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「東工大挑戦的研究賞」授賞式実施―独創性豊かな若手研究者に―

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平成26年度「東工大挑戦的研究賞」授賞式が11月10日に行われました。

この賞は、本学の若手教員の挑戦的研究の奨励を目的としています。世界最先端の研究推進、未踏分野の開拓、萌芽的研究の革新的展開、又は、解決が困難とされている重要課題の追求等に果敢に挑戦している、独創性豊かな新進気鋭の研究者を表彰するものです。第13回目の今回は、13名が選考されました。なお、受賞者には支援研究費等が贈呈されます。

プレゼンテーションの様子

プレゼンテーションの様子

授賞式では、三島学長から受賞者に賞状の授与及び今後さらなる活躍を期待する旨の激励の言葉がありました。ついで受賞者代表2名から、採択された研究課題についてのプレゼンテーションが行われました。

平成26年度「東工大挑戦的研究賞」受賞者一覧

氏名
所属
職名
研究課題名( * は学長特別賞)
大学院理工学研究科
(理学系)数学専攻
准教授
低次元トポロジーと代数的組合せ論
大学院理工学研究科
(理学系)基礎物理学専攻
助教
突発天体のための超小型X線偏光計観測衛星の開発
大学院理工学研究科
(理学系)地球惑星科学専攻
講師
* 下部マントル鉱物の音速測定から探る地球深部の化学組成
大学院理工学研究科
(工学系)応用化学専攻
助教
電気化学トランジスタによる超伝導デバイスの実現
大学院理工学研究科
(工学系)電子物理工学専攻
准教授
超高効率ペロブスカイト・シリコンハイブリッド太陽電池の実現
大学院生命理工学研究科
生物プロセス専攻
准教授
アミノレブリン酸投与後のポルフィリンを用いたがん検診システムの開発
大学院生命理工学研究科
分子生命科学専攻
准教授
人工U1snRNAを用いた革新的遺伝子治療の開発
大学院総合理工学研究科
物質電子化学専攻
講師
微粒子の選択的多官能化と機能材料への応用
大学院情報理工学研究科
数理・計算科学専攻
准教授
* 高次元大量データにおける構造的学習の統計理論と計算手法
精密工学研究所
准教授
弾性管の音響特性を利用した人にやさしい「たおやかな」触覚センサの開発
応用セラミックス研究所
セラミックス機能部門
助教
新規な水中機能触媒を用いた植物由来炭化水素からの必須化学品原料の環境低負荷合成
元素戦略研究センター
准教授
電子ドナーとしての水素アニオン活用による新電子機能物質探索
量子ナノエレクトロニクス研究センター
助教
紫外線硬化樹脂による光細線を用いたInP/Si ハイブリッド光集積モジュールの開発

(所属順・敬称略)

受賞者との記念撮影
受賞者との記念撮影

「東工大挑戦的研究賞」に関するお問い合わせ

研究推進部 研究企画課 研究企画グループ
TEL: 03-5734-3803


日野自動車奨学金、須山奨学金の授与式を開催

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9月1日、タイ王国パトゥムターニ県タイランドサイエンスパーク内のタイ国立科学技術開発庁(NSTDA)において、第2回日野自動車奨学金授与式、および、須山奨学金授与式を開催し、TAIST-Tokyo Techで学ぶ学生2名に目録が授与されました。

TAIST-Tokyo Techは、NSTDAouterと、タイの四大学(KMITLouterKMUTTouterカセサート大学outerタマサート大学SIITouter)、東工大の連携により、2007年に設立された国際協働による大学院です。

挨拶する中澤常務

挨拶する中澤常務

日野自動車奨学金は、日野自動車株式会社創立70周年記念事業の一環としていただいたご寄付を基に、TAIST-Tokyo Techの自動車工学コースで学ぶ特に優秀な学生1名に、修士課程2年間にわたって奨学金を支給する制度です。学生は授業料についてNSTDAからの支援を受けているため、日野自動車奨学金を受給することで、TAISTに所属する2年間、生活基盤の心配をすることなく勉学に集中することができます。

今年度の授与式では、日野自動車株式会社・中澤晃一常務より、学生たちへのメッセージをいただいた後、2014年度奨学金受給者のJiramed Boonsakdaさんに目録が渡されました。

須山奨学金は、TAIST-Tokyo Tech組み込み情報システムコースで学ぶ特に優秀な学生1名に対し、修士課程2年間に渡って奨学金を授与するものです。本学同窓生・須山英三氏(昭和28年/1953年卒)は、もともとタイに個人的な繋がりの深いところ、卒業60周年記念の同窓会行事での西原明法TAIST運営委員長の講演によりTAISTを知り、プログラムの趣旨に深くご賛同いただき、今回奨学金という形でご支援いただく運びとなりました。

今回の第1回授与式では、須山氏のご紹介の後、奨学金受給者のTran Sy Bangさんに目録が渡されました。

それぞれの授与式の後には、丸山俊夫本学理事・副学長とThaweesak NSTDA長官が中澤常務、須山氏に花束と記念品を贈呈し、支援への感謝を表しました。

日野自動車奨学金受給者のJiramedさん(左から4人目)を囲んで

日野自動車奨学金受給者のJiramedさん(左から4人目)を囲んで

右から須山奨学金受給者のTran さん、須山氏、丸山理事、Thaweesak長官

右から須山奨学金受給者のTran さん、須山氏、丸山理事、
Thaweesak長官

東工大基金

これらの奨学金は東工大基金奨学金制度により運営されています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

永年勤続者45名を表彰

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11月19日、平成26年度永年勤続者表彰式が行われました。この表彰は永年(他国立大学等を含む勤続20年、うち本学勤務10年以上)職務に精励した教職員を対象とするもので、今回表彰された教職員は45名でした。

梶雅範教授による代表謝辞

梶雅範教授による代表謝辞

表彰式では、三島学長から一人一人に表彰状の授与と記念品の贈呈が行われ、永年の功労に対して祝辞が送られました。続いて表彰を受けた教職員を代表して大学院社会理工学研究科梶雅範教授からの謝辞がありました。

今回表彰された教職員は次のとおりです。

平成26年度東京工業大学永年勤続表彰者一覧

 
所属
職名
氏名
1
大学院理工学研究科数学専攻
准教授
磯部 健志
2
大学院理工学研究科物性物理学専攻
教授
齋藤 晋
3
大学院理工学研究科化学専攻
准教授
河合 明雄
4
大学院理工学研究科化学専攻
助教
大塚 拓洋
5
大学院理工学研究科地球惑星科学専攻
助教
岡元 太郎
6
大学院理工学研究科材料工学専攻
教授
坂井 悦郎
7
大学院理工学研究科材料工学専攻
准教授
河村 憲一
8
大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻
教授
森川 淳子
9
大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻
准教授
川内 進
10
大学院理工学研究科応用化学専攻
准教授
岡本 昌樹
11
大学院理工学研究科機械制御システム専攻
教授
奥冨 正敏
12
大学院理工学研究科機械宇宙システム専攻
助教
桃園 聡
13
大学院理工学研究科情報通信工学専攻
准教授
山岡 克式
14
大学院理工学研究科建築学専攻
准教授
塚本 由晴
15
大学院生命理工学研究科分子生命科学専攻
教授
湯浅 英哉
16
大学院生命理工学研究科生体システム専攻
助教
田中 利明
17
大学院生命理工学研究科生体分子機能工学専攻
准教授
森 俊明
18
大学院総合理工学研究科材料物理科学専攻
准教授
木村 好里
19
大学院総合理工学研究科環境理工学創造専攻
教授
田村 哲郎
20
大学院総合理工学研究科創造エネルギー専攻
教授
末包 哲也
21
大学院総合理工学研究科創造エネルギー専攻
准教授
沖野 晃俊
22
大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻
教授
寺野 隆雄
23
大学院情報理工学研究科数理・計算科学専攻
教授
三好 直人
24
大学院情報理工学研究科計算工学専攻
准教授
西崎 真也
25
大学院社会理工学研究科経営工学専攻
教授
梶 雅範
26
大学院社会理工学研究科社会工学専攻
教授
中井 検裕
27
原子炉工学研究所
助教
松浦 治明
28
像情報工学研究所
教授
宗片 比呂夫
29
地球生命研究所
教授
廣瀬 敬
30
学術国際情報センター
教授
権藤 克彦
31
附属科学技術高等学校
教諭
石川 幸治
32
監査事務室監査総括グループ
主任
菊地 徹
33
総務部広報・社会連携課広報・社会連携グループ
主任
乙津 昌弘
34
財務部経理課収入グループ
グループ長
太田 邦之
35
財務部契約課工学系契約グループ
主査
松本 直子
36
国際部国際事業課国際事業グループ
グループ長
渡部 千夏
37
学務部教務課大学院グループ
主任
室井 浩二
38
学務部教務課学務ICTグループ
グループ長
内田 康司
39
研究推進部
部長
吉野 明
40
施設運営部施設総合企画課総務・契約グループ
主任
井上 幸太郎
41
施設運営部施設整備課建築グループ
グループ長
七部 俊夫
42
すずかけ台地区事務部会計課調達グループ
グループ長
西村 圭司
43
すずかけ台地区事務部学務課学生支援グループ
主任
大塚 洋一
44
大岡山第一事務区工学系研究教育支援第2グループ
主任
小野寺 真美
45
技術部情報基盤支援センター
技術専門員
太刀川 博之

