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Enterprise Engineeringコース(O)開講

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東京工業大学社会人教育院では、産業のグローバル化に対応できる企業人材を育成することを目的として、「グローバル産業リーダー育成プログラム(GINDLE―Global INDustrial LEader)」を設置しております。

このたび、そのうちの1つとして、ICTの利活用に焦点を当てた、「Enterprise Engineeringコース(O)」を開講いたします。

イノベーションに不可欠なICTですが、欧米に比べると、わが国では、生産性向上にあまり寄与していないと言われております。本コースを受講されることにより、企業活動におけるICT活用力の向上につなげていただきたいと思います。

日時
2016年1月8~9日(金~土)、2016年2月5~6日(金~土)、2016年3月4~5日(金~土)、2016年3月11~12日(金~土)
※受講内容によって異なります
場所
お申込
パンフレットをご確認ください。
申込期間
2015年11月10日(火)~2015年12月13日(日)
※締切日必着

Enterprise Engineeringコース(O) パンフレット 表

Enterprise Engineeringコース(O) パンフレット 裏

問い合わせ先

東京工業大学 社会人教育院 事務室

E-mail : eec@kyoiku-in.titech.ac.jp (※本コース専用)
Tel : 03-3454-8722 / 03-3454-8867


2期連続でスーパーコンピュータ「京」がGraph500で世界第1位を獲得

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2期連続でスーパーコンピュータ「京」がGraph500で世界第1位を獲得
―ビッグデータの処理で重要となるグラフ解析でも最高レベルの評価―

要旨

理化学研究所(理研)と東京工業大学、アイルランドのユニバーシティ・カレッジ・ダブリン、九州大学、富士通株式会社による国際共同研究グループは、ビッグデータ処理(大規模グラフ解析)に関するスーパーコンピュータの国際的な性能ランキングであるGraph500において、スーパーコンピュータ「京(けい)」[用語1]による解析結果で、2015年7月に続き第1位を獲得しました。これは、東京工業大学博士課程(理研研修生)上野晃司氏らによる成果です。

大規模グラフ解析の性能は、大規模かつ複雑なデータ処理が求められるビッグデータの解析において重要となるもので、今回のランキング結果は、「京」がビッグデータ解析に関する高い能力を有することを実証するものです。

本研究の一部は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業CREST「ポストペタスケール高性能計算に資するシステムソフトウェア技術の創出」(研究総括:佐藤 三久 理研計算科学研究機構)における研究課題「ポストペタスケールシステムにおける超大規模グラフ最適化基盤」(研究代表者:藤澤 克樹 九州大学、 拠点代表者:鈴村 豊太郎 ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン)および「ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化」(研究総括:喜連川 優 国立情報学研究所)における研究課題「EBD:次世代の年ヨッタバイト処理に向けたエクストリームビッグデータの基盤技術」(研究代表者:松岡 聡 東京工業大学)の一環として行われました。

アメリカのオースティンで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC15」で11月17日(日本時間11月18日)に発表。前回(2015年7月)のランキングでも、「京」は第1位。
スーパーコンピュータ「京」

Graph500上位10位

公開されたGraph500outerの上位10位は以下の通り。

順位
システム名称
設置場所
ベンダー
国名
ノード数
プログラムスケール
GTEPS
1
K Computer
理研 計算科学研究機構
富士通
82.944
40
38.621
2
Sequoia
ローレンス・リバモア研
IBM
98.304
41
23.751
3
Mira
アルゴンヌ研
IBM
49.152
40
14.982
4
JUQUEEN
ユーリッヒ研
IBM
16.384
38
5.848
5
Fermi
CINECA
IBM
8.192
37
2.567
6
天河2号
国防科学技術大学
NUDT
8.192
36
2.061
7
Blue Joule
ダーズベリー研
IBM
4.096
36
1.427
7
DIRAC
エジンバラ大学
IBM
4.096
36
1.427
7
Zumbrota
EDF社
IBM
4.096
36
1.427
7
Avoca
ビクトリア州生命科学計算イニシアティブ
IBM
4.096
36
1.427
7
Turing
GENCI
IBM
4.096
36
1.427

Graph500とは

近年活発に行われるようになってきた実社会における複雑な現象の分析では、多くの場合、分析対象は大規模なグラフ(節と枝によるデータ間の関連性を示したもの)として表現され、それに対するコンピュータによる高速な解析(グラフ解析)が必要とされています。例えば、インターネット上のソーシャルサービスなどでは、「誰が誰とつながっているか」といった関連性のある大量のデータを解析するときにグラフ解析が使われます。また、サイバーセキュリティや金融取引の安全性担保のような社会的課題に加えて、脳神経科学における神経機能の解析やタンパク質の相互作用分析などの科学分野においてもグラフ解析は用いられ、応用範囲が大きく広がっています。こうしたグラフ解析の性能を競うのが、2010年から開始されたスパコンランキング「Graph500」です。

規則的な行列演算である連立一次方程式を解く計算速度(LINPACK[用語2])でスーパーコンピュータを評価するTOP500[用語3]においては、「京」は2011年(6月、11月)に第1位、2015年11月16日に公表された最新のランキングでも第4位につけています。一方、Graph500ではグラフの幅優先探索(1秒間にグラフのたどった枝の数(Traversed Edges Per Second;TEPS[用語4]))という複雑な計算を行う速度で評価されており、計算速度だけでなく、アルゴリズムやプログラムを含めた総合的な能力が求められます。

今回Graph500の測定に使われたのは、「京」が持つ88,128台のノード[用語5]の内の82,944台で、約1兆個の頂点を持ち16兆個の枝から成るプログラムスケール[用語6]の大規模グラフに対する幅優先探索問題を0.45秒で解くことに成功しました。ベンチマークのスコアは38,621GTEPS(ギガテップス)です。Graph500第1位獲得は、「京」が科学技術計算でよく使われる規則的な行列演算だけでなく、不規則な計算が大半を占めるグラフ解析においても高い能力を有していることを実証したものであり、幅広い分野のアプリケーションに対応できる「京」の汎用性の高さを示すものです。また、それと同時に、高いハードウェアの性能を最大限に活用できる研究チームの高度なソフトウェア技術を示すものと言えます。「京」は、国際共同研究グループによる「ポストペタスケールシステムにおける超大規模グラフ最適化基盤プロジェクト」および「EBD:次世代の年ヨッタバイト処理に向けたエクストリームビッグデータの基盤技術」の2つの研究プロジェクトによってアルゴリズムおよびプログラムの開発が行われ、2014年6月に17,977GTEPSの性能を達成し第1位、また「京」のシステム全体を効率良く利用可能にするアルゴリズムの改良が行われ2倍近く性能を向上させ、2015年7月に38,621GTEPSを達成し第1位でした。そして今回も前回と同スコアにて、世界第1位を2期連続で獲得しました。

今後の展望

大規模グラフ解析においては、アルゴリズムおよびプログラムの開発・実装によって今回のように性能が飛躍的に向上する可能性を示しており、今後も更なる性能向上を目指していきます。また、上記で述べた実社会の課題解決および科学分野の基盤技術へ貢献すべく、スーパーコンピュータ上でさまざまな大規模グラフ解析アルゴリズムおよびプログラムを研究開発していきます。

東京工業大学博士課程 上野晃司氏のコメント

私たちが開発した手法によって「京」が前回7月に続いて世界1位を達成できたことを大変嬉しく思っています。激しい競争がされてきたGraph500にて1位を継続することができたことは、「京」のハードウェア性能とそれを最大限に活かす私たちの手法が真に優れていることを示したものと思っています。今後もこのような努力を続け、「京」のポテンシャルをどこまで活かせるか、挑戦したいと思います。

用語説明

[用語1] スーパーコンピュータ「京(けい)」 : 文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」プログラムの中核システムとして、理研と富士通が共同で開発を行い、2012年に共用を開始した計算速度10ペタフロップス級のスーパーコンピュータ。「京(けい)」は理研の登録商標で、10ペタ(10の16乗)を表す万進法の単位であるとともに、この漢字の本義が大きな門を表すことを踏まえ、「計算科学の新たな門」という期待も込められている。

[用語2] LINPACK : 米国のテネシー大学のJ. Dongarra博士によって開発された規則的な行列計算による連立一次方程式の解法プログラムで、TOP500リストを作成するために用いるベンチマーク・プログラム。ハードウェアのピーク性能に近い性能を出しやすく、その計算は単純だが、応用範囲が広い。

[用語3] TOP500 : TOP500は、世界で最も高速なコンピュータシステムの上位500位までを定期的にランク付けし、評価するプロジェクト。1993年に発足し、スーパーコンピュータのリストを年2回発表している。

[用語4] TEPS(Traversed Edges Per Second) : Graph500ベンチマークの実行速度をあらわすスコア。Graph500ベンチマークでは与えられたグラフの頂点とそれをつなぐ枝を処理する。Graph500におけるコンピュータの速度は1秒間あたりに調べ上げた枝の数として定義されている。

[用語5] ノード : スーパーコンピュータにおけるオペレーティングシステム(OS)が動作できる最小の計算資源の単位。「京」の場合は、ひとつのCPU(中央演算装置)、ひとつのICC(インターコネクトコントローラ)、および16GBのメモリから構成される。

[用語6] プログラムスケール : Graph500ベンチマークが計算する問題の規模をあらわす数値。グラフの頂点数に関連した数値であり、プログラムスケール40の場合は2の40乗(約1兆)の数の頂点から構成されるグラフを処理することを意味する。

