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「大学の世界展開力強化事業によるFDセミナー」開催報告

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講師の丸本美加氏

講師の丸本美加氏

大学の世界展開力強化事業では教員の英語指導力、プレゼンテーション能力向上を目指したFDセミナーを、2月27日に大岡山、3月3日、10日にすずかけ台それぞれのキャンパスにてサイマルアカデミーより丸本美加氏を講師としてお招きし、開催しました。

セミナーでは、はじめに”Presentation ABC’s”としてプレゼンテーションを行う際の基本、そして日本人が特に注意しなければならない5つの項目について、お話いただきました。

プレゼンのABC

A
- Audience-appropriate content? (聴衆にとって適切なレベルの内容か?)
B
- Beat the Time! (与えられた時間以内に!)
C
- 5C’s in delivering your speech (スピーチするときの注意点”5C”)

日本人が注意すべきスピーチの5C

1.
Coherent outline  首尾一貫性~前後のつじつまがあうように
2.
Concise sentences 簡潔な文章に
3.
Clear Pronunciation 発音を明瞭に
4.
Context understanding 特に質疑応答で「場」を読む力〜質問を理解して
5.
Confidence 自信をもつ(英語が下手ですみません、などと謝らないこと!)

続いて、講義初日に学生へコース概要を説明する、という設定で、参加者が一人ずつ、上の注意事項に気をつけながらプレゼンテーションを実践しました。全員の発表後、講師の先生からは以下のアドバイスがありました。

  • 熱意が伝わるように話すこと

  • 専門用語 (Technical words) はゆっくりはっきりと発音すること

  • 文を最後まで言い終わること

  • 内容が盛りだくさんになってしまう時は、情報の取捨選択をすること

  • 聞き手(学生)に質問を投げかけること

休憩を挟み、後半のワークショップでは、外国人学生に向けて東工大または自分の研究室についてのアピールを一人ずつ行う、という練習を行いました。参加者皆、工夫を凝らした紹介を行い、最後に講師の先生より、さらに上達するために、以下のポイントを挙げていたただきました。

  • 話し言葉でも書き言葉でも、文はなるべくpassive(受動態)ではなくactive(能動態)を使う

  • プレゼンの準備では、なるべくネイティブスピーカーに聞いてもらって練習するようにする

  • 棒読みせず、笑顔で

3時間という長丁場でしたが、充実した内容のレクチャーに、あっという間に時間が過ぎました。普段から英語で授業を行っている先生方からも、改めてプロの講師にプレゼンテーションを見ていただき、アドバイスを受けることで改善点やポイントを確認することができ、大変参考になったとの感想をいただきました。

大岡山会場の様子
大岡山会場の様子

すずかけ台でのワークショップの様子
すずかけ台でのワークショップの様子

お問い合わせ先
国際部留学生交流課事業推進グループ
電話 03-3734-2984
Email: campusasia@jim.titech.ac.jp


鈴木崇之准教授、中辻寛准教授に平成25年度東レ科学技術研究助成が決定

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大学院生命理工学研究科の鈴木崇之准教授と大学院総合理工学研究科の中辻寛准教授に、第54回(平成25年度)東レ科学技術研究助成が決定しました。

東レ科学技術研究助成は、公益財団法人東レ科学振興会による科学技術の基礎的、萌芽的研究を行っている若手研究者への資金援助です。国内の研究機関において理学・工学・農学・薬学・医学(除・臨床医学)の分野で自らのアイディアで萌芽的研究に従事し、今後の研究の成果が科学技術の進歩、発展に貢献するところが大きいと考えられる若手研究者に研究助成金が贈呈されます。

贈呈式は3月18日、東京・丸の内の日本工業倶楽部で行われます。

推薦者
研究題目
代表研究者
助成金額(円)
日本遺伝学会
中枢シナプスの可塑性を制御する分子病理メカニズムの解明
大学院生命理工学研究科
准教授 鈴木 崇之
10,000,000

准教授 鈴木崇之

研究概要

神経と神経をつなぐシナプスと呼ばれる構造が可塑的に変化することにより、我々は経験依存的に行動を変化させることが出来る。このシナプス可塑性の異常が精神疾患の原因になるとも言われている。本研究では、ショウジョウバエ視神経の中枢シナプスを使って、可塑性を制御する分子を網羅的に同定し、生体内で機能解析を行い、シナプス可塑性の分子メカニズムを解明する。

助成決定に対し、鈴木准教授は以下のようにコメントしています。

ショウジョウバエの分子遺伝学は原因遺伝子を同定し、さらに生体内で解析するには、パワフルなツールです。我々が今やるべきだと思っていることを評価していただき、さらには助成していただき、大変有難く感じております。非常に優秀な東工大生命理工の学生・院生たちと共に、生命科学の発展に貢献したいと、心新たに考えております。

推薦者
研究題目
代表研究者
助成金額(円)
日本物理学会
銀表面を用いたシリセン膜の作製と2次元電子構造の研究
大学院総合理工学研究科
准教授 中辻 寛
12,000,000

准教授 中辻寛

研究概要

"シリセン"はシリコン原子が蜂の巣格子状に結合した単原子層シートで、次世代エレクトロニクスデバイスへの応用が期待されている"グラフェン"の炭素原子を、シリコン原子で置き換えたものです。スピン軌道相互作用が大きいためにグラフェン以上に多彩な電子物性が期待され、現行のシリコンデバイスとの整合性も良いので、理論計算による物性予測が盛んに行われていますが、実験的に実現する試みは、まだ始まったばかりです。本研究は、単結晶銀を基板としてシリコンを蒸着し、基板との相互作用をうまく利用することでシリセンを作製し、その原子構造と電子バンド構造を詳しく調べることを目標としています。

助成決定に対し、中辻准教授は以下のようにコメントしています。

このような助成をいただけることとなり大変ありがたく感じております。次はこの研究の成果で東工大ニュースに取り上げていただけるよう、頑張ります。

「第45回外国人研究者へのオリエンテーション及び外国人研究者等との懇談会」開催報告

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「第45回外国人研究者へのオリエンテーション及び外国人研究者等との懇談会」開催報告1

1月16日、第45回外国人研究者へのオリエンテーション及び外国人研究者等との懇談会が東工大蔵前会館で開催されました。

外国人研究者との懇談会は、学長主催により本学で教育・研究に従事している外国人研究者を招き、本学の教員及び各国の研究者の親睦を深めることを目的として、平成3年12月4日より例年2回開催されているイベントです。第39回(平成22年1月実施)からは、本学に関する理解を深める機会としてオリエンテーションも併せて実施しています。