(所属順・敬称略)

集合写真

お問い合わせ先

総務部人事課労務室
Email : jin.iku@jim.titech.ac.jp

生細胞中だけで発光する刺激応答型蛍光ナノ粒子を開発 ―蛍光造影による診断精度の向上や薬の放出を確認可能なDDS実現へ―

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要点

  • 生細胞内で開裂する架橋剤を用いた新概念の刺激応答性蛍光ナノ粒子
  • 従来型の蛍光微粒子と異なり蛍光造影による診断のバックグラウンド補正不要
  • 薬が放出される場所や徐放速度を確認できるドラッグデリバリーシステム

概要

東京工業大学大学院理工学研究科の仁子陽輔研究員、小西玄一准教授らは、細胞外では発光せず、細胞に取り込まれると発光する新概念の蛍光性ナノ粒子を開発した。1分子で独立していると発光し、凝集すると消光する蛍光色素(ナイルレッド)を、界面活性剤を使って凝集、固定して非発光性とし、生細胞内の還元条件の刺激によって凝集を解いて強力な蛍光を発光させる仕組み。

これを標的細胞のイメージング(診断)の造影剤に用いると、細胞外ではほぼ無発光のため、観察対象のみが色づけされる。これまでの蛍光微粒子とは異なり、バックグラウンド補正なしで観測が可能となる。またドラッグデリバリーシステム(DDS)への応用も有効だ。生細胞中で微粒子が分解する様子が蛍光で観察できるため、発光と同時に起こる薬の放出場所や徐放速度が追跡可能となり、薬の処方量の低減や患部だけを狙った薬の開発に貢献する。

近年、蛍光性のナノ粒子を用いたイメージングは、X線、MRIなどに替わる新手法として盛んに研究されているが、実用化の障害の一つとして、細胞内に取り込まれていないナノ粒子から発生する不要な蛍光により、診断したいサンプルの観察の精度が落ちるという問題があった。

この研究はフランス・ストラスブール大学薬学部との共同で、欧州化学連合のジャーナルであるケミストリー・ヨーロピアン・ジャーナル(Chemistry an European Journal)に掲載された。

研究の背景

近年、医学分野では病気の迅速かつ正確な診断が求められており、リアルタイムで実施できる「分子イメージング」に大きな注目が集まっている。また生命科学分野では、細胞内で起きる現象の解明に、見たい部分だけを色づけして追跡する高精度な観察が必要とされている。2014年のノーベル化学賞は、細胞内にある小器官の構造やタンパク質の移動の観察を可能にした超高解像度顕微鏡の開発に与えられた。また、下村脩博士が受賞した2008年の同賞は、細胞内で起こる生命現象を可視化する緑色蛍光タンパク質が対象だった。

近年、さらなる高性能化と実用化に向けたコストダウンが求められており、中でも蛍光性ナノ粒子(有機系のミセル、ナノ油滴、デンドリマーなど)の利用が盛んになっている。この方法は、(1)生体組織の非破壊的かつリアルタイムなイメージングが可能、(2)他のイメージング法(MRIやX線など)と比べ安価に実施できる、(3)ナノ粒子中に多数の蛍光分子を含むため、単一分子で染色する方法より高感度である、(4)無機系ナノ粒子(量子ドット)と比べ細胞毒性が小さい―といった利点がある。しかし、これまで知られている有機系蛍光ナノ粒子は、光安定性、安全性が十分でないものや、細胞に取り込まれていない粒子の発光による観察の阻害が起こるなど、実用に向けて改善・解決すべき問題が多数指摘されていた。

研究成果

細胞内で分解し強発光する刺激応答型蛍光ナノ粒子

仁子研究員らは、これらの問題点を克服するために刺激応答型蛍光ナノ粒子というコンセプトを提案した。それは、細胞に取り込まれる前には発光せず、細胞内の環境中で分解して発光するという発光のon・off機能(刺激応答性)を有するナノ粒子である。この方法を使うと、観察対象の細胞だけを選択的にイメージング(染色)することができる。(図1)

ミセルと蛍光分子の特徴を生かした刺激応答型ナノ粒子

新コンセプトのナノ粒子は、ミセルと蛍光分子の特徴が巧みに組み合わされてできたものである。

ミセルは、石鹸のように親水部分と疎水部分から成る分子が水中で会合して外部に親水部分、内部に疎水部分が揃った球状のナノサイズの集合体。ミセルは合成が簡便で、疎水性の薬を封入するのに優れておりドラッグデリバリーシステムへの応用研究が進んでいる。今回の研究では、すでに知られている生体適合性に優れたミセルを細胞内の還元条件下でのみ分解する架橋剤を用いて固定した刺激応答型ナノ粒子を作製した。

刺激に応答して発光する材料の設計では、ある蛍光色素が一分子で独立していると発光し、凝集すると消光するという性質を利用した。蛍光色素を疎水部に導入した界面活性剤を水中に入れると、ミセルを形成し、内部で色素が凝集して発光しない。このミセルを細胞内で分解して色素の凝集を解くと、強発光性を示す。

実際の分子イメージング

今回はナイルレッドという赤色発光色素を用いて界面活性剤を作製、非発光性のミセルを作製した(図1(1))。次に、生細胞に内在する還元剤であるグルタチオンによって分解する架橋剤を用いてミセルを固定化し、非発光性のナノ粒子を得た(同(2))。実際に生細胞内に取り込まれると、分解が始まり、細胞をイメージングすることができる(同(3))。

図2に示すように、細胞内でのみ発光することが定量的に示されており、細胞内に取り込まれていないナノ粒子から発生する不要な蛍光が観察の邪魔をしていない。この水準のイメージングになると、バックグランドの補正の必要がなく、精度の高い診断を行うことができる。

刺激応答型ミセルの開発コンセプト

図1. 刺激応答型ミセルの開発コンセプト

還元剤の添加前後における蛍光ナノ粒子の発光オン・オフ挙動(左)とAFMによるAFM の画像(右)

図2. 還元剤の添加前後における蛍光ナノ粒子の発光オン・オフ挙動(左)とAFMによるAFMの画像(右)

薬の放出を観察することができるドラッグデリバリーシステムへの期待

この蛍光ナノ粒子を、薬を患部まで運んでから放出するドラッグデリバリーシステムに応用すれば、薬が患部に到達していることの確認と薬の放出する様子をリアルタイムで観察することが可能になる。操作は簡単で、ナノ粒子を作る際にミセル内に薬を入れておき、架橋して封じ込めるだけだ。

薬が患部まで届いていることの確認ができ、薬の放出速度を蛍光発光の変化から算出することができれば、薬の処方量が最適化でき、副作用を最小限に留めることができる。現在、研究は医学への応用へと進んでいる。

この研究は、文部科学省の「研究大学強化促進事業」を活用した東工大の「国際的な共同研究推進のための派遣・招へい支援プログラム」および日本学術振興会(JSPS)の科学研究費補助金(特別研究員)などの支援を受けて行った。

論文情報

掲載誌 :
Chem. Eur. J. 20, 16473-16477
論文タイトル :
Disassembly-Driven Fluorescence Turn-on of Polymerized Micelles by Reductive Stimuli in Living Cells
著者 :
Yosuke Niko, Youri Arntz, Yves Mely, Gen-ichi Konishi, Andrey S. Klymchenko
DOI :

問い合わせ先

大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻
准教授 小西玄一
Email: konishi.g.aa@m.titech.ac.jp

三島学長が第2回日墨学長会議に出席

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第2回日墨学長会議が10月27日~28日、メキシコのグアナファト大学、アグアスカリエンテス自治大学で開催され、三島良直学長と山田明教授(大学院理工学研究科電子物理工学専攻)が出席しました。

日墨学長会議が行われたグアナファト大学
日墨学長会議が行われたグアナファト大学

本会議には日本から27大学・機関、メキシコから52の大学・機関が参加し、イノベーション、産学連携、高等教育における両国の連携、日墨文化関係の発展、および、グローバル化の時代における人材育成というテーマでパネルディスカッションが行われました。今後の日本とメキシコの交流の更なる発展に向け、活発な議論が繰り広げられました。

