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東工大将棋部 多々納守さんが朝日アマチュア将棋名人戦全国大会4位入賞

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3月12日、13日に東京都港区のチサンホテル浜松町で開催された「第39回朝日アマチュア将棋名人戦全国大会(朝日新聞社主催、日本将棋連盟後援、日本アマチュア将棋連盟協力)」で、東京工業大学 工学部機械科学科3年の多々納守さんが首都圏代表の1人として朝日アマ名人への挑戦権をかけて出場し、4位の成績を残しました。

朝日アマチュア将棋名人戦全国大会とは

全国大会の会場
全国大会の会場

全国大会では、首都圏・関西・東海などの地域予選により選ばれた32人の出場者達が、5回戦のトーナメント方式で争います。出場者の平均年齢は30.4歳で、昨年より約1歳若返り、その内訳は10代が5人、20代が12人、30代が8人、40代が5人となりました。また、昨年は40代まででしたが、今年は50代が2人出場し、世代の幅が広がりました。

全国大会の優勝者は朝日アマチュア将棋名人への挑戦者として、前年度の名人に3番勝負で挑む仕組みになっています。組み合わせは、1回戦で東日本勢と西日本勢が対戦するように抽選されました。

持ち時間は一局50分、時間切れの場合は一手60秒未満で指すルールです。決勝戦のみ一局60分、時間切れの場合は一手60秒未満となりました。持ち時間が他のアマチュア大会と比べ非常に長く、大熱戦だと一局で4時間近くかかる将棋も見られました。

12日は準々決勝まで(3局)、13日は準決勝と決勝、3位決定戦(2局)があり、多々納さんは12日に3連勝し4強入りを決め、翌日13日には敗れたものの全国4位が決定しました。ベスト8に入った選手は、プロと対戦する第10回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)への出場権を得ます。4位に入賞した多々納さんは、6月18日に予定されている開幕戦・プロアマ一斉対局で、アマチュア代表として新鋭のプロ棋士と戦う権利を得ました。

多々納守さんのコメント

多々納守さん
多々納守さん

今回はアマチュア将棋の大きな大会で、首都圏代表として全国大会に出場し、よい成績を残すことができとても嬉しいです。今年1月初旬に行われた、全国オール学生将棋選手権では準優勝となり悔しい思いをしましたが、本大会と合わせ今年は開幕から結果を残すことができています。調子は上向いてきており、私自身手ごたえを感じています。

大学では将棋部に所属して、学生大会にも出場しています。関東学生将棋連盟の団体戦(各大学から7人ずつ出場する団体戦)では、東工大将棋部は現在A級リーグに在籍しており、強豪チームの一つです。東工大将棋部の仲間たちと一緒に、来期もA級リーグにとどまって優勝を目指して戦いたいと思っています。腕に自信のある方や、楽しみたい方も、ぜひ将棋部に遊びにきてください。

表彰式の様子(右端が多々納さん)
表彰式の様子(右端が多々納さん)


コンピュータビジョン・ヒューマンビジョン・あなたのビジョン2016 開催報告

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3月30日、大岡山キャンパス石川台7号館において、中高生向け体験授業「コンピュータビジョン・ヒューマンビジョン・あなたのビジョン」が開催されました。このプログラムは、東京工業大学基金事業の支援を受け、実施されました。

赤青メガネで立体視の体験
赤青メガネで立体視の体験

「コンピュータビジョン・ヒューマンビジョン・あなたのビジョン」は、機械系を専門とする葭田貴子准教授と田中正行准教授が、互いに異なる専門知識を生かして2014年から実施している体験型講義のシリーズです。例えば、3Dシアターの原理を理解するためには、どのように画像を生成するかという工学技術(コンピュータビジョン)だけでは不十分で、人の視覚の科学(ヒューマンビジョン)の知識も必要です。

オーロラ立体視の体験
オーロラ立体視の体験

両眼ステレオ視を体験しながら3Dカメラを操作
両眼ステレオ視を体験しながら3Dカメラを操作

今回は、中高生に未来に向けたビジョンを考えて欲しいと思い、ベンチャー企業を創業され、現在CEOである青木崇行氏を招いた講演も実施しました。科学、工学だけでなく社会との接点も得られるイベントとなっています。

さらに、体験を重視して、赤青メガネによる立体視体験や、自分で立体画像を手書きしてみる体験などを実施しています。参加者には、赤青フィルムによるアナグリフ眼鏡と、スマートフォンにより簡易ヘッドマウントディスプレイを作るためのレンズのついた小さな箱が配布されました。自身の身体で立体視を体感するためのしかけです。また、これらを持ち帰ることで、大学で得た体験を、自宅に帰ってからも家族や学校関係者と共有できるようになっています。

赤青メガネの仕組みの説明
赤青メガネの仕組みの説明

配布される赤青メガネと簡易VRゴーグル
配布される赤青メガネと簡易VRゴーグル

赤青ペンで飛び出す絵の作成に挑戦
赤青ペンで飛び出す絵の作成に挑戦

その場でステレオカメラで撮影し、赤青メガネ用の映像を表示
その場でステレオカメラで撮影し、赤青メガネ用の映像を表示

このように理工系の枠にとどまらず、参加された中高生はもちろん、保護者の方からも高評価が得られ、充実したイベントとなりました。

東工大基金

このイベントは東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

紙おむつの材料から新しいカルシウムセンサーを開発

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紙おむつの材料から新しいカルシウムセンサーを開発
―細胞外の高濃度カルシウムイオン機能の解明に前進―

要点

  • ポリアクリル酸を原料とし、高濃度条件下で微小のカルシウム濃度変化を検出可能なゲル状のイオンセンサーを開発
  • 得られたセンサーは大面積シート状、微粒子状など様々な形状に成形加工可能
  • 細胞外カルシウムイオンの濃度変化・濃度分布の可視化技術への応用が期待

概要

東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所(旧資源化学研究所)の石割文崇助教、福島孝典教授らの研究グループは、東京大学の染谷隆夫教授、奈良県立医科大学の西真弓教授、堀井(林)謹子助教と共同で、細胞外の高濃度のカルシウムイオンの濃度変化を捉えるゲル状のカルシウムセンサーを開発することに成功しました。このセンサーは様々な形状に成形加工でき、安価で大量生産も可能であることから、今後、情報伝達物質として注目されている細胞外カルシウムの機能解明に関する研究だけでなく、食品や環境中のカルシウムイオン濃度検査などへの応用も期待されます。

近年、生体内で様々な機能を果たしている細胞外のカルシウムイオンの濃度変化を可視化できる蛍光カルシウムセンサー[用語1]の開発が望まれています。研究グループでは、生体内の細胞外カルシウムセンサータンパク質(CaSR[用語2])の「カルボン酸[用語3]の連続構造」をヒントに、類似の構造を有する汎用合成ポリマーであるポリアクリル酸[用語4]に注目しました。ポリアクリル酸に特殊な色素を取り付けたポリマーを合成したところ、細胞外で起こるカルシウム濃度変化の検出に適したセンサーとして機能することを見出しました。本研究は科学技術振興機構ERATO「染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクト(研究総括:染谷隆夫東京大学教授)」研究の一環で、成果は、2016年4月12日に英国科学雑誌「Scientific Reports」(オンライン)に掲載されました。

研究の背景

カルシウムイオンが細胞内で情報伝達物質として機能することは古くから知られており、細胞内の低濃度のカルシウムイオンを可視化する蛍光カルシウムセンサーの開発は1980年代から盛んに行われてきました。一方で、細胞外のカルシウムイオンは、2000年ごろに情報伝達物質としての役割が明らかにされ、次世代の観測対象として注目されています。しかし、その濃度変化を可視化できる蛍光カルシウムセンサーはこれまでありませんでした。

従来の細胞内用の蛍光カルシウムセンサーは、水溶性の合成分子や生体分子からできており、たとえセンサーの感度を細胞外カルシウム濃度検出用に調整できたとしても、水溶性のセンサーは細胞外領域では観察点から流れ出してしまうという大きな問題があります。したがって、細胞外でのカルシウム濃度変化・濃度分布の検出(カルシウムイメージング)には従来の水溶性の蛍光カルシウムセンサーとは根本的に異なるシステムを開発する必要がありました。

研究内容と成果

東工大の石割助教・福島教授らの共同研究グループは、細胞外用カルシウムセンサーの新しいシステムの開発にあたり、生体内で細胞外カルシウムの濃度変化を検出しているカルシウムセンサータンパク質CaSRの構造に着目しました(図1)。CaSRは「カルボン酸の連続構造」により細胞外のカルシウムの、1.1 mmol/Lと1.3 mmol/L[用語5]という微小の濃度変化を検出していると言われています。この天然の検出メカニズムにヒントを得て、カルボン酸を連続して有する汎用合成ポリマーである「ポリアクリル酸」を用いることにより、新たなカルシウムセンシングシステムが構築可能ではないかと着想しました。

