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「財務レポート2014-2015」公表

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このたび、6月に文部科学大臣に提出しました平成26年度財務諸表が、8月31日に承認されましたので、財務レポートを公表しました。

東京工業大学では、本学を支えてくださるみなさまに、財務諸表をなるべくわかりやすい形で提供することを目的として、平成21年度決算から財務レポートを作成しています。

「財務レポート2014-2015」の内容は、以下のpdfファイルをご覧ください。

財務レポート2014-2015

財務ハイライト

平成26年度財務ハイライト

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュ・フロー計算書
  • 業務実施コスト計算書

東京工業大学を支えてくださるみなさまへ

  • 国民のみなさまへ
  • 学生・保護者のみなさまへ
  • 卒業生のみなさまへ
  • 企業のみなさまへ
  • 教職員のみなさまへ

指標から見る財務状況

財務諸表の経年変化

会計処理解説

国立大学法人特有の会計処理について

財務諸表の表示科目について

お問い合わせ先

財務部主計課決算グループ

E-mail : syu.kes@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2304


英文ニュースレター Bulletin No. 40 配信

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Tokyo Institute of Technology Bulletinは3か月に一度本学が配信している英文ニュースレターです。 東京工業大学の研究成果やニュース記事、学生の活動などを国内外へ広くメールで配信をしております。

この度、Tokyo Institute of Technology Bulletin No. 40 が発行されました。

メールでの配信をご希望の方は申込フォームからご登録ください。

※Tokyo Institute of Technology Bulletinは英語で配信を行っていますがコンテンツは全て日英両方でご覧頂けます。

Tokyo Institute of Technology  Bulletin | Research and education at Japan's foremost university dedicated to science and technology

A new transgenic plant to produce biofuel

Topics

A new transgenic plant to produce biofuel

FEATURE

RECENT RESEARCH

News

Voices of Experience

Tokyo Institute of Technology Bulletin No.40

東南アジアの優秀な学生たちと切磋琢磨~Tokyo Tech AYSEAS 2015 実施報告

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9月6日~16日、Tokyo Tech-AYSEAS 2015に東工大生15名が参加し、東南アジアからの参加学生17名とともに、インドネシアを訪問しました。

ホスト大学・ガジャマダ大学にて
ホスト大学・ガジャマダ大学にて

Tokyo Tech-AYSEASとは

Tokyo Tech-AYSEAS(以下、AYSEAS:エイシアス)とは、短期留学プログラムTokyo Tech-Asia Young Scientist and Engineer Advanced Study Program(東工大・アジア理工系学生派遣交流プログラム)の略称です。東工大生が東南アジアの国に赴き、訪問国・近隣諸国の大学生と共に、企業、政府機関、大学等の施設を訪問し、学生同士のディスカッションを通して、相互理解を深め、国や文化の違いを超えて協働できる能力を備えたグローバルな人材の育成を目的としています。

AYSEAS2015

AYSEAS 2015では、インドネシアで最も古い国立大学であるガジャマダ大学をホスト大学として、プログラムに協力いただきました。

政治・経済の中心地である首都ジャカルタ、歴史と文化の溢れる古都ジョグジャカルタの2都市を訪問し、現地の日系・インドネシア企業、政府機関、国際協力機構JICAのプロジェクトを見学しました。

毎日の見学後に行われるグループディスカッションでは、訪問先で得た知識を基に、インドネシアの抱える問題やその改善策について意見を交わし、それをまとめて最終日にプレゼンテーションを行いました。

企業訪問時の様子

企業訪問時の様子

グループディスカッション

グループディスカッション

参加学生の各国文化を紹介する文化交流会や世界遺産見学も実施し、東南アジアの国々の歴史・文化を知る良い機会となりました。

学生達は成長著しいインドネシア産業の現場を肌で感じるだけでなく、国籍・文化・宗教の違いを超えて協働する難しさや、相互理解の大切さを学び、将来世界で活躍する人材となる上で重要な素養を養うことができました。毎日寝食を共にし、同じ目標に向かって真剣に語り合った仲間との強い絆もまた、かけがえのない財産となりました。

最終プレゼンテーション

最終プレゼンテーション

世界遺産・ボロブドゥール遺跡にて

世界遺産・ボロブドゥール遺跡にて

11月2日には、本学において帰国報告会を実施し、現地でのプレゼンテーションをさらに深め、本プログラムの成果を発表しました。その後、丸山俊夫理事・副学長(教育・国際担当)より参加者全員に修了証が授与されました。続く懇親会では、食事を楽しみながらAYSEAS 2015の感想を語り合い、インドネシアでの楽しく充実した日々に改めて思いを馳せました。

帰国報告会でのプレゼンテーション
帰国報告会でのプレゼンテーション

帰国報告会でのプレゼンテーション

修了証を手に集合写真
修了証を手に集合写真

スケジュール

出発前

  • 6~7月
    事前学習(英語による講義、現地語・現地文化学習、東洋ガラス千葉工場見学、訪問先事前調査及びプレゼンテーション)
  • 夏季休暇中
    参加学生による自主勉強会

インドネシア滞在中

  • 9/6
    インドネシアへ出発、参加者との初顔合わせ
  • 9/7
    日本触媒インドネシア社訪問
  • 9/8
    トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア社、デンソー・インドネシア社訪問
  • 9/9
    ガジャマダ大学にて開会式及びキャンパスツアー、CV. Karya Hidup Sentosa(農業機械企業)訪問
  • 9/10
    PT. Sari Husada(栄養食品企業)訪問、海外学生向け日本留学説明会開催
  • 9/11
    Balai Besar Kulit, Karet dan Plastik(革、ゴム、プラスティックに係る政府機関)、JICAプロジェクト(メラピ山・プロゴ川流域及びバワカラエン山緊急防災事業)訪問
  • 9/12
    王宮、水の離宮等見学
  • 9/13
    世界遺産(ボロブドゥール遺跡)見学
  • 9/14
    文化交流会
  • 9/15
    最終プレゼンテーション、閉会式
  • 9/16
    日本へ帰国

帰国後

  • 11/2
    帰国報告会、懇親会

参加大学

  • インドネシア:
    ガジャマダ大学(ホスト大学)、バンドン工科大学
  • タイ:
    カセサート大学、キングモンクット工科大学ラカバン校、チュラロンコン大学
  • ベトナム:
    ハノイ工科大学

参加学生の体験談

AYSEASを終えて

生命理工学部 生命工学科2年 室伏佑香

AYSEASは「留学」と一口では言い表せない、中身の濃いプログラムだと思います。まず日本で事前研修を行い、インドネシアで密なスケジュールの11日間を過ごし、最後に日本に帰ってきてから帰国報告会でプレゼンテーションを行い、プログラムを修了します。そこでは工場見学や講義といった受動的な勉強に留まらず、海外学生とディスカッションを重ね一つのものを作り上げるという経験ができ、とても面白かったです。私のグループのプレゼンテーマは、「モータリゼーションと交通渋滞」でした。先ほど述べたようにスケジュールが綿密に組まれていたので、プレゼンの準備は連日深夜に及ぶこともありましたが、一方で充実していました。例えば、「国民は交通渋滞を深刻視しているのに政府は問題を先延ばしにしている」という現地の生の意見を聞いたり、日本の交通機関の時間の正確さに驚嘆する姿を見ることができたりと、一つ一つが新鮮でした。

プレゼンテーションのグループメンバーと(右上が室伏さん)
プレゼンテーションのグループメンバーと(右上が室伏さん)

大学内のレストランにて(右前から2番目が室伏さん)

大学内のレストランにて(右前から2番目が室伏さん)

それとは別に、素敵な仲間に出会えたこともAYSEASに参加してよかったと思えることの一つです。まずは一緒にインドネシアへ行った東工大参加者。同じ大学にいながら普段滅多に話すことのできない人たちです。私は最年少での参加でしたが、異なる学年、学科の人達は人間的に大人であったり、積極的に海外へ行っていたり、話すのが上手だったりと私にないものを持っていました。さらに、海外学生も素敵な人たちばかりでした。このプログラムではアジアの数か国から学生が集まっていましたが、彼らは多くの刺激を与えてくれました。彼らは普段英語を臆することなく流暢に話すだけでなく工場見学の際に積極的に質問をし、意欲的な姿を見せていました。また、フリータイムで私たちは自国の簡単な言葉を教え合っていたのですが、私が何回も聞いてやっと外国語を覚えられたのに対し、彼らは日本語をすぐに覚えてその場で使い、吸収の速さに驚くばかりでした。今でも彼らとは連絡を取り合っていますが、英語をコンスタントに使えるだけでなく時々日本語を教えることで日本語の文法について改めて考えさせられることもあり、まだまだ学ぶことが多いです。このように多くの人と出会い、英語や専門の学問を日本でももっと勉強していかなければいけないなと感じました。

最後になりますが、本年度、過年度の参加者、関係教職員の方々、このプログラムを通して私と関わってくださった全ての人に感謝してやみません。

大学生活の分岐点、AYSEAS 2015

工学部 電気電子工学科2年 李恒

体験談を書くにあたって、本プログラムを選んだ理由と他のプログラムには無いAYSEASの特徴、という2点に焦点を当てていこうと思います。私の体験談が、特に将来の長期留学に向けた第一歩を模索している人にとって少しでも参考になれば幸いです。

私は現在学部2年で、大学院での長期海外留学という目標に向けて専門科目・語学の準備を進めています。その一環として海外経験を積む、という目的の下、私は東工大主催の短期留学プログラムを様々探していました。運よく常日頃から長期留学経験(予定)のある東工大生の先輩方と関わる機会に恵まれ、その中でも多くの先輩方が過去このプログラムに参加していたことから私もAYSEASに応募しました。

