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東工大TSUBAME3.0と産総研AAICが省エネ性能スパコンランキングで世界1位・3位を獲得

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  • 東工大の次期スーパーコンピューター「TSUBAME3.0」が、Green500 List(省エネ性能の世界スパコンランキング)において世界1位を達成
  • 産総研のクラウド型計算システム「産総研AIクラウド」(AAIC)が、同Green500 Listにおいて世界3位、空冷方式では世界1位を達成
  • 「産総研・東工大 実社会ビッグデータ活用オープンイノベーションラボラトリ」(RWBC-OIL)における計算プラットフォーム構築技術の研究協力による成果

本学と国立研究開発法人産業技術総合研究所(理事長 中鉢良治、以下、産総研)でそれぞれ保有するスパコンが、世界のスパコンの省エネ性能ランキングGreen500 List[用語1]において1位と3位を獲得しました。これはドイツ・フランクフルト市で開かれたスーパーコンピューターに関する国際会議“ISC HIGH PERFORMANCE 2017(ISC 2017)”において6月19日(ドイツ時間)に発表されました。本成果は、2017年2月20日に設置された「産総研・東工大 実社会ビッグデータ活用オープンイノベーションラボラトリ」(ラボ長 松岡聡、以下、RWBC-OIL)における研究協力によるものです。

東工大 学術国際情報センター(GSIC)が2017年8月に本格稼動予定のスーパーコンピューター「TSUBAME3.0」は、Green 500 Listの2017年6月版において1ワットあたり14.090ギガフロップス[用語2]という値を記録し、実際に運用するスパコンとしては日本で初めて世界1位になりました。

また、産総研 人工知能研究センター(AIRC)が、2017年4月に稼働を開始したクラウド型計算システム「産総研AIクラウド(AAIC)」が、上記のGreen 500 Listにおいて1ワットあたり12.681ギガフロップスという値を記録して世界3位になりました。

東工大と産総研は長年にわたり高性能計算技術・省電力計算技術・ビッグデータ計算技術などの分野における研究協力を続け、RWBC-OILを設置して本格的な活動を開始しています。東工大と産総研の計算プラットフォームが世界1位と3位という好成績を獲得できたのはRWBC-OILによる省エネ型高性能計算プラットフォーム構築技術など両機関の研究協力が加速できたことによるものです。

TSUBAME 3.0(完成予想図)
TSUBAME 3.0(完成予想図)

産総研AIクラウド(AAIC)
産総研AIクラウド(AAIC)

東工大のTSUBAME3.0は、2010年より「みんなのスパコン」として国内外の産学官の研究開発を支えてきたTSUBAME2.0/2.5の後継機です。その設計・開発・運用準備は東工大GSICが日本SGI株式会社・米国NVIDIA社、関連各社と協同で進めており、次のような特長を持ちます。

  • 人工知能(AI)やビッグデータ分野では16bitの半精度[用語3]での計算処理が有効とされており、この精度において47.2ペタフロップスと、国内最大級の性能となります。NVIDIA社の最新GPU[用語4] Tesla P100 を2,160基搭載し、このような性能が実現されました。
  • コンピューターそのものと冷却システムの双方が、世界トップクラスの省エネ性能を持ちます。計算ノードには高性能かつ省電力な最新のGPUを搭載し、冷却については、外気に近い温度の冷却水を用いてGPU/CPUの直接冷却を行うなどにより、高い省エネ性を実現しています。とくに冷却効率を示す指標の一つであるPUE(Power Usage Effectiveness)[用語5]の値は1.033(推定値)と極めて高い効率となり、より少ない電力での計算を可能にします。

これらの設計には、東工大GSICが推進してきた文部科学省「スパコン・クラウド情報基盤におけるウルトラグリーン化技術」および「スマートコミュニティ実現のためのスパコン・クラウド情報基盤のエネルギー最適化の研究推進」などのプロジェクトの研究成果が活用されています。これらのプロジェクトによるテストベッドスパコン「TSUBAME-KFC[用語6]」は、2013年・2014年にGreen 500 List世界1位を獲得しましたが、そこで培われた高温液体冷却に関する知見などをもとに、TSUBAME3.0は設計されました。

また、産総研AAICは、経済産業省「人工知能・IoTの研究開発加速のための環境整備事業」(平成27年度補正予算)の一環として整備されたAI・ビッグデータ処理のための共用計算プラットフォームです。これを用いて産学官連携を促進し、多様な事業者による人工知能・IoT技術の研究開発・実証の加速を目的としています。産総研 人工知能研究センターが産総研AAICの設計・開発を行い、一般競争入札により日本電気株式会社および米国NVIDIA社の技術を採用しました。2017年4月に試験的運用を開始し、以下の特長を持ちます。