第45回は外国人研究者へのオリエンテーションから始まり、三島学長と丸山理事・副学長から本学における教育、研究、国際交流について講演が行われました。その後の懇談会は蔵前ホールにて開催され、大谷理事・副学長及びゲストスピーカーの Dr. Ahmed(キング・アブドゥルアズィーズ大学・教授)による挨拶を頂いたあと、水本副学長の発声による乾杯で会が進行し、和やかな雰囲気の中交流が深められました。今回は本学の役職員、各国からの外国人研究者等あわせて約120名の多数の方々にご参加いただき、最後は内川総合理工学研究科長の閉会の辞をもって、大盛況のうちに終了しました。

開催報告の詳細は下記ウェブサイトにございます。懇談会に出席された方々のインタビュー、写真等も掲載されていますので是非ご覧下さい。

  • 「第45回外国人研究者へのオリエンテーション及び外国人研究者等との懇談会」開催報告2
  • 「第45回外国人研究者へのオリエンテーション及び外国人研究者等との懇談会」開催報告3
  • 「第45回外国人研究者へのオリエンテーション及び外国人研究者等との懇談会」開催報告4

高校生向け広報誌「TechTech」25号発行

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東京工業大学広報誌「TechTech(テクテク)」25号を発行しました。

「TechTech」は、主に高校生を対象とし、東工大の最新の研究、学生生活、研究室、先輩の活躍など本学のさまざまな面を豊富な画像とわかりやすい文書でご紹介する広報誌です。

最新号の特集は「鉄」。テーマは鉄の魅力と次代の製鉄技術の可能性です。

学内での配布場所や、郵送での請求方法については、以下のページをご確認ください。

TechTech_No25

CONTENTS

  • A Scene at Tokyo Tech 東工大のとある一日
  • 特集 鉄
  • もしかしてまだ知らない!?  高校生・受験生向けサイト
  • イマを創る、先輩がいる。
    宇宙航空研究開発機構(JAXA) 岩佐 稔さん
    新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 宍戸沙夜香さん
  • Prize winners in Tokyo Tech 東工大生×受賞
  • Tokyo Tech Labo 
    大学院理工学研究科基礎物理学専攻 陣内 修 准教授
  • 学生企画
    東工大生ライフを疑似体験!?  キャンパスライフすごろく

お問い合わせ先
広報センター
電話 03-5734-2975
E-mail: publication@jim.titech.ac.jp

「春のキャンパスツアー」開催報告

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3月24日(月)、大岡山キャンパスにて春のキャンパスツアーを実施しました。
春のキャンパスツアーでは、東工大を志望する高校生・受験生を対象に、東工大の職員と現役学生が大学説明と学内ツアーを行います。

今回のキャンパスツアーには31名の高校生・受験生が参加し、大学生の案内で博物館や附属図書館などを見学しました。

参加した高校生からは、「ぜひこのキャンパスに通いたい」「イメージと違って、校舎がお洒落だった」などの声があり、皆さんの志望度が高まったものと思います。

次回のキャンパスツアーは、7月下旬ごろに開催予定です。
東工大の受験を考えている高校生・受験生の皆さんは、ぜひご参加ください。

春のキャンパスツアー

春のキャンパスツアー

春のキャンパスツアー

春のキャンパスツアー

お問い合わせ先
広報センター
Tel: 03-5734-2976
Email: visitors@jim.titech.ac.jp

「ライフ・エンジニアリング機構 横浜国際シンポジウム」開催報告

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東京工業大学ライフ・エンジニアリング機構主催、横浜市経済局共催の横浜国際シンポジウムを、パシフィコ横浜にて3月6日~7日までの2日間にわたり開催いたしました。

1日目のシンポジウムでは、国内外の招待講演者や東京工業大学、及び横浜市立大学から最先端研究を紹介し、ライフ・エンジニアリング機構の活動を発信しました。

100名以上の参加があり、前総合科学技術会議議員である相澤先生のイノベ-ションイニシアテイブの講演から始まり、バイオマ-カ-と脳科学分野の基礎研究から臨床応用までの幅広い講演でした。講演後の質疑応答も活発で、参加者の意識の高さが伺えました。

2日目は、東京工業大学と横浜市の連携をさらに進めることを目的とし、主に企業を対象に各大学や横浜市関連企業の産学連携を紹介しました。

50名弱の参加者が熱心に聴講し、質疑応答も活発でした。横浜市立大学平野先生から研究拠点形成事業の概要と産学連携活動の紹介と、企業から創薬研究、内視鏡開発における構想から認可までの実用化サイクルの実情紹介、歯周病予防医学の研究進展と社会への浸透の状況などの説明があり、地味な面はあるが産学連携による医療技術研究の進展により社会に貢献しているお話が伺えました。

ライフ・エンジニアリング機構 横浜国際シンポジウム開催報告

ライフ・エンジニアリング機構 横浜国際シンポジウム開催報告

お問い合わせ先
ライフ・エンジニアリング機構事務局
Tel: 03-5734-3802
Email: life.eng@jim.titech.ac.jp

※ 公開時、お問い合わせ先の電話番号に誤りがあった為、修正いたしました。

「日英工学教育シンポジウム」開催報告

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3月11日、日英の工学教育の発展の端緒ともいえる長州5傑の渡英から150年を記念した「日英工学教育シンポジウム」が東京工業大学で開催されました。

日本の工学教育の歴史において英国は非常に重要な役割を果たしており、将来に向けても良きパートナーとして共に発展していくことが望まれることから今回のシンポジウムを開催することとなりました。

シンポジウムでは英国のラッセル・グループ加盟大学から7名の教員が、日本側は8大学工学系連合会加盟大学の教員らが参加し、各大学から日英の工学教育の現状について紹介されました。また、加藤重治文部科学省国際統括官及び久村春芳日産自動車株式会社フェローが講演を行いました。講演に引き続き、講演者と参加者とで活発な意見交換が行われました。

講演する久村春芳日産自動車株式会社フェロー
講演する久村春芳日産自動車株式会社フェロー

講演するサウサンプトン大学Barney教授
講演するサウサンプトン大学Barney教授

「第7回学生応援フォーラム」開催報告

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3月11日(水)、「第7回学生応援フォーラム」が大岡山キャンパス百年記念館3階フェライト記念会議室にて開催されました。本学の学生、教職員、他大学の教職員、一般参加者をあわせて約50名の参加がありました。

