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シンポジウム「次のロボティックスはなにを目指そう?」 開催報告

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1月6日、大岡山キャンパス ディジタル多目的ホールにて、シンポジウム「次のロボティクスはなにを目指そう?」が開催されました。新しいロボットに挑戦している国内外の著名な研究者を招いて行った本シンポジウムに、企業や大学の研究者と学生含め約150名が参加しました。

これまでの金属製の骨組みで構成されるようなロボット工学はほぼ完成の域にあり、これからは大学・企業共に実用を目指した研究開発が期待されています。一方で大学としては10年後、20年後を見据えた次世代ロボット工学の構築を同時に進めることも重要であると考えています。本シンポジウムは次世代ロボット工学の可能性について議論する事を目的として開催されました。

辰巳敬理事・副学長の挨拶で始まった本シンポジウムでは、新しいロボティクス像の可能性について、ロボティクス分野において材料科学やバイオサイエンスなど幅広い視点で研究を行っている多くの研究者が講演しました。鈴森康一教授の「ジャコメッティロボティクスとソフトロボティクスの提案」では、多くの装備を取り付けるのではなく、彫刻家ジャコメッティの作品のような細く長いロボット像を提案するなど、様々な研究者から次世代のロボティクス像の考えが発表されました。各研究者の講演後には会場の参加者から熱心な質問が寄せられ、活発な議論が行われました。

講演内容と講演者

鈴森 康一 (東京工業大学)

ジャコメッティロボティクスとソフトロボティクスの提案

鈴森康一博士

鈴森康一博士

Just Herder (デルフト工科大学)

Towards structurally compliant robotics

Just Herder博士

Just Herder博士

細田 耕 (大阪大学)

構造的やわらかさを利用したバイオニックロボット

細田耕博士

細田耕博士

浜田 省吾 (コーネル大学)

DNAハイドロゲル:スライム型分子ロボットの実現に向けて

浜田省吾博士

浜田省吾博士

倉林 大輔 (東京工業大学)

生物アルゴリズムをのぞき見するロボティクス

倉林大輔博士(写真右)

倉林大輔博士(写真右)

有川 敬輔 (神奈川工科大学)

ロボット機構とタンパク質の運動学

有川敬輔博士

有川敬輔博士

Sangbae Kim (マサチューセッツ工科大学)

Learn from Nature: Innovation toward Future Robots

Sangbae Kim博士

Sangbae Kim博士

渡邉 政嘉(日本機械学会イノベーションセンター長/経済産業省)

ものづくり4.0 ~ゲームのルールを変えよう!

渡邉政嘉博士

渡邉政嘉博士

多くの議論により、予定していた終了時刻を大幅に過ぎてしまうほどの盛会のうちシンポジウムを終了しました。参加者の中には次世代の研究を担っていく学生や若手研究者も多く、非常に有意義なシンポジウムとなりました。

懇親会での集合写真
懇親会での集合写真

お問い合わせ先

東京工業大学 次世代ロボティクスシンポジウム実行委員会
Email : symposium@robotics.mes.titech.ac.jp
TEL : 03-5734-3177


東京工業大学、TDKとの組織的連携協定の締結 ―磁性・磁石をベースとした先端的な共同研究開発を推進―

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東京工業大学とTDK株式会社は、1月21日に磁性・磁石技術をベースとした先端的な共同研究を含む組織的連携協定を締結しました。

フェライトを発明した加藤与五郎博士(左)と武井武博士(右)

フェライトを発明した加藤与五郎博士(左)と武井武博士(右)

東京工業大学とTDKとは、日本の独自発明の一つである磁性材料「フェライト」の発明と事業化において歴史的にも深い関係があります。フェライトとは、1930年に、東京工業大学の電気化学科に在籍した加藤与五郎博士と武井武博士の研究から生まれた電子材料で、日本の独創的発明の一つです。この「フェライト」を事業化するため、日本における大学発ベンチャー企業の先駆けとして、1935年12月7日にTDK(当時の社名は、フェライト発明の大学名および学科名から「東京電気化学工業」であった)が創立されました。
その後、世界に先駆けて日本の無線通信機やラジオなどに応用され、TVのブラウン管に使用される「偏向ヨークコア」や、電圧を変換する「トランス」など、あらゆる電子機器の進化に影響を及ぼしました。現在は、スマートフォン、タブレットPCの他、自動車分野では、ハイブリッド車、電気自動車にも幅広く使われており、最先端エレクトロニクス機器の重要な電子部品として、広く社会に貢献しています。このような功績が認められ、2009年10月に、東京工業大学とTDKは、「フェライトの発明とその工業化」について、世界最大の電気・電子技術者による学会であるIEEE(アイ・トリプル・イー)より、電気・電子技術分野の歴史的偉業に対する賞「IEEEマイルストーン」に認定されました。

今回、東京工業大学とTDKとの組織的連携のもと複数の共同研究の実施を通じて、磁性・磁石技術が持つ無限の技術革新の可能性を追求し、次世代のエレクトロニクス、ひいては日本の競争力向上につながる独自性の高い開発成果を目標に進めてまいります。

お問い合わせ先

産学連携推進本部
Email : sangaku@sangaku.titech.ac.jp
TEL : 03-5734-2445

TDK株式会社 広報グループ 大須賀
Email : pr@jp.tdk.com
TEL : 03-6852-7102

「文理融合の大学院 学び方・働き方・生き方」イベント開催報告

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快晴に恵まれて開催

快晴に恵まれて開催

東京工業大学大学院社会理工学研究科主催のイベント「文理融合の大学院 学び方・働き方・生き方」が、12月13日に開催されました。この日はまさに快晴で、学内外から23名の参加がありました。

第1部では、本学学生支援センターの小川憲治特任教授、水墨画家としてご活躍中でWeb 制作フリーランスでもある酒井陽祐氏、独立行政法人の研究員として研究に携わっている深町珠由氏、そして、ソフトウェア開発会社代表取締役社長兼CEOとして経営の最前線にいる米川孝宏氏に講演いただきました。酒井氏、深町氏、米川氏は大学院社会理工学研究科の修了生です。

小川特任教授の講演

小川特任教授の講演

小川特任教授は、自身のIT業界での転職や大学院社会人入試の受験、そして、臨床心理士の経験を踏まえて、人生における経済的、社会的、精神的な仕事の目的(位置づけ)を再確認しました。さらに、ライフステージごとに一般職、技術職、研究職、教職、管理職、経営者、転職、起業、大学院社会人入学、プロフェッショナル(専門職)、天職など、多様な職種とそのあり方があることに言及し、物事に本気で取り組むことの大切さについて語りました。