問い合わせ先

東京工業大学 広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

理化学研究所 計算科学研究機構 広報国際室

岡田昭彦
Email : aics-koho@riken.jp
Tel : 078-940-5625 / Fax : 078-304-4964

理化学研究所 広報室 報道担当

Email : ex-press@riken.jp
TEL : 048-467-9272 / Fax : 048-462-4715

国立大学法人九州大学広報室

Tel : 092-802-2130 / Fax : 092-802-2139

富士通株式会社 広報IR室

Tel : 03-6252-2174 / Fax : 03-6252-2783

科学技術振興機構 広報課

Tel : 03-5214-8404 / Fax : 03-5214-8432

カンボジア教育青年スポーツ省次官補が東工大を訪問

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前列 サムデイ次官補(中央左)、三島学長(中央右)、オム学長(右から2人目)
前列 サムデイ次官補(中央左)、三島学長(中央右)、オム学長(右から2人目)

10月19日、カンボジアの教育青年スポーツ省のシワタナ・サムデイ次官補を団長とした総勢12名の視察団が本学を訪問し、三島良直学長と懇談をしました。同懇談には、岡田清理事・副学長、丸山俊夫理事・副学長、さらに、国際協力機構(JICA)の技術協力プロジェクト「カンボジア工科大学教育向上プロジェクト」 のチーフアドバイザーを務めた国際開発工学専攻の高田潤一教授も同席しました。

懇談は、三島学長による本学の概要紹介と本学が現在取り組んでいる教育改革スーパーグローバル大学創成支援事業等の説明で始まり、続いてサムデイ次官補が、今回の来訪への謝辞を述べると共に、来日の目的を説明しました。今回の来日は、本年10月に終了した「カンボジア工科大学教育向上プロジェクト」のフォローアップとして、日本の研究大学が取り入れている研究室を主体とした教育手法(Laboratory-Based Education: LBE)に関する調査、研修を目的としたものです。

サムデイ次官補は、同国の大学の卒業生の質を向上させるためには、高等教育の改革が必須であり、LBEを導入することで、論文発表や特許につながる研究を行う理工学分野の人材育成を推進したいと述べました。

最後に、視察団メンバーであるカンボジア工科大学のロムニー・オム学長が同大学の概要紹介を行い、フランスやフランス語圏の各国政府及び日本政府のサポートによる同学教員の博士号取得の推進、海外大学や企業との連携、複数の海外ネットワークを活用したオンライン教育について説明しました。

カンボジア工科大学は、1964年にプノンペンに設立されたカンボジア国内随一の国立工科系専門高等教育機関です。その卒業生のほとんどが同国政府機関や企業の要職につき、同国のインフラ整備や企業の技術導入の中枢として活躍しています。

懇談の様子
懇談の様子

懇談の様子

カンボジア工科大学教育向上プロジェクト
カンボジア工科大学の電気エネルギー学科、産業機械学科、地球資源・地質工学科の3学科を対象に、高度で実践的なスキルを身につけた工学系人材の輩出に寄与することを目的とした、JICAによる技術協力プロジェクト。シラバス・実験指導書の改訂や、教授法の改善指導などにより、実験・実習に重点をおいた学部教育への改善を支援する。

三島学長が第2回日英研究教育大学協議会に出席

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10月8日、慶應義塾大学三田キャンパスで「第2回日英研究教育大学協議会」がブリティッシュ・カウンシルと慶応義塾大学の共催で開催され、本学からは、三島良直学長、岸本喜久雄工学系長、塚田由佳国際連携課長が出席しました。

図書館旧館前にて(撮影者:竹松明季)図書館旧館前にて(撮影者:竹松明季)

「日英研究教育大学協議会」は、世界をリードする教育や研究を行っている日英の大学間での交流を促進するために、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)と在英国日本大使館の共催で昨年5月に英国ロンドンで開催されました。日英30校の大学関係者が参加し、安倍首相を迎えた、初回に続き、第2回目となる今回の協議会にも、両国から31大学の学長や教職員及び両国政府関係者多数(約90名)が参加し、日英両国の教育研究交流促進についての関心の高さが伺えました。

午前の部で行われた「教育」にかかる分科会では、出席者は2つのグループに分かれ、

  • 大学組織やキャンパスの国際化:グローバル人材養成に向けた戦略・方針
  • 両国の教育研究交流の強化、短期交流プログラムや共同学位プログラムの推進

等をテーマとして活発に討議を行いました。

分科会の様子(撮影者:竹松明季)
分科会の様子(撮影者:竹松明季)

午後の部で行われた「研究」のセッションにおいては、参加者が一同に会し、日英大学間で将来的に連携が期待されるグローバルな課題・研究分野についても熱心に討議を行い、今後の日英大学間の連携・協力体制の強化の方向性について確認する機会となりました。

午後のセッションでの三島学長(左端)と岸本工学系長(右端)(撮影者:竹松明季)
午後のセッションでの三島学長(左端)と岸本工学系長(右端)(撮影者:竹松明季)

山元啓史准教授が山下記念研究賞を受賞

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留学生センターの山元啓史准教授が、2015年度情報処理学会山下記念研究賞を受賞しました。山下記念研究賞は、情報処理学会が主催する研究会およびシンポジウムにおける研究発表のうち、特に優秀な論文の発表者に授与される賞です。初代情報処理学会会長の故山下英男氏寄贈の資金にて運営されています。授賞式は、来年3月情報処理学会全国大会で行われる予定です。

受賞テーマ

二十一代集シソーラスのための漸近的語彙対応システムの開発

受賞理由

本論文は、勅撰和歌集である二十一代集のシソーラス開発を介して、1000年以上前の日本語における語彙体系を明らかにすることを目的としています。和歌と現代語訳のパラレルコーパスを利用した単語対の推定法により、計算手続きだけで新規登録すべき語を抽出することが可能なアルゴリズムを提案・実証し、今後、計量国語学の分野で、他の古典籍研究にも応用可能な優れた業績であると認められました。また、本論文が、10年以上にわたって研究された古典における知識の体系化の実現のための取り組みの成果であり、その積み重ねは人文科学研究の基盤的な研究として位置づけられると同時に、今後の発展性が期待できるという点でも高く評価されました。

古今和歌集(905年ごろ)における桜と吉野山との関係
古今和歌集(905年ごろ)における桜と吉野山との関係:
「桜といえば吉野山」という関係はこの時代にはまだ成立しておらず、むしろ雪山、修験道、隠遁者と吉野の関係の方が強い。

新古今和歌集(1205年)における桜と吉野山との関係
新古今和歌集(1205年)における桜と吉野山との関係:
灰色のノードは2つ(桜、吉野)のネットワークで共有している用語であり、古今集のネットワークモデルと比較すると、古今集以来の300年間で、桜と吉野の関係が密になってきていることがわかる。一般的に、西行法師の時代には「桜といえば吉野山」が定着したと言われている。

山元啓史准教授

山元啓史准教授

今回の受賞を受けて、山元准教授は以下のようにコメントしています。

長年に渡り、コンピュータによる日本語の言語の歴史を研究しております。
この研究は日本語を外国人に教えるために、入門期にざっくり「日本語はこんな形をしているんだよ」と伝えられたら、どんなに気が楽だろうと思ってはじめたことでした。それがいつの間にか日本語の普遍性を尋ねる研究となってきました。

普遍性を明らかにするには、言語の変化や変動を調べ、その相対的な違いを明らかにすることが必要になりました。一般的に「言語は、いったん形が定着すれば、その形は変わりにくいが、その意味はどんどん変化していく」と言われています。日本語は形式的には世界の言語の中でもごくごく一般的です。
しかし、日本語のように多くの人間(たとえば1億人以上)1000年以上もの間、話させている言語は、ごくわずかです。これは、日本語は1000年以上言語をさかのぼって、調査できる言語であるということなのです。

「日本語は、どんな形をしているのか」という疑問については、まだまだ十分ではありませんが、今後も、日本語に限らず、言語というものはどんな変化をしていくのかを研究していきたいと考えています。

お問い合わせ先

留学生センター 山元啓史
Email : yamagen@ryu.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2324

オープンキャンパス2015 開催報告

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8月8日、東京工業大学オープンキャンパス2015を開催しました。本学のオープンキャンパスは、秋の工大祭と同時に行われていましたが、昨年度から夏に単独の日程を設けて実施しています。当日は、長く続いていた猛暑が少しだけ収まり、曇り空に時折眩しい晴れ間がのぞきました。最終的に約15,000名の来場者を迎え、大盛況となりました。

総合案内所
総合案内所

西地区案内所

西地区案内所

オープンキャンパスの最も重要な趣旨は、東工大を目指す高校生・受験生に、教育・研究を実際に紹介し、東工大の特徴を体験的に理解してもらうことです。これを達成するために、第1類から第7類までの教員ならびに学生の積極的な協力を得て準備を進めるとともに、本年度は「2016年4月、東工大が変わる」と銘打ち、本学が現在取り組んでいる教育改革の詳細を重点的に伝えることを目指しました。
以下では、その企画の一部を紹介します。

オープンキャンパス正門

オープンキャンパス正門

学長講演会

学長講演会

教育改革・入試説明会

ウォールビジョン(百年記念館)

ウォールビジョン(百年記念館)

東工大が“変わる”とはいったいどういうことなのか、その根幹を扱う説明会です。前半では新しい組織やカリキュラム、制度や施設など教育改革の要点について、後半では東工大の入試の概要について、それぞれ説明しました。いずれの内容も、2016年度以降に本学の学生となることを目指すにあたって、知っておいてもらいたいことばかりで、キャンパス内で最大規模の講義室を用意して4回開催しましたが、すべての回で満員となりました。

入試説明会(百年記念館)
入試説明会(百年記念館)

相談会

東工大で勉強することのできる分野や学生生活など、相談内容の種類ごとに、教員や職員、学生が親身になって来場者の相談に答えました。高校生・受験生のみならず、保護者の方々も直接質問したり説明を聴いたりしている姿が印象的でした。特に、各類や入試のブースは来場者の関心の高さが窺え、開催時間中、行列が途切れることがありませんでした。

類別個別相談ブース(百年記念館)
類別個別相談ブース(百年記念館)