その後私は、事前学習の段階から現地派遣期間を終えた今でさえも本プログラムの本質を強く感じています。それはアウトプットの機会の多さです。AYSEASは学習内容を吸収するのに留まらず、時にはグループメイトに対し、企業の上層部に対し、大勢の人に対し、意見を主張する場が豊富に与えられます。私はこれこそがAYSEASの特徴であり、なおかつ最大の魅力だと考えます。私自身英語での日常会話には自信がありましたが、密度の濃い討論になると単語が中々出ずに混乱したり、そもそも上級生達と比べ自分の論理展開が未熟だと感じたりすることが多々ありました。学生リーダー、グループリーダーという立場でもあったため、体力的にも刺激的な期間でした。しかし、この様なハードな経験を学部2年の時期に経験できたことは、今後の大学生活を見据える上で大きな分岐点となり得るでしょう。

様々な国の学生とのディスカッションの様子(左から2番目が李さん)
様々な国の学生とのディスカッションの様子(左から2番目が李さん)

また、海外学生との交流も深く印象に残りました。私はとにかく彼らと対話を多く重ねました。見学内容について、文化的特徴について、時にはここには載せられないこと等、寝る間も惜しんで交友を深めました。現地の文化にも深く浸りました。涙もろい性格も相まって、彼らとの別れは今になっても名残惜しいものです。

私はAYSEASというプログラムを通して東工大生としても、1人の人間としても大きく成長しました。他の短期留学プログラムとは明らかに一味違う、それがAYSEASです。東南アジアの優秀な学生たちと切磋琢磨しながら、学習内容をしっかりと形に残すことができます。かつての私の様に、プログラム選びに悩んでいる人がいたら私は自信をもってAYSEASを勧めるでしょう。

最後に私達を全面的に支えてくれた職員・教授陣、本当にありがとうございました。

グローバルへの第一歩

大学院理工学研究科 電気電子工学専攻 修士2年 多田靖弘

私がAYSEASから得た一番大きいものは、海外の学生たちと友達になり親密な関係を築けたことです。それにより、私の海外に対する印象が受動的なものから能動的なものへと変化しました。海外で生活したことがない人にとって、ニュースや新聞、インターネット等のメディアが外国の印象を決めてしまっていると思います。AYSEAS参加以前、私は自分の国の政治的意思決定や宗教観を中心に考え、「外国人とは根本的に考えが違う」という漠然とした印象を持っていました。私と同じような考えを持つ人も少なくないはずです。しかし、本プログラムを通して海外の学生と実際に会話し同じ体験を共有することで、私達は外国人同士である以前に同じ人間なのだから、大して変わらないということに気付かされました。これはやはり、11日間同じ体験を共有したことでお互いの文化や環境から起こる考え方の違いを認め合えたことが大きいと思っています。「○○人は○○な傾向にある、○○な性格だ」という事実だけでなく、それ対する国の背景や状況を生の声で聞いたり感じ取ったりすることで、自分とは違った価値観や文化をより親密に感じることが出来ました。特に、7日間一緒だったインドネシア人のルームメイトにインドネシアの大統領選挙の実情を聞いたり、お互いの宗教観について意見を交換しあったりした時が最も楽しく、分かり合えた瞬間でした。

日本および東南アジアのモチベーションの高い理工系学生が集い、同じ体験を共有して海外の学生と親密になれるのは、AYSEASならではだと思います。そして今回のインドネシアへの渡航を通して、将来グローバルに活躍するためのヒントを得られたと私は確信しています。日本に帰ってからも海外のことをもっと理解したい思いが強まり、語学学習に対するモチベーションが上昇し、東工大の外国人留学生と以前よりも多く会話するようになりました。また、自分が今まで全く興味のなかった宗教や文化に対して新たな興味を持つようになりました。将来グローバル社会で活躍してみたいと考えている人、海外の人や文化をもっとよく知りたい人等、是非AYSEASに参加してみてください。私と同じようなことに気付くかもしれませんし、もっと面白いことに気付くことが出来るかもしれません。

ボロブドゥールにて(写真中央 ベージュのズボンが多田さん)
ボロブドゥールにて(写真中央 ベージュのズボンが多田さん)

東工大基金

この海外派遣プログラムは東工大基金により実施されています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

国際部国際事業課国際事業グループ
Email : ayseas@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-7607

工大祭2015―The Future― 開催報告

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工大祭用に装飾された階段

工大祭用に装飾された階段

10月10日・11日の2日間にわたり、東京工業大学大岡山キャンパスで工大祭2015が開催されました。2日目の午前は生憎の雨に見舞われてしまいましたが、のべ約43,000人の方にご来場いただきました。「The Future」というテーマのもと、キャンパス内は賑わう模擬店街、学生によるユニークな企画や研究室による最先端の科学技術の展示などで、キャンパス全体が熱気に包まれていました。

映画「Back To The Future PART2」で主人公たちは、過去からこの2015年を訪れました。 「過去の未来」は実現したでしょうか?東工大生は理工系大学生として「理想の未来」を想像できているでしょうか?このテーマにはそんな気持ちが込められています。

図書館前からウッドデッキにかけての様子
図書館前からウッドデッキにかけての様子

工大祭人気ナンバー1の企画を決める「グランプリ2015」では、「Best of 工大祭」に学生サークル「東工大ScienceTechno」による「サイエンスゲート」が選ばれました。

サイエンスゲート概要(工大祭2015公式サイトより抜粋)

身の回りにたくさんひそんでいる「科学」をのぞいてみませんか。 「サイエンスゲート」には、見て楽しい、体験して楽しい科学がいっぱい。小さなお子様はもちろん、中高生や大人にも楽しんでもらえるような内容をご用意しました。 科学の未来に通じる"門"を、くぐりに来てくださいね。

サイエンスゲート
サイエンスゲート

模擬店街

模擬店街

また、その他にも「ミス東工大コンテスト」、女装コンテストの「ミスター美少女コンテスト」や、高校生を対象とした研究室ツアー、東工大の教授による公開講義などが行われました。

工大祭実行委員会からのメッセージ

こうした盛り上がりの中、無事に工大祭を終えることができたのは、ご来場いただいた多くの方々、一丸となって工大祭を作り上げていった参加研究室、本学学生団体、多くの大学職員の皆様、ご支援いただいた企業の方々、ご協賛いただいた多くの東工大OB・教員の皆様のご協力のおかげです。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。今後とも工大祭をよろしくお願いします。

フィナーレ
フィナーレ

お問い合わせ先

工大祭実行委員会
Email : info@koudaisai.jp
Tel : 03-5734-2480

電気抵抗の変化により触媒活性が劇的に向上―アンモニアの省エネ合成に有力な手がかり―

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要点

  • C12A7エレクトライドは電子濃度によって絶縁体から金属へと変化
  • 絶縁体から金属へ変化するとアンモニア合成の触媒機能も劇的にジャンプ
  • 高性能アンモニア合成触媒開発のための新たな道筋を提示

概要

東京工業大学応用セラミックス研究所の細野秀雄教授(元素戦略研究センターセンター長)と原亨和教授、北野政明准教授らは、常圧下で優れたアンモニア合成活性を持つ「ルテニウム担持12CaO・7Al2O3(C12A7)エレクトライド」[用語1]の電子濃度を高め、絶縁体から金属へと変化させると、反応メカニズムが劇的に変化し、従来の10倍以上の高い触媒活性が発現、また活性化エネルギー[用語2]が半分に低減することを発見した。電子濃度の異なるC12A7エレクトライド触媒を作成し、触媒特性を詳細に調べることにより実現した。

アンモニアは窒素肥料原料として膨大な量が生産されており、最近では水素エネルギーキャリアとしても期待が高まっている。穏和な条件でも作動する新触媒の開発により、アンモニア合成プロセスの省エネルギー化に向けた有力な手がかりが得られたといえる。従来、触媒活性は活性サイトという局所の性質で規定されるというのが一般的だったが、今回の結果はより広い範囲の電子状態が触媒活性をコントロールしていることを示している。半導体の電子物性の重要な現象が触媒機能と結びついたといえる。

アンモニア合成触媒はアルカリ金属化合物など様々な促進剤[用語3]が検討されてきたが、電子濃度を高めることで働く材料は見いだされていなかった。

研究成果は米国科学誌「ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of the American Chemical Society)」オンライン速報版に10月24日付で公開された。

研究の背景と経緯

人工的にアンモニアを合成する技術は、ハーバーとボッシュによって初めて見いだされ、この技術(ハーバー・ボッシュ法、HB法)は工業的に完成してから約100年経った現在でも、人類の生活を支えるために必要不可欠となっている。また、アンモニア分子は分解することで多量の水素発生源となり、かつ室温・10気圧で液体になることから、燃料電池などのエネルギー源である水素運搬の物質としても期待されている。

アンモニア合成を効率よく進めるために、鉄やルテニウムなどの触媒に、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物が添加されていた。しかし、これらの促進効果は不十分であり、安定な窒素分子の三重結合を効率よく切断することができず、その結果として、どの触媒を用いても窒素分子の結合を切断する過程が全体の反応の速度を遅くしていること(律速)が知られていた。

今回の研究に用いた触媒は細野教授らが2003年に開発したC12A7エレクトライドという物質の表面に、ナノサイズのルテニウムの微粒子を担持させたものであり、電子濃度によって、C12A7は絶縁体から金属へと転移することが知られていた。

研究成果

東工大の細野教授らは、電子濃度の異なるC12A7エレクトライド触媒を用いてアンモニア合成活性を詳細に調べたところ、C12A7エレクトライドが絶縁体から金属に変化する際に、触媒活性および反応メカニズムが劇的に変化する(スイッチする)ことを見いだした。

具体的には、C12A7エレクトライドの電子濃度が1.0× 1021 cm-3(立方メートル当たり)以下の場合は、触媒活性、活性化エネルギーともに既存の触媒とほぼ同じであるが、電子濃度が1.0× 1021 cm-3以上になると、触媒活性は電子濃度が低い場合よりも10倍程度高い値を示し、活性化エネルギーは約半分にまで低下することが分かった(図1)。