酒井氏の講演

酒井氏の講演

酒井氏は、インターネットベンチャーからWeb制作フリーランスへ、そして、水墨画の世界へと進んだ経緯を紹介し、自分を助けてくれる人との出会いや、目の前のことを大切にすることも重要だとお話しくださいました。

深町氏は、ご自身の大学院修了後の研究者としてのキャリアを振り返りながら、研究者の仕事の特徴をお話しくださいました。そして、現在の若者の雇用は「就職活動の時期が一生のうちに何度も訪れる状況である」との研究成果をご披露くださいました。

米川氏は、「東工大発ベンチャー」制度を利用して起業なさった経緯や、ご自身の会社で現在取り組んでいらっしゃる事業をご紹介くださいました。大学院での研究成果が、ソフトウェア開発の最先端、そして、ビジネスや社会の中で活用されている様子がよくわかりました。

深町氏の講演

深町氏の講演

米川氏の講演

米川氏の講演

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

第1部での4件の講演の後、休憩をはさんで、第2部のディスカッションにうつりました。ディスカッションは、フロアからの質問に4人の講演者がこたえるパネルディスカッション形式で行われました。学外の参加者からの質問が多く、「東工大の大学院の魅力は?」という質問には「研究環境」とのこたえがありました。また、「文理融合の大学院の強みは?」との質問には、「専門用語に頼らないコミュニケーション能力が鍛えられる」、「多分野の知り合いができる」といった回答でした。休憩時間にも講演者と参加者の間で会話が続くなど、有意義なディスカッションになりました。

第3部は、講演者の一人、酒井陽祐氏による水墨画のライブ・ドローイング・パフォーマンスでした。異なる濃さの筆が入るたびに全体の印象が大きく変わることが会場に驚きを与えていました。酒井氏の多数の作品と参加者が見守る中、約1時間で新しい作品が完成しましたパフォーマンスの終了後、酒井氏の新しい作品の前で記念撮影をし、イベントは無事、終了しました。

酒井氏によるライブ・ドローイング・パフォーマンス
酒井氏によるライブ・ドローイング・パフォーマンス

酒井氏によるライブ・ドローイング・パフォーマンス
酒井氏によるライブ・ドローイング・パフォーマンス

参加者アンケートの回答には、

  • 「社会に出てからのことを、具体的にイメージすることができた。」
  • 「いろいろな進路に進んだ方の話が聞けてよかった。」
  • 「いつもはほとんど考えがつかない人生、仕事について皆様のお話を聞くことで他からの視点として見直すことができたことがよかったです。」
  • 「最後にディスカッション形式で質問時間を設けてくれた。講演時間の長さがちょうどよかった。」
  • 「就職活動が何度もあるような生き方を知ることができた。」
  • 「ディスカッションでは非常にためになる意見を聞けた一方で、時間が短めの設定であったように感じた。」
  • 「パフォーマンスは滅多に見られるものではなく、大変有意義だった。」
  • 「共感できる点が多く、起業のヒントを頂いたような気がする。」

などが感想としてあげられており、参加者がそれぞれ、今回のイベントを意義深く感じたことがわかります。

一方、

  • 「もう少し多くの修士修了の方のお話を聞きたかった。」
  • 「他大学からの院進学希望者向けイベントを開催して欲しい。」
  • 「研究科修了直後の新卒の社会人の方に就職活動についてお聞きしたい。」
  • 「ディスカッションにより多くの時間を割いて欲しかった。」
  • 「大学院社会理工学研究科価値システム専攻の卒業生らの働き方、生き方を知る場が欲しい。」
  • 「産学官連携事例などを紹介するイベントを開催して欲しい」

といった意見・要望もありました。今後のイベントの企画に生かしてまいります。

酒井氏の新しい作品の前で記念撮影
酒井氏の新しい作品の前で記念撮影

お問い合わせ先

大学院社会理工学研究科 価値システム専攻 教授 猪原健弘
Email : valdes@valdes.titech.ac.jp
TEL : 03-5734-3366

原子力道場 第6回原子力基礎教育シリーズ・セミナー開催

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このセミナーは、原子力の基礎や地球環境を、原子力関係以外の分野の学生でも学べるもので、TV遠隔システムを利用して全国16大学が協力して実施しています。 今回は6回目の開催で、1月6日に福井大学からの講義が東工大の他、北海道大学、八戸工業大学、茨城大学、湘南工科大学、山梨大学、金沢大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、岡山大学、九州大学等の各会場へ配信されました。講義のテーマは、「原子力防災と地域共生」に関する内容でした。

講義は全国12大学に配信されました。
講義は全国12大学に配信されました。

  1. 1.原子力防災と放射線
    (安田仲宏 福井大学附属国際原子力工学研究所教授)
    原子力災害において何を考慮し、どう対処するかが主題でした。関連法令の改訂のポイントや、放射性物質については身近にもあることを知り、正しく理解することの必要性が述べられました。
  2. 2.地震環境と耐震設計
    (大堀道広 福井大学附属国際原子力工学研究所准教授)
    地震発生のメカニズムと建物の揺れ、耐震設計についての講義でした。原子力発電所の耐震性が普通の建物の3倍もあることが述べられました。
  3. 3.東北地方太平洋沖地震による津波災害と耐災の概念
    (鈴木啓梧 福井大学大学院工学研究科講師)
    津波の数値シミュレーション結果と予測方法、津波に対する耐災の考え方の理解がポイントでした。
  4. 4.福井における原子力防災総合訓練
    (川本義海 福井大学大学院工学研究科准教授)
    福井で実際に行われた原子力防災総合訓練の様子が紹介されました。この結果得られた今後の課題として、平常時からの情報共有の重要さが強調されました。
福井大学での講義(鈴木啓梧講師)

福井大学での講義(鈴木啓梧講師)

TVシステムを通じて講師の先生に直接質問ができます。

TVシステムを通じて講師の先生に直接質問ができます。

受講生からは、「原子力災害に関する実際のデータや、新しくなった対策や法律について、今までは知ることの少ない分野であったが、今回のセミナーで学ぶことが出来た。今後の勉強の考え方の助けになるように感じた。」「通常の講義では受けることが出来ない内容のものばかりで、とても有意義だった。」等の感想が寄せられました。次回のセミナーは2015年夏ごろ、北海道大学から「過酷事故対策」についての講義の予定です。