三島良直学長による開会挨拶に始まり、学生たちへの期待と励ましの言葉をいただいた後、まず齋藤憲司教授(保健管理センター)から学生支援センター自律支援部門の趣旨および支援する活動団体の性質についてご説明しました。続いて、西原明法教授(大学院社会理工学研究科)と篠崎和夫教授(大学院理工学研究科)の司会のもと、自律支援部門がサポートしている学生活動、「学勢調査」、「理工系学生能力発見・開発プロジェクト」、「東京工業大学国際交流学生会(SAGE)」、「東工大学生ボランティアグループ(VG)」について、各活動に参加している学生自身による口頭発表およびパネル発表をおこないました。それぞれの発表に対して多くのご質問やご意見をいただき、その後の交流会でも活発な情報交換および議論がなされました。岡村哲至教授(大学院総合理工学研究科)の閉会の辞を持って終了しました。

なお、フォーラムの開催日は、東日本大震災発生よりちょうど3年を迎える日でした。そのため、「東日本大震災から3年:祈りと誓い」として、東工大学生ボランティアグループ(VG)代表学生の声かけにより、参加者全員で地震発生時刻の14時46分に1分間の黙祷を捧げました。

参加された方々からは、「学生の立場でありながら、自治体や企業を巻き込んでプロジェクトを推進していくことが出来るのは素晴らしいことと思います」、「東工大らしさを学生たちが十分に意識して活動していることに大変感銘を受けました。理工系、東工大らしい社会貢献や取組でとてもよかったと思います」、「何かを一所懸命やりとげることによって成長しており、たいへん良い発表だった」等のお言葉をいただきました。

学生支援センター自律支援部門では、学生の自主性や社会性の涵養を目的とした活動を今後も続けてまいります。

開会の辞を述べる三島学長
開会の辞を述べる三島学長

口頭発表
口頭発表

パネル発表
パネル発表

交流会
交流会

お問い合わせ先
学生支援センター自律支援部門室
電話 03-5734-7629
Email siengp@jim.titech.ac.jp


4月の学内イベント情報

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2014年 4月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

4月の学内イベント情報

固体中の「負の水素」H-イオンの検出法を確立

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要点

  • NMRの化学シフトによる水素の電荷状態の判別法の問題点を明らかにし是正法を提唱
  • 水酸アパタイトを水素処理するとH-イオンがOH-の代わりに取り込まれることを立証
  • 最もありふれた不純物である水素の役割の解明に有効なツール

概要

東京工業大学応用セラミックス研究所セキュアマテリアル研究センターの林克郎准教授、同元素戦略センターの細野秀雄教授らの研究グループは、固体中に生成される「マイナスの電荷をもった水素」(水素化物H-イオン)を、核磁気共鳴法(NMR)計測だけで簡単に特定する手法の確立に成功した。NMRによる観測限界を、物質中の水素の周りの空間の大きさと対応付ければ補正できるという発見により実現した。これを用い、歯や骨を構成する物質であるアパタイト中にもH-イオンが生成することを世界で初めて実証した。

同グループは、これまでにも鉄系超伝導体の転移温度向上やセメント材料を母体とした透明導電膜を得るために固体材料中のH-の研究に取り組んできた。しかし実際にはH-の存在を証明するには大規模な研究施設での実験や、多数の間接的な実験証拠を積み重ねる必要があり、多大な労力を要していた。今回、未知のH-を明らかにする有効な手法を確立したことによって、H-イオンを含む新しい機能性材料の開発が加速されると期待される。

この研究成果は24日発行の英国の科学誌「ネイチャー・コミュニケーション(Nature Communications)」に掲載された。

論文情報

掲載雑誌名
Nature Communications
Article number: 3515 (2014).
論文タイトル
Hydride ions in oxide hosts hidden by hydroxide ions
(水酸化物イオンに隠された酸化物母体中の水素化物イオン)
著者
Katruro Hayashi、Peter V. Sushko、Yasuhiro Hashimoto、Alexander L. Shluger、Hideo Hosono
(林 克郎、ピーター=スシコ、橋本 康博、アレクサンダー=シュルガー、細野 秀雄)
DOI

研究のスポンサー

文部科学省 元素戦略プロジェクト 拠点形成型 (電子材料領域)

アパタイトセラミックスとH-イオンが取り込まれた局所構造
アパタイトセラミックスとH-イオンが取り込まれた局所構造。
赤く塗った信号以外は種々の状態のH+(OH-)に起因する。

お問い合わせ先

細野秀雄
フロンティア研究機構 教授 / 元素戦略研究センター長
Email: hosono@msl.titech.ac.jp

林 克郎
応用セラミックス研究所附属セキュアマテリアル研究センター 准教授
Email: k-hayashi@lucid.msl.titech.ac.jp

「東京工業大学COI-Tプログラム『世界最先端ICT創出COI拠点』平成25年度成果報告会」開催報告

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東京工業大学COI-T「オンデマンド・ライフ&ワークを全世代が享受できるSmart社会を支える世界最先端ICT創出COI拠点」の平成25年度成果報告会が2014年3月18日に田町キャンパス・イノベーションセンター国際会議室において開催され、学内外114名の参加者のもと、東工大COIが目指す方向について議論が行われました。

冒頭に、東京工業大学の辰巳敬理事から、全学で本プロジェクトを支援する体制を組み、本COIがT(トライアル)ではない本格拠点となることを目指したい旨の開会の挨拶がありました。

続いて文部科学省科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 木村直人課長から新たな施策としてのCOIプログラムへの期待について、東日本電信電話株式会社 山村雅之社長から実社会にて研究成果を利活用する立場からの東工大COI拠点への期待について、また、日本電気株式会社 遠藤信博社長(メッセージ代読)からICT分野の拠点としての期待について挨拶がなされました。

その後、プロジェクトリーダーである(株)KDDI研究所 秋葉重幸常務取締役から東工大COI-Tの概要報告があり、引き続き、社会実装のセッションにて、東京工業大学 三宅美博教授、出口弘教授、(株)KDDI研究所 滝嶋康弘執行役員、日本電信電話(株) 加々見修部長から、それぞれの担当分野における社会実装の取り組みの現状と今後の可能性についての紹介がありました。

東京工業大学 辰巳敬理事
東京工業大学 辰巳敬理事

文部科学省 木村直人課長
文部科学省 木村直人課長

東日本電信電話株式会社 山村雅之社長
東日本電信電話株式会社 山村雅之社長

秋葉重幸プロジェクトリーダー、小田俊理 研究リーダー
秋葉重幸 プロジェクトリーダー(手前)
小田俊理 研究リーダー(後方)

