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「原子力セキュリティー・核不拡散に関する国際シンポジウム・セミナー」開催報告

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「原子力セキュリティー・核不拡散に関する国際シンポジウム・セミナー」開催報告

2月25日(火)~3月7日(金)、お台場の東京国際交流館・プラザ平成において、国際シンポジウム・セミナー「International Symposium and Seminar on Global Nuclear Human Resource Development for Safety, Security and Safeguards」を開催しました。このセミナーは、原子力災害に対応できるグローバルな人材育成を目的とし、原子力、セキュリティ及び核不拡散をテーマとして開催され、117名(国外講師20名、国内講師11名、グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育課程学生15名、国外学生等24名、国内学生等5名、その他42名)が参加しました。
今回の国際セミナーは、招聘した国内外の講師の方々との質疑応答や学生同士の積極的なディスカッションを通して、原子力セキュリティと核不拡散について理解を深める有意義なセミナーとなりました。

第1部はまず、東京工業大学三島学長(代読)、共催者のテキサスA&M大学の代表、来賓の国際原子力機関(IAEA)の代表による歓迎と開会の挨拶で始まりました。つづいて、国際原子力機関、包括的核実験禁止条約準備機関、在日フランス大使、元在ウィーン国際機関政府代表部遠藤大使による基調講演が行われ、「原子力の将来と核不拡散」、「原子力教育・訓練」、「原子力安全と核セキュリティ」、「プルトニウム問題」に関する招待講演及びパネルディスカッションが行われました。
その後、事前登録したセミナー受講生44名は広島平和記念公園や高速増殖原型炉「もんじゅ」を訪問し、東京に戻って引き続き第2部・第3部に参加しました。

第2部の「Seminar on Nuclear Security」では、「核セキュリティ文化」、「核セキュリティへの脅威」、「核セキュリティリスク分析」、「革新的な核セキュリティ技術」、「国境/港湾セキュリティ」、「核物質の輸送安全」などの講義が行われ、活発な討論が行われました。

第3部の「Student Session」では、元IAEA事務次長や米国国務省 国際安全保証拡散防止局 脅威削減プログラム大使による特別講演(ビデオ講演)や日本文化についての特別講演、更に福島第一原子力発電所事故に関する講義が行われました。最終日には受講生の各グループが、このセミナーで学んだことをまとめ、プレゼンテーションとディスカッションを行いました。海外からの受講生はもちろんグローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院所属の学生にとっても貴重な体験となりました。

プレナリーセッションの様子

プレナリーセッションの様子

オープンセッションでの質疑応答

オープンセッションでの質疑応答

真剣にディスカッションする学生たち

真剣にディスカッションする学生たち

自分の考えをまとめ、発表する様子

自分の考えをまとめ、発表する様子

お問い合わせ先
グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院
Tel: 03-5734-3279
Email: u-atom.suishin@nr.titech.ac.jp

※ 公開時、文中に誤りがあったため、修正いたしました。


「3類 新入生セミナー」開催報告

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東工大では毎年、新入生を対象に、類ごとのセミナーを実施しています。
このうち、3類の新入生セミナーは、例年化学関係の工場・研究所などへの日帰り見学会を催しています。今年も2ヶ所の工場見学を実施しました。3類新入生は114名で、これに引率の教員、引率補助学生が加わった一行は、4月4日に4台のバスに分乗して、大岡山を発ちアクアラインを超えて木更津方面に向かいました。

出光興産千葉工場

出光興産千葉工場

最初の見学先は出光興産千葉工場(千葉県市原市)です。ここには本学3類出身の先輩社員が多く在籍しており、案内役も務めていただきました。
まず、講堂にて出光興産千葉工場と千葉コンビナートの概要の説明がありました。世界有数の規模のこのコンビナートは、原油を原料に多数の製品を製造しており、その様性と規模の大きさに圧倒されました。続いてバスに乗車し、先輩社員の解説により、工場内の見学ツアーを実施しました。おおもとの原料である原油を分離精製する常圧蒸留塔にはじまり、流動接触分解装置、脱硫装置群、ナフサを分解してエチレンなどをつくるエチレン装置など、典型的な石油精製工程を順に見学しました。

その後、石油化学工場地帯に移動し、各種炭化水素からポリエチレン、ポリプロピレン、潤滑油など典型的な石油化学製品の製造プラント群が紹介されました。このような、原料から製品への複雑かつ大規模な製造工程を一度に概観できる機会は貴重であり、参加学生も化学系のものづくりの実際に接して大いに啓発されました。全行程2時間の見学でした。

