yoshizawa.m.ac@m.titech.ac.jp
TEL: 045-924-5284 / FAX: 045-924-5230

柔道部・剣道部「全国国立工業大学柔剣道大会」総合優勝

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8月31日、第50回全国国立工業大学柔剣道大会(六工大戦)が九州工業大学で開催されました。参加校は、東京工業大学、九州工業大学、名古屋工業大学、京都工芸繊維大学、北見工業大学、室蘭工業大学です。大会では、柔道・剣道それぞれ団体戦・個人戦があり、団体戦は6大学でリーグ戦、個人戦は各校5人ずつ出場してトーナメント戦を行います。

この大会で東工大柔道部・剣道部は、柔道団体戦 準優勝、剣道団体戦 優勝という好成績を収めました。また、5年連続の総合優勝も達成することができました。なお、柔道部は第46、47回大会で柔道団体戦を2連覇、剣道部は第48~50回大会で剣道団体戦を3連覇しています。

柔道部主将 高木秀さん(工学部情報科学科3年)のコメント

東工大柔道部は、六工大戦での優勝を目標に、1年間練習に励んでいます。昨年までに比べ、今年は戦力的に厳しい戦いでした。取れるところはしっかりと取れたように思いましたが、今一歩実力が及ばず、優勝することは出来ませんでした。

今の現役部員の中には柔道歴が比較的短い部員も多く、言い換えれば、まだまだ伸び代があります。部員一人ひとりの力を引き出し、伸ばすことができるかどうかは、これからの努力次第なので、まずは日頃の練習から真面目に取り組んでいきたいと思います。

来年は、今年試合に出た選手がほぼそのまま出場するので、今年よりも優勝するチャンスがあると思います。また1年間優勝目指して努力してまいります。

柔道部集合写真
柔道部集合写真

剣道部主将 山中健太郎さん(工学部電気電子工学科3年)のコメント

剣道部は、1年間同大会の優勝を目標にして、日々の稽古に精進してまいりました。去年の大会での優勝で、2年連続の優勝は3回目となりました。しかし、3年連続の優勝はこれまで成し得ませんでした。今回の優勝で東工大剣道部としては、史上初の大会3連覇となり、学長に良い結果を報告することができて部員一同大変嬉しく思っています。これもひとえに私どもの部活動を様々な形で支えて頂いている学校関係者、OB・OGの諸先輩方をはじめとする、多くの方々の温かいご支援の賜物だと感謝しております。

剣道は単に試合に勝つことが全てではありません。剣の理法の修練を通して、私達が正しく正々堂々と生きていくための人間形成をすることが剣道の理念です。この結果に慢心することなく、稽古を積み重ね、高い目標を持ち、さらなる記録の更新をしていきたいと思っています。

剣道部集合写真
剣道部集合写真

三島良直学長、丸山俊夫理事・副学長(教育・国際担当)への戦績報告 学長室にて
三島良直学長、丸山俊夫理事・副学長(教育・国際担当)への戦績報告 学長室にて

「東工大学生リーダーシップ賞」授与式挙行

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授与式後の記念撮影

平成26年度の「東工大学生リーダーシップ賞」授与式が、10月15日午前10時から学長室で行われました。

この賞は、本学学部の2年次から4年次の学生を対象とし、学生の国際的リーダーシップの育成を目的としています。知力、創造力、人間力、活力など、リーダーシップの素養に溢れる学生を表彰し、さらなる研鑽を奨励するために平成14年度から実施されています。

授与式では、学長から賞状の授与と副賞の贈呈が行われました。授与式終了後は学長会議室で、学長、副学長及び学部長と受賞者が、歓談を行いました。

今回表彰された学生は以下の通りです。

平成26年度「東工大学生リーダーシップ賞」受賞者

所属
学年
氏名
主な受賞理由
工学部
金属工学科
4年
杉山 智美
  • 学科成績トップ
  • 文化祭実行委員会の副委員長
  • 国際室主催ASEASによりベトナム派遣
工学部
化学工学科
4年
西久保 匠
  • 学勢調査共同代表
  • Science Technoの副代表
  • 東工大ボランティアグループのすずかけ代表
工学部
制御システム工学科
4年
木﨑 一宏
  • Meister代表、第36回鳥人間コンテストで優勝、エコノムーブ部門菅生大会の大学の部優勝
  • 蔵前工業会の学生分科会学生幹事
  • 所属研究室にて留学生のとの交流の機会を企画・立案
工学部
土木・環境工学科
4年
岩佐 茜
  • Steel Bridge Competition(模型橋梁の製作・架橋コンテスト)にて班長
  • 土木・環境工学コロキウムの英語の成果発表会で優秀発表賞
  • 硬式野球部マネージャー
生命理工学部
生命工学科
4年
鈴木 真也
  • 生物学ロボコン「iGEM」リーダー、大会で最優秀部門賞と金賞
受賞学生