細胞外カルシウムセンシングタンパク質(CaSR)の模式図と本研究の着想

図1. 細胞外カルシウムセンシングタンパク質(CaSR)の模式図と本研究の着想

ポリアクリル酸が高濃度のカルシウムイオンにより、高分子鎖凝集[用語6]を起こすことは古くから知られていました。そこで研究グループでは、ポリアクリル酸の高分子鎖凝集の様子を可視化するために、凝集状態で蛍光性を発現する誘起発光色素[用語7]と呼ばれる特殊な色素をわずか数%、ポリマー鎖に取り付けたところ(図2a)、このポリマーは細胞外濃度に相当する高濃度のカルシウムイオン存在下で大きく発光性を変化させること見出しました(図2b)。さらに、誘起発光色素の導入量を1%ずつ変化させるだけで検出可能なカルシウム濃度領域を連続的に変化させることも可能であり(図2b)、様々なカルシウム濃度条件に適応可能であることも見出しました。

(a)今回開発したカルシウムセンサーのカルシウム検出メカニズムの模式図 (b)センサーが検出可能な濃度領域の模式図 (c)カルシウム検出時の本カルシウムイオンセンサーの写真
図2.
(a)今回開発したカルシウムセンサーのカルシウム検出メカニズムの模式図 (b)センサーが検出可能な濃度領域の模式図 (c)カルシウム検出時の本カルシウムイオンセンサーの写真

興味深いことにこのポリマーセンサーを化学架橋したゲル[用語8]も細胞外領域のカルシウムイオン濃度に適したセンサーとして機能しました。これらのゲル状センサーは不溶性で、従来の水溶性の蛍光カルシウムセンサーと違って拡散しないことから、水中の任意の場所に固定化してカルシウムイオンの拡散を可視化することや、流動する媒体中の1.1 mmol/Lと1.3 mmol/Lという、微小量のカルシウムイオンの濃度変化も繰り返し検出することが可能でした(図3a)。この検出感度は、天然の細胞外カルシウムセンサーであるCaSRの感度に匹敵します。また、このゲル状センサーは大面積シート状や微粒子状など様々な形態のセンサーへと成形加工できます。大面積シート状のセンサーを用いて、マウスの脳スライスの大面積カルシウムイメージングにも成功しました(図3b)。

(a)本センサーによる微小なカルシウム濃度変化の検出 (b)シート状に成形したカルシウムセンサーによるマウスの脳スライスの巨視的カルシウムイメージング
図3.
(a)本センサーによる微小なカルシウム濃度変化の検出 (b)シート状に成形したカルシウムセンサーによるマウスの脳スライスの巨視的カルシウムイメージング

今後の展開

今回、天然の細胞外カルシウムセンサーCaSRのカルシウムセンシングシステムをデザインすることにより、ポリアクリル酸を基盤とするカルシウムセンサーを開発し、このセンサーが生体内の細胞外カルシウム濃度の変化を巨視的(マクロスコピック)に可視化し得ることが示されました。今後このセンサーを用いた細胞外カルシウムダイナミクス解明に向けた研究の進展が期待されます。現在、ERATO「染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクト」ではこのセンサーを用いたカルシウムセンシングデバイスの開発に取り組んでいます。また、このセンサーは汎用ポリマーを主原料とするため安価で大量生産も可能(図2c)であることから、食品や環境中のカルシウムイオン濃度検査などへの応用も期待されます。

本成果は、以下の研究支援により得られました。

  • 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)
  • 研究プロジェクト:
    「染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクト」
  • 研究総括:
    染谷隆夫(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
  • 研究期間:
    平成23年8月~平成29年3月
  • 研究課題:
    研究活動スタート支援
    「新規発光性材料としてのAIEポリマーおよびAIEゲルの開発」
  • 研究代表者:
    石割文崇(東京工業大学資源化学研究所 助教)
  • 研究期間:
    平成24~25年度

用語説明

[用語1] 蛍光カルシウムイオンセンサー : カルシウムイオンと結合すると蛍光性を変化させる試薬。多くの蛍光カルシウムイオンセンサーは細胞内の低濃度カルシウムイオンの濃度変化は検出できるが、細胞外の高濃度のカルシウムイオン濃度変化は検出できない。

[用語2] 細胞外カルシウムセンサータンパク質(CaSR) : 細胞外領域で起こるカルシウムイオンの濃度変化を検知し、細胞内にその情報を伝達する膜貫通タンパク質。CaSR はCalcium Sensing Receptor の略。1993年に構造が明らかにされた。CaSRはカルシウムイオンと強く相互作用する特別な構造は持っておらず、「連続するカルボン酸部位」により、高濃度の細胞外カルシウムイオン濃度変化を検出していると考えられている。古くは、骨、腸、副甲状腺など、細胞外カルシウムイオン濃度を調整する器官にのみ存在すると考えられていたが、最近の研究により、神経細胞を含む様々な細胞にも存在していることが明らかにされ、細胞外カルシウムイオン検出のニーズが高まっている。

[用語3] カルボン酸 : COOHの化学式であらわされる、酸性を示す機能団。C、O、Hはそれぞれ炭素、酸素、水素を表す元素記号。

[用語4] ポリアクリル酸 : カルボン酸を側鎖に有する最も単純な合成ポリマー。このポリマーを化学架橋したゲルは、紙おむつの吸水剤として利用されており、年間約2百万トン生産される汎用ポリマーである。

[用語5] mol/L(モル毎リットル) : 分子の個数に基づく単位(mol = モル)を用いて表現した化学物質の水中の濃度の単位。カルシウムイオン(Ca2+)の場合、1.1 mmol/Lと1.3 mmol/Lはそれぞれ44 mg/Lと52 mg/Lに相当する。

[用語6] 高分子鎖凝集 : 溶媒中でポリマー鎖が大きく広がっている状態から、小さく収縮する様子。

[用語7] 凝集誘起発光色素 : 集合することにより蛍光性示すようになる蛍光色素。テトラフェニルエテンなどプロペラ構造を有する蛍光分子に見られる性質である。分子が分散している状態では、プロペラの回転にエネルギーが使われてしまい蛍光性を示さないが、集合状態ではプロペラが他の分子と衝突するため、プロペラの回転が抑制され、蛍光を発するようになる。

[用語8] 化学架橋したゲル : ポリマーの鎖を架橋剤と呼ばれる連結剤でつなぎあわせ、一つのネットワーク構造にしたもの。溶媒には不溶となり、溶媒を吸収して膨らむ(膨潤する)ようになる。

論文情報

掲載誌 :
Scientific Reports
論文タイトル :
"Bioinspired Design of a Polymer Gel Sensor for the Realization of Extracellular Ca2+ Imaging"
著者 :
F. Ishiwari, H. Hasebe, S. Matsumura, F. Hajjaj, N. Horii-Hayashi, M. Nishi, T. Someya, T. Fukushima
DOI :

問い合わせ先

科学技術創成研究院 化学生命科学研究所
教授 福島孝典

Email : fukushima@res.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5220 / Fax : 045-924-5976

取材申し込み先

東京工業大学 広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

奈良県立医科大学 研究推進課 勝本

Email : katsumoto@naramed-u.ac.jp
Tel : 03-5734-3051

平成27年度「東工大の星」支援STAR 採択者決定

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平成27年度「東工大の星」支援(英語名称:Support for Tokyotech Advanced Researchers 【STAR】)の採択者2名が決定しました。

「東工大の星」支援【STAR】とは、東工大基金を活用し、将来、国家プロジェクトのテーマとなりうる研究を推進している若手研究者や、基礎的・基盤的領域で顕著な業績をあげている若手研究者に対し、大型研究費の支援を行うものです。次世代を担う、本学の輝く「星」を支援します。

受賞者の集合写真 (前列左から)塚原剛彦准教授、中戸川仁准教授 (後列左から)安藤真理事・副学長、三島良直学長
受賞者の集合写真
(前列左から)塚原剛彦准教授、中戸川仁准教授
(後列左から)安藤真理事・副学長、三島良直学長

「東工大の星」支援【STAR】の概要

目的

東工大基金を活用し、本学における優秀な若手研究者への大型支援を実施することにより、本学の中期目標である基礎的・基盤的領域の多様で独創的な研究成果に基づいた新しい価値の創造を促進し、もって、学長の方針に基づく本学の研究力強化に資することを目的とする。

支援対象者

公募によらず、様々な業績を勘案し、学長及び研究戦略室長の協議により選考する。

観点

  • 将来、国家プロジェクトのテーマとなりうる研究を推進している若手研究者
  • 基礎的・基盤的領域で顕著な業績をあげている若手研究者

役職等

若手研究者は准教授以下(原則40歳以下)とする

第3回目の今回は、2名の「星」が学長及び研究戦略室長の協議により選考されました。

所属部局(平成27年度当時)
専攻
職名
氏名
大学院生命理工学研究科
生体システム専攻
准教授
中戸川 仁
原子炉工学研究所
准教授
塚原 剛彦

授与式の様子
授与式の様子

学長との懇談の様子
学長との懇談の様子

東工大基金

この活動は東工大基金によりサポートされています。

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お問い合わせ先

研究推進部研究企画課研究企画グループ

E-mail : kensen@jim.titech.ac.jp

芝田政之 理事・副学長(総務・財務担当)・事務局長 就任挨拶

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2016年4月1日付で就任した、芝田政之 理事・副学長(総務・財務担当)・事務局長からの挨拶をご紹介します。