さまざまな電子濃度のC12A7エレクトライドにルテニウムを担持した触媒を用いたアンモニア合成反応(A:アンモニア合成速度、B:活性化エネルギー)
図1.
さまざまな電子濃度のC12A7エレクトライドにルテニウムを担持した触媒を用いたアンモニア合成反応(A:アンモニア合成速度、B:活性化エネルギー)
電子濃度が1.0× 1021 cm-3を境に、反応速度との活性化エネルギーが大きく変化することが確認できる。

またルテニウム触媒を用いたアンモニア合成では反応速度は、水素の圧力が増加するにつれて低下する(水素の反応次数[用語4]が0または負の値となる)ことがよく知られている。これはルテニウムと水素の親和性が強く、ルテニウム表面が吸着した水素で覆われることにより、窒素の吸着が阻害される(水素被毒される)ためである。

C12A7エレクトライド触媒では、電子濃度が低い場合は、水素被毒されるが、電子濃度が1.0× 1021 cm-3以上になると、水素被毒されない(水素の反応次数が正の値となる)ことが分かった(図2)。つまり、水素圧力の増加に伴い、触媒活性が向上した。

さまざまな電子濃度のC12A7エレクトライドにルテニウムを担持した触媒の水素の反応次数
図2.
さまざまな電子濃度のC12A7エレクトライドにルテニウムを担持した触媒の水素の反応次数
電子濃度が1.0× 1021 cm-3を境に、水素に対する反応次数が0から正の値へ変化することを確認できる。つまり電子濃度が高くなると水素被毒を受けなくなることが分かる。

以上の結果から電子濃度による反応メカニズムの違いをまとめると(図3)、電子濃度が1.0× 1021 cm-3以下の場合は、電気伝導性が悪く窒素分子の解離が効率よく起こらないため、既存の触媒と同様に、窒素分子の切断が律速段階[用語5]となる。さらに水素原子が触媒表面を覆う水素被毒の現象が起こる。

電子濃度の異なるC12A7エレクトライド上でのアンモニア合成のメカニズム
図3.
電子濃度の異なるC12A7エレクトライド上でのアンモニア合成のメカニズム
電子濃度が低いC12A7エレクトライド触媒では、電気伝導性が悪く、窒素の解離が効率よく起こらず、ルテニウム表面が水素で覆われる水素被毒が起こる。一方、電子濃度が高いC12A7エレクトライド触媒では、金属的電気伝導性を示し、窒素三重結合(N≡N)の切断が容易となり、ルテニウム上で切断された水素はケージ内にH-イオンとして取り込まれ、原子状水素として放出され窒素原子と反応しアンモニアが生じる。

一方、電子濃度が1.0× 1021 cm-3以上になると、金属的な電気伝導性を示すため、窒素分子の解離が効率よく起こり、窒素分子の切断が律速段階ではなくなる。また、ルテニウム上で切断された水素がC12A7エレクトライドのカゴの中にH-イオンとして収納されることで、ルテニウム上での水素被毒を防ぎ、このH-イオンが原子状水素として放出され、窒素原子と反応することでアンモニアが生成されると考えられる。このように電子濃度の違いにより反応メカニズムが大きく変化することを明らかにした。

今後の展開

今回の成果により、穏和な条件下で作動するアンモニア合成触媒では、電子注入効果と水素吸蔵効果が重要な役割を果たしていることが明確になった。従って、アンモニア合成プロセスの省エネルギー化に向けた触媒開発の有力な手がかりが得られたことになる。

研究の枠組み

本成果は、以下の事業・研究課題によって得られた。

戦略的創造研究推進事業 ACCEL

研究課題名 :
「エレクトライドの物質科学と応用展開」
代表研究者 :
東京工業大学 元素戦略研究センター長 細野秀雄
PM :
科学技術振興機構 横山壽治
研究実施場所 :
東京工業大学
研究開発期間 :
平成25年10月~平成30年3月

用語説明

[用語1] C12A7エレクトライド : C12A7は12CaO・7Al2O3(酸化カルシウムと酸化アルミニウム化合物)でセメントの材料。
エレクトライドは電子がアニオンとして働く化合物の総称。通常の物質とは異なるユニークな性質を持つのではと関心を集めていたが、あまりに不安定なため、物性がほとんど不明のままだった。細野グループは、2003年に直径0.5ナノメートル程度のカゴ状の骨格が立体的につながった結晶構造をしているアルミナセメントに構成成分の1つC12A7を使って、安定なエレクトライドを初めて実現した。
このエレクトライドは金属のようによく電気を通し、低温では超伝導を示す。またアルカリ金属と同じくらい電子を他に与える能力を持つにもかかわらず、化学的にも熱的にも安定というユニークな物性を持っている。

[用語2] 活性化エネルギー : 反応の出発物質の基底状態から遷移状態に励起するのに必要なエネルギーのことであり、このエネルギーが小さいほど、その反応は容易になる。反応中に触媒が存在することで、活性化エネルギーを下げることが可能となる。

[用語3] 促進剤 : アンモニア合成において、活性な金属種であるルテニウムや鉄の近くに固定化され、それらの金属種に電子を与えることで、触媒表面上での窒素の解離反応を促進する物質。

[用語4] 反応次数 : アンモニア合成の反応速度(r)は、r = k(PN2)α(PH2)β(PNH3)γで表され、それぞれの反応ガス(N2,H2,NH3)の分圧に比例する。この式の指数部分(α,β,γ)が反応次数である。

[用語5] 律速段階 : 化学反応において最も遅い反応段階であり、この反応速度が全体の化学反応の速度を支配している。

論文情報

掲載誌 :
Journal of the American Chemical Society
論文タイトル :
"Mechanism Switching of Ammonia Synthesis Over Ru-Loaded Electride Catalyst at Metal–Insulator Transition"
(金属-絶縁体転移点におけるRu担持エレクトライド触媒上でのアンモニア合成メカニズムの変化)
著者 :
Shinji Kanbara,Masaaki Kitano,Yasunori Inoue, Toshiharu Yokoyam, Michikazu Hara, Hideo Hosono
DOI :

問い合わせ先

(C12A7エレクトライドについて)
元素戦略センター センター長/応用セラミックス研究所
教授 細野秀雄

Email : hosono@msl.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5009 / Fax : 045-924-5196

(触媒反応について)
応用セラミックス研究所
教授 原亨和

Email : mhara@msl.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5311 / Fax:045-924-5381

(取材申し込み先)
東京工業大学 広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

小寺正明講師が2015年度Oxford Journals-JSBi Prize受賞

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大学院生命理工学研究科の小寺正明講師が、2015年度Oxford Journals-JSBi Prizeを受賞しました。日本バイオインフォマティクス学会が主催するこの賞は、日本の生命情報学(バイオインフォマティクス)領域のさらなる発展への貢献が期待される功績顕著な若手研究者に授与されるものです。

生命医薬情報連合大会2015年大会における授賞式の様子
生命医薬情報連合大会2015年大会における授賞式の様子

受賞テーマ

生命情報と化学情報との融合解析による生体分子間相互作用と代謝経路予測の研究

受賞理由

小寺講師は、生命情報学分野に低分子化合物の化学構造計算を導入し、ゲノム情報とメタボローム情報を結びつけるという、生命情報学分野の最重要課題のひとつに積極的に取り組み、数々の論文発表や国際学会発表を行なってきました。特に、顕著な功績として、2009年、2013年、2014年、2015年の4回にわたって、生命情報学分野で最も権威のある国際学会ISMBにて、筆頭または責任著者として論文発表と口頭発表を行なっており、国際コミュニティで存在感を示しています。

また生命情報学分野において、データの標準化と統合化、および国際的な合意の形成は極めて重要な課題とされており、文部科学省「統合データベースプロジェクト」においても遺伝子や化合物等、様々なデータの統合化・標準化が進められています。小寺講師は、遺伝子機能情報としてよく使われる酵素番号(EC番号)や糖鎖の命名法などを含む、酵素反応に関するデータ標準化と分類作業効率化を長年研究しており、酵素および酵素反応の標準的命名法を定める国際組織NC-IUBMBの準委員も務める等、この方面でも活躍しています。加えて、当分野で重要な位置を占める「BioHackathon」等の国際会議に積極的に参加し、酵素反応や化合物、糖鎖などの情報の標準化に尽力しており、その功績と活動が総合的に評価されての受賞となりました。

受賞者のコメント

この度は、このような賞をいただき大変嬉しく思います。学会発表はだいぶ慣れてきたつもりでしたが、受賞講演のときはこれまでになく緊張してしまいました。バイオインフォマティクスと聞いて皆様が想像されるものとは多少異なる研究を続けておりましたので、高く評価していただいて大変光栄です。今後も研鑽に励んで行きますので皆様よろしくお願いいたします。

MEMS構造をCMOS-LSIと一体化した加速度センサー開発―超小型で1G以下の高分解能検知を実現―

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要点

  • 高分解能MEMS加速度センサーをCMOS-LSI直上に1チップ集積
  • 高分解能加速度センサーの小型化・汎用化を実現

概要

東京工業大学異種機能集積研究センターの益一哉センター長(教授)と山根大輔助教、町田克之連携教授は東京大学先端科学技術研究センターの年吉洋教授、NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT、木村丈治社長)と共同で、超低雑音特性を有するMEMS[用語1]加速度センサーをセンサー回路からなるCMOS-LSI[用語2]の直上に集積化することに成功した。これにより、従来のMEMS技術では困難だった1G(重力加速度)以下の高分解能検知をワンチップのMEMSセンサーで実現した。

同研究グループはこれまでに金を材料としてMEMS加速度センサーの錘(おもり)を10分の1以下に小型化、さらにMEMS構造をLSI上に集積する作製法を開発し、センサーの小型化と寄生容量低減による高性能化を提案した。こうした実績をもとに今回はMEMS構造をCMOS-LSI上に初めてワンチップ集積化し、その基本性能を実証した。