東工大女子の今と卒業後講演会

東工大女子の今と卒業後講演会

留学体験談発表会

留学体験談発表会

模擬講義

東工大での知的な刺激に満ちた講義を、一足早く体験することのできる企画です。高校生・受験生に、理工系の学問への興味や探究心をより深く持ってもらいたいと、各類とも昨年度よりさらにバラエティに富んだ、魅力的な講義を準備していました。そのため、「どの模擬講義に参加しようか?」と迷う来場者も少なくなかったようです。

模擬講義(レクチャーシアター)
模擬講義(レクチャーシアター)

研究室公開

第1類 系外惑星の観測

第1類 系外惑星の観測

理工系総合大学である東工大の、オープンキャンパスの神髄は研究室公開です。研究室を実際に訪問し、その空気を体験することで、理工系の学問への興味と本学への理解がより一層深まります。本年度は、全7類から合わせて約90の研究室が参加し、教員・学生が実験や実演を交えながら研究内容を説明し、来場者からの活発な質問に答えていました。

第2類 ラボツアー

第2類 ラボツアー

第3類 研究室公開

第3類 研究室公開

第4類 理魂文才の経営工学入門

第4類 理魂文才の経営工学入門

第5類 研究室公開

第5類 研究室公開

第6類 土木・環境工学まるごと紹介

第6類 土木・環境工学まるごと紹介

第7類 研究室ツアー

第7類 研究室ツアー

オープンキャンパス2015を終えて

多くの高校生・受験生が、東工大のキャンパスに実際に足を運び、「自分の勉強したいことは何だろうか」と教員や学生の話に熱心に耳を傾ける姿が見られました。高校生・受験生のひたむきさが光る一日となり、来場者の雰囲気やアンケートの回答からも、本学での教育・研究の意義を感じてもらえたようです。

模擬講義で、最先端の研究成果を知ったときの驚き、研究室公開で実験を行う楽しさなど、オープンキャンパスで抱いた思いを大切にして、ぜひ日々の勉学に勤しんでもらいたいと、教職員一同期待しています。

高校生・受験生が東工大を体験することのできる機会、また東工大が高校生・受験生に知ってもらう機会として、オープンキャンパスは非常に重要です。一部の来場者の方にはご不便やご迷惑をおかけした点もありましたが、今年の良かった点、改善点を来年に活かし、東工大を身近に感じ、目指す人が増えるような、魅力的なオープンキャンパスを作っていきます。

お問い合わせ先

アドミッションセンター・学務部入試課
Email : opencampus@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3990

Art at Tokyo Tech 2015 Autumn 開催報告

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Art at Tokyo Tech 2015 Autumn が10月5日、10月13日、10月28日、11月6日の4回開催され、計11名が演奏しました。各回、個性豊かな演奏が披露され、立見がでるほどの盛況ぶりでした。

Art at Tokyo Techは、大学院社会理工学研究科が主催して毎年行っている、芸術と科学の融合教育を目的としたイベントです。今年は、4月にオーディションを行い、昼休みを利用したミニ・コンサートを、夏・秋に開催いたしました。

4月22日に開催されたオーディションは、ピアノ、弦楽、木管、金管など広く音楽にかかわる演奏を対象とし、東工大の学生・教職員、またはその家族で高校生以上からの応募を受け付けました。ジャンルはクラシックに限るわけではありません。短い1、2曲を気軽に演奏するエントランスホールを使ったコンサートプログラムですので、音楽を趣味とする者からプロまで、音楽を愛好する幅広い層からの参加を募集しました。

10月5日

吹奏楽カルテット

阪本真(ファゴット)、杉田充(オーボエ)、西岡里奈子(フルート)、山下崇裕(クラリネット)

  • 曲目

    あやつり人形の葬送行進曲(シャルル=フランソワ・グノー)

    夜の音楽のための三つの小品(ウジェーヌ・ボザ)

  • プロフィール

    阪本真:工学部土木・環境工学科4年。
    東工大管弦楽団OB。中学からホルン、大学からはファゴットを始める。現在、東京農業大学OBOG管弦楽団、CTK交響楽団に在籍。東工大管弦楽団第153回定期演奏会にも出演予定。また、今年お茶の水管弦楽団の卒業生と木管アンサンブル団体アンサンブルオルフェを結成した。

    杉田充:工学部無機材料工学科4年。
    東工大管弦楽団OB。中学高校ではクラリネットを、大学からオーボエを始めた。

    西岡里奈子:工学部経営システム工学科4年。
    東工大管弦楽団に3年間所属していた。現在、東京大学フルート同好会、日本大学第二高等学校吹奏楽部OB・OG会、CTK交響楽団などに所属。小野田裕子氏に師事。

    山下崇裕:工学部機械科学科4年。
    13歳よりクラリネットを始める。東工大管弦楽団OB。TBSK管弦楽団所属。これまでにクラリネットを岡田渉氏に師事。

(左から)西岡さん、杉田さん、阪本さん、山下さん
(左から)西岡さん、杉田さん、阪本さん、山下さん

息の合った演奏で、吹奏楽の華やかな音色に客席にも楽しげな雰囲気が漂っていました。演奏者による作品解説も簡潔ながら興味をひきつけるものでした。来場者数約40名。

10月13日

川村弥(ピアノ)

  • 曲目

    舟歌第7番 作品70(フォーレ)

    前奏曲集第一巻より2.帆(ドビュッシー)

    舟歌(ショパン)

  • プロフィール
    3歳からピアノを始める。第七回ヤングアーチストピアノコンクール・Cグループで入賞。高校時代からチェロを始め、平成21年度東京工業大学管弦楽団チェロ首席。近年、ピアノ演奏では木管楽器・弦楽器とのアンサンブルを中心とした活動を行っている。

福澤道子(声楽)、添田千恵子(伴奏)

  • 曲目

    落葉松(野上彰作詩 小林秀雄作曲)

    お天道様は忙しい(粟倉健二作詩 加藤由美子作曲)

    愛の賛歌(エディット・ピアフ作詩 マルグリット・モノー作曲)

    私のお墓の前で泣かないでください(メアリー・フライ作詩 ジェフ・スティーヴンス作曲)

  • プロフィール

    福澤道子:東京藝術大学大学院修士課程オペラ科修了。
    オペラやオラトリオのソリスト、各種コンサートで活躍。日本の伝統音楽の味わいを持った日本歌曲を中心に、演奏活動を行っている。近年は、シャンソン、ジャズ、歌謡曲とレパートリを広げ、多彩なプログラムによるおしゃべりコンサートには定評がある。
    グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院教育研究支援員。

    添田千恵子:埼玉大学教育学部音楽科卒業。
    教員を経て音楽教室を主宰し、演奏活動を行う。カワイ音楽コンクール優秀指導者賞受賞。女声合唱団「小磯マザーズコール」主宰。

川村さん

川村さん

(左から)添田さん、福澤さん

(左から)添田さん、福澤さん

ピアノ演奏では、ハイレベルな演奏に通りすがりの人も足を止めて、聴き入っている姿が見られました。ゆるやかな曲とベヒシュタインの柔らかな響きが溶け合い、非常に良い演奏になりました。声楽曲は、珍しい日本の歌曲とよく知られた曲のプログラム構成でした。来場者たちは、あるときは楽しげに、あるときは抒情的に、多様な表現を味わうことができたようです。来場者数約70名。

ベヒシュタイン:アメリカのスタインウェイ、オーストリアのべーゼンドルファーとともに3大ピアノの一つ。東工大には、ドイツ・ベルリンで1923年に製造され、世界の名器と言われた「ベヒシュタイン・グランドピアノモデル E」があり、90年経った今でも現役として頻繁に公開コンサートで使用されています。このピアノがあることが、「Art at Tokyo Tech」を始める上で重要なきっかけにもなりました。

10月28日

櫻庭遥(ヴァイオリン)、古清水智香(ピアノ)

  • 曲目

    ヴァイオリンソナタ第5番 スプリングソナタ 第1楽章(ベートーヴェン)

    創作主題による32の変奏曲(ベートーヴェン)

    ヴァイオリンソナタ第9番 クロイツェル 第3楽章(ベートーヴェン)

  • プロフィール

    櫻庭遥:バイオリンは4歳より始め、中高時代は学校の管弦楽班と地元のジュニアオーケストラに所属し定期演奏会に参加。大学では音楽サークル「Platanus(プラタナスの会)」のメンバーとして工大祭やすずかけ祭などでのコンサートに出演している。

    古清水智夏:2歳よりピアノを始める。某音楽教室の専門コースでアンサンブルの楽しさや作曲の勉強をした。今は趣味としてピアノのソロ演奏を楽しんでいる。また、音楽サークル「Platanus」に所属し、工大祭やすずかけ祭での演奏活動を行っている。

(左から)古清水さん、櫻庭さん
(左から)古清水さん、櫻庭さん

ベートヴェンの作品3曲を、デュオ・ピアノソロ・デュオのプログラム構成で演奏し、室内楽らしい優雅なコンサートになりました。ヴァイオリンとピアノのバランスも良く、会場は華やかな雰囲気に包まれました。来場数約60名

11月6日

阪本哲郎(ピアノ)

  • 曲目

    Mazurka Op. 24-2(ショパン)

    Mazurka Op. 41-2(ショパン)

    Tarantelle Op. 43(ショパン)

  • プロフィール
    ピアノは趣味として個人的に練習をしている。大学ではプラタナスの会に所属し、年数回のコンサートに参加している。

三木優足(ヴァイオリン)、石津真樹(ピアノ)

  • 曲目
    ヴァイオリンとピアノのための3つのロマンス Op.94(ロベルト・シューマン)
  • プロフィール

    三木優足:1990年東京都生まれ。東京工業大学情報理工学研究科数理計算科学専攻所属。
    7歳よりヴァイオリンを始める。ヴァイオリンおよびヴィオラを飯室悠紀子、村上豊に師事。大学入学後東京工業大学管弦楽団に所属しヴァイオリンを務めた。2012年村上豊氏主催<すみれの会>第2回コンサートを機にヴィオラに転向し、現在リベラトゥール弦楽合奏団やTBSK管弦楽団にて演奏活動を行っているほか、作曲や編曲活動も行っている。