また、午後の構成技術セッションでは、研究リーダーである東京工業大学小田俊理教授から本COI-Tにおいて実施されている研究内容の概要について報告があった後、別会場にて、デモストレーション(2件)、ポスタープレゼンテーション(26件)の展示が行われ、参加者への直接の説明・意見交換が実施されました。

本成果報告会は、東工大COI-Tが本格COI形成を目指した大きな一歩となりました。

講演会の風景
講演会の風景

ポスター会場風景
ポスター会場風景

お問い合わせ先
東工大COI-T事務局
電話 03-5734-7638
E-mail: coi-t-jimu@sangaku.titech.ac.jp

平成25年度 東京工業大学学位記授与式 挙行

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平成25年度 東京工業大学学位記授与式

3月26日(水)、大岡山キャンパスの体育館にて、学位記授与式を執り行いました。

学長と来賓の方々、本学役員、研究科長等列席のもと、卒業生、教授陣、そして卒業生のご家族も大勢出席し、午前11時より学部、午後2時より大学院の学位記授与式が開始されました。

学長式辞 (三島良直学長)
学長式辞 (三島良直学長)

学長式辞で三島学長は、3年前の東日本大震災、そして2020年東京での開催が決定した東京オリンピックに触れ、「しっかりと前を向いて、未来を信じて進むこと。明るく強い社会を担う若者として胸を張って前進していただきたい。」と述べました。さらに、今後進学しより一層研究に打ち込む卒業生、社会人としての新しい人生をスタートする卒業生、それぞれが「日本一の理工系総合大学である本学の卒業生・修了生であることを誇りに、身に付けた専門力と人間力をグローバルな環境で磨き、高めていってほしい」と卒業生の旅立ちに激励の言葉を贈りました。

来賓祝辞 (庄山悦彦氏)
来賓祝辞 (庄山悦彦氏)

また、多くの来賓方々を代表し、本学同窓会「社団法人蔵前工業会」理事長で日立製作所相談役の庄山悦彦氏 (昭34年電気工学科卒)より祝辞をいただきました。

学位記授与
学位記授与

続いて、学部学位記授与式では各学科1名ずつの代表者が学位記を授与され、大学院学位記授与式では修士課程・専門職学位課程については専攻代表者、博士課程は修了者全員が、学位記を授与されました。今年度は新しい学士が1,092名誕生し、修士の修了者は1,484名、専門職学位記を授与された修了者は27名、 博士の学位を授与された修了者は214名でした。

卒業生総代謝辞(学部)
卒業生総代謝辞(学部)

修了生総代謝辞(大学院)
修了生総代謝辞(大学院)

式後は、家族、友人たちと本館を背景に記念写真を撮り、穏やかな春の日の旅立ちを祝いました。

卒業生、修了生のみなさんのご健康と益々のご活躍を心よりお祈りいたします。

サテライトセミナー「エネルギーと材料」開催報告

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国際大学院プログラム"Sustainable Engineering Program(SEP)"の授業の一環である、"Sustainable Engineering Technology (SET)"が、今年度も開講されました。この授業は、講義とサテライトセミナーを通じて、持続可能な開発に関する幅広い知識を持った国際的エンジニアを養成する授業で、7回目である今回は、「エネルギーと材料」というテーマのもと、13の専攻から57名の学生が参加しました。全6回の講義では、(財)電力中央研究所の4名の非常勤講師の方から電力事情や新旧様々な発電技術などを、また、太平洋セメント(株)の2名の非常勤講師の方からセメントの基礎や環境に配慮したセメントの製造に関する技術などを学びました。これらの講義を踏まえ、2月25、26日のサテライトセミナーでは、太平洋セメント(株)熊谷工場の見学と、テーマに則した発表を行いました。

Arturo E. Ceron-Lopezさん(大学院理工学研究科機械宇宙システム専攻 博士2年)、長谷川由佳さん(大学院理工学研究科材料工学専攻 修士1年)、宮澤貴廣さん(大学院理工学研究科 械制御システム専攻 修士1年)によるレポートを紹介します。

セメントは、インフラや建築物などに使われることから経済成長に欠かせない材料として知られています。加えて、廃タイヤや廃プラスチックなどを燃料として、またごみを燃焼した際に発生する焼却残さを原料として利用できることから、セメント製造はごみの最終処分場の延命化にも貢献しています。今回の工場見学では、リサイクル原料の一部であるばいじんの洗浄工程に加え、基本的な製造工程(原料工程、焼成工程、仕上工程、品質管理そして出荷)のうち、焼成工程のサスペンションプレヒータの最上部、ロータリーキルン(回転窯)、品質管理の成分分析装置、そして全体の管制室を、各工程や設備の説明とともに案内していただきました。特に、約1450℃の高温で粉体原料の焼成を行うロータリーキルンは大迫力で印象的でした。

焼成工程のサスペンションプレヒータの最上部
焼成工程のサスペンションプレヒータの最上部

ロータリーキルン(回転窯)
ロータリーキルン(回転窯)

発表に向けて夜遅くまで及んだ練習風景

発表に向けて夜遅くまで及んだ練習風景

工場内部を見学後、ディスカッションや質問を通じて、工場の防災対策や管理、またリサイクル材料を利用することによる製品の品質や環境、そして経済への影響などをより深く学ぶことができました。

工場見学後、秩父にあるナチュラルファームシティ農園ホテルに移動、夕食時には学生による全13か国の母国紹介が行われました。夕食後、各グループとも翌日の発表に向けて練習や修正を行ったり、温泉を楽しんだりとそれぞれの時間を堪能しました。

翌日は朝9時から「エネルギーと材料」に関連した各グループの発表が行われました。それぞれの工夫を凝らしたプレゼンを通じて、テーマに関連する最新の研究および技術の紹介およびその技術の導入に関する提案がなされ、それに対して、他のグループの学生から様々な角度からの質問や提言があがりました。その中から、独自性などを基準に、ベストプレゼンテーションとベストディスカッサー4名が選ばれました。

ベストプレゼンテーションを受賞したTeam 2
ベストプレゼンテーションを受賞したTeam 2

集合写真
集合写真

「より優れた教育の推進に」東工大教育賞授与式を実施

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3月18日(火)に本館理学系第2会議室において東工大教育賞の授与式が行われました。

授与式では、最優秀賞に選ばれた岡本昌樹准教授ほか7名の出席者に対して三島学長から賞状及び報奨金(目録)が授与されました。

最優秀賞 岡本昌樹准教授 授賞の様子

最優秀賞 岡本昌樹准教授 授賞の様子

この賞は、教員の教育方法及び教育技術の向上を図り、より優れた教育を推進することを目的として制定されたもので、今回で11回目となります。

平成24年度における授業科目の教育方法等が優れているとして次の10名の教員が選ばれました。

最優秀賞

受賞者
所属
職名
対象業績
岡本 昌樹
大学院理工学研究科
応用化学専攻
准教授
化学系学生に対する火災対処、薬品取扱等に関する効果的な安全教育の実践
武井 直紀
留学生センター
教授
日本と留学生の文化・社会への体験・感覚を通した相互理解教育