お問い合わせ先

原子炉工学研究所 大学連合人材育成事務局
Email : g-dojo@nr.titech.ac.jp
TEL : 03-5734-2188

附属図書館大岡山本館をリニューアル

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1月6日、附属図書館は大岡山本館の地上階部分(通称“チーズケーキ”)を、グループ学修が可能なエリアにリニューアルしました。

リニューアル予告のライトアップ
リニューアル予告のライトアップ

大きな変更点として、2階の机や椅子を自由に組み替えられる可動式のものに一新したことがあげられます。友人と相談しながらの学修や、大人数で議論を行うグループ学修など、さまざまな学修スタイルに対応可能な空間となっています。

また、2階には相談員が在席し、図書館の活用方法等について相談ができるようになりました。その他にも、図書館の職員が講師となり、資料の探し方やデータベースの使い方に関するセミナーを開催するなど、施設面だけではなく、サービス面での充実も行っています。

2階グループ学修エリア
2階グループ学修エリア

リニューアルオープン当日は、新しい机や椅子を物珍しそうに利用する学生の姿が目立ちました。今後、本学の教育改革により、グループワーク、ディスカッション、プレゼンテーション等を取り入れた双方向授業が増えていくことに伴い、こうしたアクティブ・ラーニング(能動的な学修)が可能となる空間の価値・需要は、ますます高まっていくことが期待されます。

附属図書館大岡山本館の2階、3階は学内者向けのスペースです。一般の方はご利用いただけませんのでご了承ください。

お問い合わせ先

研究推進部情報図書館課利用支援グループ
TEL : 03-5734-2097

東京工業大学陸上競技部、荒川河川敷大学対校駅伝3連覇

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平成26年12月21日、荒川河川敷にて第15回荒川河川敷大学対校駅伝競走大会が開催され、本学陸上競技部が総合優勝をはたしました。一昨年、昨年の優勝に続く3連覇となります。3連覇は川内優輝選手を擁していた学習院大学が達成してから以来、通算で3度目の達成となります。

ゴールテープを切る宮崎さん

ゴールテープを切る宮崎さん

本学対校チームは、一区(10km)で松井将器さん(3年)が抜けだし、その後二区(3km)小林雅彦さん(修士1年)が差を保ったままつなぎ、三区(8km)柴田幸樹さん(修士1年)で二位にあがった埼玉大学のエースに差を少しつめられたものの、その後、四区(8km)丸山蒼太さん(4年)が区間賞の走り、五区(5km)新美惣一郎さん(1年)とリードを守って襷をつなぎ、最終六区(8.195km)宮崎晃年さん(修士2年)がトップでゴールテープを切りました。皆様からのご声援ありがとうございました。

なお、本学松井将器さん(3年)は箱根駅伝関東学生陸上競技連盟連合チームに選抜され、1月3日の箱根駅伝9区に出走し、区間17位相当の結果を残しました。引き続き、皆様のご声援・ご支援をよろしくお願い申し上げます。

歓喜の胴上げ
歓喜の胴上げ

平成26年度蔵前ゼミ 全7回が終了

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年7回 先輩の熱い思いに触れる

蔵前ゼミは同窓生による学生・教職員のための講演会です。日本社会や経済をリードしている先輩が、これから社会に出る学部生・大学院生に熱いメッセージを送ります。7年前にすずかけ台キャンパスで始まった蔵前ゼミは、各年度7回の開催が恒例となっています。本学の同窓会が企画し、大学側が協力する形で運営されています。平成26年度は前期に4回、後期に3回開催され、毎回200名ほどの参加がありました。

蔵前ゼミの会場風景
蔵前ゼミの会場風景

両キャンパスで開催、交流会も

蔵前ゼミ後の交流会の様子

蔵前ゼミ後の交流会の様子

すずかけ台で始まった蔵前ゼミですが、現在では大岡山キャンパスでも開催されているため、両者を区別するために「蔵前ゼミ」及び「大岡山蔵前ゼミ」と呼ばれています。先輩による講演会と交流会がセットになった企画で、社会で必要とされる人材像がイメージできるようになるのみならず、先輩を介した人的ネットワークの構築にもつながると好評です。

印象記も充実

12月15日、すずかけ台における平成26年度の最終回(第7回目、通算47回目)を無事終えました。講演内容は「印象記outer」として、余談を交えながら、読み物風に紹介されています。過去の印象記とあわせて、是非ご覧ください。

平成26年度蔵前ゼミ開催状況

  • 第7回 12月15日
    加藤 丈智:「IT技術者/コンサルタントの仕事」~社会の仕組みを作り、未来を創る~
    太田 幸一:H26年度蔵前ゼミを終えるにあたり
  • 第6回 11月17日
    河野 晴彦:「再開発が作り出す新しい都市環境」
  • 第5回 10月27日
    岡田 高行:「就職はチャレンジの始まり」~ソフト開発から北米子会社再建まで~
  • 第4回 7月18日
    横川 拓也:写真フイルムからヘルスケア事業へ
  • 第3回 6月27日
    橋爪 秀一:バイオとの出会いと、色々あった楽しかったその後
  • 第2回 5月30日
    雨宮 宏司:農林水産分野の科学技術の発展方向について
  • 第1回 4月25日
    太田 幸一:H26年度蔵前ゼミをはじめるにあたり
    田村 良明:ガラスのモノづくりから事業経営まで~楽しく仕事をすること~

お問い合わせ先

博物館資史料館部門 特命教授 広瀬茂久
Email : shirose@bio.titech.ac.jp
TEL : 03-5734-3340

第3回生命理工国際シンポジウム 開催報告

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1月14日に、東工大すずかけ台キャンパス内すずかけホールにて、第3回生命理工国際シンポジウム「Innovative approaches to biological systems: light, motion, and small molecules」を、大学院生命理工学研究科と情報生命博士教育院(ACLS)とで共同開催しました。

このシンポジウムは、生命理工学研究科創設20周年を機に、特に若い研究者が、

1.
早い時期にトップレベルのサイエンスに触れる
2.
分野を越えたホットトピックに触れる
3.
国際的に活躍する研究者の研究スタイルを学ぶ

ことのできる環境を提供しようと、2012年度から始まりました。

今年度は、2名の国外招待講演者、3名の国内招待講演者、2名の学内講演者から、新しい切り口で生命現象を理解する研究、そしてそれを応用に結びつける最先端の研究について講演していただきました。