実験の様子

実験の様子

次いで、アクアライン隣接の東京ガスLNG(液化天然ガス)基地(袖ヶ浦工場、千葉県袖ヶ浦市)を見学しました。ここは海外からタンカーでLNGを受け入れ、都市ガスや発電所燃料として供給している、これもまた世界最大級の施設です。巨大なLNGタンク群は壮観です。また、幸いにも桟橋にLNGタンカーが停泊中で、受け入れを目の当たりにすることができました。講堂ではこのLNG基地の解説がおこなわれ、その後実際のLNGを使った実演が担当者から紹介されました。冷却されたLNGによる花やゴムボールの冷凍実験がおこなわれ、実際のLNGについての認識が深まりました。

工場見学修了後は午後5時過ぎに大岡山に帰着し、生協第一食堂にて恒例の歓迎懇談会を催しました。引率した教員に加え、多くの教員が各学科から参加し、各教員から一言ずつお祝いと大学生活にあたっての助言がありました。各教員からの励ましの言葉は、新入生の今後の糧となることでしょう。また、いろいろな専門を持つ教授・准教授が多数いることを知り、専門科目の学習の意欲がわいたはずです。懇談会終了後も、会場でクラス毎の懇談は続き、クラス内交流を深める上でも充実した1日となりました。

知能システム科学専攻のグループが工学教育賞を受賞

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大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻の、山村雅幸教授を代表とするグループ(山村雅幸教授、木賀大介准教授、瀧ノ上正浩講師、小宮健助教)が、第18回工学教育賞の業績部門を受賞しました。

工学教育賞は、日本の工学教育ならびに技術者教育等に対する先導的、革新的な試みによって、その発展に多大の影響と貢献を与えた業績を表彰する賞です。

山村教授らは、「国際学生コンテストを通じた多分野共同型の次世代生物工学教育」の功績が評価されました。

受賞を受けて、代表の山村教授は次のようにコメントしています。

このたび、私たちの「国際学生コンテストを通じた他分野共同型の次世代生物工学教育」が、公益社団法人日本工学教育協会から、第18回(2013年度)工学教育賞業績部門の表彰を受けることになり、たいへん光栄にかつ嬉しく思っております。

私たちの活動は、国際人工遺伝子回路コンテスト(iGEM)と国際分子ロボットコンテスト(BIOMOD)への参加を通じて、新しい工学教育を目指しています。一連の活動は、これまでに東工大教育賞などで表彰を受けています。長年にわたって、授業や諸経費の支援等でご協力いただいたみなさまに深く感謝いたします。

私たちの活動の特徴は、専門の異なる学生からなるチームによる問題解決にあります。普段、同じ学科の友達との間では、言葉にしなくても通じる共通の知識が前提になっているということが、専門の異なる人たちとコミュニケーションしようとした途端に明らかになります。いつもと違う緊張のもとで、いつもなら見逃すような新しいアイデアが生まれてきます。その教育効果にはめざましいものがあります。1ヶ月あまりの間に学生たちの目の輝きが変わってゆくのを毎年経験しています。受賞理由でも、次世代を担う多能な若手人材を育成するエリート教育として、チームを育て成果を上げてきたことが評価されています。

私たちの活動は、普通の研究室の活動からすればボランティア的なもので運営されており、正直なところ継続できるかどうかの岐路に立っております。受賞理由にも今後の継続した活動を通じて学生への教育効果を発揮することが期待されており、何とか異分野融合チームによるこのユニークな教育を続けてゆきたいと考えております。

ともあれ、ロボコン第一世代としては、この熱気と興奮はいくつになってもやめられません。皆さんもいかがでしょうか。

左から、瀧ノ上正浩講師、山村雅幸教授、木賀大介准教授、小宮健助教
左から、瀧ノ上正浩講師、山村雅幸教授、木賀大介准教授、小宮健助教

東工大-目黒区連携講座 「もっと身近にサイエンス!バイオを学ぼう!」 開催報告

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3月15日、東工大大岡山キャンパスにて、目黒区教育委員会、大学院生命理工学研究科、東京工業大学博物館の共催で、東工大-目黒区連携講座「もっと身近にサイエンス!バイオを学ぼう!」を実施しました。この連携講座は、2010年から始まり、今回で4回目の開催です。本学と目黒区は本年3月5日に連携・協力に関する基本協定を締結しました。はからずも本企画が正式な協定のもとでの記念すべき最初のイベントとなりました。

実験風景

実験風景

蛍光色素で浮びあがらせたDNAのバンド。電気泳動の向きは右(陰極)から左(+陽極)

蛍光色素で浮びあがらせたDNAのバンド。
電気泳動の向きは右(陰極)から左(+陽極)。

“もっと身近にサイエンス!”とはいえ、「中学生に遺伝子工学の実験は無理なのでは?」などの意見もありましたが、生命理工学部3年生の学生実験に組み込まれている高度な実験にトライしてもらいました。

環状DNA(プラスミド)を特殊な酵素で1ヵ所及び2ヵ所切断し、生成する断片を電気泳動によって大きさにもとづいて分離し、蛍光色素によってDNA断片を光らせようという実験です。暗箱の中で紫外線を照射すると、蛍光のスポット(帯、band)が浮びあがるというクライマックスシーンは、幻想的かつ感動的なものでした。