閉会式では、会議に出席した日本・メキシコ双方の大学連名による共同声明が採択された後、三島学長が日本側を代表として閉会の辞を述べ、盛況のうちに閉幕しました。

パネルディスカッション(一番手前が三島学長)

パネルディスカッション(一番手前が三島学長)

閉会の挨拶をする三島学長

閉会の挨拶をする三島学長

「第27回 My Study Abroad 留学報告会」開催報告

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11月25日の昼休みに、My Study Abroad 留学報告会を開催しました。国際室が募集するプログラムにより留学した学生によるこの報告会は、授業期間中、月1~2回開催されています。

今回は派遣交換留学プログラムを使って留学した4名の学生が発表しました。

  • 生命理工学研究科 生物プロセス専攻 修士1年 武田 千愛さん(スイス連邦工科大学ローザンヌ校/スイス)
  • 理工学研究科 機械宇宙システム専攻 修士2年 粟飯原 あやさん(ノルウェー工科・自然科学大学/ノルウェー)
  • 理工学研究科 土木工学専攻 修士1年 吉田 有希さん(シャルマーズ工科大学/スウェーデン)
  • 社会理工学研究科 社会工学専攻 修士1年 及川 竜太郎さん(メルボルン大学/オーストラリア)
報告会の様子
報告会の様子

報告会の様子

武田さんと友人たち

武田さんと友人たち

武田さんは、留学先にスイス連邦工科大学ローザンヌ校を選んだ理由として、ヨーロッパ諸国の中でも特に人の流動が盛んな点と企業との共同研究が活発であり、また、学内に多数の企業の実験室を備えるなど産業と学問の結びつきが強い点を挙げました。留学生活を送るうちに、出発前には話すことのできなかったフランス語への抵抗もなくなり、国籍を問わず多くの留学生と信頼関係を築くことができたそうです。さらに今後のキャリアビジョンやコミュニケーション術等、多くの収穫を得ることができ、1年間で大きく成長できたと報告してくれました。

体育館で行われる試験

体育館で行われる試験

ノルウェー工科・自然科学大学へ留学した粟飯原さんは、学内選考に合格するのが遅れたしまったことにより正式に留学先から合格通知が届いたのが出発の1か月前であったため、渡航前準備は多忙を極めたそうです。そのため、留学を希望する学生に向けて、早めに学内選考を受けることで前もって計画的に準備を行うように、アドバイスしました。また、3週間のノルウェー語の授業を履修することで、授業や研究室のメンバー以外にも多くの留学生と絆を深めることができたそうです。

留学生向けイベントの様子

留学生向けイベントの様子

シャルマーズ工科大学へ留学した吉田さんは、留学生向けの企画が豊富で、手厚いサポート体制が整っていること、また、地方都市ならではの温かな人々に囲まれて留学できる点が、同校への留学のメリットであるとの報告がありました。また、多くの課題が与えられ、グループワークがメインとなる授業についていくことが、留学当初は非常に大変だったそうです。しかし、留学中に多くの人に支えられたことがきっかけとなり、帰国後は東工大の留学生に対する接し方も変わったという体験を話してくれました。

Japanese Clubのメンバーと

Japanese Clubのメンバーと

メルボルン大学へ留学した及川さんは出発前に無料のオンライン授業を受講したものの、英語を母国語とするオーストラリアでの授業は想像以上にハードで、出発前により実践的な方法で語学対策をする必要があると説明しました。留学中は、朝7時から夜中の1時まで利用することのできる図書館の自習スペースを多く使用したそうです。また、出発前に必要となるビザの申請や健康診断、住居選びにおけるポイント、日本からの留学生と日本語を学ぶ学生で構成しているJapanese Clubというサークルでお互いの母国語を教え合うパートナーを見つけられること等、これからオーストラリアへ留学をする学生に役立つ情報を提供してくれました。

お問い合わせ先

国際部留学生交流課派遣担当
TEL:03-5734-7645
Email : hakenryugaku@jim.titech.ac.jp

講演会「未来(あした)をつかもう! ~健康長寿の自助努力と環境整備~」開催報告

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社会人教育院では、2010年度より蔵前工業会と共催で講演会シリーズを開催しています。

2014年度は8月下旬から10月上旬にかけて、第1回講演会「未来(あした)をつかもう! ~健康長寿への自助努力と環境整備~」を5回シリーズで開催しました。

  • 8月25日
    「スポーツ用義足の歴史と機能~義足スプリンターは人類最速になりうるか?~」
    産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター研究員 保原浩明氏
  • 9月1日
    「こどもの健康と体力 ~これからの日本人を健康に育てるために~」
    順天堂大学 大学院スポーツ健康科学研究科 科長 内藤久士教授
  • 9月8日
    「歩きやすい町と健康」
    東京医科大学 公衆衛生学分野 井上茂主任教授
  • 9月29日
    「健康のための"錬筋術"」
    東北大学 大学院医工学研究科 永富良一教授
  • 10月6日
    「運動と食事のエネルギー収支 ~運動と食事の正しい理解~」
    東京工業大学 大学院社会理工学研究科 林直亨教授

5名の講師が登壇、それぞれ異なる専門的見地から、日本の"未来(あした)"の健康長寿社会実現に向けた新たな視点をご紹介しました。

講演する林直亨教授

講演する林直亨教授

この中で、本学の林直亨教授の講演会(10月6日)では、運動をした際・しない際の危険についての説明の後、運動してもやせることを実感できない理由について、計測誤差の観点や、運動・食事に伴うエネルギー収支の面から、具体的な計算例を挙げて説明されました。一方で、運動は、生活習慣病(メタボリックシンドロームやロコモーティブシンドローム)予防に有効であり、メンタルヘルスやガン予防にも好ましい効果があることについて、最近の研究成果を交えて強調されました。講演後の質疑応答は大変活発で、参加者の健康や運動・食事に対する関心の高さが伺えました。

5回の講演会の参加者数はのべ141名でした。
講演会参加者アンケートでは、「大変面白い・役に立つ」、「面白い」、「普通」、「あまり面白くない」の4段階評価のうち、上2つの高評価が約95パーセントを占め、おおむね参加者の満足を得ることができたようです。また、2009年度から社会人教育院で開催している講演会へ2回以上参加した、と答えた方が70パーセントを超え、リピーターの多さも伺えます。

社会人教育院では、今後も蔵前工業会と共催での講演会を予定しています。2014年度第2回の講演会は、2015年2月上旬から3月中旬にかけての5回シリーズで、「リベラルアーツ ~輝く未来へ~」を開講致します。ぜひご期待ください。

社会人教育院主催/蔵前工業会共催講演会 これまでの講演会

お問い合わせ先

社会人教育院
TEL:03-3454-8867
Email : jim@kyoiku-in.titech.ac.jp

博物館・百年記念館 1階リニューアル準備とそれにともなう開館状況変更のお知らせ

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博物館・百年記念館は、大学と社会との重要なインターフェースです。今までは、大学の歴史を体現する場でしたが、今後は教育と研究の"今"と"未来"が体験できる場所づくりを行い、学生・教員・学外の方とのプラットフォームになることを目指しています。

そうした取組の一環として、エレベータ改修工事、及び、学生の自主的な学習環境のための情報発信・ラーニングスペースを整備する改修工事を行います。

1階が、大学の情報発信拠点としてのブラウジングゾーン、グループ学習やプレゼンテーションの場となるコミュニケーションゾーンへと整備されます。

工事期間中は以下のとおり一部閉館し、利用者の皆様にはご不便をおかけしますが、より魅力的で、皆様に使いやすいスペースとしてリニューアルいたしますので、ご理解・ご協力願います。

フロア
場所
開館状況
地下1階
展示室A
通常どおり開館(平日10:30~16:30)
展示室B
閉館:2014年12月15日~2015年6月末(予定)
1階
全面
閉館:2014年12月15日~2015年6月末(予定)
2階
各展示室
通常どおり開館(平日10:30~16:30)
3階
全面
閉館:2014年12月15日~2015年3月末(予定)
4階
全面
閉館:2014年12月15日~2015年6月末(予定)
展示室A:フロア手前側の展示室、展示室B:フロア奥側の展示室
2014年12月15日から2015年2月末までエレベーターの使用はできません。
工事期間中は、施設・会議室貸出を休止します。
見学・利用再開時期については、博物館webサイトを確認いただくか、博物館・百年記念館事務室までお問い合わせください。

博物館・百年記念館1階整備イメージ
博物館・百年記念館1階整備イメージ

問い合わせ

東工大博物館・百年記念館事務室
TEL: 03-5734-3340
Email : centshiryou@jim.titech.ac.jp


「JCHM 第2回シンポジウム」開催報告

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11月28日、大岡山キャンパス 百年記念館フェライト記念会議室にて、JCHM第2回シンポジウムおよびワークショップを開催しました。