芝田政之 理事・副学長(総務・財務担当)・事務局長

芝田政之

4月1日付で着任しました。実践は難しいのですが、仕事を進める上で2点大切にしたいと思っています。

1点目は、私心を持たないことです。私利私欲のために仕事をしないのは国立大学法人の役員として当然のことですが、人の好き嫌いや仕事の好き嫌いといった広い意味での私心を持たないように努めます。

2点目は、できるだけ次元を高めて問題の解決を図るということです。具体的に言えば、例えばAさんは「Xが良い」と主張し、Bさんは「Yが良い」と主張し対立したとしましょう。そんな時、次元を上げてZ軸から問題を眺めて解を探すように努めます。

今日の国立大学には、イノベーションの創出とグローバル社会に対応できる人材の養成が期待されています。しかし、そのことは研究者の探求心に基づく地道で長期的にしか成果の出ない研究をおろそかにしていいということではないと考えます。国立大学は、オープンイノベーションを推進すると同時に、幅広い分野でじっくり研究に専念できる環境を維持していく必要があります。また、グローバル社会に対応できる人材養成のためには、専門分野の教育に加えて、外国語を含むコミュニケーション能力、自国文化や異文化理解の能力、広い視野で課題を発見し解を見つける能力を涵養する教育環境を整備しなければなりません。こうした考え方は、現在東京工業大学が進めようとしている教育研究改革の理念と合致していると理解しています。私の職掌の立場からこれらの環境整備に貢献できるように努めます。

最後に事務局長としては、教職協働の実現のために、事務職員が教員の良きパートナーとなれるように人材養成に努めてまいります。事務職員が自信と誇りをもって積極的に企画立案を行い、必要な時にはコンプライアンスのための砦となるくらいの志を持てるような環境の醸成に努めてまいります。

皆様方のご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。

学術国際情報センター(GSIC)、ユネスコバンコク事務所共催 地域シンポジウム開催報告

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2月22日から2月24日の3日間にわたり、東京工業大学(以下、東工大)学術国際情報センター(以下、GSIC)と国連教育科学文化機関(ユネスコ)バンコク事務所(以下、ユネスコバンコク)の共催で、東工大において地域シンポジウムが開催されました。本シンポジウムは、アジア・太平洋地域の研究機関・研究者ネットワーク(Education Research Institute Network in Asia-Pacific)(以下、ERI-Net))の2015年度の研究成果を共有することを目的として行われました。また、マレーシア信託基金、韓国信託基金、韓国教育課程評価院(KICE)補助金、文部科学省(MEXT)補助金の支援を受けて実施されました。

参加者の集合写真
参加者の集合写真

同シンポジウムでは、「国家資格フレームワーク」および「『21世紀型スキル』育成のための教員の指導力向上のための取り組み」の2つの研究テーマに基づき、12カ国の参加国・地域から研究成果が発表され、オーストラリア、中国、インド、日本、マレーシア、モンゴル、ネパール、フィリピン、韓国、スリランカ、タイ、ベトナムからの49名の参加者により活発な議論が行われました。

三島学長(東工大)の挨拶
三島学長(東工大)の挨拶

リビン・ワン氏(ユネスコバンコク教育専門家)の挨拶
リビン・ワン氏(ユネスコバンコク教育専門家)の挨拶

三島学長(東工大)、リビン・ワン氏(ユネスコバンコク教育専門家)の挨拶から始まりました。三島学長はアジア・太平洋地域12カ国からの会議参加者に歓迎の意を表し、そして本シンポジウムが、ユネスコバンコクと東工大の学術交流協定締結後、最初の活動であり、両機関のパートナーシップを更に発展させる機会として大いに期待している、と述べました。

1日目は、高等教育分野の研究テーマである「国家資格フレームワーク」が議論され、9カ国(日本、香港、タイ、オーストラリア、ネパール、フィリピン、スリランカ、韓国、インド)の研究者が研究成果を発表しました。また、高田潤一教授(大学院理工学研究科国際開発工学専攻・開催当時)がユネスコバンコクの情報共有プラットフォーム「アジア・太平洋地域における教育システムと教育ポリシー(National Education Systems and Policies in Asia-Pacific (以下、NESPAP))」の最新状況を報告しました。

NESPAPはユネスコバンコクと東工大の協働のもと、2013年より運営・改善が続けられており、アジア太平洋地域を中心とした活発な情報交換・共有を促進しています。 1日目にはレセプションディナーが開催され、丸山理事・副学長および山田学術国際情報センター長より、歓迎の挨拶がありました。

「National Qualifications Frameworks」について議論

「National Qualifications Frameworks」について議論

「National Qualifications Frameworks」について議論

「National Qualifications Frameworks」について議論

2日目は、もうひとつの研究テーマである「21世紀型スキル」が議論されました。11カ国(オーストラリア、インド、中国、マレーシア、モンゴル、日本、香港、フィリピン、韓国、タイ、ベトナム)の研究者が主な研究結果を発表しました。日本の国別調査結果は、山口しのぶ教授(GSIC)と山本祐規子研究員(GSIC)が東工大研究チームを代表し発表しました。発表では、秋田県独自の工夫が加えられた研修体系や、秋田県の小中学校での研究授業観察からの考察結果、187名の教員から得られたアンケート結果などが報告されました。

「21世紀型スキル(21st Century Skills; Transversal Competencies)」について議論

「21世紀型スキル(21st Century Skills; Transversal Competencies)」について議論

「21世紀型スキル(21st Century Skills; Transversal Competencies)」について議論

「21世紀型スキル(21st Century Skills; Transversal Competencies)」について議論

最終日の3日目には、ERI-Netの運営委員会およびERI-Net事務局から、前日に行なわれた運営委員会での検討内容の報告や次年度の研究トピック案などが話し合われました。

ERI-netのSteering GroupおよびERI-Net 事務局

ERI-netのSteering GroupおよびERI-Net 事務局

ERI-netのSteering GroupおよびERI-Net 事務局

ERI-netのSteering GroupおよびERI-Net 事務局

今回の会議において、「国家資格フレームワーク」と「『21世紀型スキル』育成のための教員の指導力向上のための取り組み」というアジア・太平洋地域の教育で重要なテーマについて質の高い議論が交わされました。GSICとユネスコバンコクの共催シンポジウムは大変実りの多い会議であったとして参加者から高い評価を得つつ閉会しました。本成果はERI-Net事務局でまとめられ、ユネスコバンコクのウェブサイトにて後日広く発信されることとなっています。

お問い合わせ先

研究推進部 情報基盤課 基盤総務グループ

Email : kib.som@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2087

雨宮智宏助教が矢崎学術奨励賞を受賞

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東京工業大学 量子ナノエレクトロニクス研究センター(現・科学技術創成研究院 未来産業技術研究所)の雨宮智宏助教が矢崎学術奨励賞を受賞しました。

本賞は、公益財団法人矢崎科学技術振興記念財団により、日本の科学技術の振興に寄与する目的で1993年に創設され、過去に同財団から研究助成を受けた研究者の中から、優れた業績をあげた研究者に贈られるものです。

受賞式の様子受賞式の様子

雨宮智宏助教雨宮智宏助教

受賞テーマ

メタマテリアルを利用したInPチップ上光無線受信器の創製

受賞コメント

誘電率や透磁率の値を人工的に制御できるメタマテリアルをInP系光通信素子に融合することで、新しいデバイスフロンティアを拓くと考えています。具体的には、光通信周波数(193THz)において外部入力によるメタマテリアルの動的制御を行うとともに、それを利用した全光接続光無線受信器の実現を試みました。

今回、矢崎学術賞という光栄な賞をいただけたことを大変有り難く思います。ご指導頂いた先生方や、研究室のメンバー、共同研究者の皆様に深く御礼申し上げます。今後、より一層研究に邁進して参りたいと考えております。

繰り返しオークションの統一的解析手法を考案―離散最適化分野の理論を駆使―

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概要

東京工業大学工学院経営工学系の塩浦昭義准教授らは、住宅や自動車、さらには空港の発着枠や電波の周波数のような複数の「商品」を扱う繰り返しオークションに対する統一的な解析手法の考案に成功した。離散最適化分野[用語1]における離散凸解析と呼ばれる理論を用いて実現した。

これにより、オークションの異なるモデルに対して独立に提案されていた様々な繰り返しオークションを統一的な視点から理解することができるようになった。さらに、既存の繰り返しオークションをより複雑なモデルに拡張するとともに、離散凸解析における研究成果を生かして、新たな繰り返しオークションを提案した。

研究の背景

オークションの目的はオークションにかけられた商品の勝者を決めることと同時に、商品の「適正な」価格(均衡価格とよばれる)を決めることである。商品の均衡価格の計算には、入札者の希望を聞きながら価格を徐々に修正していく、繰り返しオークションと呼ばれるアルゴリズム(計算方法)がしばしば用いられる。

扱う商品が1つの場合、価格を徐々に上げていき、オークションの勝者と均衡価格を決めるイングリッシュ・オークションがよく用いられる。これは繰り返しオークションの典型例である。

商品の数が1つの場合、繰り返しオークションの解析は比較的容易である。しかし、商品数が複数の場合には各商品に対する入札者の希望が複雑に絡み合うため、繰り返しオークションの解析は困難であり、アルゴリズムの振る舞いは理論的に十分に理解できているとは言いがたい状況であった。