将来、理系に進むか否かを問わず、遺伝子の本体であるDNAをこの目で見たという経験は、参加者の人生にとって貴重な財産となることでしょう。「次はDNAの形を電子顕微鏡などの特殊な装置で見てみたい」という中学生もいましたので、理系人材の育成という面でも効果はあったといえます。

実験の実施や事前準備は生命理工学部の学生に手伝ってもらいました。生命理工学部にはBio Creative Staff (BCS)やiGEMチームという学生サークルがあり、小中高校生対象にした教材開発や出前授業の活動をしています。彼らを中心に中学生向けの実験の手順を考え、研究室で試験をし、中学生向けの詳細かつイラストや写真満載の実験書を作り上げました。学生たちにとっても、参加者以上に得るものが多い機会となったことでしょう。

マイクロピペット and ゲルと格闘する参加者
マイクロピペット & ゲルと格闘する参加者

火星の水が失われた歴史を解明-地球と火星の運命はいつどのように分かれたのか-

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要点

  • 火星隕石の化学分析データと理論計算により火星の水が失われた歴史を解明
  • 火星の初期水量の50パーセント以上が誕生後約4億年間で大気を通じて宇宙空間へ流出
  • 現在発見されている量を上回る大量の氷が火星に存在する可能性を提示

概要

東京工業大学大学院理工学研究科の臼井寛裕助教と名古屋大学大学院理学研究科の黒川宏之博士研究員らは、火星誕生から約4億年の間に火星表層の初期水量の50%以上が大気を通じて宇宙空間へ流出し、また残りの水の大部分は火星の気候変動により氷となって現在でも火星の地下に存在する可能性があることを突き止めた。

水が大気を通じて宇宙空間に流出した場合、残存する水の水素同位体比の変化としてその履歴が残ることに着目し、火星隕石に含まれる水の高精度水素同位体分析データを用いた理論計算によって水が失われた時期や量を明らかにした。火星が水を失った歴史を突き止めたことは、今後の火星探査計画への示唆や、地球型惑星が生命誕生にとって重要な海を持つ条件の理解につながると期待される。

 

現在の火星は極域に少量の氷が発見されている乾燥した惑星であるが、かつては大量の水が存在したことが探査研究などにより示唆されてきた。しかし、水がいつ、どのように失われたかは惑星科学における未解明の大きな謎だった。
この成果は5月15日発行の欧州科学雑誌「アース&プラネタリー サイエンス レターズ(Earth & Planetary Science Letters)」に掲載される。

図:火星隕石の分析によって得られた火星表層の水の水素同位体比の時間変化(上)と理論計算で得られた火星表層の水の量の時間変化(下)

図:火星隕石の分析によって得られた火星表層の水の水素同位体比の時間変化(上)と理論計算で得られた火星表層の水の量の時間変化(下)。水の存在量は火星地表面で平均した場合の水の厚みで表している。火星誕生後約4億年間で初期水量の50%以上が失われたこと、現在の火星の極地域に発見されている量よりはるかに多い氷が存在することを示唆している。図は本研究論文(Kurokawa et al., 2014)をもとに改変。

論文情報

Evolution of water reservoirs on Mars: Constraints from hydrogen isotopes in martian meteorites, H. Kurokawa, M. Sato, M. Ushioda, T. Matsuyama, R. Moriwaki, J.M. Dohm, T. Usui, Earth and Planetary Science Letters, Volume 394, 15 May 2014, page 179-185.

DOI:10.1016/j.epsl.2014.03.027outer

お問い合わせ先
大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻
臼井寛裕
Tel: 03-5734-2616
Email: tomohirousui@geo.titech.ac.jp

NHK Eテレ「すイエんサー」に東工大教員チームが出演

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理工学研究科及び総合理工学研究科の教員がNHK Eテレの科学エンターテーメント番組、「すイエんサー」に出演します。
おわんにはまったお皿をはずす、という一見単純そうなテーマですが、これまで番組では失敗が続いていたようです。
3回目の挑戦となる今回、番組からの協力依頼を受け、東工大の教員陣が立ち上がりました!
さて、お皿は外れるのでしょうか!

番組名
NHK Eテレ すイエんサー
テーマ
「おわんにピーッタリはまったお皿をなにがなんでも外した~い!」
放送日
2014年4月22日(火) 19:25~19:50
(再) 2014年4月26日(土) 9:30~9:55
出演教員
中島章教授(理工学研究科・材料工学専攻)
磯部敏宏助教(理工学研究科・材料工学専攻)
平井秀一郎教授(理工学研究科・機械制御システム専攻)
植村豪助教(理工学研究科・機械制御システム専攻)
桃園聡助教(理工学研究科・機械宇宙システム専攻)
岡村哲至教授(総合理工学研究科・創造エネルギー専攻)