最初のセッションでは、Klaas J. Hellingwerf教授(オランダ・アムステルダム大)と太田啓之教授(東工大)より、糖や油脂といった有用物質生産を効率よく行う細胞の構築を目指した最先端の研究が紹介されました。

Klaas J. Hellingwerf教授

Klaas J. Hellingwerf教授

太田啓之教授

太田啓之教授

2番目のセッションでは、Jaebum Choo教授(韓国・漢陽大学)、中川秀彦教授(名古屋市立大学)と和地正明教授(東工大)より、細胞機能・腫瘍マーカーの検出や薬剤のスクリーニングを効率よく行う新しい技術開発に関して講演がありました。

  • Jaebum Choo教授

    Jaebum Choo教授

  • 中川秀彦教授

    中川秀彦教授

  • 和地正明教授

    和地正明教授

最後のセッションでは、松崎政紀教授(基礎生物学研究所)と野地博行教授(東京大学)より、脳神経の活動やタンパク質一分子解析を可能とする、最先端の実験技術・研究手法に関して講演がありました。

松崎政紀教授

松崎政紀教授

野地博行教授

野地博行教授

最先端の研究は時により、理学と工学、基礎と応用そしてミクロとマクロなスケールが混在します。今回のシンポジウムを通じて、参加者にはその点を感じてもらうことができたのではないかと思います。

参加人数は269名で、過去二回に引き続き大変盛況でした。生命理工国際シンポジウム組織委員会は、今後も質の高い国際シンポジウムを継続して開催し、特に若い大学院生や研究者に、国際的に活躍する第一線の研究者と交流する機会を提供していきたいと考えています。

シンポジウム後の全体写真シンポジウム後の全体写真


高村陽太助教が高柳健次郎財団研究奨励賞を受賞

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大学院理工学研究科 電子物理工学専攻中川研究室の高村陽太助教が、高柳健次郎財団の2014年度研究奨励賞を受賞しました。この賞は、電子科学技術の分野で将来性のある独創的な研究開発テーマに取り組んでいる研究者に贈られるものです。

受賞研究課題

垂直磁化MRAM用高スピン偏極率フルホイスラー合金薄膜の開発

PCやタブレット端末・スマートフォン等の次世代メインメモリとして、電源を切っても情報を失わず、消費電力を削減できる可能性のある垂直磁化型磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)の実現が期待されています。今回受賞した研究課題は、このMRAMの実現に向け、片方のスピンを持つ電子しか電気伝導に寄与しないフルホイスラー合金(Co2FeSiやCo2MnSi)の磁化の向きを膜垂直方向で安定化(垂直磁気異方性)させることを目的としたものです。

高村助教は、フルホイスラー合金と非磁性材料との界面に生じる磁気特性に着目し、Co2FeSiに対してはMgO接合構造、Co2MnSiに対してはPd(パラジウム)との人工格子構造を作製し、それぞれ垂直磁気異方性を付与することに成功しました。

高村陽太助教のコメント

授賞式での高村陽太助教(右)と高柳健次郎財団理事長の末松安晴栄誉教授(左)

授賞式での高村陽太助教(右)と
高柳健次郎財団理事長の末松安晴栄誉教授(左)

このような伝統ある賞をいただくことになり大変光栄に感じております。これからますます、研究道に精進して参ります。

スポーツ講座「プロゴルファー、ここだけの話」開催報告

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スポーツ講座は、日本を代表するスポーツ選手を招いて講演いただくイベントです。東工大ではスポーツ講座を2005年から開催しており、今回で17回目となります。また、2020年の東京オリンピック開催に向けて、東工大を含む日本の多くの大学が東京オリンピック・パラリンピック組織委員会と連携しています。このスポーツ講座も東京オリンピック・パラリンピック組織委員会との連携イベントの一つとして実施しました。

本年度は「屋根裏のプロゴルファー」でお馴染みのタケ小山(小山武明)さんと、フリーアナウンサーの吉田填一郎さんに、「プロゴルファー、ここだけの話」と題して対談していただきました。

タケ小山(小山武明)さん

タケ小山(小山武明)さん

タケ小山さんは大学卒業後、フロリダに行き、当初言葉もよくわからないまま、いろいろな仕事、苦労をしながらツアーを回っていたそうです。その頃、偶然、解説の仕事をしたことをきっかけに、今ではゴルフトーナメントの解説を年間40大会も行っています。
講座ではゴルフの魅力やプロゴルファーの海外での様子、ゴルフや様々なスポーツのビジネス、そしてテレビの仕事の裏側まで興味深くお話しいただきました。また、東京オリンピックでのゴルフの会場についても意見を聞くことができました。

吉田填一郎さん

吉田填一郎さん

吉田填一郎さんは元日本テレビのアナウンサーです。毎日のようにプロ野球の巨人戦を放送していた当時は、ナイター中継のたびに吉田さんの声を聞いていた方も多いでしょう。対談ではタケ小山さんが出演するTBSテレビ「サンデーモーニング」についての質問から始まり、ゴルフの魅力、タケ小山さんの魅力を存分に引き出していただきました。

普段、理工系の講義や研究に多くの時間を費やす東工大の学生にとっては、スポーツという異分野の話を聞き、視野を広げる有意義な時間となりました。

集合写真

経団連長谷川知子氏講演会「グローバル人材育成に向けた日本企業の取り組み」開催

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12月3日大岡山キャンパス西8号館10階大会議室にて、日本経済団体連合会(経団連)社会広報本部副本部長長谷川知子氏を招き、「Japanese Corporate Efforts to Nurture “Global Talents”(グローバル人材育成に向けた日本企業の取り組み)」と題した英語による講演会が開催されました。この講演会は、東工大の学生交流プログラムYSEP (Young Scientist Exchange Program)が主催したものです。