高分解能加速度センサーの小型化・汎用化における革新的な技術であり、医療・ヘルスケア、インフラ診断、移動体制御、ロボット応用など様々な動き検知用途において新しいデバイス・システム開発につながると期待できる。

研究成果は11月上旬に韓国の釜山で開催された国際会議「IEEE SENSORS 2015」で発表した。この研究は科学技術振興機構(JST)CRESTの支援を受けた。

研究成果

東工大の益教授らの研究グループは、高密度材料MEMS技術によるMEMSセンサーの高性能化技術、および多種多様なMEMSセンサーを集積回路上に作製する独自技術をこれまでに開発している。今回はこれらの技術を発展させ、CMOS-LSI直上に超小型・超高分解能MEMS加速度検出デバイスをワンチップ集積化することで、MEMS加速度センサーの小型化と分解能向上の両立に成功した。

具体的には、静電容量型MEMS加速度センサーの小型化と高分解能を両立するため、高密度の金を錘に用いた小型・高分解能のMEMSデバイスをCMOS-LSI上にワンチップ集積化した。これにより、従来のMEMS加速度センサーと同等のサイズで1G以下の高分解能検知を実現可能とした。今回の研究ではMEMSとCMOS-LSIの集積化に半導体微細加工技術と電解金めっきを用いており、超小型・超高分解能加速度センサーの汎用化技術として期待できる。

チップ写真

図1. チップ写真

デバイス断面図

図2. デバイス断面図

研究の背景

加速度センサーの検出性能は錘の質量に比例するため、錘サイズ小型化と検出分解能向上にトレードオフが生じる。従来のシリコンMEMS加速度センサーは、高い検出分解能を得るために錘サイズが増大し、小型化が困難だった。また、汎用的な静電容量型加速度センサーを用いて微小加速度を検出する場合、寄生容量を大幅に低減する必要がある。しかし、シリコンMEMS技術では錘サイズが大きく、センサー回路からなるLSIと集積する際に寄生容量が増大する課題があった。

今後の展開

超小型・超高分解能の小型加速度センサーの実現は、様々な動き検知用途においてブレイクスルーとなる。特に医療・ヘルスケア、インフラ診断、移動体制御、ロボット応用などにおいて新しいデバイス・システム開発につながると期待できる。さらに近年、多種多量のセンサーをヒトやモノのあらゆる情報取得に適用する技術開発が世界的に盛んであることから、動き検知に必要不可欠な加速度センサーの小型・高性能化を可能にする今回の研究成果は非常に有用であるといえる。

用語説明

[用語1] MEMS(Microelectromechanical Systems、微小電気機械素子) : 半導体微細加工技術を利用して製造したマイクロメートル寸法の三次元電子・機械デバイスの総称。現在、民生用加速度センサーの大半はシリコンを材料としたMEMS素子で作製されている。

[用語2] CMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor、相補型金属酸化膜半導体)LSI(Large-Scale Integration:大規模集積回路) : 金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを相補形に配置したゲート構造。現在の微細集積回路で最も基本的な能動素子。LSIは半導体集積回路のうち、素子の集積度が1000個~10万個程度のもの。半導体集積回路一般を指す場合にも用いられる。

問い合わせ先

精密工学研究所 極微デバイス部門
助教 山根大輔

Email : yamane.d.aa@m.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5031 (携帯)080-2066-3495

東京工業大学 広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

東工大関係者2名が平成27年秋の叙勲を受章

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平成27年秋の叙勲において、梅谷陽二名誉教授が瑞宝中綬章を、岩倉良雄元総合理工学研究科等事務部長が瑞宝双光章を受章しました。

梅谷陽二名誉教授

梅谷陽二名誉教授

経歴

梅谷陽二名誉教授は、1956年9月に京都大学工学部機械工学科を卒業し、同年から大阪真空機器製作所にて真空化学プラント系の制御システムの開発に従事しました。

その後、1959年4月より東京大学生産技術研究所において自動制御系の研究を開始、主として大規模化学プラントのシステム開発を行いました。

1970年に東京工業大学工学部に移り、機械物理工学科において生物工学の力学分野の教育と研究、さらに産業用ロボットおよび宇宙ロボットの開発に研究分野を拡げ、日本ロボット学会の設立に参画しました。

1993年、定年退官を機に豊田工業大学に赴任しました。Joseph F. Engelberger Awardsが贈られるなど、世界のロボット産業の発展に大きく貢献しました。

梅谷陽二名誉教授のコメント

1956年に京都大学の機械工学科を卒業し、しばらくの間、私は大阪真空機器製作所で真空プラントの設計やシステム制御系開発の業務に従事していました。

丁度その頃、米国からノーバート・ウイーナ博士が来日されました。 彼が提唱するサイバネチックスと言う基本概念は喧伝され、その中の「自動制御」は技術の分野でも共通概念になって行きました。

私がこの「自動制御」を大規模プラントの設計と制御に導入したいと志していた時に、たまたまご面識を得られたのが恩師・森政弘先生です。森先生はその頃東大の生産技術研究所におられましたが、「本気で勉強するのなら、いつでも来なさい」とおっしゃっていただきました。

それ以降、先生のご好意に甘えて、東大から東工大に至るまで、いや今に至るまで、先生の後ろにくっついて過ごしております。今回受章のことも、そのうちに森先生にお伝えせねば、と思っています。

岩倉良雄元総合理工学研究科等事務部長

岩倉良雄元総合理工学研究科等事務部長

経歴

岩倉良雄元総合理工学研究科等事務部長は、 1959年4月に東京工業大学理工学部事務部経理掛事務員として採用されました。

その後、附属図書館、経理部主計課、経理課を経て、理学部事務長、工学部事務長を歴任したのち、1996年4月から1年間総合理工学研究科等事務部長として在籍し、定年退職しました。

その後、2002年3月まで独立行政法人日本学術振興会の研究事業部事務主幹として在籍しました。

長年培った識見と、卓越した行政手腕と行動力で、国立大学などの研究環境拡充と管理運用に尽力し、多大な貢献を果たしました。

岩倉良雄元総合理工学研究科等事務部長のコメント

この度の叙勲は、極めて名誉なことであり、幸せで一杯です。

11月10日には、叙勲伝達式そして天皇陛下の拝謁の栄誉に浴し、感激の極みでした。

今日が有るのは、東京工業大学に奉職が叶ったことが始まりです。そして、先輩方や机を並べた同僚たちと出会えたことです。当時のことを、懐かしく思い出し、喜びで一杯です。

多くの皆様の御指導と御協力に感謝しております。

お問い合わせ先

広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975


TBSテレビ「未来の起源」に塚越研究室の前角貴士大学院生が出演

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本学、大学院理工学研究科 機械制御システム専攻 塚越研究室の修士1年・前角貴士さんが、TBS「未来の起源」に出演します。「ヤマビルを参考にした柔軟吸盤により、多様な壁面に吸着可能なロボットの開発」について紹介されます。

前角貴士さん

前角貴士さん

塚越秀行准教授

塚越秀行准教授

  • 番組名
    「未来の起源」
  • タイトル
    ヒルから学ぶ吸着力
  • 放送日
    TBS: 12月13日(日) 22:54~23:00
    (再放送)BS-TBS: 12月20日(日) 20:54~21:00

問い合わせ先

東京工業大学 広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

アーヘン工科大学テキスタイル技術研究所と国際シンポジウムを共催

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11月10日、大岡山キャンパス 東工大蔵前会館 手島精一記念会議室において、ドイツのアーヘン工科大学 テキスタイル技術研究所(ITA)と、本学大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻(DOPM)との共催による、国際シンポジウムが開催されました。

シンポジウム風景
シンポジウム風景

「A symposium on the collaboration to bridge challenges in New Fiber Materials Development(新しい繊維材料開発に共同で取り組むためのシンポジウム)」と銘打たれた本シンポジウムは、ITAとDOPMとの部局間協定締結を期に企画されました。

シンポジウムに先立ち、ドイツNRW州学術省大臣スヴェンヤ・シュルツェ氏を代表とする訪日視察団、NRW州経済振興公社日本法人代表取締役社長ゲオルグ・ロエル氏、日本化学繊維協会関係者の参列を得て、交流会と協定書の署名が行われました。本学からは、丸山俊夫理事・副学長、国際部国際連携課、研究推進部産学連携課等の関係者が出席しました。

ノルトライン・ヴェストファーレン州。ドイツの16ある連邦州のひとつで、アーヘン工科大学はこの州に位置する。

調印式
調印式

シンポジウムでは、ドイツ側5名、日本側5名の講演者が

  • バイオベース高分子材料の繊維化
  • 医用テキスタイル
  • 炭素繊維の新たな開発動向
  • 繊維製造過程の“その場”計測技術
  • 組紐繊維強化複合材料

など、両国が凌ぎを削る最先端の研究成果を紹介し、活発な議論がなされました。

ITAとDOPMは、これまでにも主任研究員、助教、複数の大学院学生が相互に長期滞在し、研究交流の実績を築くほか、企業を交えた3者間の共同研究も行ってきました。当該分野の最先端研究について、個々の研究者レベルでなく組織として交流を深めることは、学生の教育、若手研究者の育成の観点から極めて重要です。特にITAは機械工学、DOPMは材料工学を基盤としていることから、両者は相互補間の関係にあり、今後、大きな相乗効果が期待できるという点で意見が一致しています。今回のシンポジウムは、この両者の立場と交流の大切さを再確認する貴重な機会となりました。

お問い合わせ先

有機・高分子物質専攻
Email : info@op.titech.ac.jp

地震・津波観測監視システム「DONET」で海底における長周期地震動を観測

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地震・津波観測監視システム「DONET」で海底における長周期地震動を観測
―海溝型大地震の震源域に広がる海洋堆積層が長周期地震動の発達に影響することを実証―