また様々なオークションのモデル(入札者が入手できる商品数が1つか複数か、あるいは各商品の在庫が1つか複数かなど)に応じて様々な繰り返しオークションが提案されている。しかし、それらの関係については明らかにされていない部分が多かった。

一方、離散最適化問題の中には短い計算時間で解ける「易しい」問題もあれば、何時間を費やしてもなかなか解けない「難しい」問題もある。解きやすい離散最適化問題に共通する「良い」数学的な性質を「離散凸性」という視点から明らかにしようという理論が離散凸解析である。離散凸性をもつ問題に対しては局所的最小性が大域的最小性を導くとともに、ある種の双対定理が成り立つので、最適解を見つけやすくなる。

例えば、カーナビなどで使われる、ある地点から目的地への最短経路を求めるという問題(最短経路問題)は「易しい」問題である。これに対し、宅配便による荷物の配送のように、決められた複数の地点を最短距離で巡回する経路を求める問題(最短巡回路問題)は「難しい」問題である。これらは離散凸性と密接な関係があり、前者の最短経路問題は離散凸性をもつので解きやすく、後者の最短巡回路問題は離散凸性をもたないので解きにくいと理解することができる。

研究成果

塩浦准教授らは、商品の均衡価格を計算するという問題が、ある種の離散最適化問題として表現できるという事実を鍵として用いた。この離散最適化問題が離散凸性という数学的に「良い」性質をもつことを明らかにした。

これにより、均衡価格の計算が数学的な観点からみて「良い」構造をもつ問題であることがわかった。また均衡価格の計算に用いられる繰り返しオークションのアルゴリズムの理論的な解析において、離散凸解析の理論における過去の研究成果が適用できることもわかった。

その結果、オークションの異なるモデルに対して独立に提案されていた様々な繰り返しオークションを統一的な視点から理解することができるようになった。さらに、既存の繰り返しオークションをより複雑なモデルに拡張するとともに、離散凸解析における研究成果を生かし、新たな繰り返しオークションを提案した。

離散凸性のイメージ図

図1. 離散凸性のイメージ図

左は離散凸性をもつ関数、右は離散凸性をもたない関数の例である。離散凸性をもつ関数の場合、極小な点は必ず最小になるが、離散凸性をもたない関数の場合は極小であっても最小である保証はない。

用語説明

[用語1] 離散最適化 : 最適化問題とはいくつかの選択肢の集合(解集合)の中から、ある評価尺度(総コスト、総時間、総距離など解に関する関数として表現される)の下で、最も良いもの(最適解)を求めよ、という問題である。最適化問題は解集合の種類によって大きく二分され、液体の量や土地の面積のように解を実数値で表すことができ、連続的に変化できる場合と、解集合がバラバラなものの集まりであって、解を連続的に変化させることができない(離散的な)場合がある。離散的な解集合の典型的な例としては、欲しい商品の組合せや交通ネットワークにおける経路などが挙げられる。離散的な解集合に関する最適化問題のことを離散最適化問題という。離散最適化問題を数学的な視点から解析し、高速・高性能な解法の構築を目指す研究分野が離散最適化である。

論文情報

掲載誌 :
Discrete Optimization, 19, pp.36-62, (2016)
論文タイトル :
Time Bounds for Iterative Auctions: A Unified Approach by Discrete Convex Analysis
著者 :
Kazuo Murota1, Akiyoshi Shioura2, Zaifu Yang3
DOI :
所属 :
1School of Business Administration, Tokyo Metropolitan University, 2Department of Social Engineering, Tokyo Institute of Technology, 3Department of Economics, University of York

問い合わせ先

工学院経営工学系
准教授 塩浦昭義
Email : shioura.a.aa@m.titech.ac.jp


グラフェンの先へ 新材料でトランジスタを開発

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要点

  • 新たな二次元材料・二硫化ハフニウム(HfS2)を用いたトランジスタを開発した
  • 電流電圧測定でオン/オフ比104のトランジスタ動作と、電気二重層ゲート構造を用いた高い電流密度を確認した
  • 低消費電力と高速動作を両立させる新材料として期待

概要

東京工業大学 工学院 電気電子系の宮本恭幸教授らと理化学研究所、岡山大学からなる共同研究チームは、新しい二次元材料である二硫化ハフニウム(HfS2)を用いたMOSトランジスタ[用語1]を開発した。

機械的剥離法[用語2]で得られた数原子層の厚さを持つHfS2薄片を用いたもので、裏面基板をゲート電極とした電流電圧特性において良好な飽和特性と高いオン/オフ比104の電流制御特性を観測した。さらにゲート電極として電解質を用いた電気二重層[用語3]トランジスタ構造において、駆動電流が裏面ゲートでの動作時と比較して約1000倍以上に向上し、チャネル材料としてのHfS2の優れた性質を示唆する結果を得た。

MOSトランジスタは大規模集積回路(LSI)を構成する要素素子であり、情報技術におけるハードウェア部分における基盤である。現在その材料に用いられているシリコンと比較して二次元材料は極めて薄い(<1 nm)構造での電流駆動に適しており、将来のLSIへの導入が期待されている。HfS2は理論計算より1.2 eVのバンドギャップ[用語4]と1,800 cm2/Vsの電子移動度[用語5]が予測される材料であり、従来の二次元材料と比較してより高速、低消費電力での動作に適している。

研究成果は3月1日発行のScientific Reportsに掲載された。

研究の背景

本研究グループは新たな二次元材料である二硫化ハフニウム(HfS2)の電子デバイス応用に適した物性予測に着目し、MOSトランジスタでの動作を初めて実証した。作製した素子では良好なオン/オフ比を有する電流制御特性が確認された。また、電解質電極を用いた動作では高い電流密度での動作が確認され、電子デバイス材料としての優れた特性が示唆された。

HfS2は遷移金属ダイカルコゲナイドと呼ばれる二次元結晶群に属しており、理論予測では単原子層の厚さ(約0.6 nm)において1800 cm2の電子移動度と1.2 eVのバンドギャップが報告されている。これらは代表的な半導体材料であるシリコンの物性値を上回っており、電子デバイス材料として優れた性質を1 nm以下の厚さで実現できる可能性を示している。

二次元結晶の電子移動度と禁制帯幅

図1. 二次元結晶の電子移動度と禁制帯幅

HfS2の結晶構造

HfS2の結晶構造

図2. HfS2の結晶構造

実験ではスコッチテープを用いた機械的剥離法により数原子層の厚さを持つHfS2薄片を基板上に転写した。原子間力顕微鏡による評価では2~10原子層程度の厚さをもつ薄片が確認された。これら薄片上に金属電極を形成し、裏面半導体基板をゲート電極としたMOSトランジスタ構造を作製した。電流電圧特性では良好な飽和特性を持つトランジスタ特性を確認し、ゲート変調による電流のオンオフ比も104が得られた。これにより従来絶縁体と考えられていたHfS2が電子デバイスとして利用可能であることを明らかとした。

機械的剥離法によるHfS2結晶の薄層化

機械的剥離法によるHfS2結晶の薄層化

図3. 機械的剥離法によるHfS2結晶の薄層化

作製したMOSトランジスタ構造

図4. 作製したMOSトランジスタ構造

トランジスタの電流電圧特性

トランジスタの電流電圧特性

図5. トランジスタの電流電圧特性

さらに大きなゲート容量により、低い電圧で多くの電子を発生させ、高電流での動作が期待される電解質ゲルをゲートとした電気二重層トランジスタと呼ばれる構造を用いた特性評価を行った。オン/オフ比105を維持しつつ、従来の遷移金属ダイカルコゲナイドを上回る電流密度が得られた。これは、HfS2のもつ電子デバイスとしての優れた特性を示唆する結果である。

背景

情報技術の進歩はLSIの基幹素子であるMOSトランジスタの性能向上に支えられており、この為にはスケーリング[用語6]と呼ばれる素子サイズの縮小化が重要となる。電流を制御する領域(チャネル)の長さを短くすると低電圧・高速での動作が可能となる。一方で漏れ電流に起因する消費電力を抑制するためにはチャネルの厚さを同時に薄くしていくことが必要である。近年ではチャネル長さは10 nm以下の領域まで縮小化が進みつつあり、この領域ではチャネル厚さについても数 nm以下まで削減することが望ましい。しかし従来の半導体材料系では表面に原子レベルの凹凸が存在し、極薄膜では電流輸送特性の急速な劣化による駆動能力低下が避けられない。

二次元材料は原子レベルの平坦性・厚み(<1 nm)を実現可能であり、その状態でも高い移動度が期待できる。もっとも有名な二次元材料であるグラフェン[用語7]は100,000 cm2/Vs以上という高い移動度が予測されているが、バンドギャップを持たないことから、LSI素子としては消費電力の削減に課題がある。そこでバンドギャップを有する二次元材料が注目を集めている。特にその代表として二硫化モリブデン(MoS2)が研究されているが、電子移動度が理論上あまり高くないという問題があった。

研究の経緯

HfS2はMoS2と比較した場合、単原子層における電子移動度で数倍の値を示すことが見込まれており、低消費電力と高速動作を両立する新材料として期待される。一方で単体の結晶としては導電性が低いことが実験的に確認されているため、これまで半導体材料としては注目されない未開拓の材料であった。このHfS2が持つ電子デバイス材料としての可能性に着目し、その優れたポテンシャルを引き出すことを目指した。