優秀賞

受賞者
所属
職名
対象業績
山田 光太郎
大学院理工学研究科
数学専攻
教授
基礎教育における双方向的な講義の試み
八島 正知
大学院理工学研究科
物質科学専攻 
教授
化学と材料学を融合した物質科学教育の実践
江頭 竜一
大学院理工学研究科
国際開発工学専攻
准教授
工学系におけるアジア地域との学生交流の拡充と実践
伊藤 武彦
大学院生命理工学研究科
生命情報専攻
教授
暗記科目からの脱却を諮った東工大に相応しい生命科目の教育実績
吉川 邦夫
大学院総合理工学研究科
環境理工学創造専攻
教授
留学生の受入れ及び海外との学生交流を通じて大学院教育の国際化に貢献
岡村 哲至
大学院総合理工学研究科
創造エネルギー専攻
教授
「ピアサポートによる"やる気"促進支援」の立ち上げと推進
里 達雄
精密工学研究所
教授
東工大におけるキャリア教育ならびにキャリア支援の推進
権藤 克彦
学術国際情報センター
教授
システムプログラミングの実践的な講義教材の開発・研究・適用

(所属順・敬称略)

東工大教育賞 受賞者
東工大教育賞 受賞者

グローバル理工系リーダー養成協働ネットワーク「MIT・ブラウン大学短期派遣」報告

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本学では、文部科学省「大学の世界展開力強化事業」の支援を得て、欧米等の理工系トップ大学との連携のもと、「グローバル理工系リーダー養成協働ネットワーク」事業を行っています。その一環として、平成26年2月25日~3月6日の日程で米国短期派遣プログラムを実施し、8名の学部3、4年生が参加しました。本プログラムは、本学の学部学生を米国のパートナー大学に短期間派遣し、研究内容や生活環境について理解することにより、将来の長期間にわたる留学に向けた準備を整えることを目的として企画されたもので、昨年に引き続き今年で2回目を迎えます。今年度はアメリカ合衆国のマサチューセッツ工科大学とブラウン大学を訪問し、それぞれの大学で研究室見学、講義出席、日本語クラス訪問や学生との意見交換を行いました。

今回本プログラムに参加した学生からは「両大学共に、全体に活気があり、授業中の積極的な姿勢をみていて、学生の勉強に対しての熱意は目を見張るものがあった。」、「留学は遠い夢だったが、アメリカの大学生活を実際に体験し、現実味が帯びてきた。留学の実現に向けて具体的に準備していこうと思う。」と前向きな声を聞くことができました。今回のプログラムでは8日間という短期間で、学生は異なる二つの米国の名門大学を訪問し、現地学生との交流や異文化体験を通し、日本の大学(研究室)との違いを肌で感じ、非常に多くのことを吸収したようでした。こうした経験を今後の学生生活に活かして、近い将来の長期留学への動機づけになることが期待されます。

MITでの研究室見学
MITでの研究室見学

MITでの集合写真
MITでの集合写真

ブラウン大学を見学する参加者
ブラウン大学を見学する参加者

ブラウン大学の学生と意見交換
ブラウン大学の学生と意見交換

お問い合わせ先
留学生交流課
Tel: 03-5734-2984
Email: tirop@jim.titech.ac.jp


「エネルギー体験ツアー:クリエネ!-Creative Energy-」 開催報告

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開催の概要

イベントのキャラクター「クリエネ!ちゃん」

イベントのキャラクター
「クリエネ!ちゃん」

3月2日(日)、東工大蔵前会館くらまえホールにて、小学生を対象としたエネルギー体験ツアー「クリエネ!」を開催しました。当日は、10:30、13:00、14:30、16:00の合計4回、各1時間のツアーを行いました。激しい雨の中にも関わらず、一部の未就学児を含む77名の子供達と、その保護者が来場し参加しました。

「クリエネ!」は、イベントのキャラクターである羊の「クリエネ!ちゃん」のネックレスのダイヤに蓄えられているエネルギーがなくなってしまったが、子供達が体を動かすことで、エネルギーが作り出されて「クリエネ!ちゃん」が元気になる、というストーリー設定で行われました。

原子力発電についての説明

原子力発電についての説明

イベントではまず、会場の外で「クリエネ!ちゃん」の動画を流した後、参加した子供を6名1チームに分けました。会場では、ブースを6つのエネルギー(「熱」「光」「運動」「電気」「原子力」そして「感情」)に分け、子供達は、それぞれのブースで、エネルギーを生み出すために体を動かす体験をし、スタッフがそのエネルギー変換についての説明を行いました。「感情」エネルギーは、自然科学で扱うエネルギーとは別のものであるため、「クリエネ!ちゃん」のネックレスでは、ダイヤの形状が、他のエネルギーを示すダイヤと区別できるように留意しました。

各チームが6つのブースを回った後、会場の正面スクリーンに、エンディングの動画を流して終了しました。出口の手前で、「クリエネ!ちゃん」へのメッセージや、体験したアトラクションへの感想などを参加した子供達に書いてもらい、参加賞として「クリエネ!ちゃん」の缶バッジを配布しました。

企画と準備段階

風船の伸び縮みを使った「熱」の体験

風船の伸び縮みを使った「熱」の体験

本企画は、東工大サイエンス&アートLab. [Creative Flow](代表:野原佳代子、留学生センター教授)が主催し、東工大基金事業:「日本再生:科学と技術で未来を創造する」プロジェクト-ものつくり人材の裾野拡大支援-の一環として実施しました。さらに武蔵野美術大学や東工大ものつくり教育研究支援センターなどの協力を得て開催となりました。学生の参加は、東工大から研究室の枠を越えて約15名、武蔵野美術大学から約5名でした。留学生の参加も多く、日本語だけでなく英語でのディスカッションも随時行われました。

静電気を起こして、風船を運ぶゲーム

静電気を起こして、風船を運ぶゲーム

1月初旬から、研究の合間を縫ってミーティングを重ね、大枠が出来上がった後、ものつくり教育支援センターにおけるブースの組み立てなどを経て、当日に至りました。また、参加する子供向けの「エネルギー」に関する説明については、理工学研究科・電子物理工学専攻の山田明教授が監修しました。