NHK Eテレ「すイエんサー」に東工大教員チームが出演

社会課題解決に貢献する科学技術の探索法を開発

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概要

東京工業大学イノベーションマネジメント研究科の梶川裕矢准教授は、社会課題の解決に貢献する科学技術の候補を探索する方法論を開発した。

研究の背景

持続可能性や少子高齢化など、科学技術が社会から解決を要請される課題は複雑なものとなっている。一方で、科学技術や大学院教育は細分化・専門化するという状況にあり、また、日々膨大な量の科学技術情報が出版されている。こうした中で、社会課題の解決に貢献し得る科学技術を効率的・効果的に探索することはますます困難となっている。

研究成果

梶川裕矢准教授らの研究グループは、大量の論文情報の引用解析やテキスト解析により、科学技術と社会課題の関係性を可視化し、有望な技術の探索を可能とする手法およびシステムの開発を行った。科学技術と社会課題の関係性を示すことで、社会課題に対する科学技術の貢献を明示化するとともに、今後、研究開発が必要な新たな研究テーマの発掘にも活用することができる。

今後の展開

開発した手法およびツールは、技術経営やイノベーションマネジメントのための基盤的な方法論として用いることができる。今後は、企業などとの共同研究を通じて、新規事業の設計やそのためのアイデア出しに活用されることが期待できる。

社会課題(高齢社会)と技術(ロボット)の繋がり
図: 社会課題(高齢社会)と技術(ロボット)の繋がり

論文情報

論文タイトル:
Finding linkage between technology and social issue: a literature based discovery approach
雑誌名:
Journal of Engineering & Technology Management
DOI:
執筆者:
梶川裕矢
所属:
イノベーションマネジメント研究科

お問い合わせ先

梶川裕矢

大学院イノベーションマネジメント研究科技術経営専攻 准教授

TEL: 03-3454-8754

FAX: 03-3454-8754

Email: kajikawa@mot.titech.ac.jp

東工大生がオバマ米大統領との科学技術対話イベントに参加 - UstreamにてLive配信

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本日午後、来日中のバラク・オバマ米国大統領が日本の若者と科学技術について語り合うイベントが日本科学未来館にて開催されます。このイベントに東工大から学部4年生2名と附属科学技術高校生5名が参加します。

大統領は日米科学技術協力についてのスピーチを行う予定で、このイベントの様子が本日午後3時10分頃からUstreamにて生中継される予定です。

LIVE配信

2014年4月24日15時10分時頃、このページにて視聴いただけます。


NHK Eテレ「世界トップ科学者に続け!最先端研究者と若者の白熱トーク」に細野秀雄教授と学生が出演

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フロンティア研究機構、細野秀雄教授と同研究室博士後期課程2年の佐藤光さんがNHK EテレのTVシンポジウム「世界トップ科学者に続け!最先端研究者と若者の白熱トーク」に出演します。

番組名
NHK Eテレ TVシンポジウム
「世界トップ科学者に続け!最先端研究者と若者の白熱トーク」
放送日
2014年4月26日(土)14:00~15:00

フロンティア研究機構 細野秀雄教授

フロンティア研究機構 細野秀雄教授

世界トップを目指す最先端研究者と次世代を担う若者たちが熱く語り合うTVシンポジウムです。超伝導研究の第一人者でIGZOなどを開発した本学の細野教授、装着型ロボットという新ジャンルを切り拓いた筑波大学の山海嘉之教授、2002年ノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一フェローの3研究者が、本学学生佐藤さんをはじめとする若い世代に自らの研究をわかりやすく伝え、科学の魅力や科学の将来について語り合いました。

※ 公開時、情報に誤りがありましたので、訂正いたしました。

日本国際賞(Japan Prize)授賞式

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4月23日(水)、本年1月に東京工業大学栄誉教授の末松安晴博士に授与が発表された日本国際賞の授賞式が天皇皇后両陛下のご臨席のもと国立劇場大劇場で行われました。

末松安晴博士 提供(財)国際科学技術財団

末松安晴博士
提供(財)国際科学技術財団

日本国際賞は、全世界の科学技術者を対象とし、独創的で飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、もって人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められる人に与えられ、毎年、科学技術の動向を勘案して決められた2つの分野で受賞者が選定されます。

本年の受賞者は、「エレクトロニクス、情報、通信」分野から、長距離かつ大量の情報通信を可能にする半導体レーザーの開発により光ファイバー通信の実現に貢献した東京工業大学栄誉教授の末松安晴博士と、「生命科学」分野より生物の染色体に含まれるタンパク質に起こる変化が遺伝情報に関わる事を解明し、がんの治療薬の開発などに貢献したアメリカのロックフェラー大学教授のデビッド・アリス博士の2人です。