    石津真樹:1990年生まれ。東京工業大学大学院 総合理工学研究科 化学環境学専攻修士1年。
    小2よりピアノを始め、高3まで個人レッスンに通う。高校にてファゴットを始め、東京工業大学入学時に同大学管弦楽団にてファゴットを続ける。現在、TBSK管弦楽団、東京大学歌劇団のファゴット奏者、東京大学フルート同好会のフルート・ピアノ奏者として演奏活動を続けている。ピアノを富樫樹氏、鈴木志朋氏に師事。

阪本さん

阪本さん

(左から)石津さん、三木さん

(左から)石津さん、三木さん

最終回は東工大の学生2組が演奏しました。ピアノソロは曲目にふさわしく踊るようなリズムを感じさせ、ピアノ・ヴァイオリンデュオは緻密な音の重なりと滑らかな旋律を披露しました。来場者数約30名。

演奏者からは「思っていたよりも音がよく響いて演奏しやすかった。」「お昼休みに気軽に聴けるコンサートがあるというのは文化的で良い。」「このような企画は今後も続けてほしい」など、エントランスコンサートでの演奏を楽しみ、継続を希望する声が寄せられました。来場者の表情からも、芸術の秋にふさわしいひとときをすごした満足感がうかがわれました。

問い合わせ先

大学院社会理工学研究科 社会理工等グループ

Email : art.jim@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2107

11月27日 9:00 キャプションに誤りがありましたので、修正しました。

平成27年度9月東京工業大学学部・大学院学位記授与式を挙行

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9月25日、平成27年度9月東京工業大学学部・大学院学位記授与式が執り行われ、学部からは卒業生34名、大学院からは修士課程150名、専門職学位課程5名、博士課程71名の修了生に学位記が授与されました。会場となった東工大蔵前工業会館は、多くの来賓の方々と卒業生・修了生の家族で埋め尽くされました。

三島良直学長

三島良直学長

式典は、三島学長の式辞から始まりました。今日までの努力を労うとともに、国際的ネットワークが東工大とその卒業生・修了生にとって、いかに重要性を増しているかを訴え、それぞれが自分の専門分野でリーダーシップを発揮し、世界を変えるほどの貢献をしてほしいと強調しました。

岸本喜久雄 大学院理工学研究科工学系長

岸本喜久雄 大学院理工学研究科工学系長

続いて、大学院理工学研究科工学系長の岸本喜久雄教授が、東工大出身者に相応しい知識と能力を身に付けた卒業生・修了生にお祝いの言葉を述べました。問題解決、チームワーク、生涯学習の設計や発展の重要性に触れ、国際エンジニアという視点を持ってこれからも切磋琢磨し、自己研鑽に励んでほしいとエールを贈りました。そして、学位記授与をサッカーの試合終了に例えて、試合の終了は次の挑戦への始まりであると述べ、式辞を締めくくりました。

太田幸一 蔵前工業会業務執行理事

太田幸一 蔵前工業会業務執行理事

また、来賓を代表して、蔵前工業会業務執行理事の太田幸一氏より祝辞をいただきました。太田氏は、今度は東工大で高めた知識・能力をもって、社会に貢献する番であり、卒業生・修了生ひとりひとりが世界に活躍の場所を広げ、世界の発展、福祉、そして平和に寄与できるよう頑張ってほしいと激励しました。

学位記授与の様子

学位記授与の様子

学位記授与が行われた後、卒業生・修了生を代表して、大学院理工学研究科博士課程修了生の永井遼さんが謝辞を述べました。東工大の修了生であることを大変誇りに思うこと、戦後70年が経った今でも、科学技術を利用した武器兵器が人々を苦しめている現実があることをエンジニアや科学者は忘れてはならないこと、世界の人々の幸せ、そして明るい未来の実現のためにたゆまぬ努力をしていくことを約束しました。

卒業生・修了生総代謝辞
卒業生・修了生総代謝辞

卒業生、修了生のみなさんのご健康と益々のご活躍を心よりお祈りいたします。


第33回蔵前科学技術セミナー「活発化する火山列島・日本~東工大の取り組み」開催報告

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本学の全学同窓会である蔵前工業会主催、東京工業大学並びに東京工業大学火山流体研究センター共催で第33回蔵前科学技術セミナーを開催しました。今回は、「活発化する火山列島・日本~東工大の取り組み」と題して、10月24日の午後東工大蔵前会館のくらまえホールにて行われ、参加者276名が熱心に聴講しました。

石田義雄理事長

石田義雄理事長

三島良直学長

三島良直学長

蔵前工業会の石田義雄理事長と東京工業大学の三島良直学長の挨拶に引き続き、東京工業大学火山流体研究センターの小川康雄教授、野上健治教授、神田径准教授、寺田暁彦講師、東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻の高橋栄一教授、5名の教員による講演が行われました。火山観測研究の歩みと成果を紹介するとともに、御嶽山噴火や草津白根山など活発化の科学的な検討状況、および富士山の将来の噴火活動について詳細に説明がありました。

当日の立て看板

当日の立て看板

会場の様子

会場の様子

1.「活発化する火山列島序論」

小川康雄教授

東京工業大学火山流体研究センター草津白根火山観測所長
小川康雄教授

プレートテクトニクスとマグマの発生、火山の噴火様式に関する基本的な概念について説明がありました。小川康雄教授は「プレートは、マントル対流が上昇する中央海嶺で形成され、冷却され厚みを増して日本列島下に沈み込みます。それがマントル中に水を運び、マントルの融点を下げ、マグマを発生させます。マグマの組成、とくにシリカの含有量は重要で、シリカが多く粘性の高いマグマは爆発的な噴火をします。」と解説しました。御嶽山、箱根大涌谷、草津白根山のように、マグマが直接噴出しない水蒸気爆発をする火山もあることなどを紹介しました。

2.「我が国における火山研究と東工大の果たしてきた役割」

野上健治教授

東京工業大学火山流体研究センター 野上健治教授

東工大の火山観測研究の歩みと成果を紹介しました。野上健治教授は「火山活動はエネルギーと物質の持続的放出現象であり、地震や地盤変動などの力学的現象の観測のみならず、気体・液体・固体として放出される物質の観測は火山活動のモニタリングには不可欠です。」と話しました。東工大では、世界に先駆けて火山ガスの採取・分析法を確立し、化学組成と噴気温度の関係を明らかにするなど、1950年代から基礎研究・理論研究に加えて、全国の火山で地球化学的観測研究に取り組んできたことを述べました。

3.「電磁場から探る火山の内部」

神田径准教授

東京工業大学火山流体研究センター 神田径准教授

電磁場を利用した地下構造探査法について事例を交えて解説しました。火山体の内部構造を知る地下構造探査法として、自然の電磁場を利用した地磁気地電流法(MT法)について解説しました。「MT法は、地表における電磁場の観測から、地下の比抵抗の分布を推定する手法です。比抵抗は、物質の電気の流れにくさを表す物性値で、火山体を構成する岩石は一般に電気を通しにくいが、マグマや火山体内に存在する熱水および熱水変質岩石は低い比抵抗値を示します。」と解説しました。事例として、阿蘇山・口永良部島・立山などで推定された比抵抗構造について紹介しました。

4.「空中と地中から探る火山の内部~御嶽山噴火・草津白根山の活発化」

寺田暁彦講師

東京工業大学火山流体研究センター 寺田暁彦講師

草津白根山の活発化と接近不可能な御嶽山の噴火口を如何に観測したか紹介しました。寺田暁彦講師は「草津白根山の活動火口のごく近くに精密な観測装置を展開し、24時間観測を続けてきた結果、火口近傍の複数の傾斜計によって、火口の地下浅部へ熱水が流入してゆく様子を捉えることができました。また、御嶽山の噴火では、ドローンに多様なセンサを搭載して山麓から火口までの調査飛行を試みた結果、火山ガス組成や温度などの貴重データを取得することに成功ました。」と火山観測の技術的な側面を語りました。

5.「富士山は噴火するか」

高橋栄一教授

東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻
高橋栄一教授

富士火山のマグマだまりの実験的再現と過去1万年間の活動史をもとに富士火山の将来の噴火活動について解説しました。高橋栄一教授は「2011年3月11日の巨大地震の影響で日本列島の火山の多くが活動を再開する準備段階にあると推察されます。」と話しました。東工大の高橋研究室では、内熱式ガス圧装置を用いて富士火山宝永火口から1707年に噴火したマグマの溶融実験を高温高圧で行い、玄武岩マグマが深さ25kmのマグマだまりから噴出したことを明らかにしました。富士火山の過去1万年間の活動史、地震トモグラフィーから推定される地下深部の構造、高温高圧実験から推定されるマグマ溜りの熱的状態などの情報を総合し、富士火山の今後の活動予測について説明しました。

講演後、ロイアルブルーホールにて行われた交流会には、76名の参加があり、講演した教員を囲んで質疑応答が繰り広げられました。講演会・交流会を通して、参加者にとって活発化する火山列島・日本の現状を把握する有意義な機会となったようです。

お問い合わせ先

一般社団法人蔵前工業会
Email : kuramae@kuramae.ne.jp
Tel : 03-3748-2211 / Fax : 03-3748-2213

「JCHM第3回シンポジウム及び総会 ~腸内細菌と臨床応用に向けて~」開催報告

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11月2日、大岡山キャンパス 百年記念館フェライト記念会議室にて、JCHM第3回シンポジウム及び総会が、「腸内細菌と臨床応用に向けて」をテーマに開催されました。