受賞学生

受賞学生

受賞学生

懇談の様子
懇談の様子

東工大発ベンチャー称号記授与式

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東工大発ベンチャー称号記授与式が10月9日に学長室で行われました。

今回称号記を授与されたのは、昨年度以降に「東工大発ベンチャー」の称号を得た、株式会社forEst、カチラボ株式会社、リバーフィールド株式会社(授与年月日順)の3社です。

授与式には、三島学長をはじめ、辰巳産学連携推進本部長等が出席し、学長から各企業の代表者に称号記が手渡されました。

記念撮影後の懇談会では、活用する東工大の研究成果や新たな技術・ビジネス手法について、各企業から説明があり、意見交換が行われました。

本学では、大学発の研究成果又は人的資源を活用して起業されたベンチャー企業からの申請を受けて、「東工大発ベンチャー」の称号を授与しています。称号授与企業は累計で71社(2014年10月1日現在)にのぼり、大学発の研究成果や技術を活かした社会貢献が活発に行われています。

称号記授与

称号記授与

懇談会風景

懇談会風景

集合写真
集合写真


AESセンター第7回シンポジウム開催報告

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「先進エネルギー国際研究センター(AESセンター)第7回シンポジウム」が10月3日、東工大蔵前会館くらまえホールで開催されました。地域エネルギーを活用したスマートコミュニティをどう構築し推進するのか、官・公・産のリーダーによる講演や議論が展開されました。シンポジウムには自治体のほか企業、大学、一般の参加者を含む約300名の参加者が集まりました。

場内はほぼ満席
場内はほぼ満席

増田寛也氏

増田寛也氏

開会挨拶に続き、増田寛也 (株)野村総合研究所顧問(元総務大臣)による特別講演1が行われました。増田氏は、2040年までの日本の地域ごとの人口減少に関する予測調査を紹介し、人口減を防ぐために地域ごとのきめ細かい対応を真剣に議論する必要があると警鐘を鳴らしました。特別講演2では、エネルギーのシステム改革やスマートコミュニティ実証などについて、公務で欠席された経済産業省資源エネルギー庁 上田隆之長官の代理として、戸邉千広室長が講演しました。

柏木特命教授(左)と中上特任教授(右)

柏木特命教授(左)と中上特任教授(右)

次に、柏木孝夫 特命教授(AESセンター長)と中上英俊 AESセンター特任教授の対談が行われました。地域エネルギーの実装には需要サイドの視点が重要なことを念頭に、地域の実情に合わせたエネルギーの需給システムや、地域で行うインフラ構築の必要性を論じ合いました。

後半のパネルディスカッションでは、里見晋 長崎県副知事、田岡克介 北海道石狩市長、眞木勝郎 (株)NTTファシリティーズ理事、救仁郷豊 東京ガス(株)副社長執行役員、山東理二 三菱商事(株)執行役員、黒川浩助 AESセンター特任教授を迎え、コーディネーターとして内野善之 AESセンター長補佐が登壇しました。パネラーそれぞれが取り組む地域エネルギー創生プロジェクトや事業、研究を紹介した後、地域活性化を推進するための産学官連携のあり方に関する熱心な議論が行われました。

パネルディスカッション
パネルディスカッション

佐藤教授(AES副センター長)

佐藤教授(AES副センター長)

最後に佐藤勲 教授(AES副センター長)がシンポジウムの総括をしました。大学、企業、自治体、国それぞれの役割を持ち、互いを補い合うようにループする仕組みづくりが大事であることを強調。AESセンターはこのような課題解決に向けた議論をするプラットフォームを目指していると挨拶し、シンポジウムは成功裏に終了しました。