概要

国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という)地震津波海域観測研究開発センターの中村武史技術研究員らは、岡山大学、東京工業大学、福井大学と共同で、2013年4月淡路島での中規模地震(M 5.8)の発生時における、地震・津波観測監視システム「DONET」[用語1](図1)の海底強震計データの解析を行いました。その結果、長くゆっくりとした大きな揺れ「長周期地震動」[用語2]が深海底の広い領域で発生していることを明らかにしました。

大規模地震発生時、高層ビルなどでは、長い周期の揺れ(長周期地震動)と建物固有の揺れの周期が共振して、大きく揺れることがあります。この長周期地震動は、陸域の盆地や平野部において観測事例が多く報告されている一方、海底においては、陸上地震計のデータに対するシミュレーション結果から長周期地震動の発生が間接的に示唆されているのみでした。本成果は、「DONET」の海底強震計データを用いて海底の長周期地震動を直接観測・解析した初めての成果です。さらに、スーパーコンピュータ「京」[用語3]を使った大規模シミュレーションで海底における長周期地震動の特徴を再現した結果、南海トラフ周辺に広範囲にわたって広がっている軟らかい海洋堆積層の存在が長周期地震動の発達に本質的な影響を与えていることが分かりました。

海底において発達した地震波の長周期成分は、我々が住む陸域にも伝播する可能性があります。また、震源要素を解析する時に、解析結果に影響を与える可能性があります。したがって、海底における長周期地震動の特徴を把握し、発達過程を解明することは、陸域における地震動予測の高精度化や地震の規模・メカニズム解析手法の高度化につながり、地震防災・減災のための基礎的な知見となると考えられます。

本成果は、英科学誌「Scientific Reports」に11月30日付け(日本時間)で掲載される予定です。

なお、本研究のデータ解析では、国立研究開発法人防災科学技術研究所によるK-NET・KiK-netデータを使用させていただきました。シミュレーション結果は、国立研究開発法人理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」を利用して得られたものです(課題番号hp130013)。

背景

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では、都心部の高層ビルで、大きくゆっくりと数分以上の揺れが感じられました。これは、地震波の長周期成分による地震動(長周期地震動)と高層ビルなどの建物固有の揺れやすさとが共振して発生した現象で、関東平野や大阪平野、濃尾平野などの陸域平野部において観測事例がこれまで数多く報告されています。長周期地震動は、高層ビルをはじめとする近代の大規模構造物に被害を与えることがあり、構造物の設計にも関わることから注目されています。

近年、日本全国に展開された陸上地震観測点の充実により、陸域の長周期地震動に関する観測データの蓄積やシミュレーション研究が飛躍的に進展しました。ところが、海底においては、無人で大規模構造物が存在しないため、長周期地震動観測の必要性が議論されることはほとんどありませんでした。一方、先行研究では、陸上地震計のデータに対するシミュレーション結果から、海底で発達した長周期成分が我々の住む陸域にまで伝播する可能性が示唆されていましたが、こうした地震動を捉えられるほどの地震計を稠密・多点に備えた海底観測網がなかったことから、海底で長周期地震動そのものを観測・解析し、シミュレーションで実証した研究はこれまでありませんでした。

JAMSTECでは海溝型大地震を含む海域で発生する地震に対し、海底で地震波を即時にかつ震源近傍で面的に捉えるため、南海トラフ周辺の海底において、地震・津波観測監視システム「DONET」を整備、2010年より稼働開始しています。紀伊半島沖熊野灘に設置されたDONET1は、海溝型大地震の震源域直上の海底において、微小地震の発生による短周期の地震波から津波発生に関わる長周期の地殻変動まで、物理的現象の発生に伴う信号を広帯域にわたってリアルタイムに捉えることができます。これまで十分な観測データがなかった海底での長周期地震動について、DONET1による直接的な観測や解析が期待されていました。

成果

そこで、研究グループでは、南海トラフ周辺の海底における長周期地震動を明らかにするため、2013年4月に淡路島を震源とする中規模地震(M 5.8、図1星印)発生時における、DONET1(図1ダイヤモンド印)の海底強震計データの解析を実施しました。データを詳しく解析したところ、周期10-20秒において、顕著な長周期地震動が海底で発生していることを見つけました。一般的には地震波の振幅は震源からの距離が遠ざかるほど減衰しますが、解析結果では、震源に近い陸上観測点より遠いDONET1の観測点の振幅が増幅するという特異な傾向を示していることが分かりました(図2)。陸上観測点(三重県紀宝町)と海底観測点(DONET1)との地震波形やスペクトルを比較すると、海底観測点では震動継続時間が非常に長く、波形形状そのものが複雑となっています(図3)。継続時間の長大化や波形形状の複雑性は、地震波が海域に入射した後、顕著となる傾向を示しています(図4)。

解析した地震と観測点の位置。黄色星印は、2013年4月に淡路島で発生した中規模地震の位置を示す。黄色ダイヤモンド印及び茶色丸印は、海底観測点(DONET1)と陸上観測点(K-NET, KiK-net)の位置をそれぞれ示す。
図1.
解析した地震と観測点の位置。黄色星印は、2013年4月に淡路島で発生した中規模地震の位置を示す。黄色ダイヤモンド印及び茶色丸印は、海底観測点(DONET1)と陸上観測点(K-NET, KiK-net)の位置をそれぞれ示す。
震源からの距離(横軸)に対する各観測点における地震波の最大振幅値の分布。黄色ダイヤモンド印及び茶色丸印は、海底観測点(DONET1)と陸上観測点(K-NET, KiK-net)の最大振幅値をそれぞれ示す。短周期成分では、陸上観測点と海底観測点の分布にはっきりとした違いが見られない(図2a)。しかし、長周期成分では、海底観測点の振幅が大きくなり、陸上観測点の振幅分布から逸脱している(図2b)。これは、震源からの距離が等しい場合であっても、陸上より海底の方が地震動が大きいことを意味する。シミュレーションでも、この特徴を再現している(図2c)。
図2.
震源からの距離(横軸)に対する各観測点における地震波の最大振幅値の分布。黄色ダイヤモンド印及び茶色丸印は、海底観測点(DONET1)と陸上観測点(K-NET, KiK-net)の最大振幅値をそれぞれ示す。短周期成分では、陸上観測点と海底観測点の分布にはっきりとした違いが見られない(図2a)。しかし、長周期成分では、海底観測点の振幅が大きくなり、陸上観測点の振幅分布から逸脱している(図2b)。これは、震源からの距離が等しい場合であっても、陸上より海底の方が地震動が大きいことを意味する。シミュレーションでも、この特徴を再現している(図2c)。
陸上観測点(図3a)と海底観測点(図3b)での地震波形とスペクトルの比較。陸上観測点と比べ海底観測点は、震源から離れているにも関わらず、両者の振幅はほとんど変わらない。また、震動が長時間続いている特徴を確認することができる。
図3.
陸上観測点(図3a)と海底観測点(図3b)での地震波形とスペクトルの比較。陸上観測点と比べ海底観測点は、震源から離れているにも関わらず、両者の振幅はほとんど変わらない。また、震動が長時間続いている特徴を確認することができる。
震源からの距離(縦軸)順に並べた、陸上観測点と海底観測点での長周期成分の地震波形。陸上観測点では波形が非常にシンプルで、最大振幅後、時間の経過とともに波形の振幅がすぐに減衰している。一方、海底観測点では、地震波の伝播速度が低下し、震動が長時間続いていることが分かる。
図4
震源からの距離(縦軸)順に並べた、陸上観測点と海底観測点での長周期成分の地震波形。陸上観測点では波形が非常にシンプルで、最大振幅後、時間の経過とともに波形の振幅がすぐに減衰している。一方、海底観測点では、地震波の伝播速度が低下し、震動が長時間続いていることが分かる。

この地震動について、国立研究開発法人理化学研究所によるスーパーコンピュータ「京」[用語3]を使って再現し、詳しく解析した結果、南海トラフ周辺に広がる海洋堆積層が海底の長周期地震動の成因であることが分かりました(図5)。シミュレーション結果をスナップショットで見てみると、大阪平野や濃尾平野の他に、南海トラフ周辺で強い振幅を持つ地震動が長時間続いていることが分かります(図5a赤色)。この長時間の地震動は、観測データが示していたように(図4)、海域に広がる海洋堆積層への地震波の入射に伴って見られます。また、地震動が長時間続く陸海域は、堆積層の分布(図5b)と良く対応しています。

シミュレーションによる地震波長周期成分の伝播の様子(図5a)。大阪平野や濃尾平野だけでなく、海域においても大きな振幅(赤色)で地震波が伝わり、地震動が長時間継続している様子が分かる。陸海域におけるこのような特徴的な波動場(長周期地震動)が見られる場所は、地震波伝播速度が遅い層が分厚く広がる堆積層の分布と良く対応している(図5b)。
図5.
シミュレーションによる地震波長周期成分の伝播の様子(図5a)。大阪平野や濃尾平野だけでなく、海域においても大きな振幅(赤色)で地震波が伝わり、地震動が長時間継続している様子が分かる。陸海域におけるこのような特徴的な波動場(長周期地震動)が見られる場所は、地震波伝播速度が遅い層が分厚く広がる堆積層の分布と良く対応している(図5b)。

海洋堆積層が海底での長周期地震動の原因となっている可能性については、これまでにも陸上地震計データに対するシミュレーション結果から間接的に示唆されていましたが、本研究は海底強震計で長周期地震動を直接観測し、さらに観測データを用いたシミュレーションにより海洋堆積層が長周期地震動の成因となっていることを直接実証した初めての成果です。

今後の展望

本成果では、「DONET」による緻密な観測と「京」による高解像度シミュレーションにより、海底での長周期地震動の特徴とその成因を具体的に明らかにしました。この地震動は、地震の規模やメカニズムなどの震源要素を解析する際に大きな解析誤差をもたらす可能性が指摘されています。迅速な地震情報を必要とする研究業務や災害現場に混乱をもたらす危険性があることから、本成果による知見を踏まえて、長周期成分を含む海底における地震波動場の特徴を正しく理解し、解析手法の改善や高度化につなげていく必要があります。