満員のシンポジウム会場
満員のシンポジウム会場

JCHMとは

JCHMは、日本ヒト共生菌叢研究協会(Japanese Consortium for Human Microbiome)の略称です。

ヒトの腸内には 1000種100兆個体の微生物が共生していると言われ、 それらの腸内細菌の乱れは多くの疾病に関わっている事が知られています。 欧米では腸内細菌解析の重要性が早くから認識され、 大型予算が割り当てられ多くの研究者が携わっていることから、 日本においても日本人腸内環境の全容解明は急務と言えます。 そこで、東京工業大学は日本人腸内環境の全容解明をテーマに掲げ、 日本人腸内微生物データーベース構築による「日本人固有の腸内環境及び腸内代謝系の発見」と 「疾病マーカーの発見」を目指したプロジェクト活動を推進しています。

JCHMは、当研究に関心を持つ関係機関・団体・企業との連携によるコンソーシアムです。大学院生命理工学科 生命情報専攻 山田拓司講師が代表を務めています。

第3回JCHMシンポジウム

3回目となるJCHMシンポジウムですが、今回は腸内細菌の解析とその臨床応用の研究をされる学内外の先生方からご講演いただきました。125名の参加者で会場は満員となり、熱気に包まれました。

シンポジウムに先立ち午前中には、菌叢解析パイプラインの実践と解析方法のワークショップが開催されました。本学大学院生命理工学研究科の森宙史 助教が講師を務め、実際のデータを元に、参加者にその解析方法を学んでいただきました。参加者からは「大変勉強になった」というお声と同時に、「講義時間をもっと増やして欲しい」とのご意見もいただきました。

菌叢(細菌の集団)を解析する装置

シンポジウム冒頭では、JCHM代表の山田講師が、本コンソーシアムに協賛いただいた企業への謝辞を述べ、昨年度の活動報告を行いました。

引き続き、以下の講演がありました。

  • 「口腔細菌叢の日内変動性と歯科コホート研究デザインへの展望」
    東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 助教 佐藤行人

  • 「潰瘍性大腸炎に対する便移植療法~新しい細菌治療の確立を目指して~」
    順天堂大学 医学部 助教 石川大

  • 「大腸がんと腸内細菌の関連性」
    東京工業大学 講師 山田拓司

  • 「皮膚真菌叢の解析と制御法開発」
    明治薬科大学 教授 杉田隆

  • 「Of men and mice: gut microbiome, health and diseases(人間とネズミ:腸のマイクロバイオーム、健康と病気)」
    コペンハーゲン大学 基礎代謝研究ノボノルディスク財団センター 講師 マニモジャン・アルムガム

佐藤行人助教

佐藤行人助教

石川大助教

石川大助教

山田拓司講師

山田拓司講師

杉田隆教授

杉田隆教授

マニモジャン・アルムガム講師
マニモジャン・アルムガム講師

スピード・ネットワーキングの様子

スピード・ネットワーキングの様子

講演後は、参加者全員でスピード・ネットワーキングを行いました。1対1で5分間程度、お互いの職務、研究内容などを紹介して相互理解を深め、今後の人脈作りに役立てるイベントです。参加者からは「大変有意義で楽しかった」と好評いただきました。

また、アンケートでは「興味がより深まった」等、将来の発展につながるご意見が寄せられました。

懇親会での記念撮影
懇親会での記念撮影

東工大基金

このプロジェクトは東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

大学院生命理工学研究科 生命情報専攻 山田研究室
JCHM事務局
Email : info@jchm.jp
Tel : 03-5734-3629

東京工業大学・オックスフォード大学共催のシンポジウムに本学の学生が参加

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東工大ならびにオックスフォード大学はUK-Japan Symposium 2015(日英シンポジウム2015)を共同開催しました。今回のテーマは「極限条件下での材料:温度による影響、強い歪みや照射」でした。9月20日から23日まで、英国オックスフォード大学ペンブローク・カレッジにて開催され、本学より修士、博士課程学生9名が派遣されました。この派遣は、文部科学省の「大学の世界展開力強化事業outer」タイプB(TiROP)などの支援を受けて実施されました。
シンポジウム終了後は、シンポジウム参加校であり、TiROP協定校の一つであるインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究室を訪問しました。

ワークショップ参加者と市内ツアー
ワークショップ参加者と市内ツアー

日程

日時
活動
場所
9/19
東京→ロンドン→オックスフォード
オックスフォード
ペンブローク・カレッジ
9/20
午後:ポスターセッション、歓迎会
9/21
午前:基調講演、学生発表
午後:グループワーク・プロジェクト
9/22
午前:基調講演、学生発表
午後:技術講演、晩餐会
9/23
午前:グループ発表
午後:オックスフォード→ロンドン
オックスフォード
ロンドン
9/24
研究室訪問
ロンドン
インペリアル・カレッジ・ロンドン
9/25
ロンドン
9/26
→東京
東京

グループ発表
グループ発表

終了報告書より

派遣前の準備

約1週間という短期間のプログラムだったため、課程修了には影響しないと考えて準備しました。修了後は学術的な方面に進みたいと考えているので、このプログラムに参加し留学することが人脈形成に繋がることを期待していました。派遣に関する情報は指導教員からいただきました。専門分野や語学の準備は、以前、国際会議や国内での学術交流会に参加したときの経験を基に準備しました。(機械物理工学専攻博士2年)

派遣活動及び感想

グループワーク

グループワーク

10分間のポスタープレゼンテーションを学生と先生が評価し、日本とイギリスの学生8人ずつが選ばれました。その16人がそれぞれ2分間発表をし、その発表を再び先生と学生が評価し、選ばれた日英の学生4人ずつが翌日あるいは翌々日の口頭発表をすることができるのですが、私は口頭発表まで行うことが出来ました。また、グループワークを通じリーダーシップを発揮し、最先端の科学について議論することができました。(材料工学専攻博士1年)

「日英ワークショップ」では、研究発表と講義を中心に各大学の教授や学生と交流を深めることができました。他分野の発表を聞き、自分の研究分野でもこのような交流の機会があれば参加したいと思いました。(物質科学創造専攻修士2年)

晩餐会
晩餐会

プログラムを終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

「日英ワークショップ」というプログラム名でしたが、日本人学生・英国人学生のみならず、スペイン、スウェーデン、中国、インドなど様々な出身国の学生が参加していました。また、約30人の参加者の半数以上が博士課程の学生であり、私と同じ修士課程1年の学生は4人のみでした。このような環境で発表を行う機会は今まで全くなく、非常にハイレベルで大変ではありましたが、楽しむことができました。特に印象深かったのは、パワーポイントによる発表です。英語が母国語でないにもかかわらず、どの学生も流暢に発表し、質疑応答も詰まることなくこなしていたのを見て、自分の能力の至らなさを痛感しました。(機械物理工学専攻修士1年)

本学工学系長岸本教授による講評

本学工学系長岸本教授による講評

自分の研究分野への直接の貢献は少なかったものの、学術活動への取り組み方について、自分が如何に日本的な考え方をしていたかを改めて実感しました。海外のドクター制度やその後について大きく考え方が異なり、就職活動に対しては遠回りになる可能性もあるが、多種多様な経験をしていくことで、討論の進め方や考え方が大きく違ってくるということを感じました。また、今回自身の研究テーマとは大きく異なる分野の主題だったこともあり、主に学生に対して自分の研究の背景説明が非常に難しく感じました。英語での説明と言うこともあり、簡潔にイメージを伝えるための能力が不足しており、今後様々な場面で鍛えていかなければいけないと実感しました。(物理電子システム創造専攻博士1年)

晩餐会前の集合写真
晩餐会前の集合写真

お問い合わせ先

留学生交流課 「大学の世界展開力強化事業」TiROP事務局
Email : tirop@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2984

東工大基金「平成27年度感謝の集い」開催報告

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東工大基金への寄附等、本学に対してご支援いただいた個人、企業(団体)の方々をお招きし例年開催している「感謝の集い」が、11月4日蔵前会館で開催されました。

東工大基金とは

東工大基金(東京工業大学基金)は2011年に迎えた創立130周年を契機に、戦略的な大学運営を支える財政的基盤を強化すべく創設されました。

創設以来 個人、企業(団体)の多くの方々から多大なご支援をいただきました。皆様からのご支援は、学生への奨学金、海外派遣支援、留学生受入支援、若手研究者への支援、理科教育支援等に活用しています。

国立大学法人化による自主自立型の経営が求められる国際的な競争環境の中で、本学は「世界トップ10に入るリサーチユニバーシティ」を目指し、教育、研究、組織の改革を進めています。また、教育や研究による成果の社会への還元を強力に進めていきます。

平成27年度感謝の集い

平成27年度の感謝の集いは、「挑戦的宇宙システムの研究開発-アイデアから宇宙での実用化まで」と題した大学院理工学研究科(工学系)松永三郎 連携教授の特別講演から始まりました。

続いて学長の挨拶、小野副学長(基金担当)による東工大基金の事業報告がありました。

また、東工大基金から支援を受けた学生や研究者から留学、研究、活動等の報告が行われ、出席された支援者の方々から多くの質問がありました。

夕刻からは交流会が行われ、東工大基金連携プログラム※1及び日本再生プロジェクト※2採択事業のパネル発表・展示を前に、支援者の方々と学生、教職員が活発に議論し、交流する場面が見られました。

※1
基金室が募金活動に協力しているプログラム。
※2
日本の将来を担う小・中・高校生を対象とした知的創造性を育む活動やイベント開催に対して支援をし、将来のものつくり人材の裾野を拡大することを促進するプロジェクト。
松永三郎 連携教授の特別講演

松永三郎 連携教授の特別講演

小野副学長(基金担当)による東工大基金の事業報告

小野副学長(基金担当)による東工大基金の事業報告

交流会
交流会

お問い合わせ先

総務部広報・社会連携課基金室
Email : koh.bok@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2415