お問い合わせ先

ソリューション研究機構 先進エネルギー国際研究センター
TEL:03-5734-3429
Email : aescenter@ssr.titech.ac.jp

東京工業大学原子炉工学研究所設置50周年記念講演会を開催

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東京工業大学原子炉工学研究所は、1964年に附置研究所として改組以来、今年で50周年を迎えたことを記念し、9月13日に大岡山キャンパスの西9号館ディジタル多目的ホールで記念講演会を開催しました。

「東電福島事故後の原子力再生」をテーマとした行われた講演会には、文部科学省をはじめ、大学関係者、原子力関係機関、企業関係者、学生及び一般参加者など約220名が参加しました。

講演に先立ち、三島良直学長が挨拶とともに、研究所が中心となって文部科学省に提案し8月20日に採択が決まったばかりのプロジェクト「廃止措置工学高度人材育成と基盤研究の進化」を紹介するなど研究所への期待を述べました。瀬戸信太郎 文部科学省研究振興局学術機関課学術研究調整官、藤田玲子 日本原子力学会長からそれぞれ祝辞をいただき、矢野豊彦研究所長が研究所の歩みについて説明を行いました。

三島良直東工大学長

三島良直東工大学長

瀬戸信太郎学術研究調整官

瀬戸信太郎学術研究調整官

藤田玲子原子力学会長

藤田玲子原子力学会長

矢野豊彦原子炉工学研究所長

矢野豊彦原子炉工学研究所長

その後、中西友子 原子力委員の「東電福島原発事故と今後の科学のあり方」を皮切りに講演会が開始されました。続いて吉澤厚文 原燃輸送株式会社社長からは「東電福島事故から学ぶ」と題した講演がありました。吉澤氏(本学出身)は、震災当時の東京電力福島第一原子力発電所(東電福島第一原発)ユニット所長です。故吉田昌郎(本学出身)東電福島第一原発所長とともに、文字通り命がけで事故の終息にあたられた臨場感が、講演会場にひしひしと伝わりました。講演後の質疑応答も非常に活発に行われ、聴衆からは、「この講演を聴けただけでも今日来たかいがあった。」と絶賛されました。

中西友子原子力委員

中西友子原子力委員

吉澤厚文原燃輸送社長

吉澤厚文原燃輸送社長

休憩を挟み、研究所の最先端研究の一例として、池田泰久 原子炉工学研究所教授から「東電福島原発事故で発生した放射性廃棄物の合理的な処理・処分システム構築に向けた基盤研究について」の紹介がありました。最後は、松井康真 テレビ朝日記者による「マスメディアから見た原子力」と題した講演が行われました。原子力に係わるようになった経緯、現場での生々しい取材状況やその報道など、普段は聞けないマスメディア側からの話を聞くことができました。

その中で松井氏(本学出身)は、チェルノブイリ原発事故の時から原発問題への勉強の必要性を感じ、25年を経てやっと本格的に勉強ができる環境になったのが、東電福島原発事故の数ヶ月前であったと語りました。勉強のため休暇をとって私費で出かけた青森県・六ヶ所村の核燃料サイクル施設の見学中に東日本大震災に遭遇し、それを機に原子力担当となったそうです。また、理系出身アナウンサーならではの鋭い視点から取材活動を行い、精巧な原子炉建屋の模型を作って視聴者に判りやすい解説の一翼を担っていたことなど、非常に感銘深い内容でした。

池田泰久東工大教授

池田泰久東工大教授

松井康真テレビ朝日記者

松井康真テレビ朝日記者

講演後の質疑応答も予定時間をオーバーするほど活発に行われ、講演会は盛会裏に終了しました。

講演会の様子

「財務レポート2013-2014」公表

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このたび、6月に文部科学大臣に提出しました平成25年度財務諸表が、9月25日に承認されましたので、財務レポートを公表しました。

東京工業大学では、本学を支えてくださるみなさまに、財務諸表をなるべくわかりやすい形で提供することを目的として、平成21年度決算から財務レポートを作成しています。

「財務レポート2013-2014」の内容は、以下のpdfファイルをご覧ください。

財務レポート2013-2014

財務ハイライト

平成25年度財務ハイライト

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュ・フロー計算書
  • 業務実施コスト計算書

東京工業大学を支えてくださるみなさまへ

  • 国民のみなさまへ
  • 学生・保護者のみなさまへ
  • 卒業生のみなさまへ
  • 企業のみなさまへ
  • 教職員のみなさまへ

指標から見る財務状況

会計処理解説

国立大学法人特有の会計処理について

財務諸表の表示科目について

お問い合わせ先

財務部主計課決算グループ
TEL:03-5734-2304
Email : syu.kes@jim.titech.ac.jp

工大祭2014 たくさんのご来場ありがとうございました!