式典では多くの国内外の研究者らが見守るなか、2人に賞状や記念の盾が贈られ、両陛下は笑顔で拍手を送られていました。

受賞者を祝福される天皇陛下 提供(財)国際科学技術財団

受賞者を祝福される天皇陛下
提供(財)国際科学技術財団

末松博士ご夫妻 提供(財)国際科学技術財団

末松博士ご夫妻
提供(財)国際科学技術財団

お問い合わせ先
広報センター(プレス担当)
TEL: 03-5734-2975
Email: media@jim.titech.ac.jp

T2R2の論文公開件数が2000件を突破

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T2R2システム (Tokyo Tech Research Repository) は、東工大の学術研究論文等の一元的な蓄積・管理・発信を目的としたシステムです。東工大所属の全ての研究者が執筆した学術研究論文等のメタデータ(書誌情報等)およびPDFファイル形式の論文本文を、登録・保存・公開するための機能を備えています。また、T2R2システムに登録された論文・著書は、T2R2システムの検索サイトを通して、広く学内外の利用者による検索・閲覧が可能です。

3月19日、このT2R2システムにて学外公開されている論文等の本文ファイルが2000件を突破しました。
今後もT2R2システムでは、本学の研究成果を世界へ向けて発信して参ります。

2000件目の論文を登録した西原明法教授(大学院社会理工学研究科 人間行動システム専攻)のコメントを紹介します。

2000件目に本文ファイルが学外公開された論文の概要を教えてください。

与えられた電力対称な伝達関数から、全域通過回路を基本とした2ポート区間を順次引き抜くことにより、エイリアス歪と振幅歪のない2チャンネルIIRフィルタバンクを構成する一般的な手法を提案している。これにより従来別扱いとしていた偶数次の場合や、IIR-FIRハイブリッドなどの広いクラスのフィルタバンクが統一的に構成可能となった。

T2R2システムで公開されたファイルをどのような方々に読んで頂きたいですか?

ディジタル信号処理の内部回路構造(処理アルゴリズム)に興味をもつ方々。

今後の研究活動のご予定を教えてください。

応用研究ばかりでなく、このような理論的な研究も続けたい。

「2類 新入生セミナー」開催報告

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東工大では毎年、新入生を対象に、類ごとのセミナーを実施しています。

今年の2類の新入生セミナーは、4月4日(金)から1泊2日の日程で行われました。天気が心配されましたが、幸いにも両日とも晴天の下、学生92名と教職員12名、そしてOB講師の3名が参加。3台のバスに分乗し、見頃を迎えた桜に見送られ出発しました。

みなとみらい技術館ロビーにて 館長のご説明

みなとみらい技術館ロビーにて 館長のご説明

今回の見学先は、三菱重工みなとみらい技術館です。ロビーにて館長のご挨拶をいただいた後、各自思い思いに館内を見学しました。展示内容は子供から大人まで楽しめるもので、教員が積極的に展示を説明し、学生と教員、学生間の交流を促しました。見学後、館長との質疑応答の時間では、積極的に質問が飛び交いました。この時点ですでに1年生の間に良いムードができつつありました。

海ほたる経由し、絶景を眺めながらバスの中でお弁当を食べ、南房総富浦ロイヤルホテルに到着しました。

午後からは、2類を形成する3学科を代表し、3人のOBによる3つの講演が行われました。

「一東工大OB エスプリ香る履歴書仕立、有益なアドバイスを添えて」

(大日本印刷 研究開発センター、藤原 亮氏)

「10年後の君へ ~ エネルギー×海外=金属? ~」

(東京ガス株式会社 基盤技術部 エネルギーシステム研究所、黒川 英人氏)

「材料工学科から建設会社」

(鹿島建設株式会社 技術研究所、渡邉 賢三氏)

材料セミナー 分解

材料セミナー 分解

講演の後は、自由時間です。ホテルの周りはさすが国定公園という海と山双方の自然に囲まれており、美しいチャペルを眺めたり、海岸で貝殻を拾ったりなど、各自盛り上がりました。

夕食後は、10班に分かれて、プルバックミニカー、ソーラー電卓、小型モーターの「分解」を行いました。学生には、それぞれの分解において、どんな材料がどんな役割を果たしているかを理解させる"ヒント工具"が渡されます。今回は、偏光板になかなか注意が行かず、途中でヒントが出されました。

材料セミナー プレゼンテーションと質疑応答

材料セミナー プレゼンテーションと質疑応答

翌日は朝食後に「分解」の続きを行います。最後は班ごとに、分解の結果分かったこと、これらの道具をより良くするためにはどうすれば良いかなどの成果を発表し、質疑応答を繰り広げました。ここでも今年の新入生は積極的に発言し、盛んな質疑応答が繰り広げられました。プレゼンテーション技術、チームワークなどに注目して評価を行い、優秀賞2件と最優秀賞1件が選ばれました。

ホテルを出発し、海ほたるを経由して、無事大岡山に着きました。新入生間のコミュニケーションと、2類を理解してもらうという目的が達成され、例年以上に盛り上がった新入生セミナーでした。