JCHM(Japanese Consortium for Human Microbiome)とは

ヒトの腸内には 1000種100兆個体の微生物が共生していると言われ、 それらの腸内細菌の乱れは多くの疾病に関わっている事が知られています。 欧米では腸内細菌解析の重要性が早くから認識され、 大型予算が割り当てられ多くの研究者が携わっていることから、日本においても日本人腸内環境の全容解明は急務と言えます。

そのため、日本人腸内環境の全容解明をテーマに掲げ、 日本人腸内微生物データーベース構築による「日本人固有の腸内環境及び腸内代謝系の発見」と 「疾病マーカーの発見」を目指したプロジェクト活動を推進しています。

JCHMは、当研究に関心を持つ関係機関・団体・企業との連携によるコンソーシアムです。大学院生命理工学科 生命情報専攻 山田拓司講師が代表を務めています。

第2回JCHMシンポジウム

今回は、学内外の若手研究者を演者に招き、腸内細菌の解析技術や利用可能なデータなどを企業や研究機関に広く周知していくことをメインテーマとしました。2014年6月に開催された第1回シンポジウムを大きく上回り、103名の研究者、協賛企業、学生等の参加がありました。

シンポジウムに先立ち午前中には、菌叢解析パイプラインの実践を、ワークショップ形式で開催しました。本学大学院生命理工学研究科生命情報専攻の森宙史助教が講師を務め、実際のデータを用いた解析を行いました。

シンポジウム冒頭では、山田JCHM代表から、本コンソーシアムに協賛頂いた企業への謝辞とシンポジウム開会の挨拶がありました。

  • 会場の様子
    会場の様子
  • 細菌叢ゲーム
    細菌叢ゲーム
  • 黒川 顕JCHM運営委員長 挨拶
    黒川 顕JCHM運営委員長 挨拶

続いて以下の精鋭若手研究者より講演が行われました。

  • 「メタボロゲノミクスがもたらす腸内細菌叢機能の包括的理解」 福田真嗣博士(慶応義塾大学)

  • 「腸管T細胞の活性化機構における腸内細菌の役割」 新幸二博士(慶應義塾大学・理化学研究所)

  • 「高速シークエンサーを用いたヒト常在細菌叢解析」 須田亙博士(東京大学新領域・慶応義塾大学)

  • 「Bifidobacterium属細菌を中心とした腸内細菌叢研究」 小田巻俊孝博士(森永乳業株式会社)

  • 「スキンマイクロバイオーム:研究Tipsとその応用」 冨田秀太博士(近畿大学)

  • 「ヒト腸内細菌叢代謝経路データベースの構築」 山田拓司(東京工業大学)

  • 福田真嗣博士
    福田真嗣博士
  • 新幸二博士
    新幸二博士
  • 須田亙博士
    須田亙博士
  • 小田巻俊孝博士
    小田巻俊孝博士
  • 冨田秀太博士
    冨田秀太博士
  • 山田拓司JCHM代表
    山田拓司JCHM代表
懇親会

懇親会

講演後、参加者から活発な質問が出るなど、有意義なシンポジウムとなりました。 アンケートでは、興味がより深まった等、将来の発展につながるご意見を多々いただきました。

東工大基金

このプロジェクトは東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

大学院生命理工学研究科 生命情報専攻
山田研究室 JCHM事務局
Tel : 03-5734-3629
Email : info@jchm.jp

2014年度「蔵前ベンチャー賞」・「蔵前特別賞」授与式・講演会・交流会

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一般社団法人蔵前工業会は、ベンチャーの育成を目的に2007年度から「蔵前ベンチャー賞」を設置しました。今年で第8回になります。東工大・蔵前工業会の有望ベンチャーの発掘・表彰を行ってきました。また2009年度から「蔵前特別賞」を設置し、産業界または社会に顕著に貢献した個人および企業を表彰しています。

11月25日、東工大蔵前会館くらまえホールで「蔵前ベンチャー賞」・「蔵前特別賞」授与式、記念講演会が行われました。参加者は135名、うち50名が学生でした。

授与式
前列左より滝久雄理事長、末松安晴栄誉教授、渡邊宏経産省技術総括審議官(来賓)、大谷清東工大副学長
後列左より受賞者、高田敏弘氏、池田修二氏、雙田晴久氏、Le Quang Luong氏、中村吉人氏

2014年度蔵前ベンチャー賞受賞者

(1)teiソリューションズ株式会社

代表取締役社長 池田 修二氏

1978東工大(物理)卒、プリンストン大修士、東工大(電気工学)博士

産総研の設備を利用し、中小企業でも独自の半導体開発ができる道を拓きました。
特に、異分野であるバイオ、メディカル分野において半導体技術を使って、新しい製品の開発への活用が期待されています。日本のものづくりの新しい道を拓くものとして注目されています。

(2)ファイベスト株式会社

代表取締役 高田 敏弘氏

1979東京理科大(物理)卒、1982富山大修士

取締役 雙田 晴久氏

1978東工大(電子物理)卒、1980修士、1983東工大(電子システム)博士

メトロ系、幹線系などで使用される中距離、長距離用の光トランシーバーや、光トランスポンダーの基幹部品である光送信/受信ユニットを中心とした製品を開発・製造・販売しています。製品は、日米中各国の大手通信メーカーの基幹ルーターのキーコンポーネントになっています。これらの技術は、東工大の末松研、伊賀研での研究成果がベースになっています。研究室開発技術の事業化成功例です。

(3)ルビナソフトウエア株式会社

会長 中村 吉人氏

1973東工大(制御工学)卒

社長 Mr. Le Quang Luong

2001東工大(電子)卒、2003修士

東工大発ベンチャー第28号。ベトナムからの留学生が中心になって創業しました。
社員220人と協力企業40人の計260人でベトナムにおいて日本企業向けオフショア・ソフトウエア開発を行っています。
徹底した社内教育により日本品質の確保をうたい文句とし、ベトナムで日本市場向けソフトウェア開発受託するトップ企業の一社に成長しました。

2014年度蔵前特別賞受賞者

末松 安晴 栄誉教授

末松栄誉教授の講演

末松栄誉教授の講演

1955東工大(電気)卒、1957修士、1960年博士
1973東工大教授
1989~1993東工大学長
文化功労者、2014年日本国際賞

現代のインターネットの発展は目覚ましいものがありますが、それを支えているのは大容量長距離光ファイバ通信の実現です。末松栄誉教授は、波長がそろい、安定なレーザーの開発を追求し、光集積レーザーとして2個の周期構造型反射器からなる単一モード共振器を着想しました。
光ファイバの最低損失波長帯で、これを実現して「動的単一モードレーザー」と名付けました。この技術はその後、光ファイバ通信に欠かせない基本技術となっています。
この研究成果は、現在のインターネット社会に不可欠なもので、将来にわたって私たちの情報化社会をさらに進化させ続けるものと思われます。

式典と講演会の後には、交流会が行われました。今回は特に学生の参加者が多く、活気のあるセミナー・交流会になりました。ベトナムからの留学生が10人以上参加したのも大変よかったと思います。
今後とも「蔵前ベンチャー賞」・「蔵前特別賞」へのご支援を宜しくお願い致します。

交流会の様子
交流会の様子

交流会の様子

お問い合わせ先

一般社団法人 蔵前工業会 蔵前ベンチャー相談室
Email : kvs@kuramae-kvs.ne.jp

より良い授業を目指して 平成26年度学部・大学院FD研修を実施

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東京工業大学では、9月18日~19日に東京都多摩市の「多摩永山情報教育センター」において一泊二日の学部・大学院Faculty Development(FD)研修を実施し、教員60名が参加しました。研修では、学内外の講師の先生方の講演に加え、個別のテーマに従ってグループごとにワークショップを行い、最後に各グループの検討内容の報告・討論を行いました。最後まで活発に意見が交わされ、今年度のFD研修も成功裏に終わりました。

活発なワークショップの議論の様子

活発なワークショップの議論の様子

ワークショップの報告の様子

ワークショップの報告の様子

FD研修の歴史と概要

FD研修実施委員会 委員長  河内 宣之 (化学専攻 教授)
副委員長  松澤 昭 (電子物理工学専攻 教授)

大学教育の質的な向上などを目的とした活動であるFaculty Development(FD)の必要性が認識され、多くの大学で実施されています。FDとは狭義では、大学教員の教育能力の開発を組織的に行う取り組みのことであり、広義では、大学全体の教育目標の設定、それに基づくカリキユラムの開発、教育・学習を中心とした組織開発をも含むとされています。