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10月11日(土)・12日(日)の2日間、東京工業大学大岡山キャンパスにて学園祭「工大祭2014」が開催されました。一時は台風に見舞われるかと心配が絶えませんでしたが、幸いなことに両日とも快晴に恵まれました。

工大祭当日は200以上の団体の活躍により、例年にない盛り上がりとなりました。賑わう模擬店街、学生によるユニークな企画、目をひくようなパフォーマンス、研究室による最先端の展示など、様々な「東工大」を見ることができました。

今年からオープンキャンパスは別日に行われることになったため、来場者が減るのではないかという懸念もありましたが、蓋を開けてみれば延べ約48,000人もの方にご来場いただけました。

工大祭実行委員会からのメッセージ

こうした盛り上がりの中、無事に工大祭を終えることができたのは、来場いただいた多くの方々、一丸となって工大祭を作り上げていった参加研究室、本学学生団体、ご協力いただいた多くの大学職員の皆様、ご支援いただいた企業の方々、ご賛助いただいた多くの東工大OB・教員の皆様のご協力のおかげです。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

来年以降も工大祭は開催される予定です。今後とも工大祭をよろしくお願いします!

図書館横からの様子

図書館横からの様子

西地区の模擬店街

西地区の模擬店街

本館前ステージでのパフォーマンス

本館前ステージでのパフォーマンス

フィナーレの様子

フィナーレの様子

お問い合わせ先

工大祭実行委員会
TEL:03-5734-2480
Email : info@koudaisai.jp

健康・衛生週間特別講演会「世界の感染症動向と地球規模の感染症対策」開催報告

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東工大では毎年10月の健康・衛生週間に、職員及び学生の意識向上を図る活動の一環として、健康・衛生に関わる身近なテーマを取り上げた講演会を実施しています。今年は10月2日、東工大蔵前会館くらまえホールにて開催されました。

丸谷俊之准教授の講演

丸谷俊之准教授の講演

まず東工大保健管理センター 丸谷俊之准教授より「ガボンの精神科医療を見に行く」と題した報告がありました。9月に中部アフリカに位置するガボンに出張した際の自身の経験を踏まえ、海外渡航前の予防注射等の準備や心構えなどを、ガボンの医療情報と併せた内容は、つづく加藤先生の感染症全体の話へと繋がりました。

国立感染症センター 国際感染症対策室医長の加藤康幸先生には「世界の感染症動向と地球規模の感染症対策 -日本での感染症対策はどうあるべきか-」と題して講演していただきました。日本でのデング熱の感染地域拡大や、エボラ出血熱感染者がアメリカで確認されるなど、連日のニュースで取り上げられている話題とあって、学外からの参加者もあり、皆さん熱心に耳を傾けていました。

加藤康幸先生の講演は感染症の歴史から始まりました

加藤康幸先生の講演は感染症の歴史から始まりました

加藤先生の講演は、開国と共に日本に持ち込まれた感染症の歴史から始まりました。日本でもコレラが大流行した時代があったことに驚かされ、経済発展、インフラ整備と共に感染症の発生率が減少してきた経緯を判り易く教えていただきました。そして、コレラやマラリア、ポリオ、デング熱、エボラ出血熱など、主な感染症の感染ルートや症状、現在の世界的な発生状況の説明がありました。さらに、今年5月と8月の2回に渡り、エボラ出血熱対策の専門家としてWHOの要請を受け、現地スタッフの指導や医療施設の改善などに尽力されたリベリアでの活動報告がありました。

発展途上国では水道が整備されていない、教育が十分でない、医療機関が不足しているなど、感染症予防を阻む要因が多くあるが、資金面だけでなく、人的な支援が感染症対策には求められていること、また、感染症の排除には医学だけでなく、理工学の力が必要であることを何度も話されました。理工系大学のできることを考えさせられた参加者も少なからずいたのではないでしょうか。

加藤康幸先生

加藤康幸先生

最後に、大変なご苦労をされたリベリアで一緒に仕事をしたチームメンバーの写真を写し「とても明るくて励まされた素晴らしいメンバー達です。」と、にこやかに紹介された先生のやさしいお人柄に、ホッと心が和んで終わった講演会でした。