世界規模での挑戦:魚類の種多様性を河川の流況から読み解く

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概要

東京工業大学理工学研究科土木工学専攻の吉村千洋准教授とオリバー・サベドラ特任准教授の研究室は、世界規模での河川における魚類種数を、流況(用語1)指標と他の環境要因を用いて予測する経験的なモデルを開発した。

研究の背景

世界各地において生物多様性の減少が深刻な懸念となる最中、河川においては水利用の増加に加えて気候変動が自然の流況を変化させ、魚類種数を含めた淡水生物多様性に影響を及ぼしている。しかし、利用できる生物データは限られており、また河川の流れの多様性を表現する流況指標が未だ発展段階であるため、全球規模での流況と魚類種数の関係は未だ明らかとなっていなかった。

研究成果

対象河川において、生態学的に重要とされる流況を観測流量に基づき評価した上で、一般化線形モデル(用語2)を適用することで魚類種数との関係解析を行った。世界初の経験的知見として、特定の低水・高水特性が河川流域規模の魚類種数の多様性を説明する重要な要因であることが示唆された。また、今後の予測されている水利用や気候変動に基づき、将来の魚類種数の変化を定量的に予測した。

今後の展開

魚類種数多様性の保全の観点から、絶滅リスクの高い河川を特定する際に、この発見が有益となり得る。継続的な試みとして、流況のみならず、ダムが及ぼす影響や魚類の詳細な形態分類といった要素を考慮したモデルを構築中である。

流域ごとの魚類種多様性ポテンシャルの変化.灌漑地拡大および気候変動を考慮したシナリオに基づき、将来(2036-50, FSR.f)と過去(1971-85, FSR.p)の在来種の種多様性ポテンシャルの比を表す。
図: 流域ごとの魚類種多様性ポテンシャルの変化.灌漑地拡大および気候変動を考慮したシナリオに基づき、
将来(2036-50, FSR.f)と過去(1971-85, FSR.p)の在来種の種多様性ポテンシャルの比を表す。

用語説明

(1) 流況
流れの特性。時々刻々と変化する河川流量をその強さ、頻度、期間、時期、変化率といった観点から包括的に言い表したもの。

(2) 一般化線形モデル
正規分布以外の分布を扱えるように線形回帰モデルを拡張したモデル

論文情報

論文タイトル:
Evaluating the relationship between basin-scale fish species richness and ecologically relevant flow characteristics in rivers worldwide
雑誌名:
Freshwater Biology
DOI:
執筆者:
Yuichi IWASAKI, Masahiro RYO, Pengzhe SUI, and Chihiro YOSHIMURA
所属:
Department of Civil Engineering, Tokyo Institute of Technology

お問い合わせ先

吉村千洋

理工学研究科 土木工学専攻 准教授

TEL: 03-5734-2597

FAX: 03-5734-3577

Email: yoshimura.c.aa@m.titech.ac.jp

「第19回 My Study Abroad 留学報告会」開催報告

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4月15日(火) 昼休みの時間を利用して、My Study Abroad 留学報告会を開催しました。
国際室が募集する留学プログラムで留学した学生によるこの報告会は、授業期間中、月1~2回開催されています。

今回は4名の発表者が、それぞれ個性溢れる話しぶりで、授業や生活について報告しました。参加者からも多くの質問があり、留学をしたいと思う学生にとって貴重な機会となりました。

Chen Jiaminさん

Chen Jiaminさんの留学中余暇の紹介

ジョージア工科大学へ留学したChen Jiaminさん(経営工学専攻 修士2年)は英語での発表です。準備段階でのアドバイスとして、東工大には多くの奨学金が用意されているからぜひ応募すること、また、健康診断はアメリカでは料金が高いため日本で受けておくように、といった実用的な説明がありました。また、留学中の就活生にとっては、ボストンキャリアフォーラムという就活イベントが大変有意義だそうです。

河鰭 万里さん

河鰭 万里さん発表の様子

2人目の発表者は、オーストラリアのメルボルン大学へ留学した河鰭 万里さん(生命理工学科 学部3年)。オーストラリアでの体験で、柔軟性、積極性、多様性、公平性に感動したとの発表でした。学部3年生の河鰭さんは、単位互換制度により留学先で取得した単位を東工大の単位へ振り替えたとの報告もありました。特に、理系科目でもディスカッションがあり楽しい授業だったそうです。人生を考える留学となり、帰国後のステップアップのためのよい機会となったようです。

藪 知衣理さん

藪 知衣理さんの留学先スイスの紹介

続いて、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)へ留学した藪 知衣理さん(材料物理科学専攻 修士2年)から留学報告がありました。英語以外も学びたいということでドイツ語圏のETHを選んだ藪さん。授業は基本的には英語でしたが、アインシュタインの出身校であり世界ランキングでも上位の大学であるため、やはり授業は難しかったようで、ICレコーダーで録音をしつつ、その日のうちに質問をして勉強していたとのことでした。