今後の展開

HfS2表面を適切に保護するとともに電極との接触を改善することで、電解質電極と同等の性能を固体ゲート絶縁膜を用いて実現し、超低消費電力デバイス実現へ向けた取り組みを行う。

また、HfS2は他の二次元材料との異種材料接合における顕著な量子効果の発現が見込まれ、二次元系トンネルトランジスタ等への発展的な応用も期待される。

用語説明

[用語1] MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ : 金属電極からの電界効果により半導体/絶縁膜界面に誘起された可動キャリアを用いた電子デバイスであり、情報技術の根幹である集積回路の構成に欠かすことのできない素子。ソース端子とドレイン端子の間の半導体に流れるドレイン電流をゲート端子への電圧により制御する。MOSトランジスタを低消費電力で高速動作させるためには低いゲート電圧で大きなドレイン電流が流れることが必要である。

[用語2] 機械的剥離法 : 二次元層状物質の単結晶から原子層厚のサンプルを得るための手法の一つ。粘着テープで層状物質を挟みこんで剥がすことを繰り返して薄層化を行い、最後に基板上にテープを張り付けて剥がすことで、数原子層厚の単結晶薄片が得られる。

[用語3] 電気二重層 : 電解質内の可動イオンと固体物質内の可動電荷が組となって1 nm以下の距離で対向することで実効的に非常に大きなキャパシタを構成することができる。MOSトランジスタにおいてはチャネル内に高濃度のキャリアを励起することが可能となる。

[用語4] バンドギャップ(禁制帯幅) : 半導体中の電子が存在できない領域のエネルギー的な広さのことを言い、半導体デバイスの漏れ電流を抑えるためには大きいことが望ましい。

[用語5] 電子移動度 : 電子が半導体中を走行する際の電子速度と電界の強さを結びつける。移動度の高い材料は低電圧でも高速なキャリア輸送が可能なため、高速・低消費電力での動作に適している。

[用語6] スケーリング : MOSトランジスタにおいて素子のサイズを比例縮小することである。低消費電力化、高速化が見込まれると同時に集積密度が向上するため、回路性能は飛躍的に改善する。一方で、極微細化にともなう量子効果の影響や材料自体の特性限界から近年ではスケーリングに加えて新たな材料や構造の導入が必要となっている。

[用語7] グラフェン : 炭素原子が平面内で蜂の巣状に並んだ構造を持つ代表的な二次元物質である。電子移動度が非常に高く、機械的強度や熱伝導率といった面でも優れた性質を持つと共に、従来の三次元結晶に見られなかった新奇な物性を多く持つことから、未来のエレクトロニクス材料として注目を集めている。

論文情報

掲載誌 :
Scientific Reports
論文タイトル :
Few-layer HfS2 transistors
著者 :
Toru Kanazawa1, Tomohiro Amemiya1,2, Atsushi Ishikawa2,3, Vikrant Upadhyaya1, Kenji Tsuruta3, Takuo Tanaka1,2 & Yasuyuki Miyamoto1
所属 :
1 Tokyo Institute of Technology, 2 RIKEN, 3 Okayama University
DOI :

問い合わせ先

工学院 電気電子系
教授 宮本恭幸

Email : miya@ee.e.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2555 / Fax : 03-5734-2907

工学院 電気電子系
助教 金澤徹

Email : kanazawa.t.aa@m.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2555 / Fax : 03-5734-2907

科学技術創成研究院 未来産業技術研究所
助教 雨宮智宏

Email : amemiya.t.ab@m.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2555 / Fax : 03-5734-2907

取材申し込み先

東京工業大学 広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

理化学研究所 広報室

Email : ex-press@riken.jp
Tel : 048-467-9272 / Fax : 048-462-4715

岡山大学 広報・情報戦略室

Email : www-adm@adm.okayama-u.ac.jp
Tel : 086-251-7292 / Fax : 086-251-7294

平成28年度東京工業大学附属科学技術高等学校入学式挙行

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4月6日、大岡山キャンパスで東京工業大学附属科学技術高等学校(以下、附属高校)の入学式が執り行われ、192名が晴れの入学の日を迎えました。

平成28年度東京工業大学附属科学技術高等学校入学式

附属高校の宮本文人校長は式辞で、「ここで学ぶ機会を与えられた生徒の皆さんが、自分自身を磨き、科学技術をしっかり修得し、さらに、大学や大学院で学び、そして、社会に巣立ち活躍するための基礎を築いて下さることを望んでいます。現代は、将来の予測が難しい変動の時代を迎えています。豊かで安全な生活を送るためには、科学技術立国を目指すことが必要不可欠です。皆さんが、将来、グローバルに活躍するリーダーとなり、日本及び世界の発展に貢献することを期待しています。」と述べました。

その後、東京工業大学の三島良直学長、相川友香PTA副会長、門馬進教育後援会副会長らの来賓祝辞、仲道嘉夫副校長の挨拶・担任紹介に続き、新入生代表による誓いが行われ閉式となりました。

附属高校は、海外の高等学校との国際交流が盛んであると共に、大学並みの実験・実習施設も整備されており、東京工業大学と密に連携した教育を行っています。

また、今年度、文部科学省から研究開発の指定を受けた「スーパーサイエンスハイスクール」は、平成14年度より継続しており、通算すると4期目の指定となります。昨年度より「スーパーグローバルハイスクール」の研究開発校の指定も受けており、同時に2つの研究開発を実施しています。

ご入学された皆様、おめでとうございます。

お問い合わせ先

広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

「より優れた教育の推進に」東工大教育賞授与式を実施

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3月9日に、大岡山キャンパス本館理学系第2会議室において、平成26年度東工大教育賞の授与式が行われました。

この賞は教員の教育方法及び教育技術の向上を図り、より優れた教育を推進することを目的として制定されたもので、今回で13回目となります。

授与式では、最優秀賞に選ばれた西森秀稔教授、篠﨑和夫教授ほか6名の出席者に対して三島学長から賞状及び報奨金(目録)が授与されました。

  • 西森秀稔教授 挨拶
    西森秀稔教授 挨拶
  • 篠﨑和夫教授 挨拶
    篠﨑和夫教授 挨拶

「平成26年度東工大教育賞」受賞者一覧

平成26年度における授業科目の教育方法等が優れているとして次の10名の教員が選ばれました。

(所属順・敬称略)
(所属は受賞当時)

最優秀賞

受賞者(所属)
対象業績
西森秀稔教授
(大学院理工学研究科 物性物理学専攻)
授業参観等による教育の質の向上のためのシステムの開発と実践
篠﨑和夫教授
(大学院理工学研究科 材料工学専攻)
教員・学務との密接な協力による学生と教員のための教育システム作り

優秀賞

受賞者(所属)
対象業績
内藤聡教授
(大学院理工学研究科 数学専攻)
学部専門課程における講義と演習授業の有機的な連携
須佐匡裕教授
(大学院理工学研究科 材料工学専攻)
グローバル理工人育成コースによる学部学生への国際化教育の推進
セリーヌ・ムージュノ准教授
(大学院理工学研究科 機械物理工学専攻)
問題解決型授業による創造的指導力を育てるデザイン教育
齊藤滋規准教授
(大学院理工学研究科 機械宇宙システム専攻)
異分野混成チームでの人間中心設計を実践する新講義の構築
山田明教授
(大学院理工学研究科 電子物理工学専攻)
東工大における創造性育成科目の推進および創造性育成科目
鹿島亮准教授
(大学院情報理工学研究科 数理・計算科学専攻)
コンピュータサイエンス入門の教材開発、授業実践、および科目運営
真野洋介准教授
(大学院社会理工学研究科 社会工学専攻)
地域創生イニシアチブの形成に貢献する震災復興デザイン教育
伊藤亜紗准教授
(リベラルアーツセンター)
「学生プロジェクト」等を通じたリベラルアーツ教育の推進と研究

集合写真
集合写真

サイエンスカフェ「腸内細菌ってなんだ?2」開催報告

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3月30日、東京工業大学博物館は、大学院生命理工学研究科(開催当時) 山田研究室との共催で、サイエンスカフェを開催しました。テーマは「腸内細菌ってなんだ?」です。

会場の様子
会場の様子

腸内細菌ボードゲーム「バクテロイゴ」
腸内細菌ボードゲーム「バクテロイゴ」

サイエンスカフェとは、科学技術の分野で従来から行われている講演会やシンポジウムとは異なり、科学の専門家と一般の人々が、比較的小規模な場所で科学について気軽に語り合う場をつくろうという試みです。一般市民と研究者を繁ぎ、科学の社会的な理解を深める新しいコミュニケーションの手法として、世界で注目されている活動です。

ヒトの腸内には、1000種100兆個体の細菌が共生していると言われています。近年、腸内細菌の解析技術が飛躍的に向上し、これらの細菌を網羅的に調査する事が可能になり、様々な発見が相次いでいます。 そうした目に見えない細菌達の活動や仕組みを子ども達に分かりやすく学んでもらおうと、サイエンスカフェは生命理工学部の学生たちが開発した腸内細菌ボードゲームを使っておこなわれました。