講演会

講演する長谷川知子氏

講演する長谷川知子氏

当日の参加者は約100名で、正規課程・非正規課程の留学生や、留学予定の在学生のほか、教職員も参加しました。講演会冒頭には、三島学長から開会の挨拶がありました。

講演会では、まず経団連の概要と日本企業がグローバル人材を求める背景が紹介されました。経団連が実施したアンケート結果に基づく、企業が求める人材の素質や、留学生・海外留学経験者の採用状況、企業が大学に期待する取り組みについてです。この内、企業が求める人材の素質では、「既製概念にとらわれずチャレンジ精神を持ち続けること」「外国語によるコミュニケーション能力」「海外との文化、価値観の差に興味・関心を持ち柔軟に対応する」が最上位にありました。企業が大学に期待する取り組みでは、「主要科目を外国語(英語)で教えること」「グローバル企業のリーダーから直接グローバルビジネスを学べるカリキュラム」に関する要望が最も多いことが示されました。

また、経団連が策定した政策提言「世界を舞台に活躍出来る人づくりのために」(2013)では、英語や国際理解教育の抜本的拡充(初等中等教育)、高大接続の改善と入試改革の実現、教養教育の拡充、大学の国際化のさらなる加速(高等教育)などが提言されています。経団連自身、グローバル人材の育成を促進するため、2012年に日本人の海外留学生のための奨学金を創設したり、留学帰国生向けの合同就職説明会・面接会「経団連グローバル・キャリア・ミーティング」を開催したり、企業と連携したモデルカリキュラムを上智大学で実施していることが紹介されました。さらに経団連は、女性の役員・管理職への登用を推進し、会員企業に対して、女性や外国人などのダイバーシティ・マネージメント・セミナーを定期的に開催しています。

講演後は、参加した学生から、日本企業の一斉採用の慣行の背景、大学の入試改革や秋入学が容易に実現しない要因、高齢化社会を迎え、介護ニーズが高い日本において女性が企業で働くことの是非などについて質問が出され、長谷川氏から丁寧な回答がありました。

開会挨拶をする三島学長

開会挨拶をする三島学長

長谷川氏に質問する学生

長谷川氏に質問する学生

YSEP学生交流会

本講演会の後、西9号館コラボレーション・ルームにおいて、YSEPの派遣・受け入れ留学生の交流会が開催されました。長谷川氏の講演を踏まえ、留学の目的、将来計画とそのために準備していること、将来どのように自分の能力を活かして社会に貢献していきたいか、などについて、活発なグループ・ディスカッションが行われました。手作りの名刺が交換され、継続したコンタクトを約束する風景が見られました。

学生交流会
学生交流会

講演会に対する学生の感想

近年、企業は留学生・外国人採用枠を積極的に拡大しており、世界経済のグローバル化は急速に進行しています。東工大での生活を通しても、特にアジアからの留学生の多さ及び積極性に、グローバル化の進行を感じています。しかし、海外留学する日本人学生は減少傾向であると説明がありました。長谷川氏の講演を聴講し、将来の日本経済の為にも、より多くの日本人学生が積極的に留学等にチャレンジすべきであると感じました。

若狭政啓 工学部電気電子工学科4年 (スウェーデン王立工科大学に留学予定)

The lecture given by HASEGAWA san impressed me a lot. Actually, I intended to work in Japan during the spring break and also some time in the future. However, I didn't know the basic working condition and information. By listening to this lecture, I got some ideas of the work life in Japan. The most significant impression I got is Japanese companies' efforts to nurture and recruit the international persons.

(訳:私は長谷川氏の講演に感銘を受けました。実は私は、春休みの間や、さらに将来どこかのタイミングに、日本で働きたいと思っていました。しかし、私は基本的な労働環境や状況について知りませんでした。今回の講演で、私は日本で働くことにイメージを持つことができました。最も有意義な情報だと私が感じたのは、日本の会社が外国人の採用と育成に努力しているということです。)

Xiang Ziheng 海外交流学生 (北京理工大学)

東工大―MIT国際産学連携ワークショップ開催報告

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1月7日に、東工大-MIT(マサチューセッツ工科大学)国際産学連携ワークショップを東工大蔵前会館ロイアルブルーホールで開催し、本連携に興味を持つ企業、大学関係者等約60名の参加がありました。

東工大とMITとの間ではかねてより機械工学分野を切り口として、産業界との協力による国際産学連携プロジェクトの検討を進めています。この検討のため、昨年9月22日にMITにて第1回共同ワークショップを行いました。この結果を踏まえ、日本の企業の方向けの説明会を11月13日に開催しました。また、あずさ監査法人のご協力を得て、12月16日にあずさ監査法人が開催する企業とのイノベーション関連の会合でも連携について説明しました。これら一連の会議で行われた議論の結果や、企業からの意見を反映し、MITから5人の研究者の参加を得て、今回の第2回ワークショップを開催しました。

ワークショップでは、冒頭三島学長から開会あいさつを行い、その後大学院理工学研究科 武田行生教授がプログラムの概要説明を行いました。本プログラムは、東工大とMIT両者のシーズと企業のニーズをマッチングさせた世界レベルの国際連携研究プロジェクトとともに、このプロジェクトに参画する大学の若手研究者と企業の技術者を対象とした人材育成の両点を目的としていることが述べられました。

  • 三島学長の開会あいさつ
    三島学長の開会あいさつ
  • 武田教授によるプログラム概要説明
    武田教授によるプログラム概要説明

それに引き続きエネルギー・環境、ロボティクス、マイクロ流体、ナノマニュファクチュアリング・オプティックスの4分野で、東工大、MITの研究者がそれぞれの研究内容と企業との連携に基づく国際共同研究への道筋について講演を行いました。講演の後、会場の出席者からも熱心な質問が寄せられ、講演者との間で活発な議論が行われました。また、企業の方と個別相談の場を設け、関係分野の東工大・MITの研究者が企業の具体的なニーズ解決について打ち合わせを行いました。最後に辰巳研究担当理事・副学長の閉会あいさつでワークショップを終了しました。

  • MIT機械工学科のChen科長による講演
    MIT機械工学科のChen科長による講演
  • 約60名が参加
    約60名が参加

ワークショップに引き続き東工大蔵前会館2階大会議室で交流会を開催し、講演者、企業や大学の関係者が意見交換を行い、懇親を深めるとともに、今後の活動に関する打合せを行いました。

今回のワークショップの結果を踏まえ、今後着実に連携プロジェクトの具体化を図っていく予定です。企業の方には今後の一層のご支援をお願いするとともに、本学に対するご質問、ご要望等がありましたら、ご遠慮なく以下の窓口にご連絡願います。