子供の「エネルギー」という概念の理解

光を鏡に反射させて太陽光パネルに当てるゲーム

光を鏡に反射させて太陽光パネルに当てるゲーム

参加者である子供達の一部に対して、イベント開始前に「エネルギー」という言葉について直接調査したところ、7割強の子供は「エネルギー」という言葉をテレビなどで聞いたことがあると答えました。しかしその半分以上は、エネルギーが実際にどのようなものであるのかについて把握していませんでした。多くの子供は「クリエネ!」に参加する前、「エネルギー」という言葉は知っているものの、具体的な説明はできないという状態でした。実際に、小学校の理科学習で「エネルギー」という言葉が出てくるのは、6年生になってからであるため、この結果は順当であり予想された通りでした。

イベントの成果

紙やすりをつけたボールで風船を割るゲーム

紙やすりをつけたボールで風船を割るゲーム

参加した子供達は各ブースのイベントスタッフの説明を聞きながら、積極的に体を動かして各ブースのエネルギー変換アトラクションを体験しました。その中には、汗だくになる子供も見受けられました。体験を終えた後は、スタッフから関連するエネルギーの説明を真剣に聞き、その場で質問する子供もいました。

手回し発電機での発電を可視化したゲーム

手回し発電機での発電を可視化したゲーム

イベント終了後に、子供達に感想を書いてもらったところ、おおむね好評で「楽しかった」というコメントが多かったです。また、一部の子供と保護者にインタビュー調査に協力してもらったところ、「エネルギーの伝達により、使えるエネルギーが50分の1になってしまうのに驚いた」、「エネルギーは電気や原発だけだと思ったけど、ほかにもエネルギーになる物があると知り、とても驚いた」、「熱・電気・太陽の光や熱がエネルギーであることを知ることができた」というような発見や感想がありました。

さらに後日、参加した保護者に対してアンケートの協力を依頼しました。回答のあった全ての保護者が、イベント終了後、帰宅時や家に帰ってから子供と「クリエネ!」についての話をしたと答えました。その時に話した内容として、子供が各ブースで体験して不思議に感じたこと、新たにわかったことが挙げられ、また「体を動かして話を聞いたことにより、エネルギーに関する言葉が頭にスッと入ってきた」などのコメントが見受けられました。

東工大との関わりについて

「クリエネ!」の終了後に、東工大スタッフと武蔵野美大スタッフで

「クリエネ!」の終了後に、
東工大スタッフと武蔵野美大スタッフで

今後、東工大でこのようなイベントがあったら、参加したいかどうか聞いたところ、全ての保護者が参加したいと回答しました。
その中には、「やはり、子供達には体験型が非常にいい」という声がありました。今回は近隣の小学校に通う子供の参加が多く、「科学の芽に繋がるプログラムをしてほしい」、「今後もこういったイベントを開催して下さい。是非参加したいと思います。東工大の近くに住めて大変光栄に思っております」、「今後も色々企画していただけると嬉しいです。子供の興味につながり、勉強も楽しくなっていくかと思います。」など、今後の東工大での子供向け科学イベントの開催に期待をする声が多く寄せられました。

以上見てきたように本企画「クリエネ!」は、東工大が初等理科教育とどう連携していくかを考えていくうえで学ぶところの多いイベントとなりました。

大気圧低温プラズマでフグ毒の分解に成功

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大学院総合理工学研究科の沖野晃俊准教授と神戸大学大学院医学研究科の東健教授は、大気圧低温プラズマを用いてフグ毒として知られるテトロドトキシンの分解に成功した。窒素ガスで生成した大気圧低温プラズマをテトロドトキシンに対して10分間照射することで、濃度が1/100になることを確認した。

大気圧低温プラズマによって高い活性力を持つラジカル(活性粒子)などの粒子を生成し、安定な化学構造を持つ毒素であるテトロドトキシンを室温で分解処理したもので、テトロドトキシン以外の毒素も分解できると見込まれる。大腸菌,黄色ブドウ球菌、カビなどの殺菌効果も確認されているため、今後は食品や農産物の無毒化、細菌・ウイルス汚染の除去、食品容器や医療機器の殺菌処理、化学テロ対策などへの展開が期待される。

この成果は4月1日に刊行される日本毒性学会の「トキシコロジカル サイエンス誌(The Journal of Toxicological Sciences)」に掲載される

図 マルチガスプラズマ装置

マルチガスプラズマ装置

論文情報

  • 論文題目
    Decomposition of tetrodotoxin using multi-gas plasma jet
  • 著者名
    T. Takamatsu et al.
  • 掲載誌
    The Journal of Toxicological Sciences, Vol. 39, No. 2 (2014)
    (2014 年4 月1 日出版予定)
  • DOI

お問い合わせ先
大学院総合理工学研究科創造エネルギー専攻
准教授 沖野晃俊
Tel・Fax: 045-924-5688
Email: aokino@es.titech.ac.jp

平成26年度 東京工業大学入学式 挙行

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4月2日(水)、大岡山キャンパスにて平成26年度入学式が執り行われました。今年度入学者数は、学部1,109名、大学院1,797名(修士課程1,521名、専門職学位課程28名、博士課程248名)の計2,906名です。

大学歌斉唱
大学歌斉唱

午前中の学部入学式、午後の大学院入学式の双方とも、アカデミックガウンを身にまとった学長、来賓の方々、本学理事・役員、研究科長や研究所長の教授陣の入場で始まりました。末永隆一氏の指揮のもと本学管弦楽団が行進曲を演奏する中、厳かな入場です。開式のアナウンス後、大学歌斉唱。本学混声合唱団コールクライネスの歌声とともに列席者一同で斉唱しました。

学長式辞
学長式辞

学長式辞で三島学長は学部新入生に向けて「自覚・熱意・挑戦」の3つの言葉を送り、日本一の理工系総合大学の学生として、社会に貢献すべく、熱意を持って、挑戦を続けていくように話しました。大学院新入生へは専門性を更に深めるとともに、語学力、教養を身に付け、人間力の向上に努めることの重要性を力強く語りました。

来賓の方々を代表して、本学同窓会「一般社団法人蔵前工業会」理事長の庄山悦彦氏、「ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社」代表取締役社長の井原勝美氏より祝辞をいただきました。

新入生総代答辞(学部)
新入生総代答辞(学部)

新入生総代答辞(大学院)
新入生総代答辞(大学院)