花見客で賑わいを見せる大岡山キャンパス百年記念館の1階ラーニングスペースにて、小学生から一般の方々まで約40名が参加し、最初に学生が腸内細菌の仕組みについて説明をした後、実際にゲームが行われました。JCHM学生会員によるサイエンスカフェも今年で2年目となりました。前回開催以降、学生たちは参加した子ども達の反応を受け、イベントの構成やゲームのプレー方法など改善を重ねてきました。その甲斐があってか、子ども達は学生のアドバイスをもとに遊び方をマスターし、すぐに参加者同士打ち解け、楽しいひと時を過ごしていました。

ゲームを楽しむ参加者と学生
ゲームを楽しむ参加者と学生

ゲームを楽しむ参加者と山田准教授
ゲームを楽しむ参加者と山田准教授

学生活動を紹介する動画撮影に取り組む様子
学生活動を紹介する動画撮影に取り組む様子

優勝者の表彰
優勝者の表彰

今回はイベント企画、進行、そして学生自身の活動を紹介する動画撮影までも学生自らが主体となって開催しました。前回よりさらにパワーアップした学生会員達の活動に参加者の保護者からも賞賛のお声を頂きました。「腸内細菌ってなんだ?」は今後も定期的に開催し、地域の方々に身近にサイエンスを楽しんで頂く機会を提供し続けたいと思います。

サイエンスカフェを運営した学生と山田准教授
サイエンスカフェを運営した学生と山田准教授

JCHM
Japanese Consortium for Human Microbiome(腸内環境の全容解明と産業応用のコンソーシアム)

生命理工学院

生命理工学院 ―複雑で多様な生命現象を解明―
2016年4月に新たに発足した生命理工学院について紹介します。

生命理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

東工大基金

このイベントは東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

東京工業大学博物館

Email : centcafe@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3340

細野秀雄教授 日本国際賞(Japan Prize)授賞式及び受賞記念講演会の報告

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4月20日、日本国際賞の授賞式が天皇皇后両陛下のご臨席のもと東京国際フォーラムで開催され、東京工業大学 細野秀雄 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所教授・元素戦略研究センター長が出席しました。

授賞式の様子
授賞式の様子

日本国際賞は、全世界の科学技術者を対象とし、独創的で飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、もって人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められる人に与えられ、毎年、科学技術の動向を勘案して決められた2つの分野で受賞者が選定されます。

授賞式でスピーチをする細野秀雄教授

授賞式でスピーチをする細野秀雄教授

本年の受賞者は、「物質、材料、生産」分野からナノ構造を活用した画期的な無機電子機能物質・材料の創製に貢献した東京工業大学の細野秀雄教授と、「生物生産、生命環境」分野からゲノム解析手法の開発を通じた近代作物育種への貢献したアメリカのコーネル大学名誉教授のスティーブン・タンクスリー博士の2人です。

細野秀雄教授夫妻

細野秀雄教授夫妻

式典では多くの国内外の研究者らが見守るなか、2人に賞状や記念の盾が贈られ、両陛下は笑顔で拍手を送られていました。

授賞式と祝宴の様子

受賞記念講演会の様子

受賞記念講演会の様子

なお、授賞式の翌日4月21日、東京工業大学蔵前会館で日本国際賞受賞者による記念講演会が開催されました。

講演会では、本年度の受賞者、細野秀雄教授とスティーブン・タンクスリー コーネル大学名誉教授の2人が自身の研究や今後の展望、また若者へのメッセージなどを多くの聴衆の前で熱く語りました。

写真はすべて(財)国際科学技術財団の提供です。

記念講演会の様子

物質理工学院

物質理工学院 ―理学系と工学系、2つの分野を包括―
2016年4月に新たに発足した物質理工学院について紹介します。

物質理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

お問い合わせ先

広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

熊本地震について

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このたびの熊本地震について、東京工業大学長 三島良直、蔵前工業会理事長 石田義雄からのメッセージをご紹介します。

学長、蔵前工業会理事長メッセージ

2016年4月14日から続く熊本地震により被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、尊い命を失われた方々とそのご家族の皆様に心からお悔やみ申し上げます。

本学では、蔵前工業会と共同で復興に向けた支援策の一環として義援金を募集しております。
お預かりしました義援金は、日本赤十字社を通じて、被災地の復興支援にお役立ていただくこととなります。

国立大学法人 東京工業大学

学長 三島良直

一般社団法人 蔵前工業会

理事長 石田義雄

詳細は以下のお知らせをご覧下さい。

お問い合わせ先

東京工業大学熊本地震義援金事務局

E-mail : bokin@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2415/2417  FAX : 03-5734-2485

蔵前工業会

E-mail : kuramae@kuramae.ne.jp
Tel : 03-3748-2211  FAX : 03-3748-2213

4月27日 17:00 タイトルを修正しました。

第5回国際シンポジウム・セミナー 「原子力安全・セキュリティ・核物質防護のための国際原子力人材養成」開催報告

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2月21日から3月3日まで、東京工業大学 グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院主催第5回国際シンポジウム・セミナーが行われました。今回のテーマは「原子力安全・セキュリティ・核物質防護のための国際原子力人材養成―核セキュリティと核物質防護―」でした。

集合写真
集合写真

本シンポジウム・セミナーは、文部科学省の支援を受け、グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院が国内外の関連機関と協力して開催したものです。プログラムを受託した2011年度より毎年行っており、本学の学生のみならず、国内外の原子力分野に関心のある学生、若手社会人を招へいして教育の一環として実施しています。シンポジウムでは、「原子力安全」と「核セキュリティ・核不拡散」を毎年交互に取り上げています。

会期中の様子
会期中の様子

日本原燃株式会社で講義を受ける様子
日本原燃株式会社で講義を受ける様子

会期前半のシンポジウムでは、国内外の著名な科学者等を講師として招き、東京工業大学大岡山キャンパスにて、一般公開の形で講演会を行いました。その後、招へいされた学生・社会人等は、日本原燃株式会社の六ケ所施設(青森県)、東北電力株式会社の女川原子力発電所(宮城県)を視察し、原子力の最前線を学んできたほか、福島県いわき地区の公園において環境放射線計測を行い、大岡山での計測結果と比較する等の実習を行いました。

女川原子力発電所を視察する一行
女川原子力発電所を視察する一行

放射線計測の様子

放射線計測の様子

放射線計測の様子

会期後半のセミナーでは、第一線の講師陣による講義に大いに啓発を受けた学生たちがグローバルリーダーに係る3つのテーマに関して自主的に討論した上で発表を行い、議論を交わしました。

講師は26名、招へいされた学生・社会人は47名、一般参加19名、他25名の合計117名の参加がありました。マスコミの取材も入り、本シンポジウム・セミナーは成功裏に終了しました。

お問い合わせ先

グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院 事務室

Email : u-atom.suishin@nr.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3279


産学連携シンポジウム「産学連携の深化に向けて」開催報告

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東京工業大学(以下、東工大) 産学連携推進本部は3月24日、大岡山キャンパスにおいて「産学連携の深化に向けて」と題しシンポジウムを開催しました。

まず、文部科学省科学技術・学術政策局坂本修一産業連携・地域支援課長により「大学発イノベーションの加速に向けて」と題して講演が行われました。産学連携における最近の産業界の考え方、海外の動向、オープンイノベーション加速に向けた産学共創モデルの提案が述べられ、大学発の社会的価値・イノベーターの創造への期待が語られました。

講演の様子
講演の様子

東工大からは、COI拠点である『以心電心』ハピネス共創研究推進機構、コマツ建機革新技術共同研究講座、先進エネルギー国際研究センター(以下、AESセンター)の3つの産学連携の取組を紹介しました。

最初に『以心電心』ハピネス共創研究推進機構の活動と、対話型エージェントの研究状況について紹介がありました。次に東工大に設置された企業による共同研究講座の例として、「コマツ建機革新技術共同研究講座」について、企業が社員を大学に教員として派遣し、講座を運営する仕組みである共同研究講座の教育及び研究上の利点等について説明がありました。最後に、将来の先端エネルギーシステム(AES)について研究を進めているAESセンターの紹介です。エネルギー関連の企業、自治体、大学が参加・設立し、最終的に東工大に設置されたAESセンターは大学における社会貢献の多様化を図るものとして期待されているとの説明がありました。

後半のパネルディスカッションでは、大学発のイノベーションや産学連携の深化について、文部科学省の若手職員と東工大の若手研究者が熱い議論を交わしました。様々な立場からの意見交換により、産学連携推進の重要性が改めて確認されました。

パネルディスカッション
パネルディスカッション

学内、学外から総勢100名以上の参加があり、東工大の産学連携に関する情報を発信するいい機会となりました。

COI
センター・オブ・イノベーション プログラム。文部科学省が、10年後の目指すべき社会像を見据えたビジョン主導型のチャレンジング・ハイリスクな研究開発を最長で9年度支援するプログラムです。

お問い合わせ先

産学連携推進本部

E-mail : san.kik.kan@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2445

2015年度後期の附属図書館企画展示 開催報告

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東工大附属図書館では、所蔵資料の利用促進のため、1年を通じて企画展示を行っています。テーマは2~3ヶ月毎に変更します。基本的に図書館サポーターの学生が本を選び、ポスターや配布用のリストとコメントを書いたポップの作成を行っています。2015年度後期に実施した展示を紹介します。

※図書館サポーターとは...