最後はスウェーデン王立工科大学への留学経験者から発表があり、スウェーデンは英語もかなり通じるそうですが、大学ではスウェーデン語の入門講座も開かれているそうです。先生を訪問したり、自治体へインタビューしたりといった、自分の足で研究活動をすることが大切だというアドバイスがありました。また、大学での就活イベントでは、インターンシップの案内などがあるのでぜひ参加するといいとのことです。

漠然と留学をしたいと思っている人や、現在の学生生活に物足りなさを感じている人、一度、留学体験談を聞きに来てみてはいかがでしょうか。次回は5月16日(金)の予定です。

お問い合わせ先
国際部留学生交流課派遣担当
Tel: 03-5734-7645
Email: hakenryugaku@jim.titech.ac.jp

5月の学内イベント情報

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2014年 5月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

5月の学内イベント情報


「東工大への寄附」ページをリニューアルしました

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日頃から東京工業大学の教育・研究活動に多大なご理解とご協力をいただきましてありがとうございます。

創立130周年を契機に奨学金の充実や研究教育環境の整備充実等を目的として創設した「東工大基金」のWEBページをリニューアルいたしました。

ご支援いただく皆様に、現在の寄附金の状況や、寄附金を活用したさまざまな取組について、随時紹介させていただきます。基金を活用したプロジェクトについては、その進捗状況を報告させていただく企画も準備しております。

皆様には引き続きご支援をお願いいたします。

「東工大への寄附」ページ

お問い合わせ先
東京工業大学 基金室
Tel: 03-5734-2415
Email: bokin@jim.titech.ac.jp

博士課程教育リーディングプログラム 東京工業大学4教育院合同学生フォーラム -新たなキャリアを拓く博士人材との出会い-

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専門分野の枠を越え,産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーを目指して,リーディングプログラムに採択された4つの教育院で学ぶ博士課程学生の姿をご覧いただきます。

日 時
5月14日(水)10:00~18:00
場 所
大岡山キャンパス 蔵前会館くらまえホール・ロイアルブルーホール
(東急目黒線・大井町線「大岡山」下車 すぐ)

プログラム

4教育院の教育プログラムのご紹介

学生による課題提案グループワークと発表

学生へ提示する課題(骨子):

2020年の東京オリンピックにあわせて来日する世界の政府首脳やメディア、企業経営者に対して、
以下いずれかの課題を解決する事業を提案せよ。

(1)地震に対する都市の安全確保
(2)エネルギー確保と環境保全の両立
(3)高齢者社会への対応
(4)若年層の雇用拡大

学生による専門分野のポスター発表

学生との交流会

【参加費】無 料
※5月9日(金)までに、下記問い合わせ先に、氏名(ふりがな)、所属、連絡先住所、電話番号、E-mail および 交流会への出欠をお知らせください。

東京工業大学4教育院合同学生フォーラム

お問い合わせ先
学務部リーディング大学院支援室
Tel: 03-5734-3117
Email: lead.sui@jim.titech.ac.jp

「1類 新入生セミナー」開催報告

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東工大では毎年、新入生を対象に、類ごとのセミナーを実施しています。

1類主任 黒川信重 教授による挨拶

1類主任 黒川信重 教授による挨拶

2014年4月2日(水)午前中に入学式を迎えた1類(理学部)新入生は、午後からクラス懇談会に参加しました。まず、198名の1類新入生全員が集合し、1類主任挨拶と8人のクラス担任の紹介を行いました。その後、8クラスに分かれて、自己紹介と自由懇談に移りました。新入生は様々な出身地の新しい仲間に関心を持ち、お茶を飲みながら、談笑の輪が広がっていました。クラス担任は若手の教員が担当しているため、クラス担任の体験を通した、学生時代の過ごし方、学習や研究への取り組み方に、新入生は強く興味を魅かれていた様子でした。早速この日から仲間作りをはじめたようです。

4月4日(金)には、各学科のオリエンテーションが行われました。理学部5学科(数学科、物理学科、化学科、地球惑星科学科、情報科学科)について、各学科の代表者から20分ずつ紹介講演がありました。もともと理学部は学科ごとに多様性に富んでおり、研究対象も身近なものから、小さなものは目に見えない最小存在まで、大きいものでは地球規模のものから宇宙の果てや、さらには、純粋思考の概念までその対象としています。各学科の紹介も、その特色に応じて、幅広い側面から行われました。動画を用いた探検の様子などを用いる学科もあり、プレゼンテーションの方法にも、学科のカラーが反映されていました。

講演に集中する新入生

講演に集中する新入生

引き続き、午後は各学科の教室・研究室に移動し、詳しい紹介が行われました。学生は2つの学科を選び、2時間ずつ2回の体験学習を受講しました。こちらも、実験室での研究紹介から、講義室での講演、模擬卒論発表会まで多様性に富んでいました。学生は、初めて見る研究室に、大学に入った感激を得ているようでした。