続いて来賓紹介、本学役員・部局長紹介が行われ、その後、新入生総代よりこれから始まる東工大生活での抱負が力強く宣誓されました。

平成26年度 東京工業大学入学式 挙行

学部入学式に続いて、同会場で入学記念コンサートが開催されました。これは毎年、新入生の門出を祝う意味をこめて、プロのピアニストにお願いして演奏していただく催しです。今年のピアニストは稲生亜沙紀さんです。稲生さんは東京藝術大学附属音楽高校、同大学を経て、チューリッヒ芸術大学および東京藝術大学大学院を修了され、大学院学位審査において藝大クラヴィーア賞を受賞されています。

平成26年度 東京工業大学入学式 挙行

満開の桜とともにこの晴れの日を迎え、大岡山キャンパスは新入生やそのご家族の晴れやかな笑顔であふれました。新入生のみなさま、入学おめでとうございます。

中性子が多い原子核に現れる特異構造を解明

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要点

  • 理研RIビームファクトリーでの実験により、ネオン31の微視的構造を決定
  • 中性子が非常に多い原子核に現れる3つの特異構造を統一的に理解
  • より重く、より中性子が多い不安定核に中性子ハローが普遍的に現れる可能性を示唆

概要

東京工業大学大学院理工学研究科の中村隆司教授と理化学研究所(理研)の研究グループは、中性子が非常に多い原子核でみつかっている「中性子ハロー(用語1)」「魔法数(用語2)の消失」、「強い変形」という3つの特異構造が、重いネオン同位体(用語3)「ネオン31」(31Ne)にすべて発現していることを定量的に明らかにし、これを統一的に理解することに成功した。

この研究は東工大、理研のほか、ソウル国立大学(韓国)、サレー大学(英)、日本原子力研究開発機構、カン素粒子原子核研究所(LPC-CAEN)(フランス)、東京大学原子核科学研究センター(CNS)、東京理科大学と共同で行った。研究成果は4月7日に米国物理学会の学術誌「フィジカル・レビュー・レターズ(Physical Review Letters)」電子版に掲載された。

今回観測されたネオン31の描像

図1
今回観測されたネオン31(31Ne)の描像。30Neというコンパクトで硬い芯原子核のまわりに、中性子1個が薄く拡がって雲のようになっている部分(中性子暈、あるいは中性子ハローと呼ばれる)がとりまいている。 31Neが約3:2(長軸:短軸比)で変形していることもわかった。

核図表、いわゆる原子核の地図

図2
核図表、いわゆる原子核の地図。横軸が中性子数、縦軸が陽子数(原子番号)を表わしている。ネオン31(31Ne)は陽子数が10、中性子数が21で、存在限界に近い原子核である。31Neはハロー構造が発見されている原子核の中では最も重い。

用語説明

(1) 中性子ハロー
1個または2個の中性子が芯原子核から外にしみだして薄く雲のように大きく拡がった状態(図1は31Neの例). 中性子が非常に多い原子核に10種程度みつかっている。31Neはその中で最も重い原子核である。なお、日常用語としてのハロー(Halo)は日本語では暈(かさ)と呼ばれ、薄曇りの日に太陽や月に現れる光の環を指す。

(2) 魔法数
原子核は特定の中性子数や陽子数を持っていると、殻が閉じることにより、球形になり、より安定になる。安定核で知られている魔法数は2, 8, 20, 28, 50, 82, 126である。この機構はマイヤーとイェンゼンによって発見され、彼らはこの業績により1963年にノーベル物理学賞を受賞している。最近の不安定核の研究から、従来知られていた8や20などの魔法数が消失する一方、新しい魔法数も幾つかみつかり注目されている。

(3) 同位体
陽子数が同じで中性子数が異なる原子核(または原子)を同位体と呼んでいる。観測されているネオンの同位体は最も軽いものが17Ne(ネオン17)で最も重いものが34Ne(ネオン34)である。また、天然に存在するネオンの安定同位体は20Ne(ネオン20)、21Ne(ネオン21)、22Ne(ネオン22)の3種である。

論文情報

Deformation-Driven p-Wave Halos at the Drip Line: Ne 31, T. Nakamura et al., Phys. Rev. Lett. 112, 142501 - Published 7 April 2014

DOI: 10.1103/PhysRevLett.112.142501outer

お問い合わせ先

中村隆司

東京工業大学 大学院理工学研究科 基礎物理学専攻教授

TEL: 03-5734-2652

Email: nakamura@phys.titech.ac.jp

東工大関係者8名が「科学技術分野の文部科学大臣表彰」を受賞

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このたび、東工大教員等8名が、科学技術分野で顕著な功績があったとして、科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました。

科学技術分野の文部科学大臣表彰では、「科学技術賞」として「開発部門」、「研究部門」、「理解増進部門」などいくつかの部門に分かれて表彰されています。文部科学省より発表された今年度の受賞者に、日ごろの研究活動、研究成果を認められた東工大関係者3名が含まれています。

また、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた若手研究者を対象とした「若手科学者賞」を5名の東工大教員が受賞しました。

本賞を受賞した東工大関係者は以下のとおりです。

科学技術賞(研究部門)

碇屋 隆雄 名誉教授

受賞業績:「革新的実用分子触媒の開発と精密合成化学への応用研究」

碇屋名誉教授のコメント

碇屋 隆雄 名誉教授
碇屋 隆雄 名誉教授

栄えある文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞できることは大変光栄なことと思っております。これまで有機金属化合物を基盤とする協奏機能分子触媒による高効率分子変換反応や、超臨界二酸化炭素触媒反応の開発研究を通して環境負荷低減に役立つ「ものづくり化学・技術」の確立をめざして参りました。その研究成果が認められたことは共同研究者や学生諸君らの献身的な努力の賜物であり、望外の喜びです。心から感謝申し上げます。

腰原 伸也 大学院理工学研究科物質科学専攻 教授

受賞業績:「光誘起相転移とその関連現象に関する実験的研究」

腰原 伸也 教授
腰原 伸也 教授

腰原教授のコメント

私が行っている光誘起相転移の研究に対して、大変重要な賞をいただき感謝申し上げます。いままで研究を支えていただいてきた多くの皆様、とりわけ若手の皆さんに改めて心からお礼を申し上げたいと思います。新しい世界の開拓に欠かせない、研究と教育を両輪とする知的世界の冒険旅行に、より一層頑張りたいと思います。

図「光誘起相転移とその関連現象に関する実験的研究」

画像は中性分子性結晶(中性相)とイオン性結晶状態(イオン性相)を入れ替わる光誘起相転移を示す電荷移動錯体テトラチアフルバレン‐クロラニル結晶の、イオン性相での電子密度分布(X線精密構造解析の結果から得られたもの)

科学技術賞(理解増進部門)