研究グループでは今後、長周期地震動の発達過程やその原因となる海洋堆積層の構造についてより詳細な解析を行うとともに、海域で発生する地震に対する防災・減災に向けて、長周期成分の陸域への影響評価や海底観測網データを使った震源要素解析の高度化を進めていきたいと考えています。

用語説明

[用語1] DONET : 海域で発生する地震・津波を常時観測監視するため、JAMSTECが南海トラフ周辺の深海底に設置している地震・津波観測監視システム。紀伊半島沖熊野灘の水深1,900~4,400 mの海底に設置した「DONET1」は、2011年に本格運用を開始し、20点の観測点から成る。各観測点には強震計、広帯域地震計、水晶水圧計、微差圧計、ハイドロフォン、精密温度計が設置され、地殻変動のようなゆっくりした動きから大きな地震動まであらゆるタイプの海底の動きを観測することができる。なお現在、四国沖室戸海盆の水深1,100~4,400 mの海底に「DONET2」を構築中。約30点の観測点から成り、2015年度末の整備完了・運用開始に向け、観測点の設置作業を進めている。

[用語2] 長周期地震動 : 地震波の伝播に伴う周期2秒程度以上の地震動(地面の揺れ)。震源が浅い場合、地球表層を伝わる表面波が観測されやすい周期帯域である。また、ビルや橋などの構造物の固有周期の帯域でもあり、地震波と共振して、構造物で大きな揺れが観測されることがある。なお、周期2-20秒の帯域の地震動を「やや長周期地震動」と呼ぶことがある。

[用語3] スーパーコンピュータ「京」 : 文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」プログラムの中核システムとして、理化学研究所と富士通が共同で開発した、計算速度10ペタフロップス級のスーパーコンピュータ。

論文情報

掲載誌 :
Scientific Reports
論文タイトル :
Long-period ocean-bottom motions in the source areas of large subduction earthquakes
著者 :
中村武史1、竹中博士2、岡元太郎3、大堀道広4、坪井誠司1
1海洋研究開発機構、2岡山大学、3東京工業大学、4福井大学
DOI :

問い合わせ先

(本研究について)
国立研究開発法人海洋研究開発機構
地震津波海域観測研究開発センター
技術研究員 中村武史

Email : t_nakamura@jamstec.go.jp
Tel : 045-778-5416

(報道担当)
国立研究開発法人海洋研究開発機構
広報部 報道課長 松井宏泰

Tel : 046-867-9198

国立大学法人岡山大学 広報・情報戦略室

Email : www-adm@adm.okayama-u.ac.jp
Tel : 086-251-7292

東京工業大学 広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

国立大学法人福井大学 広報室 室長 本多宏

Email : sskoho-k@u-fukui.ac.jp
Tel : 0776-27-9850

東京工業大学と三井住友銀行の産学連携の取り組みについて

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国立大学法人東京工業大学(学長:三島良直、以下「東京工業大学」)と株式会社三井住友銀行(頭取:國部 毅、以下「三井住友銀行」)は、デザイン思考を活用した、サービス向上、及び同手法を活用した金融教育を推進する目的で、産学連携での取組を開始いたします。

梅室博行教授

梅室博行教授

IT・ネット社会の進展は、技術的な革新のみならず、価値観やライフスタイルの多様化をもたらしております。このような現代では、従来にも増して潜在的なニーズを見付け出し、新たなユーザー体験を生み出すことが重要となっています。

そうした中、近年、デザイン思考は、観察を通じて得られる人々の行動や思考に関する洞察を元に潜在ニーズを掘り起こし、仮説を立案、検証し、改善を重ねながらモノやサービスを創り出す創造的なアプローチとして、製造業のみならずサービス業においても注目を集めています。

東京工業大学と三井住友銀行は、平成16年に「産学連携協力に関する協定書」を締結しております。今般、本学の大学院社会理工学研究科経営工学専攻梅室博行教授(サービスデザインの中心でもある「ヒト」を核とした各種研究を専門)は、三井住友銀行と協働し、デザイン思考を活用した新たなサービスの創出に取り組んでいきます。

問い合わせ先

東京工業大学 広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

平成27年度永年勤続者表彰式 48名を表彰

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11月19日、大岡山キャンパス西8号館10階 情報理工学研究科大会議室において、平成27年度永年勤続者表彰式が行われ、48名が表彰を受けました。

この表彰は、永年(他国立大学等を含む勤続20年(うち本学勤務10年以上))職務に精励した職員を対象としています。

表彰式では、三島学長から一人一人に表彰状の授与と記念品の贈呈が行われ、永年の功労に対して祝辞が送られました。続いて、表彰を受けた教職員を代表して大学院総合理工学研究科 原正彦教授からの謝辞がありました。

  • 学長祝辞

    学長祝辞

  • 原正彦教授による代表謝辞

    原正彦教授による代表謝辞

平成27年度東京工業大学永年勤続表彰者一覧

所属
職名
氏名
大学院理工学研究科 数学専攻
助教
田辺 正晴
大学院理工学研究科 数学専攻
教授
柳田 英二
大学院理工学研究科 基礎物理学専攻
助教
綿引 芳之
大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻
教授
綱川 秀夫
大学院理工学研究科 物質科学専攻
教授
安藤 慎治
大学院理工学研究科 機械制御システム専攻
教授
藤田 政之
大学院理工学研究科 機械制御システム専攻
准教授
伏信 一慶
大学院理工学研究科 電気電子工学専攻
教授
安岡 康一
大学院生命理工学研究科
教授
梶原 将
大学院生命理工学研究科 生命情報専攻
准教授
川上 厚志
大学院生命理工学研究科 生物プロセス専攻
准教授
蒲池 利章
大学院生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻
教授
田口 英樹
大学院総合理工学研究科 物質科学創造専攻
教授
北本 仁孝
大学院総合理工学研究科 物質電子化学専攻
教授
原 正彦
大学院総合理工学研究科 材料物理科学専攻
教授
平山 博之
大学院総合理工学研究科 環境理工学創造専攻
教授
山中 浩明
大学院総合理工学研究科 環境理工学創造専攻
助教
辻 潔
大学院総合理工学研究科 人間環境システム専攻
教授
元結 正次郎
大学院総合理工学研究科 人間環境システム専攻
教授
盛川 仁
大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻
教授
渡邊 澄夫
大学院情報理工学研究科 情報環境学専攻
教授
中島 求
大学院イノベーションマネジメント研究科
教授
宮崎 久美子
精密工学研究所 精機デバイス部門
教授
進士 忠彦
精密工学研究所 精機デバイス部門
准教授
松村 茂樹
原子炉工学研究所 システム・安全工学部門
教授
飯尾 俊二
像情報工学研究所 応用画像部門
准教授
小尾 高史
フロンティア研究機構
教授
原 亨和
留学生センター
准教授
平川 八尋
外国語研究教育センター
准教授
薩摩 竜郎
放射線総合センター
助教
富田 悟
総務部総務課 法規グループ
グループ長
橋口 美希
総務部企画・評価課 総合企画グループ
グループ長
佐藤 雅志
総務部企画・評価課 評価グループ
主任
宮崎 晃
財務部主計課
専門職
城戸 陽
財務部契約課 第二事務区契約グループ
グループ長
田中 顕
学務部教務課 総務グループ
グループ長
藤原 則雄
研究推進部情報図書館課 総務グループ
スタッフ
原 和敬
施設運営部 施設総合企画課
課長
木村 吉宏
施設運営部施設総合企画課 企画・計画グループ
グループ長
樋口 豊
施設運営部施設総合企画課 安全企画室安全企画グループ
主任
髙井 美智子
施設運営部施設総合企画課 安全企画室安全管理グループ
主任
原 美和子
すずかけ台地区事務部 総務課総務・研究所グループ
主任
上里 義之
大岡山第一事務区 工学系事務第2グループ
グループ長
木内 哲朗
大岡山第一事務区 工学系事務第2グループ
主任
岡村 由紀子
大岡山第二事務区 社会理工等グループ
主任
小泉 典子
大岡山第二事務区 原子炉研グループ
グループ長
大作 修久
田町地区事務区 総務・管理グループ
主任
金子 明央
技術部ナノ支援センター
技術職員
後藤 洋子

(所属順・敬称略)

記念写真
記念写真

問い合わせ先

総務部人事課労務室

Email : jin.iku@jim.titech.ac.jp

平成27年度「東工大特別賞」を授与

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11月19日に東工大特別賞の授与が行われました。この表彰は、多年にわたって研究教育の円滑な推進に寄与し、かつ、勤務成績が優秀と認められる大学職員に対し行われているものです。今年度は3名が表彰を受けました。

表彰式では、三島学長より表彰状の授与と報奨金目録の贈呈が行われました。

今回受賞した職員は次のとおりです。

平成27年度「東工大特別賞」受賞者

  • 研究推進部情報基盤課 事務職員(主査) 井上 進
    受賞理由 「全学認証基盤と共通メールシステムの安定運用を支える多大な貢献」
  • バイオ研究基盤支援総合センター 教務職員 五十嵐 敏美
    受賞理由 「利用者管理システムの開発と改善による放射線業務への全学的貢献」
  • 精密工学研究所 助教 坂口 孝浩
    受賞理由 「研究所附属研究センターにおける研究支援に対する多大な貢献」

記念写真記念写真

問い合わせ先

総務部人事課労務室

Email : jin.iku@jim.titech.ac.jp

平成27年度「東工大挑戦的研究賞」授賞式を実施―独創性豊かな若手研究者に―

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平成27年度「東工大挑戦的研究賞」授賞式が11月30日に行われました。

受賞者との記念撮影
受賞者との記念撮影

相川准教授によるプレゼンテーション

相川准教授によるプレゼンテーション

授賞式では、三島学長から受賞者に賞状の授与及び今後さらなる活躍を期待する旨の激励の言葉があり、ついで受賞者代表3名から、採択された研究課題についてのプレゼンテーションが行われました。