  • NVIDIA社のTesla P100を計400基搭載し、半精度での性能指標で8.6ペタフロップスと、AI研究開発にフォーカスした共用計算プラットフォームとして現在国内最大級の性能となります。
  • リアルタイムの電力モニタリングデータに基づいて、ストレージシステム、ネットワーク機器を含むシステム全体の消費電力を最大で150 kWに抑える省エネ運用を可能としました。これにより、電力あたりの計算性能を維持しつつ、特殊な冷却システムを必要とせず、一般的なサーバールームでの運用を可能としています。

産総研AAICでは、RWBC-OILによる東工大GSICとの研究協力を通じて確立してきた技術的知見などが活用されています。

今回の結果は、両機関における長年の多岐にわたる大規模計算機の省エネルギー化に関わる研究成果が結実したものと言えます。東工大においては、前述のプロジェクトだけでなく、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(JST-CREST)「EBD:次世代の年ヨッタバイト処理に向けたエクストリームビッグデータの基盤技術」や「ULP-HPC 次世代テクノロジのモデル化・最適化による超低消費電力ハイパフォーマンスコンピューティング」などの基礎研究プロジェクト、また米国NVIDIA社との数年来の共同研究プロジェクトにおいて、最新技術であるGPUのスパコンにおける活用や高性能計算システム(HPCシステム)の省電力化の研究などが続けられてきました。産総研においてはNEDO「グリーンネットワーク・システム技術研究開発」で得られた電力モニタリングに応じたサーバー運用技術の適用、さらにRWBC-OILによりGPUベースの計算プラットフォーム構築に関する相互の技術共有が加速されました。これらを総合することで今回の世界でトップクラスの実用に供される省エネなシステムの実現という成果につながりました。

この成果は産総研に2017年度導入予定の「AI橋渡しクラウド(AI Bridging Cloud Infrastructure、ABCI)[用語7]」の構築に活かしていきます。今後両機関は、RWBC-OILにおいて、TSUBAME3.0と産総研AAICを相互に活用しながら、ビッグデータ活用のためのシステム連携技術や大規模データ解析技術の研究を行うとともに、運用から発生する課題をハードウェア構築技術の高度化研究に活かします。RWBC-OILでの研究活動を通じて、両機関の技術融合による実社会ビッグデータの活用基盤の構築を行い、人工知能を含むビッグデータ処理技術・省エネ技術などの実社会への応用を目指します。

用語説明

[用語1] Green500 List : スパコンのベンチマーク速度性能を半年ごとに世界1位から500位までランキングするThe TOP 500 Listに対して、近年のグリーン化の潮流を受けTOP500のスパコンの電力性能(速度性能値/消費電力)を半年ごとにランキングしているリスト。

[用語2] メガフロップス(Mega FLOPS)、ギガフロップス(Giga FLOPS)、ペタフロップス(Peta FLOPS)、テラフロップス(Tera FLOPS) : フロップスは1秒間で何回浮動小数点の演算ができるかという性能指標。メガ(10の6乗)、ギガ(10の9乗)、テラ(10の12乗)、ペタ(10の15乗)などは接頭語。

[用語3] 半精度 : 数値(実数)のコンピューター内の表現方法の一つ。2バイトで表現され、有効桁数は10進で約3.3桁である。最新のGPUなどを用いると、倍精度(8バイト、約16桁)や単精度(4バイト、約7桁)よりも高速な演算が可能であり、機械学習/AI分野における活用の研究が進んでいる。

[用語4] GPU(Graphics Processing Unit) : 本来はコンピューターグラフィックス専門のプロセッサだったが、グラフィックス処理が複雑化するにつれ性能および汎用性を増し、現在では実質的にはHPC用の汎用ベクトル演算プロセッサに進化している。

[用語5] PUE(Power Usage Effectiveness) : データセンターやスパコンの冷却効率を示す指標の一つ。システム全体電力を計算ノードなどのIT機器電力で割った値で、1.0に近いほど冷却機器などの電力効率が良いとされる。

[用語6] TSUBAME-KFC : TSUBAMEシリーズと同様にGPUを搭載するスパコンで、スパコンの省電力化のための実証実験設備である。油浸による冷却システムを採用。2013年11月と2014年6月の世界のスパコンの省エネランキングGreen500で第1位になっている。

[用語7] AI橋渡しクラウド(AI Bridging Cloud Infrastructure、ABCI) : 産総研が今年度末の導入を計画しているクラウドシステムで、TSUBAME3.0に匹敵する省エネ性能と、世界トップクラスの人工知能処理性能の両立を目指している。