本学では13年前からまず工学部でFD研修をスタートさせ、引き続き他の学部でも同様に開始されました。その実績を基に、7年前からは全学教員を対象としたFD研修を実施しています。5年前からは教育推進室に置かれたFD検討ワーキンググループ(WG)が担当し、"理工系総合大学としての東工大らしいFDとは何か?"という標題を掲げて活動してきました。昨年度からは、FD検討WGが、FD研修実施委員会と装いをあらためて、WGのミッションを引き継いでいます。

今年度は、FDの原点に立ち戻り、大テーマ「より良い授業を目指して」を掲げることとし、9月18日~19日の二日間にわたり、多摩永山情報教育センターにて学部・大学院FD研修を実施しました。プログラムは話題提供、講演、参加教員によるワークショップでの議論により構成しました。アクティブラーニングなどの新しい授業形態の紹介も盛り込みました。講師の先生およびワークショップ座長の教員からの報告の一部を、以下に掲載します。その場の雰囲気や熱気を幾分なりとも感じていただければ幸いです。

「授業設計の基本と新しい教育技法」

室田 真男 人間行動システム専攻 教授

講演する室田教授

講演する室田教授

アクティブラーニングという言葉が様々な所で聞かれるようになってきています。アクティブラーニングとは、グループディスカッション、ディベート、グループワーク等の学習者の能動的な参加を取り入れた教授方法の総称です。本講演では、アクティブラーニングの教授方法を紹介し、授業をよりよくする方法を知って頂くことを目的としました。

よりよい授業を行うためには、新しい教授法を取り入れる前に、しっかりした授業設計がなされることが大前提になります。そこで本講演では、まず最初に授業設計の基本として、「学習目標」「評価」「教育内容・方法」の3要素が連携したデザインが重要であることを説明しました。アクティブラーニング実現のために、ディスカッション等の活動を取り入れさえすればよい訳でないことに注意が必要です。

次に、アクティブラーニングを促すための教育技法について、代表的なものを紹介しました。クリッカー・小テスト・大福帳等を用いる「教員と学生とのインタラクティブ型学習」、学生相互の教え合い・学び合いを促す「ピアインストラクション学習」、ポストイットを活用した「グループ学習」、映像メディアや学習支援システムを活用した「反転学習」などです。なお、新しい教育技法を取り入れても従来の「講義型」が否定されるわけではなく、「講義型」が適切な場合があることも示しています。

本講演で紹介した教育技法は、通常の教室でも活用できるものも多くあります。それぞれの授業にあった教授方法を取り入れ、よりよい授業を実現して頂ければ幸いです。

討論テーマ「教育手法について(アクティブラーニング、反転授業、英語での講義法)」

ワークショップグループ1 座長 芹澤 武 有機・高分子物質専攻 教授

本グループは、アクティブラーニング、反転授業、英語での講義法といった三つの教育手法についての議論を通じ、それらの利点や教育改革に向けた今後の課題について意見交換しました。以下、それぞれについて報告します。

アクティブラーニングについては、高い教育効果が得られることが期待されるため、メンバーの大半がその実施に賛成でした。代表的な手法であるグループディスカッションは、学生が自ら考えるために有効である一方、テーマの設定方法に加え、議論の方向性を誘導する必要性などが課題として挙げられました。

反転授業については、この手法をはじめて聞くメンバーもあり、効果的であることは理解できるものの、経験不足のためその効果を予測することは難しいとの結論に達しました。予習、復習の習慣づけや、授業資料の準備支援の必要性などが課題として挙げられました。

英語での講義法については、すでに英語で授業が行われている専攻の例が紹介され、留学生に好評であることや自然と英語力が向上することなど、効果の高さをメンバーが認識し、導入には概ね賛成でした。一方で、学生の英語力不足、教員のスキル不足、教員の負担増などが課題として挙げられました。

以上をまとめるかたちで、これらの教育手法についてより深く理解すること、教科に応じて導入の程度をバランスよく検討すること、教員に対するトレーニング・システムが必要であることを本グループから提案しました。

お問い合わせ先

学務部教務課教育企画グループ
Tel : 03-5734-7602
Email : kyo.kyo@jim.titech.ac.jp

講演会「リベラルアーツ ~輝く未来(あした)へ~」

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東京工業大学社会人教育院は、2010年度より蔵前工業会と共催で「東工大社会人教育院主催 / 蔵前工業会共催講演会」を開催しております。

2014年度第2回目の講演会では、「みずからの世界を広げるとともに、自己を深める」分野としてのリベラルアーツを取り上げ、各界でご活躍の講師の先生方に、思い思いのテーマにてお話いただきます。
一般社会人向けの内容となっております。広く皆様のご参加、ご聴講を歓迎致します。

概要

日時
2015年2月4日(水)、2月10日(火)、2月19日(木)、2月27日(金)、3月19日(木)  各回18:30~20:30
会場
田町キャンパス キャンパス・イノベーションセンター1階 国際会議室 (JR田町駅芝浦口徒歩1分)
対 象
一般社会人、社会人教育院受講生・修了生、蔵前工業会会員、東工大学部生・大学院生、東工大教職員
参加費
一般社会人:講演会1回あたり2,500円/5回一括10,000円
社会人教育院講座受講生・修了生、東工大教職員:講演会1回あたり2,000円/5回一括8,000円
蔵前工業会会員(会費納入者)および蔵前ゴールドカード家族会員:無料
東工大学生・大学院生:無料
申し込み

プログラム

講演日
タイトル、講師(所属)
お申込み締切日
2月4日(水) 
「人間の根っことしての教養 ~哲学と土木をつなぐもの~」
1月28日(水)
桑子 敏雄(くわこ としお)先生
東京工業大学 リベラルアーツセンター センター長・教授 (哲学)
2月10日(火)
「日本語と漢字」
2月3日(火)
今野 真二(こんの しんじ)先生
清泉女子大学 文学部 日本語日本文学科 教授 (日本語学)
2月19日(木) 
「教養としてのスポーツ」
2月12日(木)
山口 香(やまぐち かおり)先生 
筑波大学 准教授 (体育学、柔道)
2月27日(金)
「リベラルアーツとしてのアート」
2月20日(金)
伊藤 亜紗(いとう あさ)先生
東京工業大学 リベラルアーツセンター 准教授 (美学)
3月19日(木)
「正反対の一致」
3月12日(木)
入不二 基義(いりふじ もとよし)先生
青山学院大学 教育人間学部 心理学科 教授 (哲学)
東工大 社会人教育院主催/蔵前工業会共催講演会「リベラルアーツ  ~輝く未来(あした)へ~」 1ページ
東工大 社会人教育院主催/蔵前工業会共催講演会「リベラルアーツ  ~輝く未来(あした)へ~」 2ページ

お問い合わせ先
社会人教育院
Tel: 03-3454-8867、03-3454-8722
Email: jim@kyoiku-in.titech.ac.jp

火星に新しい水素の貯蔵庫を発見 ―火星の海はどこへ消えたのか?―

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要点

  • 火星隕石の水素同位体分析により火星地下に新たな水素の貯蔵層を発見
  • 水素の貯蔵層は含水化した地殻か氷(凍土)として火星地下に存在
  • その存在量は過去に存在した海水量に匹敵する可能性を提示

概要

東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻の臼井寛裕助教らは、火星隕石の水素同位体分析に基づき、火星地下に新たな水素の貯蔵層が存在することを発見した。水素貯蔵量は過去に火星表面に存在した海水量に匹敵し、現在は地下に凍土あるいは含水化した地殻として存在していることを突き止めた。

水の主成分である水素の同位体組成[注1] は、惑星表層水の歴史を知る上で優れた化学的トレーサーだが、二次的変質や分析時の汚染の影響を受けやすいため、これまで信頼性の高い分析が行われていなかった。臼井助教は米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターとの国際共同プロジェクトにより、二次イオン質量分析計を用いた低汚染での水素同位体分析法を開発、火星隕石の衝撃ガラス[注2] に含まれる微量な火星表層水成分の高精度水素同位体分析に世界で初めて成功した。

火星はかつて液体の水が海として存在するほど温暖で湿潤な惑星だったが、その水が現在「どこに」「どのように」「どれくらい」存在しているかは惑星科学における大きな謎だった。火星の地下に現在でも大量の水素が貯蔵されているという研究成果は、将来の火星生命探査・有人探査計画の策定に強く反映されることが期待される。

この成果は2015年1月15日付の欧州科学誌「Earth & Planetary Science Letters」に掲載される。また12月18日付(日本時間19日)でNASAもニュースリリースする。

研究成果

東工大の臼井助教はNASAジョンソン宇宙センターのサイモン(Simon)、ジョーンズ(Jones)両博士、米カーネギー研究所のアレキサンダー(Alexander)、ワング(Wang)両博士との共同研究により、過去の火星表層水の高精度水素同位体分析に世界で初めて成功した。