この賞は、本学の若手教員の挑戦的研究の奨励を目的として、世界最先端の研究推進、未踏分野の開拓、萌芽的研究の革新的展開又は解決が困難とされている重要課題の追求等に果敢に挑戦している、独創性豊かな新進気鋭の研究者を表彰するものです。第14回目の今回は10名が選考されました。なお、受賞者には支援研究費が贈呈されます。

平成27年度「東工大挑戦的研究賞」受賞者一覧

氏名
所属
職名
研究課題名( * は学長特別賞)
大学院理工学研究科(理学系)
物性物理学専攻
准教授
* 新奇物性開拓に向けた真空中の超低温ナノ粒子系の実現
大学院理工学研究科(理学系)
化学専攻
准教授
* 有機高分子半導体と金属錯体を融合したCO2還元光触媒の創出
大学院総合理工学研究科
物質電子化学専攻
助教
* 革新的ナノ分光計測法の開拓
大学院理工学研究科(理学系)
数学専攻
准教授
測度距離空間上の確率解析と最適輸送理論
大学院生命理工学研究科
生体システム専攻
准教授
生物の多様性を生み出す分子基盤の解明
大学院生命理工学研究科
生命情報専攻
講師
ヒト腸内環境マルチオミクスデータを用いた超早期大腸がんマーカーの発見
資源化学研究所
無機機能化学部門
准教授
金属ナノ粒子の原子数と形を同時に制御する超微細精密合成法の開発
資源化学研究所
スマート物質化学部門
助教
フォトレドックス触媒が拓くラジカル反応を基盤とした新合成戦略
精密工学研究所
共通部門基盤研究分野
准教授
人工心臓装着患者のクオリティ・オブ・ライフの向上
応用セラミックス研究所
材料融合システム部門
助教
木質高層建築を実現・普及させる効率的な制振設計法の開発

(所属順・敬称略)


「第38回My Study Abroad 留学報告会」開催報告

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10月27日の昼休みに、My Study Abroad 留学報告会を開催しました。国際室が募集するプログラムにより留学した学生によるこの報告会は、授業期間中、月1~2回開催されています。

バーネットさんが発表中の会場の様子
バーネットさんが発表中の会場の様子

今回は派遣交換留学プログラムとTiROP(グローバル理工系リーダー養成協働ネットワーク)により留学した4名の学生が発表しました。

派遣交換留学

所属・学年
氏名
留学先
大学院理工学研究科
化学工学専攻 修士1年
篠田誠司さん
ミュンヘン工科大学/ドイツ
大学院情報理工学研究科
情報環境学専攻 修士2年
佐藤大地さん
スウェーデン王立工科大学/スウェーデン
大学院理工学研究科
建築学専攻 修士2年
ヒューストン・フィリップス・バーネットさん
スイス連邦工科大学チューリッヒ校/スイス

TiROP

所属・学年
氏名
留学先
大学院理工学研究科
地球惑星科学専攻 修士1年
田川翔さん
カリフォルニア大学バークレー校/アメリカ

篠田さんは、ドイツのミュンヘン工科大学に1年間留学しました。ドイツ人学生は学習意欲が高く、大変刺激を受けたと報告しました。寮では、他大学の学生や留学生とも交流を深めたそうです。語学の上達に加え、世界各国の様々な価値観を持つ人々との出会いにより考え方が変わり、かけがえのない友達や思い出ができたので、留学はおすすめです、と説明しました。留学を体験して、海外赴任制度がある企業に就職するという未来像が描けたそうです。また、1年間の留学費用は旅行も含めて約200万円で、留学期間中は月8万円の奨学金を受給したのことでした。

世界各国の友達と(篠田さんは左から3人目)
世界各国の友達と(篠田さんは左から3人目)

佐藤さんは、ヨーロッパにある大学、英語による授業、住みたい街の3点を考慮してスウェーデン王立工科大学を選びました。プレゼンテーションの際に教授等から厳しい批評を受けては、奮起を促されて勉強したそうです。余暇には、豊かな森と湖でのスローライフや近隣諸国への旅行を楽しみました。将来について漠然と悩んでいた佐藤さんは「留学という寄り道をきっかけに、日本でやりたい仕事に巡り合うことができた。また、何でも積極的に行動することの大切さを学んだ」と留学の果たした役割について語りました。佐藤さんも、1年間の留学費用は旅行も含めて約200万円で、留学期間中は月8万円の奨学金を受給していたそうです。

学内のスタジオで(佐藤さんは右端)
学内のスタジオで(佐藤さんは右端)

アメリカから東工大に留学中のバーネットさんは、スイス連邦工科大学チューリッヒ校で1学期間を過ごしました。派遣交換留学に合わせて、ヴェニスで建築プロジェクトに参加し、香港でインターンシップを行いました。世界各地で得た建築の経験は貴重なものとなったようです。

日本政府(文部科学省)奨学金を受給せず、私費で正規課程に在籍する留学生であれば、派遣交換留学プログラムに参加することができます。
報告する田川さん

報告する田川さん

最後に、TiROPによりカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)に留学した田川さんが報告しました。英語のコミュニケーション能力の向上や研究技術の習得に加え、視野が広くなり、考え方に大きな影響を受けた、と留学を振り返りました。英語が得意ではなかった田川さんは、2年前にまず、TASTE(Tokyo Tech Abroad Short-Term Education)海外短期語学学習を利用してUCバークレーに語学留学をしました。この時に自信をつけ、留学の楽しさを発見した田川さんは、今回はTiROPに応募し、3ヶ月間研究をするためにUCバークレーへ向かいました。今回の留学は、再度研究のため渡米する機会につながったそうです。留学を考えている学生に向けて、「小さな一歩を踏み出せば、次はそこから見えてくる。留学の負担は小さくないが、人生の糧となる何かをつかめる」と力強い言葉で報告会を締めくくってくれました。田川さんの留学費用は3ヶ月で約80万円だったそうです。

東工大基金

この海外派遣プログラムは東工大基金により実施されています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

問い合わせ先

国際部留学生交流課派遣担当

Email : hakenryugaku@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-7645

役員会トピックス:企画戦略本部を設置し、大学運営に係る戦略を一元化

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役員会は、東工大における最高意思決定機関です。東工大では毎月2回役員会を開催し、大学の組織、教育、研究などについて、審議し決定しています。

12月4日の会議で承認された、意欲的で新しい取り組みについて、紹介します。

企画戦略本部を設置し、大学運営に係る戦略を一元化

2016年4月、学長のリーダーシップのもと、本学運営に係る戦略の立案を一元的に統括する企画戦略本部を設置します。

  • 教育研究に関する事項
  • 人材、スペース、財政および研究インフラの資源配分等のガバナンスにかかる事項
  • 国内外大学、研究機関、企業及び国際機関との世界的視野に立った連携に関する事項

等を所掌し、世界最高の理工系総合大学の実現という長期目標の達成を目指します。

国際アドバイザリーボードを新設

国際的視野を持つ学外有識者を委員に迎え、その豊富な知見に基づき、本学の運営や教育研究活動等について、学長へ広く助言を行う組織として、国際アドバイザリーボードを設置します。国際通用性のある教育研究システムの構築に取り組みます。

その他の主な審議事項

  • UNESCOバンコク事務所との全学協定の新規締結について

東工大スパコンTSUBAME-KFC/DLがスパコンの省エネ性能ランキングで世界2位を獲得

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次世代TSUBAME3.0に向けたプロトタイプシステム、オイルによる冷却システムを備えた「TSUBAME-KFC/DL」[用語1]がスパコンの省エネランキングGreen500 Listの2015年11月版において世界2位を獲得しました。

東京工業大学学術国際情報センター(GSIC)が、日本電気株式会社(NEC)、米国NVIDIA社など内外各社の協力で開発したスーパーコンピュータ「TSUBAME-KFC/DL」がスパコンの省エネランキングであるThe Green 500 Listouter[用語2]の2015年11月版において1ワットあたり5,331.79メガフロップス[用語3]という値を記録し、世界2位になったことが11月18日に発表されました。低炭素社会の実現に向けた日米合同の技術リーダーシップを示したといえます。

液浸冷却を使用するTSUBAME-KFC/DLの計算ノード群
液浸冷却を使用するTSUBAME-KFC/DLの計算ノード群

近年重要性が増している深層学習(Deep Learning)などを加速させるために2015年10月にTSUBAME-KFCに搭載されるGPU[用語4]をTesla K20XからK80へアップグレードし大幅な処理速度向上を実現しています。このDeep Learningという言葉を加え、システム名をTSUBAME-KFC/DLと変更しています。主目的ではありませんが、新システムでGreen 500 Listの指標で再計測を行った結果、1ワットあたりの性能が約1000メガフロップスも向上していることが確認されました。TSUBAME-KFCは今回を含めて5期連続でGreen 500 Listの上位5位以内にランクされています(1位、1位、3位、5位、2位)。

TSUBAME-KFCはTSUBAME2.0の後継となるTSUBAME3.0及びそれ以降のためのテストベッドシステムとして、同センターが推進する文部科学省概算要求「スパコン・クラウド情報基盤におけるウルトラグリーン化技術」プロジェクトによって設計・開発されたものです。同プロジェクトではスーパーコンピュータの消費電力とそれに係る冷却電力の双方の削減を目標としており、TSUBAME-KFCでは計算ノードを循環する油性冷却溶媒液の中に計算機システムを浸して冷却する油浸冷却技術及び冷却塔による大気冷却の組み合わせによって非常に少ない消費電力で冷却できるように設計しています。