カウンター対応の補助、書架の整理、資料の整備、広報活動、展示等の企画など図書館内でさまざまな仕事を補助してくれている学生たちです。

Fly across a border! 語学・留学の本

展示期間:2015年10月7日~11月30日

Fly across a border! 語学・留学の本

本学の留学生センター(2016年3月廃止)の先生の協力のもと、「語学・留学に役立つ本」というテーマで選んだ本を大岡山本館とすずかけ台分館で展示しました。

期間中は、展示本だけでなく、大岡山本館地下2階にある「語学・留学用資料」コーナー、すずかけ台分館2階にある「語学・留学用資料」および「留学生用資料」コーナーに置いてある図書も多く借りられました。皆さんにこれらのコーナーを知っていただく良い機会にもなり、附属図書館としてもうれしいかぎりでした。

紹介されている本とその推薦文は、以下のリストをご覧ください。

図書館サポーター推薦:はたらくミライを考えよう!

展示期間:1月4日~2月29日

図書館サポーター推薦:はたらくミライを考えよう!

仕事や就職をテーマに選んだ本を展示しました。

今回の展示本の半分以上が、社会科学分野のものでした。いつも図書館で多く借りられる理工学分野の本とは系統が異なりましたが、期末試験の時期にも関わらず、展示された本はすぐに借りられ、返却されるとすぐに、他の人に借りられていました。また、学生だけでなく、教職員も展示場所で足を止めていた姿が多く見られました。配布用の図書リストを持ち帰る方も多かったです。

なお、本の展示と同時に、図書館職員からは「会社四季報」や「週刊エコノミスト」を収録しているデータベースである、ジャパンナレッジLib(JapanKnowledge Lib)をおすすめしました。また、大岡山とすずかけ台のキャンパスにある就職資料室についても案内しました。

紹介されている本とその推薦文は、以下のリストをご覧ください。

関連リンク

お問い合わせ先

研究推進部情報図書館課利用支援グループ

Tel : 03-5734-2097

南洋理工大学との関係強化に向けた合同ワークショップを開催

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2月29日と3月1日の2日間、シンガポールの南洋理工大学(NTU:Nanyang Technological University)で、第1回NTU―東工大合同ワークショップが開催されました。このワークショップは、2014年に文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業に採択された東工大が、事業の一環として国際的視野から教育・研究を推し進めるために実施したものです。

東工大からは、三島良直学長、水本哲弥副学長(教育運営担当)、大竹尚登副学長(研究推進担当)に加え、今回のテーマとなった環境工学、分子化学、界面科学などの関連分野から9名の研究者が参加しました。

NTUでは、今回学長の代行を務めたアレキサンダー・ゼンダー教授を筆頭に、ラム・キンヨン副学長、本ワークショップの企画・運営担当の学長室リサーチディレクターのティム・ホワイト教授のほか、関連部門のディレクターや若手研究者、イベントオフィスのスタッフの方々の歓迎を受けました。

ラム副学長
ラム副学長

三島学長
三島学長

ワークショップ初日は、開会の辞として、ラム副学長から本ワークショップ開催までの経緯とNTUの概要が紹介されました。後者では、NTUの国際化の歩み、人材に対する考え方、多国籍企業との共同研究に触れ、東工大と連携することで、日系企業との結びつきが強まることを希望すると語りました。

続いて三島学長が、2016年4月から実施の教育改革を中心に東工大の紹介を行いました。改革の柱となる組織の再編成、学修の仕組みの刷新、国際交流について具体例を交えて説明し、研究大学として世界トップレベルの地位を獲得するまで、挑戦的に前進する決意を表明しました。

ワークショップの様子
ワークショップの様子

次に、「University Presentation(大学紹介)」と題し、それぞれの大学の特徴や最新動向に関する説明がありました。NTUのホワイト教授は、シンガポールの国情を考慮しつつ時代の要請に応えるには、産学官のさらなる連携強化と多様な研究分野における柔軟でグローバルな結びつきが必須であると述べ、キャンパス全体を実験モデルとした国家事業である再生可能エネルギープロジェクトを紹介しました。

岡崎特命教授
岡崎特命教授

東工大の研究活動については大竹副学長が担当し、世界的に高い評価を受けている幅広い分野の研究実績とそれを代表する研究者をプロフィールと共に紹介しました。東工大が「世界の研究ハブ」として資するために不可欠な研究環境整備の施策や、グローバル水素エネルギーコンソーシアムを例に、先端研究分野を強化する研究ユニットの設置構想についても説明しました。また、国際化が課題であるとしながらも、本ワークショップがその推進に役立つことに期待を寄せました。

休憩をはさんで行われた基調講演では、前述のグローバル水素エネルギーコンソーシアム代表の岡崎健特命教授が演壇に立ちました。自動車産業や家庭で水素エネルギーが利用されている日本の現状や、海外の未使用エネルギーを水素に転換して輸送する大規模なサプライチェーン構想などを詳述し、聴衆の興味を引き付けました。

スボード教授
スボード教授

NTUからも、エネルギー分野の専門家が登壇しました。スボード・マサルカ教授は、南国の都市国家シンガポールにおけるエネルギー消費の沿革と、国土の特徴を踏まえた再生可能エネルギーへの転換施策について、具体的な数字を示しながら説明し、地球温暖化回避に取り組む姿勢をゼロ・エミッション(消費による廃棄物をゼロにすること)実現への熱意とともに語りました。

同日午後の時間は分科会が行われました。A: 環境工学、B: 分子化学、C: 界面科学の3つの分科会で、NTUと東工大の研究者が3名ずつ参加して発表を行い、共同研究の可能性を探りながら活発な意見交換が行われました。分科会後に連携の具体的方策と研究内容の検討に進んだグループも複数あり、今後の展開に大いに期待が寄せられました。また、今回テーマとして取り上げられなかったロボティクスも、共同研究対象として大いに期待の持てる分野であることが明確になりました。

BMWに試乗する三島学長
BMWに試乗する三島学長

 ジオラマを使ってのキャンパス案内
ジオラマを使ってのキャンパス案内

2日目午前に行われたキャンパスツアーでは、企業との共同研究に関する説明を中心に、広大な敷地内に点在するロールスロイス、BMW、シンガポール開発庁、STエンジニアリングの各企業と連携した研究施設を訪れ、設備や機材、研究員の様子などを見学しました。

グルーエン教授
グルーエン教授

キャンパスツアーから全員が戻ったところで、医師でもあるラッセル・グルーエン教授がNTUに2013年に新設された李光前医学院の概要について説明し、基調講演を締めくくりました。

ワークショップの最後に、前日の分科会の報告が行われ、短時間の話合いにもかかわらず、両大学間での共同研究の協力体制が既に築かれつつあることが示され、次回につながる大きな収穫となりました。

分科会と並行して経営陣による話合いも行われ、両大学の交流をさらに深めるために、第2回の合同ワークショップを、2016年11月14日・15日に東工大で開催することが決まりました。

閉会の辞としてホワイト教授と水本副学長がそれぞれ所感を述べ、東京での再会を約束してすべての日程を無事終了しました。

センダー教授(中央)、ラム副学長と懇談する三島学長
センダー教授(中央)、ラム副学長と懇談する三島学長

次回の合同ワークショップでは、ロボティクスなど新たな研究分野での研究者交流の拡大を目指すとともに、NTUとの関係をより一層深め、東工大の国際化をさらに推し進める重要なイベントとなることが期待されます。

集合写真
集合写真

5月の学内イベント情報

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5月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

ベンチャー未来塾 2016

ベンチャー未来塾 2016

ベンチャー企業の幹部の方を対象に、国の政策の仕組みおよび最近の政策内容について理解を深め、実際の政策を立案している府省庁の方と交流していただく場として、「ベンチャー未来塾」を開講いたします。

日時
4月26日、5月10日、5月17日、5月24日、6月7日、6月14日、6月21日(計7日間 いずれも火曜日)
講義:18:45~20:00
名刺交換、ディスカッション、情報交換(軽食付き): 20:15~21:15
会場
東京21cクラブ(東京駅前・新丸の内ビルディング内)
参加費
198,000円(税込)
対象
一般(定員20名)
申込
必要(締切4月18日)

すずかけ祭2016

すずかけ祭2016

東京工業大学すずかけ台キャンパスにて行われる大学祭です。また、オープンキャンパス5月13日(金)~15日(日)およびスポーツ講座5月14日(土)も同時開催します。

日時
すずかけ祭2016: 5月14日(土)、5月15日(日)
オープンキャンパス(学院説明会): 5月13日(金)~15日(日)
スポーツ講座: 5月14日(土)
会場
参加費
無料
対象
学生・一般
申込
不要
内容
コンサート、附属図書館分館一般公開、文化会(書道・茶道)、模擬店、スタンプラリー