お問い合わせ先

人事課労務室
Email : jin.iku@jim.titech.ac.jp

東京工業大学・大阪大学「クロス・アポイントメント協定」を締結 優秀な教員の給与を両機関で負担、研究連携を強化

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東京工業大学と大阪大学は平成26年11月に「クロス・アポイントメント制度[用語1] 」に基づく協定を締結することとなりました。対象の教員は、東京工業大学25%、大阪大学75%の割合で研究に従事し、同割合に応じた給与を両機関が負担します。東京工業大学では初めて、大阪大学は理化学研究所との協定締結に続き国内2例目です。

協定締結の目的及び効果

東京工業大学地球生命研究所(ELSI)は、地球と生命の起源と進化に関する研究により初期地球環境と原始生態系を明らかにし、更に一般化させて生命惑星学を確立することを目的に平成24年度に世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI[用語2] )に採択されました。

東京工業大学は地球生命研究所の生命系分野における研究教育の強化・充実を図るため、同分野で顕著な実績のある、大阪大学大学院情報科学研究科・四方哲也(よも てつや)教授をクロス・アポイントメント制度により招聘することとしました。大阪大学大学院情報科学研究科に東京工業大学地球生命研究所のサテライトオフィスを設け、研究連携を強化します。

協定概要

対象機関

東京工業大学地球生命研究所(所在地:東京都目黒区)

大阪大学大学院情報科学研究科(所在地:大阪府吹田市)

対象者
大阪大学大学院情報科学研究科 四方哲也 教授
期間

平成26年11月1日〜平成34年3月31日(7年5ヶ月間)

※ 東工大地球生命研究所 WPI 期間終了まで

勤務割合
東工大:25%、大阪大:75%

四方哲也教授のプロフィール

研究テーマ

人工細胞・遺伝子ネットワーク進化・人工共生

略歴

四方哲也教授

1991年
大阪大学大学院 工学研究科 博士(工学)
1991年
大阪大学 工学部 応用生物工学専攻 助手
1998年
大阪大学大学院 工学研究科 助教授
2002年
大阪大学大学院 情報科学研究科 助教授
2006年
大阪大学大学院 情報科学研究科 教授
2006年
大阪大学大学院 生命機能研究科 教授(兼任)

用語解説

[用語1] クロス・アポイントメント制度 : 教育研究の発展に寄与する目的において、相手方機関と該当する教職員の勤務割合等を定める協定を締結し、勤務割合に応じた給与を双方で支給する制度。該当する教職員は、双方の機関に身分を有し、双方の業務を行う。

[用語2] 世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI) : 平成19年度に始まった文部科学省のプログラム。世界レベルの研究者を中核にした「世界トップレベル研究拠点」の形成を目指す構想に対して政府が集中的な支援を行い、世界から第一線の研究者が集まる優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成を目指している。

問い合わせ

東京工業大学広報センター(プレス担当)
TEL:03-5734-2975
Email : media@jim.titech.ac.jp

11月の学内イベント情報

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2014年 11月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

11月の学内イベント情報


志村正道名誉教授が平成26年秋の叙勲を受章

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平成26年秋の叙勲において、志村正道名誉教授が瑞宝中綬章を受章しました。

志村名誉教授は、1976年に工学部助教授として東工大に着任しました。1980年からは同教授として、パターン認識、学習機械など、知的情報処理技術の新しい分野での国際的な活動を展開し、情報工学、特に人工知能や機械学習の分野における研究の発展に多大な貢献を果たしました。

志村名誉教授のコメント

志村正道名誉教授

「日本の大学に情報工学・情報科学科が創設されてから50年近くなるが、そのカリキュラム作成から始まり、以後情報関連の研究教育に携わってきた。その間人工知能学会の創立に関わるとともに、学習システムや問題解決・発見システムなど人間の知能に関する問題に取り組んできた。半世紀にわたり自分の好きな研究が出来たのも、研究室に在籍した学生・院生・教職員の方々のお陰であり、彼らの多くの顔が目に浮かんできて幸せだった時代を懐かしく思い出している。」

「第24回 My Study Abroad 留学報告会」開催報告

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10月17日の昼休みに、My Study Abroad 留学報告会を開催しました。国際室が募集する留学プログラムにより留学した学生によるこの報告会は、授業期間中、月1~2回開催されています。