臼井助教らは、火星表層水成分を含んでいる火星隕石中の衝撃ガラス(図1)に着目し、その表層水成分がマントル中に保持されている始原的な水(初生水[注3] )および火星大気中の水蒸気のいずれとも異なる、中間的な水素同位体比を保持することを明らかにした(図2)。

火星隕石に含まれる衝撃ガラス(赤矢印)の電子顕微鏡写真。

図1. 火星隕石に含まれる衝撃ガラス(赤矢印)の電子顕微鏡写真。

火星の“水”の水素同位体図。重水素/水素比(D/H)を地球の標準海水(SMOW)からの千分率で示してある(δD)。衝撃ガラスに含まれる地下氷あるいは地殻中の水の水素同位体比(水色)は、マントルに含まれる初生水(オレンジ)や大気中の水蒸気(黒)とは異なる中間的な同位体比を示す。

  • 図2.
    火星の“水”の水素同位体図。重水素/水素比(D/H)を地球の標準海水(SMOW)からの千分率で示してある(δD)。衝撃ガラスに含まれる地下氷あるいは地殻中の水の水素同位体比(水色)は、マントルに含まれる初生水(オレンジ)や大気中の水蒸気(黒)とは異なる中間的な同位体比を示す。
  • 臼井助教らはこのような中間的な水素同位体が、液体の水の循環が活発であった頃(約40億年前)の水の水素同位体比を反映していることから、当時の水がその後、氷(凍土)か含水鉱物として火星地殻内部に取り込まれたというモデルを提示した(図3)。また、地下に取り込まれた水の貯蔵量は当時の海水量に相当するという計算結果も示した。

    今回発見された新たな水素の貯蔵層の場所を表した火星の模式断面図。水素貯蔵層は(a)含水鉱物として地殻中に取り込まれるか、(b)氷として凍土層として存在する。凍土層として存在する場合は、古海洋が存在したと考えられる北半球に水成堆積物と互層する形で存在すると予想される。
    今回発見された新たな水素の貯蔵層の場所を表した火星の模式断面図。水素貯蔵層は(a)含水鉱物として地殻中に取り込まれるか、(b)氷として凍土層として存在する。凍土層として存在する場合は、古海洋が存在したと考えられる北半球に水成堆積物と互層する形で存在すると予想される。
  • 図3.
    今回発見された新たな水素の貯蔵層の場所を表した火星の模式断面図。水素貯蔵層は(a)含水鉱物として地殻中に取り込まれるか、(b)氷として凍土層として存在する。凍土層として存在する場合は、古海洋が存在したと考えられる北半球に水成堆積物と互層する形で存在すると予想される。
  • 研究の背景

    火星は地球から最も近い距離にある生命の存在条件を満たした惑星として、欧米を中心に数多くの探査研究が行われており、火星に関する我々の知見は近年、飛躍的に向上している。特に、約30億年より古い地質体を中心に多くの流水地形や多種類の含水粘土鉱物が広範囲に渡り相次いで発見され、火星はかつてその表層に液体の水が存在しうるほど温暖で湿潤な環境であったことが示唆されている。

    一方で、現在の火星は極域に少量の氷が発見されているのみである。生命の存在条件に支配的な影響を与える火星の水の歴史(「いつ」「どのように」火星表面から失われ、現在「どこに」「どのような形態で」「どのくらい」存在しているのか?)に関しては統一した見解が得られていないのが現状である。

    研究の経緯

    水の主成分である水素の同位体は、海や氷床の蒸発および水蒸気を含む大気の宇宙空間への散逸過程において顕著な同位体分別を生じることから、惑星表層水の歴史を知るうえで優れた化学的トレーサーである。その一方で、水素同位体は二次的変質や分析時の汚染の影響を受けやすいため、火星隕石をはじめとした地球外試料に関して信頼性の高い分析が行われてこなかったというのが現状だった。そこで臼井助教はNASAジョンソン宇宙センター、カーネギー研究所と共同で、低汚染での水素同位体分析法を開発した(Usui et al. 2012 EPSL[参考文献1] )。

    火星隕石には微惑星など小天体の落下による衝撃で形成された衝撃ガラスが含まれている。この衝撃ガラスには火星大気や表層成分が含まれていることが知られていたが、その表層成分に含まれる水素量が非常に少なく、従来の分析法では高精度な水素同位体分析が困難だった。今回の研究では、臼井助教らによって開発された分析法(Usui et al. 2012)を用い、世界で初めて火星隕石に含まれている過去の表層水成分の高精度水素同位体分析に成功した。

    今後の展開

    今回の研究で、一見すると乾燥した砂漠のような惑星である火星に、現在でも大量の水素が氷(H2O)あるいは含水鉱物(OH基)として地下に存在していることを示した。水素は重要な生命必須元素のひとつであるため、この地下の水素を利用した火星生命が、紫外線や宇宙線の影響を逃れるかたちで存在している可能性が示唆される。

    一方で、今回のような隕石研究では、地下水素の存在地域や存在量を厳密に特定することはできず、火星探査によるグローバルなリモートセンシング観測が必要となってくる。今後は火星サンプルリターンや火星有人探査といった、火星生命(あるいはその痕跡)の検出を第一目的とした探査が国際的に数多く計画されており、この研究成果がこれら探査計画の策定に強く反映されることが予想される。

    用語説明・参考文献

    [注1] 水素同位体組成 : 質量1の軽水素(H)と質量2の重水素(D)の比(D/H)。

    [注2] 衝撃ガラス : 衝撃ガラスとは、微惑星など小天体の衝突による衝撃で形成されたものであり、衝突の影響により火星大気・表土成分が混入していることが示唆されている。

    [注3] 初生水 : 約45億年前の火星誕生時に火星マントルに取り込まれた始原的な水。火星の初生水に関する臼井助教らの過去の研究により(Usui et al. 2012 EPSL)、火星の水は地球と同様、小惑星帯を起源とすることが明らかとなっている。

    [参考文献1] Usui et al. 2012 EPSL : DOI:10.1016/j.epsl.2012.09.008 outer

    論文情報

    掲載誌 :
    Earth and Planetary Science Letters, 410, Pages 140-151
    論文タイトル :
    Meteoritic evidence for a previously unrecognized hydrogen reservoir on Mars
    著者 :
    Tomohiro Usui, Conel M. O'D. Alexander, Jianhua Wang, Justin I. Simon, John H. Jones
    DOI :

    問い合わせ先

    大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻
    助教 臼井寛裕
    Email: tomohirousui@geo.titech.ac.jp

    箱根駅伝 区間エントリー発表及び応援について

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    毎年、1月2日、3日に開催される東京箱根間往復大学駅伝競走。今年は東京工業大学陸上競技部の松井将器さんが関東学生連合チームに選出されています。

    区間エントリー発表は12月29日(月)、関東陸上競技連盟ウェブサイトouterにて行われる予定です。松井さんが出走メンバーに選出された場合、当日の現地での応援に関する詳細を陸上競技部ウェブサイトouterに掲載予定です。本学初の箱根駅伝ランナー誕生となるか、注目が集まります。

    松井さんからのコメント

    大学入学時から目標にしてきた箱根駅伝出場がいよいよ現実味を帯びてきました。先日行われた学生連合の合宿も問題なくこなせ、調子は上々です。東工大の名に恥じぬよう全力を尽くすので応援よろしくお願いします。

    練習の様子(右端:松井さん)

    練習の様子(右端:松井さん)

    テレビ取材の様子

    テレビ取材の様子

    箱根駅伝予選会メンバー(前列中央:松井さん)

    箱根駅伝予選会メンバー(前列中央:松井さん)

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    玉置悠祐助教と野村龍一WPI研究員が第31回井上研究奨励賞受賞

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    大学院理工学研究科 化学専攻石谷・前田研究室の玉置悠祐助教と地球生命研究所の野村龍一研究員が、第31回井上研究奨励賞を受賞しました。

    同賞は、公益財団法人井上科学振興財団が、理学、医学、薬学、工学、農学等の分野で過去3年の間に博士の学位を取得した35歳未満(医学・歯学・獣医学の学位については37歳未満)の研究者で、優れた博士論文を提出した若手研究者に対し贈呈するものです。毎年4~9月に全国の関係大学長に候補者の推薦を依頼して選考を行い、12月に40件を決定します。受賞者には賞状、メダル及び副賞50万円が贈呈されます。贈呈式は2015年2月4日に開催される予定です。

    受賞者

    玉置悠祐 助教

    受賞対象となった研究テーマ

    「二酸化炭素をCOもしくはギ酸へと選択的に還元する新規超分子光触媒の開発とその高性能化に関する研究」

    玉置助教のコメント

    玉置悠祐 助教

    玉置悠祐 助教

    「近年、人工光合成システムの研究が盛んに行われています。私は、その中の重要なプロセスの一つである、二酸化炭素を光化学的に還元する触媒の開発と失活過程の解明に基づいた光触媒能の飛躍的向上を達成しました。今回、このような名誉ある賞を頂き、大変光栄に思っております。学部4年生から大学院博士課程まで6年間の私の研究を指導して下さった恩師である本学の石谷先生、共同研究者の方々、研究室のメンバーおよび家族にはこの場を借りて心より感謝申し上げます。本賞受賞を励みとして、今後も研究に邁進していきたいと思っています。」