お問い合わせ先

大学院理工学研究科機械系3専攻
東工大-MIT機械系連携構想ワーキンググループ
Email : office@mech.titech.ac.jp

第3回環境エネルギー国際教育フォーラム開催報告

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2014年12月12日から12月16日まで、環境エネルギー協創教育院主催の「第3回環境エネルギー国際教育フォーラム」がオーストラリアのパースで開催されました。

環境エネルギー協創教育院では、環境とエネルギーの両分野において高度な専門性を有し、時空間的にその形態を変えていく問題を複眼的視点から判断できる俯瞰力、的確かつ迅速な自立的課題抽出・解決力、及び国際的リーダーシップ力を兼ね備え、イノベーションを牽引できる2S×3E[注釈1]時代を担う人材を、異分野協創、産官学協創、及び国際連携協創の三つの協創を軸に養成することを目的としています。

この国際教育フォーラムは、世界11ヶ国31の大学、研究機関、国内外企業から、丸山俊夫理事・副学長(教育・国際担当)をはじめ、210名以上の教員、博士・修士課程学生、企業幹部クラス等が参加し開催されました。開会宣言はプログラム責任者・岸本喜久雄工学系長と国際教育フォーラム学生委員長の新谷惠さん(環境エネルギー協創教育院所属博士課程1年)が行いました。その後、エネルギー・環境分野に関して著名な研究者・産業界のリーダーによる2件の基調講演と3件の招待講演、東工大とアジア・ヨーロッパ・米国・オーストラリアの連携大学の学生による132件の研究発表等が行われました。この国際教育フォーラムの最大の特徴は、異なる国籍、異なる環境エネルギー分野の博士課程学生3名が同室で寝食をともにし、部屋毎に設定された環境エネルギーに関わる課題を共同で調査、議論することです。この成果を最終日のプレゼンテーションで競うことで、国際コミュニケーション力強化と国際的なリーダーシップ育成を促すねらいです。

講演と発表に加えて、スタンフォード大学・カリフォルニア大学バークレー校・西オーストラリア大学のエネルギークラブ[注釈2]の代表学生と、東工大の国際教育フォーラム学生委員の石尾淳一郎さん(環境エネルギー協創教育院所属博士課程2年)による「University Energy Clubs」をテーマにしたパネルディスカッションも開催されました。東工大のJeffrey Cross教授よりパネルディスカッションの意義について説明があった後、各パネリストよりエネルギークラブ概要と彼らのリーダーシップスタイルについて10分間の発表が行われました。Q&Aでは参加学生・教授陣より様々な視点からの質問があり、活発な議論となりました。結びの言葉として、ジョージア工科大学のBrian Woodall准教授よりエネルギークラブ運営とその持続性についてのお話がありました。次回の国際教育フォーラムにおいてのリーダーシップ活動に関する継続的な議論が期待されます。

[注釈1] 2S×3E :
安全性(Safety)・持続性(Sustainability)×(クロス)エネルギー(Energy)・経済(Economy)活動・環境(Environment)

[注釈2] エネルギークラブ :
エネルギー問題について学生への情報提供を目的に、キャンパス内のエネルギー活動・社会支援活動やネットワーク作りに取り組む団体で、世界中の大学に100程のクラブがあります。各クラブの詳細は、Collegiate Energy AssociationのWebサイトouterをご参照ください。

集合写真

「研究の種発掘」支援 採択者決定

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「研究の種発掘」支援とは、従来にない画期的なアイデア等を含む、きわめて斬新な着想による研究を支援することを目的として、本学の基金により研究費の支援を行うものです。過去の実績は問わず、科学研究費補助金の「挑戦的萌芽研究」等の外部資金に出す前段階にある基礎的・基盤的領域の研究で、いまだ誰も着手していない類の「研究の種」の発掘を目指します。

第3回目の今回は42件の応募があり、14件が選考されました。

平成26年度 「研究の種発掘」支援選考結果

所属
専攻
職名
氏名
大学院理工学研究科(理学系)
物性物理学専攻
助教
那須 譲治
化学専攻
助教
安藤 吉勇
大学院理工学研究科(工学系)
物質科学専攻
助教
石毛 亮平
有機・高分子物質専攻
助教
岩橋 崇
化学工学専攻
助教
田中 祐圭
電子物理工学専攻
准教授
小寺 哲夫
電子物理工学専攻
助教
岩崎 孝之
電子物理工学専攻
准教授
鈴木 左文
大学院総合理工学研究科
化学環境学専攻
助教
服部 祥平
資源化学研究所
助教
島田 友裕
助教
野本 貴大
助教
神戸 徹也
精密工学研究所
准教授
田原 麻梨江
助教
Tso-Fu Mark Chang

東工大基金

この活動は東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先
研究推進部研究企画課研究企画グループ 
E-mail : kensen@jim.titech.ac.jp

2月の学内イベント情報

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2015年2月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

2015年2月の学内イベント情報


海外渡航時の安全確保に関する注意喚起

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昨今の海外情勢(シリア邦人拘束事案、パリ東部及び北東部近郊における人質拘束事案等)を踏まえ、外務省から渡航情報(広域情報)が発出されるとともに、文部科学省から学生及び教職員の安全確保に細心の注意を払うよう要請がありました。

東京工業大学では、日頃から海外渡航について注意喚起を行っていますが、上記事案をふまえ、海外渡航を計画している本学学生・教職員に対し、十分に安全を確認した上で渡航するよう、改めて注意喚起を行っています。

なお、外務省海外安全ホームページで提供されている「国・地域別情報」の判断・取り扱いに基づき、以下を本学の対応としています。

レベル
外務省 渡航情報
本学の対応
1
「十分注意して下さい」
実施、継続するが、注意を払う
2
「渡航の是非を検討して下さい」
延期もしくは中止を基本方針とする
3
「渡航の延期をおすすめします」
中止、途中帰国
4
「退避を勧告します。
渡航は延期してください。」
即時中止、途中帰国

お問い合わせ先
国際部留学生交流課
E-mail: ryu.kor@jim.titech.ac.jp
Tel: 03-5734-7645

量子幾何とは何か?:ゲージ理論からのアプローチ

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概要

東京工業大学大学院情報理工学研究科の寺嶋郁二准教授とプリンストン高等研究所の山崎雅人研究員は、クイバー・ゲージ理論の4次元指数が2次元スピン系の分配関数と等価であることを示し、4次元指数の3次元分配関数への極限がトーラス図式に付随する3次元多様体の幾何的不変量の量子化と一致していることを導いた。