留学報告会の様子

今回は派遣交換留学プログラムを使って留学した3名の学生が発表しました。大学院理工学研究科 応用化学専攻 修士2年の工藤徹也さん(アールト大学/フィンランド)、大学院総合理工学研究科 創造エネルギー専攻 修士2年の磯野文香さん(カリフォルニア大学バークレー校/アメリカ)、大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻 修士2年の新井達之さん(ワシントン大学/アメリカ)です。

アールト大学に留学した工藤さんは、授業履修をメインにいくつかの科目を履修しました。なかでも、学生から人気のあるProduct Development Projectという、スポンサー企業の援助を受けて製品の企画・開発を行う授業では、様々な専攻の留学生とカプセルホテルの製作に携わったそうです。6か国の留学生とプロジェクトを進めるなかで多くの困難を乗り越え、最終的にはヘルシンキでホテルが運営されることになったとの報告がありました。また、スポーツが盛んなフィンランドでアイスホッケーやスケート、ダンス等を体験し、プライベートでも充実した生活を送ることができたそうです。

プロジェクトで製作したカプセルホテル

プロジェクトで製作したカプセルホテル

グループワークの様子

グループワークの様子

文化紹介で設けた日本のブースの様子

文化紹介で設けた日本のブースの様子

カリフォルニア大学バークレー校に留学した磯野さんからは、研究室に所属し研究をメインとしながらも、研究に関連する授業を聴講し、積極的に授業にも参加したことが、今後の研究の方向性に大きな影響を与えたとの報告がありました。留学中はバークレー校に設置されているInternatinal Houseでの寮生活を送りましたが、学習室や食堂が完備された充実した寮で、70か国から集まる約600人の学生と交流できたことも大きな財産となったようです。その他、バークレーでの生活について、トラブルやアクシデントも含め、今後留学予定の学生に役立つ情報を提供してくれました。

ワシントン大学に留学した新井さんは、当初は授業履修のみの予定だったところ、新大学院生向けのオリエンテーションでのポスター発表で専門分野の近かった教授に注目され、小さな研究プロジェクトを任されるようになりました。研究関連分野をより深く習得することができたとの報告がありました。また、留学中にはキャリアに対する考え方の相違や米国の厳しい競争社会を間近で感じ、日本で形成された先入観に気づいたそうです。資金面についても、通常の留学だと年間400万円かかるところ、派遣交換留学であれば断然安くなるので、おすすめとのことでした。

ワシントン大学図書館

ワシントン大学図書館

晴れた日のキャンパスの様子

晴れた日のキャンパスの様子

お問い合わせ先

国際部留学生交流課派遣担当
TEL:03-5734-7645
Email : hakenryugaku@jim.titech.ac.jp

山本明夫名誉教授が平成26年度文化功労者に選定

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山本明夫名誉教授が、平成26年度文化功労者に選ばれました。文化功労者とは、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者を顕彰するものです。

山本名誉教授は、有機金属化学分野において、金属錯体による空中窒素固定化の発見、新規炭素-炭素結合形成反応の解明、新しい触媒反応開発、などの広い分野で顕著な業績を上げ、その成果は国内外の関連分野の研究に波及しています。一方、有機金属化学の体系化にも尽くし、この分野を代表する著書として「有機金属化学」及び同書英語版が出版されています。平成7年には紫綬褒章を、平成13年には勲三等旭日中綬章を受章しています。

山本名誉教授のコメント

山本名誉教授

退官当時の山本明夫名誉教授

「私が有機金属化学の仕事を始めた頃は、『有機金属化学って何?』ときかれるほど知名度の低い分野でした。そこで自分なりに、こつこつと進めてきた研究とその分野とが今回認められたことをうれしく思います。東工大資源研では、多くの助教授、助手、学生と共同して研究を進めることができ、当時のことを今もなつかしく思います」

小池英樹研究室が経済産業省Innovative Technologies 2014に採択

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大学院情報理工学研究科計算工学専攻 小池英樹研究室の的場やすしさんらが開発したアクアフォールディスプレイが、優れた技術として経済産業省「Innovative Technologies 2014」に採択されました。

Innovative Technologiesは、経済産業省策定の技術戦略マップで示されている、技術開発の方向性に基づき、その実現に大きな貢献が期待できる先進的な技術を発掘・評価する事業です。産学連携の場での共有と社会への発信を行うことで、日本におけるコンテンツ技術の未来を描くことを目的とし、実施されています。今回「Innovative Technologies 2014」に採択された20の技術は、10月23日から26日まで日本科学未来館にて行われた「デジタルコンテンツEXPO2014」において展示されました。