起業を体験できるイベント Startup Weekend Tokyo Tech vol.3 開催報告

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10月30日~11月1日の3日間、東京工業大学を会場に、起業を体験できるイベント Startup Weekend(以下、SW)の東工大版 Startup Weekend Tokyo Tech(以下、SWTT)Vol.3が開催されました。

イベントに期待が高まる参加者
イベントに期待が高まる参加者

SWとは、週末の54時間で

  • アイデアピッチ(1分間プレゼンテーション)
  • チームビルディング(楽しみながら交流を深め、互いの理解や認識を共有)
  • プロダクト開発
  • 顧客開発
  • ビジネスプラン立案

までをやりきって、最終日に業界を代表する審査員に対してプレゼンテーションし、その優劣を競うイベントです。世界110カ国を超える国々で開催され、実際に多くの起業家がここから生まれています。日本でも2012年に第1回が開催され、今は全国各地で50回以上開催されている人気イベントです。

今回は、“Tech(テクノロジー)”に焦点をあてたSWで、今年4月のvol.2に続き東工大では3回目の開催となります。科学技術に関連したビジネスをテーマにするということで、今回も東工大は、やわらかぬいぐるみロボットや、酸素濃度で色が変わる素材など、様々な最新の科学技術を提供しました。なお、チーム志向越境型アントレプレナー育成プログラムはSWTTに会場スポンサーとして協賛しています。

本学大学院理工学研究科が運営する教育プログラム。様々なステークホルダーとの間の自律的な協力関係を保ちながら、専門・文化・性別の違いなどの境界を乗り越え、多様な価値観を許容し、互いに協力しながらチームとして活動することにより、イノベーションを起こすことのできる人材を育成する。略称CBEC(シーベック)。

1日目

アイデアピッチ

アイデアピッチ

初日の夕方、ぞくぞくと参加者が集まり始めました。今回は留学生や社会人も多く、総勢50名と賑やかです。また、この週はCBECウィークということもあり、初日は他のイベント参加者も見学に多くいらっしゃいました。定刻の18時、和やかにSWTT Vol.3が開幕。会場になった百年記念館はこの夏にリニューアルしたばかりの建物で天井が高く、まるでSW発祥の地アメリカで開催しているようです。ピザと飲み物で程よくリラックスした頃、ミニゲーム開始。わずか30分ほどのゲームでも、参加者の思考の癖や個性が出て、非常に盛り上がりました。

ウォーミングアップが終わったところで、1分間のアイデアピッチです。22人の参加者が、事前に考えてきたビジネスアイデアを発表します。発表後はお互いに情報収集しながら「一緒にやってみたい!」と思うアイデアに投票をします。投票しながらチームメンバーを集め、9つのチームが結成されました。

ミニゲームでチームビルディング

ミニゲームでチームビルディング

静音モータを使った猫のしっぽ

静音モータを使った猫のしっぽ

2日目

3Dプリンターも用意

3Dプリンターも用意

2日目、同じく百年記念館の3階に会場を移し、朝9:00からスタートです。この日のために3DプリンターやKinect(身体の動き、ジェスチャー、音声などにより操作する機器)が運び込まれ、テクノロジーな雰囲気を醸し出しています。文具も運び込まれ、試作品作りの環境も整えられています。美味しい朝食をしっかり摂ったところで、今回のイベントを進行するドン・ヨル・リー氏によるプレゼンテーションです。リー氏は軽妙に、SWが目指すものや、審査基準について説明を行いました。

その後、さっそく作業開始。それぞれのチームに分かれて、熱い議論が始まりました。午後からは、12名のビジネスコーチや技術コーチが来て、それぞれの専門的な観点から指導してくださいました。テクノロジーを謳っているだけあって、技術コーチがついているところがこのSWTTの特徴です。もちろんビジネスの面からも、強力かつシビアなフィードバックが飛び出しました。

試作品を開発中

試作品を開発中

また、SWでは「試してみる」ことも重要視しています。用意されたツールや文具を使って試作品を作るチームや、アプリケーションのモックアップ(模型)を作るチームもいました。中には渋谷まで行って30名に試作品のインタビューをした強者チームも。この日は21時で終了でしたが、会場が気に入ったのでここに住みたいと言い出したチームや、場所を近くのお店に移して深夜まで議論したチームもありました。

3日目

そして3日目。朝食でしっかり目を覚まして顧客検証の続きを行います。最終プレゼンテーションは17時から。各チームはビジネスモデルの検証に余念がありません。昨日実施したアンケートを元に試作品に修正を加えるチーム、再度、街に出て現物検証してくるチームなど、さまざまな試行が行われていました。

緊張の最終プレゼンテーション
緊張の最終プレゼンテーション

審査員からの厳しい質問

審査員からの厳しい質問

17時、再び1階に集合です。ずらりと並んだ5人の審査員と、CBECの運営委員、その他大勢のゲストを前にプレゼンテーション開始です。緊張した空気の中、各チームぎりぎりまで発表の準備をし、自分たちのアイデアを説明しました。審査員からは次々と鋭い質問が飛び、ビジネス立ち上げの難しさや厳しさを感じつつも、学びの多い時間となりました。

さて、緊張のプレゼンテーションが終われば優勝発表です。SWTT Vol.3は、東工大精密工学研究所の長谷川研究室から提供された科学技術「紐のみで実装するウェアラブルなボディソニック(身体に装着する体感音響装置)」を利用したチームが優勝しました。本学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻 修士課程1年 山崎勇祐さんのチームでした。活用の幅の広さとビジネスの可能性が高く評価されての結果です。

優勝チーム(中央が山崎さん)

優勝チーム(中央が山崎さん)

ボディソニックの試作品

ボディソニックの試作品

乾杯で打ち上げパーティー開始

乾杯で打ち上げパーティー開始

表彰式のあとは打ち上げパーティー。見学に来られた福田峰之衆議院議員の音頭による乾杯で開始しました。。そこかしこで参加者とゲストやコーチが熱く語り合ったり、審査員に自分たちのアイデアの改善点を質問したりと、熱気のこもったパーティーとなりました。福田議員もIT戦略推進政策を担当されていることから、参加者と熱心な意見交換をされていました。最後に、リー氏から「SWはこれからも続く」ということと「この体験からの学びを実際の起業に繋げて欲しい」という話があり、みんなで記念写真を撮影して、熱い週末の54時間は幕を閉じました。

盛り上がるパーティー会場
盛り上がるパーティー会場

次回のSWTT Vol.4は2016年6月上旬開催予定です。興味を持った方は、ぜひご参加ください。

集合写真
集合写真

1日目、3日目の写真はアントニー氏(Photolife.comouter)の提供です。

お問い合わせ先

グローバルアントレプレナー事務室
Email : query@cbec.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3475

12月の学内イベント情報

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2015年12月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

2015年12月の学内イベント情報

地球の液体外核の炭素量に制約―超高圧高温下で液体鉄炭素合金の音波速度を測定―

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要旨

東京工業大学地球生命研究所の廣瀬敬教授と、理化学研究所(理研)放射光科学総合研究センター バロン物質ダイナミクス研究室の中島陽一特別研究員、アルフレッド・バロン准主任研究員らの共同研究チームは、炭素を含んだ液体鉄炭素合金の縦波速度[用語1]を70万気圧、2,800ケルビン(K)という超高圧高温下で測定し、地球の液体外核[用語2]では炭素に極めて乏しいことを発見しました。

地球の中心には半径3,500kmの金属核があります。金属核は2層構造となっており、中心部分は固体の内核(固体鉄合金)があり、その外側を液体の外核(液体鉄合金)が囲んでいます。液体外核は金属核の質量の95%を占め、その主成分は鉄で、その他に水素や炭素、酸素、ケイ素、硫黄といった軽い元素が合計で10wt%(重量%[用語3])程度溶け込んでいることが分かっています。しかし、それぞれの元素がどのくらいの割合で溶け込んでいるかは分かっていません。金属核は最も浅い部分でも地表から2,900kmの深さに位置し、その成分を直接調べることは困難です。液体外核の成分の手がかりとなるのは、地震波観測から得られる縦波速度、密度といった物理量に限られています。実際の液体外核の環境を実験室で再現し、液体金属合金の縦波速度を測定して、地震波観測の縦波速度と比較することができれば、その成分を知ることができます。しかし、地球の内部は超高圧高温の世界で、液体外核の最上部で135万気圧以上、4,000K以上になるため、こうした極限条件を実験室で再現し、液体鉄合金の物性を測定することは困難でした。

共同研究チームは、試料を高圧高温状態にして融解させるレーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル装置[用語4]と大型放射光施設「SPring-8[用語5]」に設置されている、微小な原子の振動を検出できる高分解能非弾性X線散乱分光器[用語6]を使って液体鉄炭素合金を作成し、縦波速度を70万気圧、2,800Kという超高圧高温下で測定することに成功しました。その結果、液体外核には、炭素が最大で1.2wt%しか存在していないことが明らかになりました。これにより、液体外核の10wt%程度を占める軽い成分の多くは、炭素以外の元素で占められていることが分かりました。液体外核に含まれる軽い元素の種類と量を特定できれば、地球磁場を生成していると考えられる核ダイナモ[用語7]のメカニズムや、地球形成時の金属核分離時の状況などの理解が一層進むと期待できます。

本研究は、国際科学雑誌『Nature Communications』(11月24日付け:日本時間11月24日)に掲載されました。

背景

地球の半径は6,400kmあり、地上から深さ2,900kmまでの部分は岩石でできています。さらに深い部分には金属でできた中心核(金属核)があります。金属核は2層構造になっており、内側(深さ5,200~6,400km)に固体でできた内核(個体鉄合金)があり、その外側(深さ2,900~5,200km)を液体でできた液体外核(液体鉄合金)が取り囲んでいます(図1)。