お問い合わせ先

東京工業大学 学術国際情報センター

E-mail : kib.som@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2087

産業技術総合研究所
人工知能研究センター 人工知能クラウド研究チーム
研究チーム長 小川宏高

Tel : 029-861-3092

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

産業技術総合研究所 企画本部 報道室

E-mail : press-ml@aist.go.jp

Tel : 029-862-6216 / Fax : 029-862-6212


生命理工オープンイノベーションハブ「第2回LiHubフォーラム アカデミア創薬イノベーション」 開催報告

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本学 生命理工学院の生命理工オープンイノベーションハブ(LiHub:ライハブ)主催による「第2回LiHubフォーラム-アカデミア創薬イノベーション-」が、6月6日に東工大蔵前会館にて開催されました。

フォーラム会場の様子
フォーラム会場の様子

本学の生命理工学院は、生命科学と生命工学を広くカバーしている学術組織である利点を活かして、2016年10月にライフイノベーションの知の協創拠点として「生命理工オープベーションハブ(LiHub)」を創設しました。LiHubには、社会に還元できると想定した分野テーマごとに複数の研究室が集結した10の研究グループが存在し、今もなお企業からの要望に応じて、新しい研究グループの発足を計画しています。

LiHubの活動の一環として、産学交流の場となるLiHubフォーラムを定期的に開催しています。フォーラムは、研究グループが各々目指している産学連携のビジョンを広く企業と共有するだけでなく、ビジョンに対する企業・社会からの率直な意見をフードバックする協創のファーストステップと位置付けています。

第2回は、LiHubグループの1つである創薬技術革新グループが中心となって企画し、アカデミア創薬イノベーションと題してアカデミア創薬の第一線で活躍される3名の研究者を講師としてお招きしました。

はじめに、生命理工学院の三原久和学院長より開会挨拶があり、LiHubについての趣旨説明がありました。

続いて、今回の企画を行った創薬技術革新グループ代表の門之園哲哉助教より、本フォーラムの趣旨説明と、創薬技術革新グループの紹介がありました。

三原学院長の開会挨拶
三原学院長の開会挨拶

菅裕明教授
菅裕明教授

その後、ペプチドリーム株式会社の社外取締役も務める東京大学大学院理学系研究科の菅裕明教授が「特殊ペプチド創薬イノベーション」、バイオエンジニアリング・アンド・ナノテクノロジー研究所(Institute of Bioengineering and Nanotechnology A*STAR)の平尾一郎チームリーダーが「新たな基盤技術:人工塩基対による遺伝情報の拡張技術とその医薬への応用」と題して講演を行いました。コーヒーブレイクを挟み、東京理科大学薬学部生命創薬科学科の和田猛教授からは「核酸医薬への有機化学的アプローチ」について講演いただきました。

平尾一郎チームリーダー
平尾一郎チームリーダー

和田猛教授
和田猛教授

上記3名の講師からは、アカデミア研究者の立場で創薬を進めてこられたご経験、苦労話など、普段聞くことのできない貴重なお話を聴くことができました。また、アカデミア創薬に関する期待と必要性、課題について議論を深めました。

最後に、生命理工学院の相澤康則講師より、次回の第3回LiHubフォーラムの案内がありました。

講演の後は、LiHubの各グループがポスター発表を行い、参加者の皆様と活発な議論を行いました。多方面の業種の方に多数ご参加いただき、盛会にて終了となりました。

生命理工学院

生命理工学院 ―複雑で多様な生命現象を解明―
2016年4月に発足した生命理工学院について紹介します。

生命理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

お問い合わせ先

生命理工オープンイノベーションハブ LiHubフォーラム事務局

Email : lihubforum@bio.titech.ac.jp

組織改革を推進 ―2017年4月、企画立案執行組織を新設―

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東京工業大学は、文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業」に係る構想、および第3期中期目標・中期計画において、学長のリーダーシップを十分に発揮できる運営体制を構築することを掲げ、昨年度の組織改革をさらに推進し、2017年4月に以下の組織を再編・設置しました。

企画立案執行組織の設置

2017年4月に、大学の戦略に基づいて企画立案から執行までを機動的に行うため、これまでの企画立案組織および特定業務企画組織の機能を4名の理事・副学長の下に集約し、企画立案執行組織として「広報・社会連携本部」「教育・国際連携本部」「研究・産学連携本部」「キャンパスマネジメント本部」に再編・設置されました。