2016 ホームカミングデイ 東工大MOT記念シンポジウム 講演会

2016 ホームカミングデイ 東工大MOT記念シンポジウム 講演会

本講演会では、4月から加わった教員による新たな展開分野についての紹介と修了生による教育・研究や企業経営などでのMOT実践報告を行います。

日時
5月21日(土) 14:00~
会場
参加費
講演会: 無料
交流会: 東工大現役学生 1,000円、同窓生・一般 3,000円(同伴者無料)
対象
一般
申込
必要(締切5月1日)
内容
「企業経営からみた技術進歩の計測」「核技術と安全保障」「アカデミックで活きるデュアルディグリー」「イノベーションマネジメントやってみると」「イノベーションの量産化の実践」

第28回大岡山蔵前ゼミ「社会技術システムの安全について考える ―福島第一原子力発電所の事故体験と組織レジリエンス―」

第28回大岡山蔵前ゼミ「社会技術システムの安全について考える ―福島第一原子力発電所の事故体験と組織レジリエンス―」

東日本大震災時に福島第一原子力発電所の5・6号機のユニット所長であった吉澤厚文氏に、体験を踏まえて複雑な社会技術システムの安全をレジリエンスという観点からまとめ、安全についての考え方をご紹介いただきます。

日時
5月26日(木)
講演会: 17:00~18:30
懇親会: 講演会後引き続き~20:30
会場
大岡山キャンパス 東工大蔵前会館
講演会:くらまえホール
懇親会:ロイアルブルーホール
参加費
東工大生 無料 、一般 1,000円(含懇親会費)
対象
学生・一般
申込
必要

TdX講演会#02「チームと漫画づくり」

TdX講演会#02「チームと漫画づくり」

イノベーションの「源泉」ともいうべき男たちを新たな解釈で、「漫画」という形で生み出している『スティーブズ』の原作者の松永肇一さんと、漫画を担当されているうめ(小沢高広・妹尾朝子)さんのお話です。

日時
5月27日(金) 18:30~20:00
会場
参加費
無料
対象
一般 (定員60名)
申込
必要

一部締め切りを過ぎていますが、取材をご希望の場合はご連絡ください。

お問い合わせ先

東京工業大学 広報センター

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

新しい構造をもつ酸化物イオン伝導体NdBaInO4の発見―固体酸化物形燃料電池の高能率・低コスト化に道―

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概要

東京工業大学理学院化学系(理工学研究科物質科学専攻)の八島正知教授、藤井孝太郎助教らの研究グループは、新しい構造ファミリーに属する酸化物イオン伝導体[用語1]であるネオジム・バリウム・インジウム酸化物「NdBaInO4[用語2]を発見した。イオン半径[用語3]に注目した構造設計により新構造を導いている。さらにネオジムの一部をストロンチウムに置換することでイオン伝導度を基本物質の約20倍向上させることにも成功している。酸化物イオン伝導体は固体酸化物形燃料電池[用語4]や酸素濃縮器などに使われており、新材料発見はこれら機器の高効率化や新規酸化物イオン伝導体、電子材料の開発を促すと期待される。

研究成果

同研究グループは、過去に報告されている無機物質の結晶構造から計算したイオン伝導経路と、これまでに報告されている酸化物イオン伝導体の結晶構造の詳細な検証により、新しい構造ファミリーに属する酸化物イオン伝導体(NdBaInO4)を発見することに成功した。NdBaInO4は、これまでに知られていないまったく新しい構造をもつ材料で、その構造は、既知の物質とは異なる特徴を持っており、新しい材料として酸化物イオン伝導体だけではなく、幅広い応用の可能性が期待される(図1)。

NdBaInO4の結晶構造。緑の球はBa(バリウム)、黄土色の球は(ネオジム)を表す。赤色の球を頂点にもつ紫色の八面体は、In(インジウム)に6つの酸素が配位したInO6八面体をあらわす。この構造は、Ndが並ぶA-Oユニットと、BaとInO6が並ぶA'BO3ユニットが交互に積層した構造をもっている。InO6八面体の稜(りょう)がA-Oユニットに接する構造の特徴は、これまでにない新しい特徴である。
図1.
NdBaInO4の結晶構造。緑の球はBa(バリウム)、黄土色の球は(ネオジム)を表す。赤色の球を頂点にもつ紫色の八面体は、In(インジウム)に6つの酸素が配位したInO6八面体をあらわす。この構造は、Ndが並ぶA-Oユニットと、BaとInO6が並ぶA'BO3ユニットが交互に積層した構造をもっている。InO6八面体の稜(りょう)がA-Oユニットに接する構造の特徴は、これまでにない新しい特徴である。

酸化物イオンとして有望なA A' BO4の組成をもつ物質(ここでA, A', Bはそれぞれ金属の陽イオン)は、AA' が同程度の大きさをもつ材料が多い。そこで新しい構造型を導くために、AA' の大きさに大きな違いがでるNd(ネオジム)とBa(バリウム)を選択し、伝導体の構造型としてよく知られているペロブスカイト型構造[用語5]を組み込むために、Baとペロブスカイト型構造の形成が期待されるIn(インジウム)をBに選ぶことで、新しい構造型の物質を作ることに成功した。

得られた物質の結晶構造は、X線回折データの未知構造解析をもとに解明した。構造は、Ndが並ぶA-Oユニットと、BaとInO6八面体が交互に並ぶA'BO3ユニットが交互に積層する構造をもっており、特にInO6八面体の稜(りょう)がA-Oユニットと接する構造は、金属酸化物の新しい特徴となっており、ユニークな性質につながる可能性が高い。

また、Ndの一部をSr(ストロンチウム)に置換した物質(Nd0.9Sr0.1BaInO3.95)を合成し、基本物質であるNdBaInO4より約20倍高いイオン伝導度を示すことも見出した。さらなる元素置換で、より高いイオン伝導度を示す材料の開発につながる可能性がある。

研究の背景

エネルギー・環境問題を解決するためには、高効率、低コストで安全性の高い次世代のエネルギー源を開発する必要がある。特に固体酸化物形燃料電池は、その中核を担うと期待されているが、その開発には、より高い伝導度をもつ酸化物イオン伝導体を開発する必要がある。

イオン伝導度は、その材料を構成する結晶構造と密接な関係がある。従来のイオン伝導体の開発は、既存のイオン伝導体の組成を改良することで進められてきた。しかし、より革新的なイオン伝導体を開発するためには、まったく新しい構造ファミリーに属する材料の開発が必要不可欠で、そのためにはこれまで経験や勘、偶然によって発見されることが多かった方式ではなく、新しい構造ファミリーに属するイオン伝導体をデザインするという新しいコンセプトが望まれていた。

今後の展開

原子スケールの構造設計により、新しい構造ファミリーに属する酸化物イオン伝導体を発見できたことは、今後の革新的な燃料電池の発展に大きな寄与をもたらすと期待される。そのコンセプトは、今後のセラミック材料の新しい設計指針となることも期待される。

用語説明

[用語1] 酸化物イオン伝導体 : 外部電場を印加(電圧をかけること)したとき酸化物 イオンが伝導できる材料。酸化物イオン伝導性材料は(1)純酸化物イオン伝導体および(2)酸化物イオン-電子混合伝導体に分類できる。

[用語2] NdBaInO4 : Nd、Ba および In 陽イオンと酸化物イオンから成る酸化物。

[用語3] イオン半径 : 金属酸化物は、陽イオンと陰イオンが規則配列した構造をとる。各イオンは球状の大きさをもっており、その半径をイオン半径という。

[用語4] 固体酸化物形燃料電池 : 電解質に固体酸化物を用いた燃料電池。電池の作動温度が 400~1000℃と高いため、固体高分子形燃料電池(PEFC)と比べて高い発電効率が期待される。

[用語5] ペロブスカイト型構造 : ペロブスカイト型構造は、一般式ABO3で表され、Aは比較的大きい陽イオン、Bは比較的小さい陽イオンからなる。多彩な物性を示すことから、幅広い応用が期待される構造型で、類似した構造モチーフを含んだ物質も酸化物イオン伝導体材料への応用が期待されている。

論文情報

掲載誌 :
Chemistry of Materials, 26, 2488 (2014).
論文タイトル :
New Perovskite-Related Structure Family of Oxide-Ion Conducting Materials NdBaInO4
著者 :
Kotaro Fujii, Yuichi Esaki, Kazuki Omoto, Masatomo Yashima, Akinori Hoshikawa, Toru Ishigaki, James R. Hester
DOI :
所属 :
Department of Chemistry, School of Science, Tokyo Institute of Technology; Frontier Research Center for Applied Atomic Sciences, Ibaraki University; The Bragg Institute, Australian Nuclear Science and Technology Organisation
掲載誌 :
Journal of Materials Chemistry, A 3, 11985 (2015).
論文タイトル :
Improved oxide-ion conductivity of NdBaInO4 by Sr doping
著者 :
Kotaro Fujii, Masahiro Shiraiwa, Yuichi Esaki, Masatomo Yashima, Su Jae Kim, Seongsu Lee
DOI :
所属 :
Department of Chemistry, School of Science, Tokyo Institute of Technology; Neutron Science Division, Research Reactor Utilization Department, Korea Atomic Energy Research Institute

理学院

理学院 ―真理を探究し知を想像する―
2016年4月に新たに発足した理学院について紹介します。

理学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

問い合わせ先

理学院化学系
教授 八島正知
Email : yashima@cms.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2225

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