    野村龍一 WPI研究員

    受賞対象となった研究テーマ

    「原始地球におけるマントル-コアの化学進化と成層構造」

    野村研究員のコメント

    「地球はどのようにして今の姿になったのか?原始地球はドロドロに融けたマグマに覆われていたと思われています。私はダイアモンドアンビルセルという装置を用いて、地球深部の超高圧高温極限環境を実験室で再現し、地球の冷却と化学進化の実験的解明を目指して研究してきました。今回はその一連の仕事を評価して頂き、名誉ある賞を頂いたことを大変光栄に思っております。博士課程の指導教員である廣瀬敬教授をはじめ、共同研究者の方々にはこの場を借りて深く感謝申し上げます。」

    野村龍一 WPI研究員

    野村龍一 WPI研究員(右から2番目)


    ジェームズ・ダイソンアワード国内トップ5にランクイン 学生らが開発した2作品

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    イギリスの電気機器メーカー ダイソンの国際デザインアワード「ジェームズ・ダイソンアワード2014」国内トップ5に、東工大の学生らが開発した2作品がランクインしました。ジェームズ・ダイソンアワードは、次世代デザインエンジニアの支援・育成を目的に毎年開催されるものです。

    国内2位 小型リハビリアシスト装置 "Raplus"(ラプラス)

    菅原祥平さん(桑沢デザイン研究所)、北野智士さん(本学大学院理工学研究科)

    Raplus

    Raplus

    Raplusは歩行機能障害の方のリハビリ用ひざ部電動アシスト装置として、ソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL)とIMS板橋リハビリテーション病院が共同で開発しています。「リハビリには100%の補助力は必要ないのではないか?」という病院側からのアイデアをもとに、必要最小限のモータを使用することで小型軽量化を実現しています。また、現在のリハビリで広く使用されている装具を流用することで、必要な部品点数を大幅に減少させることで安価になっており、現場への導入のしやすさも考慮されています。

    Raplusの機械設計、回路設計、プログラミングを担当した北野智士さんは、大学院理工学研究科機械宇宙システム専攻 博士課程2年次の学生です。修士2年次からCSLのリサーチアシスタント(RA)として活動してきました。ロボット工学の第一人者である広瀬茂男名誉教授に憧れて東工大に入学し、現在は小型軽量な4足歩行ロボットTITAN-XIIIの研究・開発を行っています。

    北野智士さん

    北野智士さん

    「表彰式では、審査員の方々から研究とは異なる目線で貴重な意見を頂きました。現在は学術的な研究を行っていますが、そこで身につけた技術を使って、直接人の役に立つものを開発する道も面白いと思っています。この機会を与えてくださったSony CSLの遠藤先生、同じRAの菅原君、ご協力いただいた皆さんに感謝しています。」

    国内5位 新しいスポーツを提案する "HoverBall"(ホバーボール)

    新田慧さん(東京大学大学院)、樋口啓太さん(東京大学大学院)、田所祐一さん(本学工学部)

    HoverBall

    HoverBall

    HoverBallはボール状の外装にクアッドコプター(回転翼が4つある飛翔機械)を内蔵しており、従来のボールではできなかった動きを実現する作品です。小説「ハリー・ポッター」に登場する競技「クィディッチ」のように、ボールが自ら飛び回るスポーツを実現するという発想から開発されています。ボールの挙動を適切に制御することで、大人や子ども、老人、障がい者が一緒に楽しめる新しいスポーツを提案することがコンセプトです。

    HoverBallの制御システム開発を担当した田所祐一さんは、工学部制御システム工学科の4年生です。ロボット技術研究会で活動するうち、ロボットの外側を作るよりも制御のほうに興味をもつようになったそうです。現在は非線形制御理論を研究しています。

    田所祐一さん

    田所祐一さん

    「自分が勉強してきたことが、現実の問題解決に貢献できるとわかったことは良い経験でした。その成果がきちんとした形で評価されたことがうれしいです。作品にはシステムとしてまだまだ未熟な部分があるので、それを改良していくと同時に、もっと自分の専門を活かしていけるような開発を続けていきたいです。」

    研究費不正使用防止の取組

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    東京工業大学は、大学院生命理工学研究科元教授らによる研究費不正使用の事案を真摯に受け止め、不正を生まない厳正な研究活動環境を構築するため、教職員一同さらなる研究費不正使用の防止対策を推進し、信頼回復に努めてまいります。研究費の不正使用防止のため、検収体制の強化など、以下の各取組を実施します。原則、平成27年1月から試行し、同年4月から本格実施します。

    架空納品等を行わせないため、検収センターの検収体制を強化

    • 納品物品自体に「シール」でマーキングを行う。
    • 検収センター等に納品台帳を備え付け、業者名・氏名・納品書番号等を納品業者自身が記入するとともに、納品書に検収印を押印する際、納品台帳と割印等を行う。【試行実施済】
    • 特殊な役務(データベース・プログラム・デジタルコンテンツ開発・作成、機器の保守・点検など)に関する検収について、作業前や作業中の写真の提出を義務付けるなどルールを見直す。
    • 取引業者に対し、出口管理を実施。

    発注理由等についての説明責任を明確化

    • 教員発注制度の見直し。
      • まずは、教員発注上限額を「100万円未満」から「50万円未満」へ見直すこととし、50万円以上は事務発注を行う。【平成27年1月実施】
    • 発注した予算詳細責任者(教員等)本人に、発注先選択の公平性・発注金額の適正性の説明責任及び弁償責任等の会計上の責任が帰属するということを明確にするため、発注簿・発注書の学内統一化を図る。
      • 発注簿については、四半期に1度、研究費の執行状況等を予算詳細責任者本人が確認し、署名等を行い予算責任者(部局長等)に提出する。
      • 業者に発注する際は、学内統一様式の発注書を使用する。その際、支払財源の特定及び予算詳細責任者の押印等を義務付ける。

    取引業者が不正へ加担することを未然に防止

    • 取引業者からの誓約書徴取要件及び内容等を見直す。
      • 徴取要件を現行の「1契約当たり100万円以上の業者から徴取」から「今後取引のある業者全てから順次徴取」に見直す。
      • 誓約書に盛り込む項目についても現行の「不正を行わない」という項目だけでなく、「大学の求めに応じて必要な書類の提出等に協力する」を追加するなどの見直しを図る。
      • 誓約書を提出しない業者については、取引を行わない。
    • 特定の取引業者への発注の集中が見られるなど不自然な取引が見受けられる場合には、取引業者に対し書類の提出や説明等を求める。
    • 不正に加担した業者への取引停止期間を現行の「最長9月」から「最長24月」へ延長する。【平成27年1月実施】

    物品等の適正な管理を実施

    • 消耗品(10万円未満)であっても、換金性の高いパソコンについては、物品番号を付して管理するなど少額備品と同様の管理を行う。【平成27年1月実施】

    本学は平成19年10月に検収員制度を導入し、1万円以上の物品について相互検収を開始、平成21年8月に検収センターを設置し、発注権限者と検収権限者の分離を更に強め、平成25年1月(本格実施:平成25年4月)からは全品検収に広げるなど検収体制を強化してきました。しかし今回の不正を見抜けなかったのは発注、検収、納品等の各段階におけるチェック体制がいまだ十分ではなかったことを示すもので、極めて重く受け止めています。

    今回の改革を実行することで、物品発注から検収、納品に至る業務フローをオープンで相互けん制が利き、公正で責任あるものにしていく所存です。

    引き続き、公認会計士、弁護士など外部専門家による客観的で厳しい点検、指導を受けながら、教育研究資金管理改革を実行していきます。

    第23回大岡山蔵前ゼミ「日本ゼオンのエナジー用材料開発の取り組み」開催報告

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    大岡山蔵前ゼミは、東工大の全学同窓会である蔵前工業会の東京支部が主催する、卒業生と学生の交流の場です。日本社会や経済をリードしている先輩を講師に迎え、これから社会に出る大学生・大学院生に、講演会・懇親会をとおして、様々な情報提供、意見交換を行っています。

    12月5日、東工大蔵前会館くらまえホールにて第23回大岡山蔵前ゼミが開催されました。今回は「日本ゼオンのエナジー用材料開発の取り組み」と題して日本ゼオン株式会社 代表取締役社長の田中公章氏よりお話を伺いました。学生66名、社会人44名、計110名が参加しました。