庄山 悦彦 一般社団法人蔵前工業会理事長

受賞業績:「実験参加型寺子屋式出前理科教室による児童の理解増進」

庄山 悦彦 理事長
庄山 悦彦 理事長

庄山理事長のコメント

蔵前工業会で推進している「くらりか」が、文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞できましたことは、これまでの関係者のご努力と将来に向かっての小中学校の理科教育への支援の重要性が評価されたもので、大変有難く感謝申し上げます。本活動により理科好き児童を増大させ、更なる努力をし、科学技術創造立国に寄与したいと思います。

若手科学者賞

米田 剛 大学院理工学研究科 テニュアトラック准教授

受賞業績:「実解析的手法を中心とした流体方程式の研究」

米田 剛 准教授
米田 剛 准教授

米田准教授のコメント

この度はこのような名誉ある賞を受賞させて頂き、大変嬉しく思っております。
この受賞を励みに、今まで以上に研究を進展させてまいりたいと意気込んでおります。
この場を借りて、今まで支えて下さった関係者方々に感謝申し上げます。

私はNavier-Stokes方程式という流体運動を表す方程式を数学的に研究しております。Navier-Stokes方程式は、あの有名な「ミレニアム懸賞問題」のひとつを提供している大変重要な方程式のひとつです。最近は、解析学(関数解析やフーリエ解析)というこのNavier-Stokes研究フィールドでよく使われてきたアプローチだけではなく、微分幾何学、数値計算、流体物理(理論物理)などさまざまなアプローチを念頭においています。今後はもっと貪欲に、工学、化学、生命科学といった異分野とも積極的に交流を深めていきたいと思っております。

藤芳 暁 大学院理工学研究科物性物理学専攻 助教

受賞業績:「温度数Kにおけるタンパク質1分子分光法に関する研究」

藤芳助教のコメント

本研究課題の実現には、真空光学株式会社、有限会社小野精工製作所をはじめとする地元大田区の町工場や、秋田県の三共光学工業株式会社で働く職人の方々の匠の技が無ければ不可能でした。ここに、改めてお礼を申し上げます。ご指導、ご鞭撻を頂いた松下道雄先生、小谷正博先生、志田忠正先生、実験に携わった小井川浩之博士、加藤太朗氏、星野創氏、内山大輔博士、金昌萬氏、恩田賢一氏、渡邊瑛氏、藤原正規博士、古屋陽氏、平野充遙氏、吉弘達矢氏、櫻井敦教氏、山川博之氏、上田慧氏、中村一平氏、島内明理氏、日野原拓也氏、岡本昴氏、丸尾美奈子氏、大友康平博士、稲川博敬氏、濱田裕紀氏、近藤徹博士、虎谷泰靖氏、若尾佳祐氏、本橋和也氏、森智貴氏、内藤貴也氏、共同研究者として研究に携わって頂いている総研大の渡辺正勝先生、伊関峰生先生、名工大の南後守先生、出羽毅久先生、東工大生命理工の林宣宏先生、東京医科歯科大の細谷孝充先生、京大の喜井勲先生に感謝を申し上げたいと思います。

極低温中で動作する反射対物レンズ

写真は、上記の方々と開発した極低温中で動作する反射対物レンズです。大きさの参考のために、2個のレンズの左横に百円玉を置いてあります。

杉山 将 大学院情報理工学研究科計算工学専攻 准教授

受賞業績:「ビッグデータ時代を支える次世代機械学習技術の先駆的研究」

杉山 将 准教授
杉山 将 准教授

杉山准教授のコメント

インターネットやセンサーなどを通じて、大量のデータが容易に入手できるビッグデータ時代が到来しました。ビッグデータの解析により、基礎科学から工学応用に至る様々な分野で新たな価値が創造できると期待されています。しかし、高次元かつ複雑な構造を持つ大量のデータは、既存の情報処理技術によって精度良く解析することが困難です。

このような背景のもと、様々な知的情報処理課題が確率密度比の推定問題に帰着できることを示し、確率密度比の高精度かつ高速な推定法を開発しました。これにより、異常検出、パターン認識、特徴抽出、クラスタリングを含む様々な機械学習課題を、統一的かつ精度良く解決できるようになりました。

今回の受賞を励みに、これからのビッグデータ時代を支える情報処理技術基盤の構築に向け、更に努力していきたいと思います。共同研究者の皆様、および、素晴らしい研究環境を与えて下さった計算工学専攻の先生方に感謝するとともに、引き続きのご支援、ご鞭撻をお願い致します。

小寺 哲夫 量子ナノエレクトロニクス研究センター 助教

 

受賞業績:「半導体量子ナノ構造中のスピンに関する研究」

小寺助教のコメント

小寺 哲夫 助教
小寺 哲夫 助教

量子ナノ構造中のスピンを情報の担い手として用いる新原理素子の創製と物理の解明を目指して研究を行ってきました。電子デバイスの高性能化と低消費電力化を両立させる技術や、超高速計算機として注目されている量子コンピュータの要素技術になると期待されています。今回このような光栄な賞を頂けたことを大変有り難く思います。これまでご指導頂いた先生方や、共同研究者の皆様、研究室のメンバーに大変感謝致しております。今後より一層研究に邁進したいと思います。

シリコン量子ドット素子の電子顕微鏡写真とスピンに依存するトンネル現象の模式図

図.
(a) シリコン量子ドット素子の電子顕微鏡写真。
(b) スピンに依存するトンネル現象の模式図。

中戸川 仁 フロンティア研究機構 特任准教授

受賞業績:「オートファジーを駆動する分子メカニズムの研究」

中戸川特任准教授のコメント

中戸川 仁 准教授
中戸川 仁 准教授

オートファジーとは私たちの体を構成している細胞の中で起こる大規模な分解・リサイクルシステムです。オートファジーを支える仕組みはとても魅力的な謎に満ちており、私はその解明に取り組んできました。このたびはこのような賞をいただき、これまでお世話になりました先生方、同僚の皆様、一緒に研究に励んでくれた学生さんたちに深く感謝しております。これからも謎の全容解明に向けて精進したいと思います。

図「オートファジーを駆動する分子メカニズムの研究」

オートファジーでは、分解の対象をオートファゴソームと呼ばれる膜の袋で包み込んで、リソソームあるいは液胞といった分解の場に運び込みます。オートファゴソームの膜は、図のようにとてもユニークかつダイナミックな過程を経て作り上げられます。本研究により、この膜形成を駆動するメカニズムの理解に重要な複数の知見が得られました。

※ 公開時、文中に重複があったため、該当する部分を削除いたしました。

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