古典的な時空がより根源的な量子化された時空から導かれるべきであるという考え方は多くの支持を得ているが、実際に古典的な幾何学の量子化を定義することは現時点では非常に難しい。

今回の結果は、ゲージ理論のようなより確立された理論を用いて量子幾何学の情報を得るための手法であり、古典的な幾何学の量子化の概念を確立する夢に向けた一歩を与えた。

2次元トーラス(左図の四角)が道によって、黒・白・緑の頂点で表される領域に分けられる。右図は対応するクイバーをしめす。
2次元トーラス(左図の四角)が道によって、黒・白・緑の頂点で表される領域に分けられる。右図は対応するクイバーをしめす。

論文情報

論文タイトル :
Emergent 3-Manifolds from Four Dimensional Superconformal Indices(4次元超共型指数から出現する3次元多様体)
掲載誌 :
Phys. Rev. Lett. 109, 091602 (2012)
DOI :
著者 :
Yuji Terashima and Masahito Yamazaki

問い合わせ先

大学院情報理工学研究科数理・計算科学専攻
准教授 寺嶋郁二
Email : tera@is.titech.ac.jp

TiROP派遣留学募集説明会 開催報告

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平成27年度のTiROP派遣留学募集を開始するに当たり、本プログラムをより理解してもらうための募集説明会を開催しました。

TiROPとは

TiROPは、文部科学省の「大学の世界展開力強化事業」として運営されている留学生の受入・派遣プログラムです。このプログラムでは、アジア・欧米等の世界有数の理工系大学と本学が連携して、それら大学から留学生を受入れ、同時に東工大生を派遣します。学生交流を通じてネットワークを構築することで、大学の国際化を推進し、国際的な舞台で活躍できる人材の育成を目指しています。

東工大のプログラムの大きな特徴は、学生の所属する大学と留学した大学双方の共同指導による研究に重点を置いていることです。世界のトップレベルの大学で学生や教員との教育・研究交流を通して、文化の相互理解を深めることで、卓越した科学技術の素養を持つグローバル人材を育成することを目標としています。

派遣留学募集説明会

説明会は1月21日、22日に開催しました。説明会前半では、留学生交流課TiROP派遣担当によるTiROPの概要並びに応募に係る説明が行われました。後半では、学生からTiROPでの留学体験談を話してもらいました。

説明会の様子

説明会の様子

1月21日にはTiROPで派遣留学を経験した高橋毅さん(大学院理工学研究科材料工学専攻、ウィスコンシン大学マディソン校へ派遣)、武末江莉さん(大学院総合理工研究科物質電子化学専攻、ワシントン大学へ派遣)から話を聞きました。 高橋さんが留学全体を通して一番苦労したのは家探しだったそうです。「現地での宿舎を確保せず渡航し、留学開始後もすぐには見つかりませんでした。研究室の仲間と現地の方の親切に助けられて、10日間ほど現地在住の方の家にお邪魔させていただき、その後に無事学生寮に入居することができました」と当時を振り返りました。

武末さんは「将来、学位取得のための正規留学を計画していたので、その際に必要な人脈作りや情報入手、研究成果や学会発表の経験をTiROP派遣留学で得ることが出来ました」とTiROPに参加した成果を報告してくれました。

出席した学生からは、派遣希望先大学の研究室から内諾を得るためのプロセスや、留学中にかかった生活費など留学へ向けた具体的な質問がありました。高橋さんと武末さんからは、実体験に基づく分かりやすい回答を聞くことができました。

1月22日には現在TiROPで東工大に留学中のChristoph Altさん(ドイツ・アーヘン工科大学)、Christophe Etienneさん(パリテック・国立土木学校)をゲストスピーカーに迎え、欧州の大学や研究室について話してもらいました。雨模様の中でしたが、大勢の学生が集まりました。説明会終了後もAltさん、Etienneさんに個々に相談したり、情報を交換したりする様子も見られました。

Christoph Altさん(アーヘン工科大学)

Christoph Altさん(アーヘン工科大学)

Christophe Etienneさん(パリテック)

Christophe Etienneさん(パリテック)

お問い合わせ先
「大学の世界展開力強化事業」
グローバル理工系リーダー養成協働ネットワーク(TiROP)事務局
E-mail : tirop@jim.titech.ac.jp Tel : 03-5734-2984

惑星形成環境の磁場強度に対する理論的制約の解明

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概要

東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻の奥住聡助教と竹内拓特任准教授、工学院大学の武藤恭之助教の研究グループは、惑星形成の母体である原始惑星系円盤[用語1]を貫く磁場の強度が、ある上限値を持つことを理論的に解明した。さらに、天文観測から示唆される原始星の磁場強度、および原始惑星系円盤から中心星へのガスの供給率が、本研究の理論的予言によって統一的に説明できることを明らかにした。

研究の背景

我々の住む地球をはじめとする惑星は、原始惑星系円盤と呼ばれるガス状の円盤(星雲)の中で形成されると考えられている。このような円盤がどのように形成され、どのように消失していくのかを明らかにすることは、天文学・惑星科学における重要な研究課題となっている。

近年の理論研究によって、原始惑星系円盤の進化を引き起こす主な原動力は、円盤ガスと星間磁場[用語2]との相互作用である可能性が明らかになってきた。しかし従来、円盤を貫く磁場の強さは観測的な制約が乏しく、磁場が円盤の進化を引き起こすという理論シナリオを検証することは困難となっていた。

研究成果

奥住助教らのグループは、磁場の円盤内輸送に対する「平均場モデル」と呼ばれる理論を用いて、原始惑星系円盤を貫く磁場の強度に対して、ある上限値が存在することを理論的に導いた。この理論モデルは1990年代に提唱されて以降、数学的に厳密な解が未知であったが、本研究ではコンピューターによる数式処理を駆使して厳密解を導くことに成功し、これが磁場強度の上限の発見につながった。

さらに、近年の円盤進化モデルを用いて、この上限値から予想される原始惑星系円盤のガス降着率[用語3]を算出したところ、天文観測から示唆されるガス降着率の範囲をよく説明することが明らかになった。磁場強度の上限値の存在は、若い星がその母体である分子雲コアに比べて非常に小さな磁束量を持つこととも調和的である。