レーザー加熱ダイヤモンドアンビルセル(A)、対向する一組のダイヤ(B)
図1.
地球内部は層構造を形成しており、地表から岩石でできた地殻、上部マントル(遷移層含む)、下部マントル、また金属でできた外核、内核に分けられる(左図)。地震波観測から、地球内部の地震波速度、密度といった物理的情報も分かっている(右図)。P波=縦波、S波=横波。

液体外核は鉄を主成分とし、水素や炭素、ケイ素、酸素、硫黄といった軽い元素を10wt%(重量%)程度含んでいることが分かっています。しかし、それぞれの元素がどのくらいの割合で溶け込んでいるかはよく分かっていません。地球深部を直接調べることは困難なため、地球内部を伝搬する地震波を地表で観測して得られる地震波速度や密度といった情報が、地球内部の構造や成分を知る上で貴重な手がかりとなります。実際、地震波観測から金属核質量の95%を占める液体外核は鉄よりも、密度で約10%軽く、地震波のうち縦波速度が約4%速いことが分かっています。液体外核を構成する成分、すなわち、軽い元素の種類と量を特定できれば、地球磁場を生成する地球ダイナモのメカニズム、地球形成時の金属核分離時の状況などの理解が一層進むことになります。

実際の液体外核の環境を実験室で再現して、液体金属合金の縦波速度を測定し、地震波観測から得られる縦波速度と比較することができれば、その成分を知ることができます。しかし、地球深部は高圧高温の世界で、液体外核の最上部では、その圧力は135万気圧、温度は4,000ケルビン(K)にも達します。このような超高圧高温環境を再現し、物性を測定すること、とりわけ液体の測定は大変な困難を極めます。これまで、再現した液体鉄合金の物性測定の多くは、液体外核の環境には程遠い10万気圧以下に限られていたため、液体外核の成分は未解明のままでした。

研究手法と成果

物質中では、原子は絶えず振動し微小な音波を出しています。この音波は音響フォノンと呼ばれ、フォノンを調べることにより、物質中を伝わる音波速度を知ることができます。音波速度には縦波速度と横波速度があり、今回の実験では縦波速度を調べました。

共同研究チームはまず、レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル装置を使って炭素を4wt%添加した鉄の合金を高圧高温状態にし、融解させました。次に液体状態になった鉄炭素合金(液体鉄炭素合金)のフォノンを大型放射光施設「SPring-8」のビームラインBL35XUに設置されている高分解能非弾性X線散乱分光器で測定し、70万気圧、2,800Kまでの圧力温度条件で縦波速度を決定しました。その結果、炭素は液体鉄の縦波速度を加速させることが明らかになりました。

この測定の結果を実際の地震波測定による液体外核の縦波速度と比べたところ、4wt%の炭素を含む液体鉄炭素合金は、液体外核よりも速いことが分かりました(図2)。液体外核の縦波速度を説明できる炭素量を計算したところ、最大でも1.2wt%であることが明らかになりました。この結果は、マントル中の炭素同位体(陽子数は同じで中性子数が異なる炭素原子)の比率や地球形成時に起こった金属核とケイ酸塩マントル間での化学分別を説明するのに適当な量です。しかし、このような少量の炭素を含む液体鉄の密度は液体外核より7%ほど重いため、ケイ素や硫黄、酸素、水素などの液体鉄の密度を下げる他の軽い元素が必要であることが示唆されました。

液体鉄炭素合金の音波速度と液体外核の縦波速度の比較

図2. 液体鉄炭素合金の音波速度と液体外核の縦波速度の比較

本研究で得られた液体鉄炭素合金の音波速度(赤)を、衝撃圧縮実験から得られている液体純鉄(青)及び外核(黒)における縦波と比較した図。

今後の期待

今回用いた高圧下での液体金属合金の縦波速度測定手法により液体外核に含まれる他の成分の量比について調べることができます。今回の実験では70万気圧までの圧力に限られていますが、実際の金属核の条件である135万気圧以上、4,000K以上での液体金属の音速測定を行うことも、本実験手法に改良を加えていくことで今後可能になると考えられます。これにより、地震波観測と実際の液体外核の圧力温度条件で直接比べられるようになれば、さらに精度よく中心核の成分が決定できるようになります。金属核の成分が明らかになっていくことで、地球磁場の成因である核ダイナモのメカニズムや、地球形成初期の金属核分離時の状況も次第に明らかになっていくものと期待できます。

用語説明

[用語1] 縦波速度 : 波が物質中を伝搬する際、波の伝わる方向と平行方向に物質が振動して伝わる波を縦波、垂直方向に振動して伝わるものを横波という。地震波の場合、縦波のことをP波、横波のことをS波と呼ぶ。液体中では横波がほとんど伝搬せず、液体外核を伝搬して観測できる地震波はP波(縦波)のみである。

[用語2] 地球の液体外核 : 地球は中心に直径約7,000kmの金属でできた核を持つ。金属核の内側約2,400kmは固体であり内核と呼ばれ、その外側を厚さ約2,300kmの液体外核が囲んでいる。液体外核の主成分は鉄であるが、約10%程度の軽い元素を含んでいることが分かっている。

[用語3] 重量% : 重量パーセント濃度。溶液全体の質量に対する溶質の質量の割合。

[用語4] レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル装置 : ブリリアントカットされた2つの単結晶ダイヤモンドの先端を対向させて、その間に実験に用いる試料を挟んで圧力を加え、レーザー光を用いて加熱する装置。試料を高圧高温状態にして融解させることができる。

[用語5] 大型放射光施設「SPring-8」 : 兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高の放射光を生み出す理化学研究所の施設で、その運転管理は高輝度光科学研究センターが行っている。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8GeVに由来。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、電磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のこと。

[用語6] 高分解能非弾性X線散乱分光器 : X線を物質に照射したとき、物質のさまざまな励起状態とエネルギーをやり取りした結果、散乱X線のエネルギーが入射X線のエネルギーから変化する現象を、非弾性X線散乱と言う。音響フォノンの励起エネルギーは、入射X線のエネルギーの100万分の1程度で、非常に高精度でエネルギーの変化を検出しなければ、物質の音響フォノンを測定できない。SPring-8には、非弾性散乱されたX線のエネルギーを非常に高分解能で検出することのできる分光器が設置されている。

[用語7] 核ダイナモ : 天体内部で導電性をもつ液体が対流することにより大きな磁場を生成し維持することをダイナモ作用と呼ぶ。地球の場合、液体金属でできた外核のダイナモ作用により地球磁場を生み出していると考えられている。

論文情報

掲載誌 :
Nature Communications
論文タイトル :
Carbon-depleted outer core revealed by sound velocity measurements of liquid iron-carbon alloy
著者 :
Yoichi Nakajima, Saori Imada, Kei Hirose, Tetsuya Komabayashi, Haruka Ozawa, Shigehiko Tateno, Satoshi Tsutsui, Yasuhiro Kuwayama, Alfred Q. R. Baron
DOI :

問い合わせ先

理化学研究所 放射光科学総合研究センター
バロン物質ダイナミクス研究室
特別研究員 中島陽一
准主任研究員 Alfred Q.R. Baron

Email : yoichi.nakajima@spring8.co.jp(中島)
Tel : 0791-58-0802(中島)

東京工業大学 地球生命研究所
所長・教授 廣瀬敬

Email : director@elsi.jp
Tel : 03-5734-3528

機関窓口

理化学研究所 広報室 報道担当

Email : ex-press@riken.jp
Tel : 048-467-9272 / Fax : 048-462-4715

東京工業大学 広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661


東工大合氣道部 全国大会銀賞受賞

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東工大合氣道部が、第34回全日本心身統一合氣道競技大会 団体の部で銀賞を受賞しました。また、個人の部では、主将の小林 成さん(工学部化学工学科応用化学コース3年)と前田 聡さん(工学部機械宇宙学科3年)のペアが、4位に入賞しました。

大塚豊師範を囲んでの集合写真
大塚豊師範を囲んでの集合写真

第34回全日本心身統一合氣道競技大会は、9月27日、栃木県芳賀郡市の心身統一合氣道会総本部天心館道場で開催されました。今回の競技大会は「中等部」「高等部」「大学部」が行われ、 日本全国から99名の学生が参加しました。

東工大合氣道部は1968年に活動を開始し、今年で創立47周年です。週4日の稽古のうち、心身統一合氣道会本部師範の大塚豊師範(心身統一合氣道九段)に週1回稽古をつけていただいています。「心が身体を動かす」ということを重視し、心と身体を一つにして用い、「相手の心を尊重して導く」ことを学んでいます。

今回の入賞について、小林成 主将(工学部化学工学科応用化学コース3年)は次のようにコメントしています。

ご支援いただいた皆様ありがとうございます。今後もさらなる高みを目指し稽古に励んでいきたいと思います。

お問い合わせ先

東京工業大学合氣道部
Email : titech.aikidou@gmail.com
Tel : 03-5734-2984

平成27年度10月東京工業大学大学院入学式を挙行

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10月1日、平成27年10月東京工業大学大学院入学式が執り行われ、修士課程194名、専門職学位課程9名、博士課程159名の合計353名の新入生を41か国から迎えました。10月期の入学式は国際大学院プログラムに所属する留学生とその家族が多数出席するため、英語で進行されました。

三島良直学長
三島良直学長

三島学長は式辞で、「異なる文化を理解し学ぶことをとおして、自らの視野を広げてください。東工大は大学として、皆さんが多様な視点を融合させ、科学技術の力で未来を牽引するための十分な能力を身に付けられるよう、その役目を果たしていきます。」と述べました。また、2016年4月に刷新される教育体制にも触れ、東工大とともに成功に向けて前進しようと激励しました。

平成27年度10月東京工業大学大学院入学式

中井検裕 大学院社会理工学研究科長

中井検裕 大学院社会理工学研究科長

列席の理事・副学長、研究科長および来賓がひとりずつ紹介された後、大学院社会理工学研究科長の中井検裕教授からの式辞が続きました。中井研究科長は、「大学は多様性の上に成り立つ組織であり、多種多様な物事、人、考え方が対立することなく存在し得る場所です。東工大でその環境を味方につけるとともに、最大限に活用してください。多様な視点を持つことが、あなた方の人生を豊かにしてくれるでしょう。」とエールを送りました。