TSUBAME-KFC/DLシステムは42台の計算ノードとそれらを接続するFDR InfiniBandネットワークで構成されています。各計算ノードは1UサイズのサーバにIntel Xeon E5-2620 v2プロセッサ(Ivy Bridge EP)を2基、GPUとしてNVIDIA Tesla K80 ボード(1ボードあたり2GPUを搭載)を4ボード搭載しており非常に高密度になっています。また、42ノードを1つの油浸ラックに収容するコンパクトな設計になっています。システム全体の理論ピーク演算性能は倍精度で318テラフロップス、auto-boost機能を加味すると493テラフロップスになります。さらに単精度では951テラフロップス、auto-boost機能を加味すると1476テラフロップスと、1ラックあたりの性能が1ペタフロップスを超えています。

今回の結果は、東工大学術国際情報センターにおいて省電力化を目指して行われてきた種々の研究成果が結実したものと言えます。ウルトラグリーン化プロジェクトだけでなく、同センターにおける科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(JST-CREST)における「ULPHPC(超低消費電力高性能計算)」「EBD:次世代の年ヨッタバイト処理に向けたエクストリームビッグデータの基盤技術」などの基礎研究プロジェクト、また米国NVIDIA社との数年来の共同研究プロジェクトにおいて、最新技術であるGPUのスパコンにおける大幅活用やHPCシステムの省電力化の研究などが続けられてきました。それらの成果をもとに、NECと米国NVIDIA社を中心に、米国Green Revolution Cooling社、米国Super Micro Computer社、米国インテル社、Mellanox社などが加わった企業と共同開発が行なわれました。

用語説明

[用語1] TSUBAME-KFC/DL : TSUBAME Kepler Fluid Cooling/Deep Learningが語源。TSUBAME2.5と同様にNVIDIA社のKepler世代GPUを搭載していますが、TSUBAME-KFCでは計算ノードを液体に浸けて冷却している特長から名づけられています。

[用語2] The Green 500 List : スパコンのベンチマーク速度性能を半年ごとに世界1位から500位までランキングするThe TOP 500 Listに対して、近年のグリーン化の潮流を受けTOP500のスパコンの電力性能(速度性能値 / 消費電力)を半年ごとにランキングしているリスト。

[用語3] ペタフロップス(Peta flops)、テラフロップス(Tera flops) : フロップスは1秒間で何回浮動小数点の演算ができるかという性能指標。ギガ(10の9乗)、テラ(10の12乗)、ペタ(10の15乗)など。

[用語4] GPU(Graphics Processing Unit) : 本来はコンピュータグラフィックス専門のプロセッサだったが、グラフィックス処理が複雑化するにつれ性能および汎用性を増し、現在では実質的にはHPC用の汎用ベクトル演算プロセッサに進化している。

問い合わせ先

東京工業大学 広報センター プレス担当

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

東工大が平成27年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受彰

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東京工業大学は平成27年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰 技術開発・製品化部門を7者と共同受彰しました。

表彰式にて共同受彰者集合写真(坂井教授は右から4人目)
表彰式にて共同受彰者集合写真(坂井教授は右から4人目)

地球温暖化防止活動環境大臣表彰は、環境省が地球温暖化対策を推進するための一環として、毎年、地球温暖化防止月間である12月に行っているものです。地球温暖化防止に顕著な功績のあった個人又は団体が受彰対象です。技術開発・製品化部門では、温室効果ガスの排出を低減する優れた技術の開発によりその製品化を進めたことに関する功績が表彰されます。

12月2日に飯野ビルディング イイノホール&カンファレンスセンターにおいて、表彰式と受彰者フォーラムが開催され、受彰者が活動・概要の発表を行いました。

受彰者

株式会社竹中工務店、鹿島建設株式会社、国立大学法人東京工業大学、日鉄住金高炉セメント株式会社、株式会社デイ・シイ、太平洋セメント株式会社、日鉄住金セメント株式会社、竹本油脂株式会社(8者共同)

受彰理由

エネルギー・CO2ミニマム(ECM)セメント・コンクリートシステムによる建設構造物の省CO2の実現

副賞の盾

副賞の盾

CO2発生量を従来のセメントより6割以上削減できる製鉄所の廃棄物である高炉スラグを多量に使用したECMセメントを開発。従来困難だったCO2発生抑制と施工性・強度発 現性・耐久性等の基本性能の両立を果たしたECMコンクリート・地盤改良技術を確立し、適用の仕組みを整備しました。建設時の省CO2とコンクリート構造物の品質を両立しています。コンクリート構造体と地盤改良体の合計7件に適用し、従来より、エネルギー・CO2原単位を30~60%削減、計1300t以上のCO2を削減しました。持続可能な発展を志向する、サステナブル社会の実現への貢献が評価されました。

今回の受彰を受けて、研究開発に関わった本学大学院理工学研究科材料工学専攻 坂井悦郎教授は以下のようにコメントしています。

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)から補助を受け、2008年から2010年度の先導研究、2011年度から2013年度の実用化研究を行った成果です。材料開発から実用まで7社1大学で一貫した体制で開発した珍しい研究開発例ではないでしょうか。詳しい内容は、東京工業大学生活協同組合が発行する、研究室紹介を目的としたフリーペーパー LANDFALLouterに特集されています。

表彰状授与
表彰状授与

AESセンター第8回シンポジウム開催報告~分散型エネルギーインフラと地域活性化

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東京工業大学ソリューション研究機構先進エネルギー国際研究センター(AESセンター)は、11月9日、大岡山キャンパスの東工大蔵前会館で「オープンイノベーションが牽引する分散型エネルギーインフラと地域活性化」をテーマとしたシンポジウムを開催しました。約200名の参加がありました。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

開会挨拶で大谷清理事・副学長は、今回のシンポジウムで地域のスマート化の意味や分散型エネルギーシステムのあり方を議論し、方向性を見出すことに期待を寄せました。

特別講演では、総務省の猿渡知之大臣官房審議官が、同省で進めている「分散型エネルギーインフラプロジェクト」の取り組みを紹介しました。地域では給湯・暖房等の熱需要が多く、熱インフラ[用語1]の整備がカギとのことです。自治体が主体となって、こうした地産池消のエネルギーシステム構築に向け、大学の知見を組み合わせて推進したい、と熱く語りました。

  • 大谷理事・副学長

    大谷理事・副学長

  • 猿渡知之氏

    猿渡知之氏

つづいて、柏木孝夫AESセンター長、波多野睦子大学院理工学研究科教授、金谷年展AESセンター特任教授が、大学のオープンイノベーションと地域活性化について意見を交わしました。環境エネルギー協創教育院outer[用語2]の院長でもある波多野教授は、大学の立場から、高い専門性を持つと同時に実プロジェクトをリードできる人材の育成を目指している、と説明しました。金谷特任教授は、地域活性化について、エネルギー事業と6次産業化[用語3]等を組み合わせたサービスを地域ごとに作ることが、地域の強靭化につながると示唆しました。柏木センター長は、知行合一[用語4]の精神で「大学の知とAESのソリューション(解決策)をシームレス(継ぎ目の無い)につなげていく体制が重要」とまとめました。

柏木センター長(左)、波多野教授(中央)、金谷特任教授(右)
柏木センター長(左)、波多野教授(中央)、金谷特任教授(右)

また、パネルディスカッションでは、「地域活性化プロジェクト実現への提言」をテーマに、ビジネスの観点から地域活性化プロジェクトへの道筋を議論しました。まず各登壇者が、自身の関わる事業を紹介しました。

  1. 1.「地域社会におけるエネルギーを起点とした活性化」
    株式会社NTTファシリティーズ 眞木勝郎 理事・スマートビジネス本部長
  2. 2.「『東京ガスの進めるスマートエネルギーネットワーク』スマエネの実装・導入拡大」
    東京ガス株式会社 村関不三夫 常務執行役員
  3. 3.「水素社会実現に向けた取り組み」
    JX日鉱日石エネルギー株式会社 五十嵐仁一 常務執行役員
  4. 4.「地域インフラに関する取り組み」
    株式会社東芝 西田直人 執行役専務
  5. 5.「顧客・地域との協創による社会イノベーション事業の推進」
    株式会社日立製作所 野本正明 エネルギーソリューション社社長
  6. 6.「三菱商事の環境事業に関する取り組み」
    三菱商事株式会社 柏木豊 地球環境・インフラ事業グループ環境事業本部本部長

それぞれの過程や課題等が示され、コーディネーターの小鑓隆史 AESセンター特任教授は、プロジェクトを進めるには産官学民公それぞれが中心となって分野を統合・推進することが大事であると延べました。まとめ役を担うであろうAESのオープンイノベーション[用語5]の重要性が強調されました。

佐藤副学長・AES副センター長

佐藤副学長・AES副センター長

総括では、佐藤勲 副学長・AES副センター長が登壇しました。AESの今後の役割として「地域活性化に向け、社会科学的視点を含めたシステムの提案を推進することが必要」と結論し、閉会しました。

用語説明

[用語1] 熱インフラ :インフラはインフラストラクチャーの略で、産業や生活の基盤として整備される施設のこと。熱インフラとは、熱を発生させたり、蓄えたり、供給したりするための設備。

[用語2] 環境エネルギー協創教育院 : 大学院理工学研究科、大学院総合理工学研究科、大学院社会理工学研究科、大学院イノベーションマネジメント研究科が参加する教育プログラム。
環境とエネルギーの両分野において高度な専門性を有し、問題を複眼的視点から判断できる俯瞰力、的確かつ迅速な自立的課題抽出・解決力、国際的リーダーシップ力を兼ね備え、イノベーションを牽引できる人材を養成することを目的とする。

[用語3] 6次産業化 : 第一次産業である農業や水産業が、食品加工・流通販売など、第二次産業や第三次産業にまで踏み込むこと。

[用語4] 知行合一 :本当の知は実践を伴わなければならないということ。

[用語5] オープンイノベーション : 内部と外部の技術やアイデア、サービスなどを組み合わせ、課題を解決し、革新的で新しい価値を創り出すこと。

お問い合わせ先

ソリューション研究機構 先進エネルギー国際研究センター
TEL:03-5734-3429
Email : aescenter@ssr.titech.ac.jp

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