アクアフォールディスプレイは何もない空間に短時間でスクリーンを出現、消失させることが可能で、プロジェクターの映像をきれいに表示することができます。さらにスクリーン面を物体が自由に出入りすることもできます。四角形状に構成された4本のスリットから流れ落ちる滝が作りだす閉じた空間の内部を濃い霧で満たすことにより、白色で完全に不透明、なおかつ表面が平滑なスクリーンを空中に出現させることを実現しました。光の散乱・反射率が高いため、周囲が明るい環境でも使用できます。

なお、小池研究室は昨年のアクアトップディスプレイに続いて2年連続の受賞です。

今回の採択を受けて、小池教授は次のようにコメントしています。

「昨年のAquaTop Displayに続き、今年も経済産業省のInnovative Technologiesに採択されて大変光栄です。これまでも水や霧をスクリーンとするシステムはありましたが解像度や発色に難がありました。本システムでは水で霧を囲い込むことでこれらの問題を解決しました。本システムはプロジェクタとカメラを一体化させたProCamsと呼ばれる技術の一応用ですが、表示媒体の選択肢が増し、実社会での適用分野が広がったと考えています。今後はシステムのスケーラビリティ等を検討していきたいと考えています。」

お問い合わせ先

大学院情報理工学研究科 計算工学専攻
教授 小池 英樹
TEL:03-5734-3526
Email : koike@cs.titech.ac.jp

がんへの光選択的遺伝子導入に成功 ―三層構造の高分子ミセル型ナノマシンで実現―

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概要

東京工業大学資源化学研究所の西山伸宏教授と野本貴大助教らは東京大学大学院工学系研究科・医学系研究科の片岡一則教授らと共同で、光に応答して遺伝子を細胞に導入することができるナノマシン[用語1] を開発し、ナノマシンの全身投与後にがんに光を照射することで、がんへの光選択的な遺伝子導入に世界で初めて成功した。この研究成果は、日本学術振興会、科学技術振興機構、武田科学振興財団の支援によるもので、英国オンライン科学雑誌「Nature Communications」に4月2日付けで掲載された。

研究の背景

遺伝子に異常を持つ細胞に、タンパク質の設計図であるDNAを送り届けて異常を治す遺伝子治療は、既存の医薬品では治療が困難な、がん、動脈硬化症、パーキンソン病などの難治性疾患を克服する技術として大きな期待を集めている。しかし、DNAは生体内に投与されると即座に分解されてしまうため、遺伝子治療を実現するためには、目的のDNAを疾患部位の標的の細胞まで確実に届けることができる、DNAの運び屋(ベクター)が必要である。

現在、ベクターとしてはウイルスや、脂質をベースとした非ウイルス性の試薬が一般的に使用されている。だが、これらを生体に投与した場合、正常な細胞にも遺伝子が導入されてしまい、予期せぬ副作用を惹起してしまうことが懸念されていた。そのため、標的となる疾患部位だけに遺伝子を導入することができるベクターの開発が望まれていた。

研究成果

研究グループはこれらの課題を解決するための機能を高分子ミセル[用語2] に統合することで、光照射部位で選択的に遺伝子を導入することができるナノマシンを開発した。ナノマシンは、図1のように、ABC型トリブロック共重合体という異なる3つの機能セグメントを持つ高分子とDNA、そして光で活性化すると活性酸素を産生する薬剤(光増感剤)の水中における自己会合により作製される。ナノマシンは、DNAを内包した内核層、光増感剤を内包した中間層、生体適合性材料の外殻層という三層構造を持っており、それぞれの層が効率的な遺伝子導入を行うための機能を持っている。

ナノマシンの構築方法と構造。ABC型トリブロック共重合体、DNA、光増感剤を水中で順次に自己会合させることによりナノマシンが構築される。

図1. ナノマシンの構築方法と構造。ABC型トリブロック共重合体、DNA、光増感剤を水中で順次に自己会合させることによりナノマシンが構築される。

ナノマシンは血中に投与されると、生体適合性外殻により生体物質の吸着を抑制し、さらにDNAを内核に閉じ込めておくことにより、DNAの分解を回避しながら血流中を循環する。がん組織の血管は未熟な構造をしており、血管壁にナノスケールの穴が開いているため、ナノマシンはこの穴を通してがん組織に移行することが可能である。そして、ナノマシンはがん細胞にエンドサイトーシス[用語3] と呼ばれる経路で細胞に取り込まれ、エンドソーム・リソソーム[用語4] と呼ばれる細胞の胃袋のようなものに運ばれる。