    講師 田中公章氏

    講師 田中公章氏

    日本ゼオンは原油よりナフサを生産し様々な化学素材を製造し、塩化ビニールや合成ゴムの量産を始めて実現化した企業です。その技術開発の最先端で高機能材料の研究開発を陣頭指揮してこられた経験をお話いただきました。

    田中氏が強調したのは、研究開発において成果を出すためには仲間との信頼関係を構築する事が何より重要という点で、これを社是としているとの事です。また、自動車をはじめとする蓄電池の利用分野が広がる中、数々の技術的ブレークスルーについて紹介いただくと共に、技術開発の難しさと開発スピードの重要性についてお話をいただきました。

    質疑応答

    質疑応答

    現役の学生に対しては、研究者として信頼される事の大切さ、コミュニケーション手段としての英語力を身に着けることの大切さなど熱いメッセージをいただきました。さらに、「できる人は活き活きと仕事をしている」と人事を担当してこられたご経験からも気になる一言がありました。講演の後、積極的な質疑がなされ、学生にとっても大変興味深いお話であった事が伺われました。

    講演会に引き続き、学生と先輩方の懇親会がロイアルブルーホールにて開催され、交流が行われました。

    懇親会
    懇親会

    お問い合わせ先

    一般社団法人 蔵前工業会 東京支部事務局
    Email : kuramae-tokyo@deluxe.ocn.ne.jp
    TEL : 03-3748-4447 FAX : 03-3748-4448

    本学学生が第22回 衛星設計コンテストで大賞含む多数の賞を受賞

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    第22回 衛星設計コンテスト最終審査会が開催され、本学学生が大賞含む多数の賞を受賞しました。

    衛星設計コンテスト(Satellite Design Contest)では、参加者が小型衛星をはじめとする様々な宇宙ミッションを創出・設計し、着想・創意工夫・基礎的な技術知識・将来性などの様々な観点で競い合います。コンテストは高校生から大学院生までを対象としており、本年度は11月8日、東京都内にある機械振興会館ホールで開催されました。過去の作品の中には、コンテストに出品したアイデアを具体化し、実際に打ち上げられた小型衛星も存在します。

    機械宇宙システム専攻大学院講義「宇宙システム工学特論」(松永連携教授)では、宇宙機や衛星システム工学に関する実践的な知識を、講義、演習、討論を通して身につけ、この大会に作品を提出することを一つの目標としています。今大会では、この講義において議論したアイデアを元に結成した2チームと、機械宇宙システム専攻小田・野田研究室の学生が結成した1チームの合計3チームが本学からアイデアの部に出場し、全20チームの中で競い合いました。その結果、「五輪紋章創造衛星 武蔵」チームはアイデア大賞、地球電磁気・地球惑星圏学会賞、最優秀模型賞を、「月面の建材製造プラントと着陸港建設ローバ」チームは日本機械学会宇宙工学部門表彰フロンティアの部を、「H2Aを再利用した軌道上サービス実証実験」チームは日本航空宇宙学会賞をそれぞれ獲得し、本学にとって過去最大となる5部門での表彰をいただきました。同じ大学から5つの表彰、3チームの受賞は大会初の快挙です。

    表彰を受けた各チームリーダーは次のようにコメントしています。

    「五輪紋章創造衛星 武蔵」チームリーダー
    田中優一郎さん(機械宇宙システム専攻修士1年)

    田中優一郎さん

    田中優一郎さん

    チームの力を結集した結果、栄誉ある賞を頂くことができて、光栄に思います。様々なご助言・ご支援を頂いた先生方に感謝致します。今回のコンテストでは、自分たちが学んだ知識を元に、アイデアを0から創造する楽しさを味わうことが出来ました。今後は、アイデアを提案するだけでなく、形に出来るような人間になっていきたいと思います。

    チームメンバー

    • 田中 優一郎 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士1年)

    • 河尻 翔太 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士2年)

    • 長洲 孝 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士2年)

    • 河野 洋行 (総合理工学研究科 人間環境システム専攻修士1年)

    • 金 柔真 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士1年)

    • 鈴木 聡太 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士1年)

    • 俵 京佑 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士1年)

    • 濱島 大輝 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士1年)

    • 上田 直樹 (工学部 機械宇宙学科学部4年)

    • 太田 佳 (工学部 機械宇宙学科学部4年)

    ※機械宇宙システム専攻大学院講義「宇宙システム工学特論」(松永連携教授)の一環として結成したチーム

    「月面の建材製造プラントと着陸港建設ローバ」チームリーダー
    古賀洋一郎さん(機械物理工学専攻修士2年)

    古賀洋一郎さん

    古賀洋一郎さん

    多くの先生方、チームメンバーの助言・助力があって初めて得られた賞だと思っています。この場を借りて感謝申し上げます。今回提案したアイデアは将来人類の発展になくてはならないものになると考えています。今後さらにこのアイデアを発展させ、かつてこの大会から生まれた鯨生態系観測衛星「観太くん」のようにミッションを実現させることで、日本、さらには人類の発展に貢献できるよう努力してまいります。

    チームメンバー

    • 古賀 洋一郎 (理工学研究科 機械物理工学専攻修士2年)

    • 鮫島 三郎 (理工学研究科 機械物理工学専攻修士2年)

    • 松下 将典 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻博士2年)

    • 大沢 耕介 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士1年)

    • QU RUI (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士1年)

    • 横松 卓 (総合理工学研究科 人間環境システム専攻修士1年)

    • 倉重 宏康 (工学部 機械宇宙学科学部4年)

    • 古賀 将哉 (工学部 機械宇宙学科学部4年)

    ※機械宇宙システム専攻大学院講義「宇宙システム工学特論」(松永連携教授)の一環として結成したチーム

    「H2Aを再利用した軌道 上サービス実証実験」チームリーダー
    濱島大輝さん(機械宇宙システム専攻修士1年)

    濱島大輝さん

    濱島大輝さん

    栄誉ある賞をいただき大変嬉しく思います。このコンテストを通じてロケットや衛星に関して改めて多くの知識を得られたと感じています。チームとして一つの作品を洗練していくことの大変さを身に染みて感じましたが、作品を完成させ発表を終えたときは今まで感じたことのない達成感を味わうことができました。協力してくださったチームの皆様に心から感謝しています。

    チームメンバー

    • 濱島 大輝 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士1年)

    • 武井 悠人 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻博士2年)

    • 本田 瑛彦 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻博士2年)

    • 唐鎌 聡太郎 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士2年)

    • 吉川 健人 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士2年)

    • QU RUI (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士1年)

    • 田中 優一郎 (理工学研究科 機械宇宙システム専攻修士1年)

    • 上田 直樹 (工学部 機械宇宙学科学部4年)

    • 小沢 尭也 (工学部 機械宇宙学科学部4年)

    • GEERS Martijn Arjan (Delft University of Technology 修士2年)

    ※機械宇宙システム専攻小田・野田研究室に所属する学生のチーム

    記念撮影

    ※ 1月6日 16:45 河野さんと横松さんの所属に誤りがありましたので、修正いたしました。

    平成26年度名誉教授懇談会及び職員等の栄誉の祝賀会 開催報告

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    11月28日、東工大蔵前会館(Tokyo Tech Front)くらまえホールにおいて、恒例の名誉教授懇談会及び職員等の栄誉の祝賀会が開催されました。

    当日は、名誉教授90有余名及び栄誉者8名のご出席を得て盛大に行われました。祝賀会は祝賀該当者の紹介・記念品贈呈に始まり、栄誉教授称号記授与、新名誉教授の紹介、三島学長の挨拶と近況報告等の次第で進められました。

    • 栄誉の祝賀該当者代表挨拶 末松安晴栄誉教授
      栄誉の祝賀該当者代表挨拶
      末松安晴栄誉教授
    • 新名誉教授代表挨拶 荒木純道名誉教授
      新名誉教授代表挨拶
      荒木純道名誉教授
    • 三島学長による近況報告
      三島学長による近況報告
    栄誉教授の称号を授与された山本明夫名誉教授

    栄誉教授の称号を授与された山本明夫名誉教授

    栄誉教授の称号授与では、山本明夫名誉教授にこれまでの研究業績や受賞に対して、学長から授与されました。

    この称号は、本学教授、退職者、卒業・修了生のうち、ノーベル賞や文化勲章、文化功労者、日本学士院賞など教育研究活動の功績をたたえる賞もしくは顕彰を受けた者に対して付与されるものです。山本名誉教授は、有機金属化学分野において、金属錯体による空中窒素固定化の発見、新規炭素-炭素結合形成反応の解明、新しい触媒反応開発、などの広い分野で顕著な業績を上げており、平成26年11月に文化功労者に顕彰されております。

    引き続いて、懇談会が行われ、出席者全員和やかな雰囲気のうちに閉会いたしました。

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