関誠夫 蔵前工業会業務執行理事

関誠夫 蔵前工業会業務執行理事

また、来賓を代表して、蔵前工業会業務執行理事の関誠夫氏より祝辞をいただきました。関氏は、国際色豊かな新入生たちを前に、「日本、そして東工大での学生生活を送るなかで、日本に愛着を持ち、ぜひ第2の母国にしてください。東工大の同窓会組織として、蔵前工業会も未来を牽引するリーダー養成に協力を惜しみません。」と約束しました。

最後に、新入生総代として、末廣多恵子さんが答辞を述べました。お礼の言葉とこれから始まる新しい学究生活への抱負に続き、末廣さんは、「世界規模の温暖化や異常気象、エネルギー資源の減少、食糧や水の不足といった困難な問題が山積しています。さらに、2011年に起きた東日本大震災と福島原発事故を機に、持続可能な科学技術への期待が社会全体として高まっており、人類が直面する問題に科学技術の力で挑み、少しでも解決へつなげる一助になりたいです。」と力強く語りました。そして、その目標に向かって、謙虚さ、誠実さを忘れずに、新入生一同努力していくことを誓いました。

新入生総代答辞
新入生総代答辞

新入生のみなさま、入学おめでとうございます。

国立科学博物館の常設展示に亀井宏行教授の業績が

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東京工業大学博物館 亀井宏行教授の研究業績が、国立科学博物館の常設展示に加わりました。

展示パネル(提供:国立科学博物館)

展示パネル(提供:国立科学博物館)

亀井教授は、「サイエンスとしての考古学」の確立を目指して研究活動を行っています。考古学というと、発掘調査をイメージする人が多いかもしれませんが、莫大な費用や労力がかかる上に、遺跡の破壊にもつながりかねません。亀井教授は発掘ではなく、地中レーダーや電気と磁気による物理探査技術によって、遺跡を探査してきました。

亀井教授の研究業績は、国立科学博物館地球館2階「科学技術で地球を探る」のなかの「地表を探る」というコーナーの一画で、実際に亀井教授が使用した「地中探査レーダ」と「ベクトルグラジオメータ」と共に紹介されています。この2台の機器は、いずれも精密な探査が行われるように、亀井教授が業者と共に開発しました。

「地中探査レーダ」は、周波数変調をかけた連続電波を使った地中レーダ(FM-CW地中レーダ)としては世界で最初に実用化されたものです。「ベクトルグラジオメータ」も地球磁場3成分の磁気傾度を測定できる世界最初の装置です。国内での遺跡探査のみならず、エジプト南部のハルガオアシスの神殿調査やイギリスでの製鉄遺跡調査に用いられました。

国立科学博物館では、パネルと機器展示、映像コーナーで、探査風景をまじえた亀井教授のインタビュー動画を見ることができます。常設展示ですので、今後約10年間は展示される見込みです。他の展示と併せて、ぜひご覧ください。

地中探査レーダ(提供:国立科学博物館)

地中探査レーダ(提供:国立科学博物館)

ベクトルグラジオメーター(提供:国立科学博物館)

ベクトルグラジオメーター(提供:国立科学博物館)

なお、本学は「国立科学博物館大学パートナーシップ」の会員ですので、本学学生は無料で観覧できます。

国立科学博物館(科博)が実施している、学生の科学リテラシー向上やサイエンスコミュニケーション能力向上を目的に大学と連携して様々な活動を展開していく事業。学生数に応じた一定の年会費を納入した大学の学生は、科博関係の施設(上野公園の科博、目黒の自然教育園、つくば市のつくば植物園)で、常設展は無料、特別展は600円引きで観覧できる。

お問い合わせ先

東京工業大学博物館
Email : centshiryou@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3340

第26回大岡山蔵前ゼミ「鉄鋼技術の進歩」開催報告

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大岡山蔵前ゼミは、東工大の全学同窓会である蔵前工業会の東京支部が主催する、卒業生と学生の交流の場です。日本社会や経済をリードしている先輩を講師に迎え、これから社会に出る大学生・大学院生に、講演会・懇親会をとおして、様々な情報提供、意見交換を行っています。

10月30日、東工大蔵前会館にて第26回大岡山蔵前ゼミが開催されました。今回は「鉄鋼技術の進歩」と題して、第一部「これまで/エッフェル塔から東京スカイツリーへ」をJFE物流株式会社 代表取締役社長(元 JFEスチール(株)専務執行役員 東日本製鉄所長)小俣一夫氏、第二部「そして今/熱間圧延におけるTMCP(化工熱処理)技術について」をJFEスチール株式会社 東日本製鉄所 熱延技術室長(部長)和田武司氏が講演しました。学生98名、社会人49名(教職員8名、一般1名を含む)、計147名が参加しました。

講演会の様子
講演会の様子

講師 小俣一夫氏

講師 小俣一夫氏

JFEは、かつて「鉄は国家なり」と呼ばれた日本の誇る鉄鋼業界のトップ企業の1社であり、小俣氏からは技術に関する話や、日本の製鉄業界の変遷、現在の海外の競合相手の会社とのポジショニングに至るまで、参加者にとって非常に興味深く充実した内容になったようです。

「当社が鉄鋼材料を受け持った東京スカイツリーは、技術的側面では、エッフェル塔で使用された材料の3~4倍の高強度で溶接性に優れたものが使用されており、高硬度化・溶接性と靭性の両立化が最先端の技術で実現されています。その構造自体も、東京スカイツリーのパイプトラス構造という非常に立地面積を最小化できる最新構造を採用しました。この技術により、エッフェル塔や、東京タワーの330m前後の高さの建築物で、土台の径がそれぞれ、125m、80m必要だったものが、その約2倍弱の634mの高さを誇る東京スカイツリーの土台の径が、なんと70mですんでいます。」と熱を持って話しました。

また、小俣氏は、世界の鉄鋼の生産量について、現在は階段の踊り場に来ていると表現し、中国1か国の爆発的な生産量の伸びや、世界中で行われている鉄鋼メーカー同士の合併・買収による、急激な業界内のポジショニングの変化、再編成の話など、非常に多岐にわたる鉄鋼業界の情報が満載の講演となりました。

講師 和田武司氏

講師 和田武司氏

続いて和田氏からは、TMCP技術を熱間圧延プロセスに導入する計画の立上げから、設備完成まで具体的に映像を交えながら分かりやすく説明がありました。

質疑応答では、学生から入社後どのような仕事の担当になるかという質問があり、両氏は自身の経験を踏まえ、具体的に回答しました。

講演会に引き続き、学生と卒業生の懇親会がロイアルブルーホールで開催されました。現役学生の蔵前工業会の窓口である学生分科会広報班の紹介や、JFEスチールの若手技術者と学生とのセッションも行われ、社会人と現役学生の交流が大いに深められたようです。

お問い合わせ先

一般社団法人 蔵前工業会 東京支部事務局
Email : kuramae-tokyo@deluxe.ocn.ne.jp
Tel : 03-3748-4447 / Fax : 03-3748-4448

第11回東京オリエンテーリング開催報告

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東京工業大学 国際交流学生会SAGEが、10月24日に第11回東京オリエンテーリングを開催しました。

フォトコンテスト優勝作品
フォトコンテスト優勝作品

ルール説明

ルール説明

本イベントは、新入留学生に東京の生活や交通に慣れてもらうこと、そして日本人学生に国際交流の機会を持ってもらうことを目的として、毎年春と秋の2回開催されています。参加者は東京を観光しながら、東京メトロの様々な駅に設けられた駅近辺に関するミッションをクリアしていき、解いたミッションの得点の合計点を他のグループと競い合います。ミッションの解答はツイッターを通して行われるということも、このイベントの特徴です。

当日朝、東工大に集合した参加者は、まずルール説明を受け、国籍を混合したグループに分かれたて出発し、立てた作戦に従ってミッションを解き進めていきました。

ミッションをクリア

ミッションをクリア

なお、SAGEが考えて用意したミッションは、押上駅での「東京スカイツリーの横を流れる川の名前は何か(答:北十間川)」や、浅草駅での「仲見世通りで人形焼きを食べよう」などバリエーションに富んでいました。ミッションの解答に添付された各グループの写真は、どれも楽しそうな雰囲気が伝わってくるものばかりでした。また今回は、街中でSAGEのメンバーに遭遇したらボーナスミッションを貰える「ミッションハント」という企画が新たに実施され、参加者からは「遭遇できたときの感動は素晴らしかった」といった声が聞かれました。

交流会

交流会

オリエンテーリングが終わり、参加者が東工大に戻ってきたあとには交流会が開かれました。参加者は、オリエンテーリングで行った場所などを他の参加者やスタッフと話しながら交流を深めており、新たな友達ができた参加者も多かったようです。また、交流会の後半には、各グループが撮影したユニークな写真によるフォトコンテストや、数字の代わりに地下鉄の駅名を用いたビンゴを実施し、全体を通して非常に盛り上がりました。会の最後には、これらの得点とオリエンテーリングの得点の合計点で決定した、優勝グループに景品が贈呈され、和やかな雰囲気の中でイベントは終了しました。SAGEのスタッフは、「今回は過去最多の方に参加していただけて、スタッフとしても非常に嬉しく思います。」とコメントしています。

なお、東京オリエンテーリングは東工大生だけでなく、他大学や一般の方も参加可能です。次回の開催は、来年春を予定していますので、楽しみにお待ちください。

集合写真
集合写真

お問い合わせ先

国際交流学生会SAGE
Email : sage.tokyo.tech@gmail.com

12月4日9:00 本文中に誤りがあったため、修正しました。
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