一般的にDNAそのものはそこから細胞質に移行することができないため、核まで到達することができない。そこで、ナノマシンは、エンドソーム・リソソーム内の酸性環境を検知して光増感剤を放出し、エンドソーム・リソソームの膜と相互作用させる。そこに光を当てて光増感剤を活性化すると、活性酸素が産生されてエンドソーム・リソソーム膜を壊し、DNAを細胞質に移行させることができる (図2)。このナノマシンの機能により、培養がん細胞に対する遺伝子導入の実験では、光照射を行うと遺伝子導入効率が100倍以上上昇することが確認された。さらに、皮下にがんを持つマウスにナノマシンを静脈注射した後、がんに光照射することにより、全身投与後の光選択的遺伝子導入に世界で初めて成功した。

細胞内の環境と光に応答してDNAの細胞質への移行を促進するナノマシン。エンドソーム・リソソーム内の環境に応答してナノマシンは光増感剤を放出し、エンドソーム・リソソーム膜に相互作用させる。光照射により活性化された光増感剤は活性酸素を産生しエンドソーム・リソソーム膜を不安定化させ、DNAの細胞質への移行を促進する。

図2. 細胞内の環境と光に応答してDNAの細胞質への移行を促進するナノマシン。エンドソーム・リソソーム内の環境に応答してナノマシンは光増感剤を放出し、エンドソーム・リソソーム膜に相互作用させる。光照射により活性化された光増感剤は活性酸素を産生しエンドソーム・リソソーム膜を不安定化させ、DNAの細胞質への移行を促進する。

今後の展開

薬剤を内包した高分子ミセルは、制がん剤をがん組織に選択的に運搬する運び屋として、西山教授、片岡教授らにより世界に先駆けて開発された技術であり、現在、パクリタキセル内包高分子ミセル、シスプラチン内包高分子ミセルの臨床試験が第三相まで進められており、日本発世界初の高分子ミセル型ナノメディシンとして市場に出ることが期待されている。本研究で開発されたナノマシンは、この高分子ミセルをさらに発展させたものであり、外部刺激となる光でピンポイントに積極的にタンパク質の設計図となるDNAを標的細胞に送り込むことができる技術である。

今回の研究ではレポーター遺伝子を用いて光選択的遺伝子導入を実証したが、将来的には治療用タンパク質をコードしたDNAをがん組織中の細胞に選択的に送り込み、その場で治療薬を生産することにより副作用を最小限にとどめた、低侵襲治療を実現するためのシーズとして期待される。

用語説明

[用語1] ナノマシン : 環境や外部刺激に応答して自律的に様々な機能を実行するナノサイズの機械。

[用語2] 高分子ミセル : 親水性のポリマーと疎水性ポリマーまたは荷電性ポリマーをつなげた高分子が、疎水性相互作用や静電相互作用を駆動力として自己会合することにより形成されるナノサイズの粒子。親水性ポリマーが外殻相を形成し、疎水性ポリマーまたは荷電性ポリマーが内核を形成する。

[用語3] エンドサイトーシス : 細胞外の物質を細胞が内部に取り込む際の経路の一つ。物質を細胞膜で覆うようにして小胞をつくり内部に取り込む。

[用語4] エンドソーム・リソソーム : エンドソームはエンドサイトーシスによって形成される小胞を指す。エンドソームは最終的に分解酵素を含むリソソームと融合し、エンドソーム内の物質を分解する。

論文情報

掲載誌 :
Nature Communications
論文名 :
Three-layered polyplex micelle as a multifunctional nanocarrier platform for light-induced systemic gene transfer
執筆者 :
Takahiro Nomoto, Shigeto Fukushima, Michiaki Kumagai, Kaori Machitani, Arnida, Yu Matsumoto, Makoto Oba, Kanjiro Miyata, Kensuke Osada, Nobuhiro Nishiyama*, Kazunori Kataoka*
DOI :

お問い合わせ先

資源化学研究所 高分子材料部門
教授 西山伸宏
Email: nishiyama@res.titech.ac.jp
TEL: 045-924-5240 / FAX: 045-924-5275

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