1類では、このオリエンテーションの発展形として、前期授業科目の「理学セミナー」を設定しています。ここには、学科の研究の最前線の紹介とともに、数回にわたって論文やテキストを読むセミナーや、科学倫理教育、国際意識醸成プログラムも含まれています。学生たちは、目を輝かせて新しい環境に挑んでいます。

本学の名称や関係教員の氏名等を用いたシステムの開発・販売について

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最近、本学の名称や関係教員の氏名等を、会社案内と説明資料「Nature Cell-10」に無断で掲載し、「超小型・超安全小型原子力発電システム」(日本ネイチャーセル株式会社)の開発・販売を促す事例が確認されました。

会社案内等に記載されている下記の内容は事実とは異なり、本学とは一切関係がありません。また、このシステムに対する品質保証もしておりませんので、十分ご注意くださいますよう、お願い申し上げます。

詳しくは下記PDFをご参照ください。

※ 5月8日、本文中に情報の不足がありましたので、追記いたしました。

新構造の酸化物イオン伝導体を発見 中性子と放射光で構造決定・イオンの流れを可視化

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要点

  • 新しい結晶構造(原子配列)を持つ酸化物イオン伝導体グループ(新構造ファミリー)NdBaInO4(ネオジム・バリウム・インジウム酸化物)を発見
  • 室温~1000℃まで①(Nd,Ba)InO3ペロブスカイトユニットと②A-希土類酸化物Nd-Oユニットから成る結晶構造であることを中性子と放射光で解明(図1)
  • Nd-Oユニット内を酸化物イオンが二次元的に移動することを見出す(図1)

概要

東京工業大学理工学研究科物質科学専攻の八島正知教授、藤井孝太郎助教、茨城大学の石垣徹教授、星川晃範准教授、豪州原子力科学技術機構(ANSTO)のヘスタージェームス(James R. HESTER)博士らの研究グループは、酸化物イオン伝導体(用語1)の新しい構造ファミリーであるネオジム・バリウム・インジウム酸化物「NdBaInO4」(用語2)を発見した。NdBaInO4の結晶構造(用語3)の決定およびNdBaInO4における酸化物イオンの拡散経路の可視化にも成功した(図1)。

酸化物イオン伝導体は固体酸化物形燃料電池や酸素濃縮器などに使われており、新材料発見はこれら機器の高効率化や新規酸化物イオン伝導体、電子材料の開発を促すと期待される。

NdBaInO4の結晶構造解析にはJ-PARCに設置された茨城県の中性子回折装置、豪州ANSTOに設置された中性子回折装置、大型放射光施設SPring-8および高エネルギー加速器研究機構(KEK)放射光科学研究施設(PF)に設置された放射光X線回折計を用いた。

NdBaInO<sub>4</sub>の精密化した結晶構造と酸化物イオン伝導経路。この構造は(i) <i>A</i>-O (Nd-O)ユニットおよび(ii) (<i>A,A'</i> )<i>B</i>O<sub>3</sub> (= Nd<sub>2/8</sub>Ba<sub>6/8</sub>InO<sub>3</sub>)ペロブスカイトユニットから成る。酸化物イオン(O<sup>2-</sup>)伝導は<i>A</i>-O (Nd-O)ユニットにおいて起こる

図1:NdBaInO4の精密化した結晶構造と酸化物イオン伝導経路。この構造は(i) A-O (Nd-O)ユニットおよび(ii) (A,A' )BO3 (= Nd2/8Ba6/8InO3)ペロブスカイトユニットから成る。酸化物イオン(O2-)伝導はA-O (Nd-O)ユニットにおいて起こる(図の⇔)。

論文情報

New Perovskite-Related Structure Family of Oxide-Ion Conducting Materials NdBaInO4, Kotaro Fujii, Yuichi Esaki , Kazuki Omoto, Masatomo Yashima , Akinori Hoshikawa , Toru Ishigaki , and James R. Hester, Chemistry of Materials, 2014, 26 (8), pp 2488-2491

DOI:10.1021/cm500776xouter

電子版が2014年3月21日出版された

用語説明

用語1) 酸化物イオン伝導体(酸化物イオン伝導性材料):外部電場を印加したとき酸化物イオンが伝導できる材料。酸化物イオン伝導性材料は①純酸化物イオン伝導体および②酸化物イオン-電子混合伝導体に分類できる。

用語2) NdBaInO4:Nd, BaおよびIn陽イオンと酸化物イオンから成る酸化物。

用語3) 結晶構造:原子配列が正確な周期性を持つ物質が結晶である。結晶構造は結晶の原子配列である。結晶構造は空間群(原子配列の対称性)、単位胞パラメーター(単位胞の大きさと形)、原子座標(単位胞における原子の位置)などによって規定される。

お問い合わせ先
大学院理工学研究科物質科学専攻 教授 八島正知
Tel: 03-5734-2225
Email: yashima@cms.titech.ac.jp

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