今後の展開

本研究成果は原始惑星系円盤の磁場強度に対して具体的な予言を与えるものであり、惑星を育む原始惑星系円盤が磁場の影響によってどのように進化するかを解明するための重要な手がかりとなることが期待される。また、磁場を介して進化するガス円盤は、中性子星の周りや銀河中心核にも存在すると考えられており、本研究成果はこのような高エネルギー帯での物理現象にも応用が期待される。

用語説明

[用語1] 原始惑星系円盤 : 形成直後の若い星を取り囲む、ガスと塵からなる円盤。

[用語2] 星間磁場 : 星と星の間の空間に存在する磁場。典型的な強度は1~10マイクロガウス(1マイクロガウス=0.1ナノテスラ)。

[用語3] ガス降着 : 原始惑星系円盤から中心星へガスが流出する現象。円盤の消失を引き起こすメカニズムの一つと考えられている。ガス降着率とは単位時間あたりのガスの流出量を表す。

本研究で導かれた原始惑星系円盤の大局的鉛直磁場の最大値(実線)。赤線・青線・緑線は観測から示唆される最大の定常円盤ガス降着率をもたらすのに必要な磁場強度の理論値。星印は若い星の典型的な磁場強度を表す。

本研究で導かれた原始惑星系円盤の大局的鉛直磁場の最大値(実線)。赤線・青線・緑線は観測から示唆される最大の定常円盤ガス降着率をもたらすのに必要な磁場強度の理論値。星印は若い星の典型的な磁場強度を表す。

論文情報

論文タイトル :
Radial Transport of Large-scale Magnetic Fields in Accretion Disks. I. Steady Solutions and an Upper Limit on the Vertical Field Strength
掲載誌 :
The Astrophysical Journal 785, 127 (2014)
DOI :
著者 :
Satoshi Okuzumi1, Taku Takeuchi1, and Takayuki Muto2
所属 :
1東京工業大学理工学研究科地球惑星科学専攻、2工学院大学基礎・教養教育部門

問い合わせ先

大学院理工学研究科地球惑星科学専攻
助教 奥住 聡
Email : okuzumi@geo.titech.ac.jp
TEL : 03-5734-2616

社会人向け講座 理工系一般プログラム「環境科学」「環境工学」「食の安全と安心」

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東京工業大学社会人教育院は例年4月~8月にかけて、一般の方を対象にした講座「理工系一般プログラム」を開催しています。2015年度も、「環境科学」「環境工学」「食の安全と安心」の3コースを開講いたします。

理工系一般プログラムは、私たちを取り巻く生活環境に焦点を当て、受講者自身で問題と解決策について考えていただく位置づけで実施しています。

各コースとも大学・大学院レベルの講義内容となっており、一般社会人向けのプログラムですが、受講の動機付けが明確であれば、年齢等の受講資格は問いません。幅広い方々のお申込みをお待ちしております。

概要

開催期間・日時
(1)「環境科学 ~人間と地球の調和を目指して~ 」
期間
4月25日 ~ 6月20日 毎週土曜日(5月2日を除く)
時間
14:00 ~ 16:00 , 16:15 ~ 18:15 (全15回)
(2)「環境工学 ~循環型社会形成に向けたプロセス技術~ 」
期間
4月24日 ~ 8月7日 毎週金曜日(5月1日を除く)
時間
18:30 ~ 20:30 (全15回)
(3)「食の安全と安心 ~食の安全・安心を確保するため知っておきたい食品衛生~ 」
期間
4月21日 ~ 8月4日 毎週火曜日(5月5日を除く)
時間
18:30 ~ 20:30 (全15回)
受講場所
東京工業大学田町キャンパス キャンパス・イノベーションセンター(JR田町駅芝浦口徒歩1分)
受講料
15,428円(1コースあたり)
定員
30名(1コースあたり)

プログラム

(1)「環境科学 ~人間と地球の調和を目指して~ 」

地球温暖化、大気汚染、エネルギー・資源、絶滅危惧種の生物、リスク、環境保全、リサイクルなど、現在地球は様々な環境問題に直面しています。「環境科学」コースは私たちを取り巻く環境問題に焦点を当てつつ、環境の科学について様々な視点から講義を実施していきます。当コースを通して科学的・合理的な環境観、柔軟な判断力を育てていただき、直面している環境問題に対し皆様自身による改善の一歩を手助けできればと思います。

講師陣は “環境” に関して研究・教育を重ねてきた大学・研究機関のスペシャリストです。理工系科目を専攻したことがない方々へもわかりやすい講義を心がけております。

(2)「環境工学 ~循環型社会形成に向けたプロセス技術~ 」

人々が日々排出している廃棄物ですが、再利用することでエネルギーの消費を抑え、環境への負荷をはるかに小さくできるとされています。また、エネルギー消費そのものにおいても、環境への配慮が極めて重要視される時代となりました。

「環境工学」コースは、 “廃棄物処理” と “エネルギー” という地球環境へ大きく影響する2つをテーマに、システムの実態や今後の方向性についての講義を行います。主に当該分野のエンジニアを長く経験された方々が講師を担当します。仕事においてリサイクルやエネルギー等の知識が必要となる方はもちろん、これから環境問題の改善へ向けて取り組まれていく方へも有意義なコース構成となっています。

(3)「食の安全と安心 ~食の安全・安心を確保するため知っておきたい食品衛生~ 」

日本の食品は「安全である」と、世界的に言われつつあります。しかし、私たちが普段食している食品は安全なのでしょうか?国内における食品に関する事件は、絶えずニュースで取り沙汰されています。

そのような事件に絡む法改正や、科学的な側面から食品について学べるのが、「食の安全と安心」コースです。食中毒、農薬、劣化、アレルギー、添加物、異物混入、バイオテクノロジー等、食品には様々な問題が内在しています。

その問題について、例年定評のある担当講師が分かりやすい説明で基礎から講義を行います。食品に関係するお仕事をされている方、日常において “食” の衛生面等に詳しくなりたい方は、知識を深める最善の場になるかと思います。

申込方法および詳細

社会人教育院WEBサイトouterをご確認ください。

社会人向けの理工系科目学習講座

申込・受講に関する問い合わせ先

社会人教育院事務室
Email : jim@kyoiku-in.titech.ac.jp
Tel : 03-3454-8867、03-3454-8722
Fax : 03-3454-8762

取材申し込み及び問い合わせ先

広報センター
Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975
Fax : 03-5734-3661

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