本部の任務

各本部は、教員と職員が融合した専門家集団として、大学の戦略に基づき、学長の命を受けて以下の担当事項について部局を超えた施策を企画立案するとともに、部局等と連携して執行します。また、各本部は、戦略統括会議(後述)に戦略を提案することができます。

広報・社会連携本部
教育・国際連携本部
研究・産学連携本部
キャンパス
マネジメント本部
  • 広報・地域連携部門
  • 評価部門
  • 男女共同参画推進部門
  • 東工大基金・コミュニティ部門
  • 情報基盤部門
  • 教育推進部門
  • 学生支援部門
  • アドミッション部門
  • 入試実施部門
  • 国際連携部門
  • 安全保障輸出管理部門
  • 基礎・基盤研究推進部門
  • プロジェクト研究推進部門
  • 産学連携部門
  • 管理・法務部門
  • 知的財産部門
  • 国際共同研究部門
  • ベンチャー育成・地域連携部門
  • キャンパス計画部門
  • スペースマネジメント部門
  • 総合安全管理部門
  • 省エネルギー推進部門
  • ハウジングオフィス部門

本部の構成員

各本部には、本部長(理事・副学長のうちから学長が指名)、副本部長(原則として、副学長及び事務局部長のうちから各1名を本部長が指名)、本部員(本部に所属する者及び教職員のうちから本部長が指名)が置かれています。

本部の組織・運営

各本部には、運営方針、予算、人事等の運営に係る事項の審議や本部内の情報共有を行うための本部会議を設置するほか、担当ごとに部門が置かれています。今回の機能集約・大くくり化されたメリットを活かし、会議等の効率化や支援スタッフの活用等による教員の負担軽減、予算の効率的・効果的な執行、新しい課題への柔軟な対応の促進に取り組んでいきます。

企画立案組織、特定業務企画組織の廃止

企画立案執行組織の設置に伴い、以下の企画立案組織、特定業務企画組織を廃止しました。また、教育革新センターについては、特定業務企画組織から、共通支援組織に位置づけを変更しました。

企画立案組織
特定業務企画組織
  • 企画室
  • 評価室
  • 教育推進室
  • 国際室
  • 研究戦略室
  • 産学連携推進本部
  • 総合安全管理センター
  • 財務管理室
  • 情報基盤統括室
  • 広報センター
  • 大学マネジメントセンター
  • 入試室
  • 男女共同参画推進センター
  • 社会連携本部
  • 研究戦略推進センター
  • 省エネルギー推進室
  • アドミッションセンター

学長室配下組織の名称変更

学長室には、学長の機動的な意思決定を補佐し、戦略的な大学運営を遂行することを目的として、戦略統括会議(2017年4月に企画戦略本部から改称)を筆頭に、人事委員会、情報活用IR室、学長補佐室、学長アドバイザリーボード、Tokyo Techアドバイザリーボード(2017年4月に国際アドバイザリーボードから改称)の6つの組織が設置されています。

平成29年4月以降の運営体制(イメージ)
平成29年4月以降の運営体制(イメージ)PDF

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : pr@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2976

Tokyo Tech MOOC フォーラム 2017 開催報告

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3月10日、大岡山キャンパス西8号館10階会議室にてTokyoTech MOOC フォーラム 2017が開催されました。

スタンフォード大学のリョー・グレイスディレクターによる基調講演

スタンフォード大学のリョー・グレイスディレクターによる基調講演

MOOC(Massive Open Online Course : 大規模公開オンライン講座)が、edX(エデックス)※1Coursera(コーセラ)※2などのMOOCプラットフォームの立ち上がりとともに、世界中に広がりはじめて5年が過ぎようとしています。本学も2015年よりedXを通じて世界へオンライン講座の配信を続けています。本フォーラムではMOOCの今までを振り返り、スタンフォード大学とedXコンソーシアムに加盟する日本の大学の取り組みからMOOCの未来を考えました。

  • パネルディスカッション

    パネルディスカッション

  • フロアディスカッション

    フロアディスカッション

本学の松澤昭教授(教育革新センター長)の開会挨拶のあと、スタンフォード大学デジタルラーニングイノベーション部門のリョー・グレイスディレクターがが基調講演で同大学での先進的な取り組みについて紹介しました。

続いて、「日本からedXを通じて世界へのMOOC配信」をテーマに本学教育革新センターの森秀樹准教授の司会で、パネルディスカッションを行いました。パネリストとして、京都大学の酒井博之准教授、東京大学の藤本徹特任講師、大阪大学の竹村治雄教授(スカイプで参加)、早稲田大学の大浦弘樹助教、本学のクロス・ジェフリー教授が登壇し、edXを通じて日本から世界へオンライン講座を配信している各大学(東京大学、京都大学、大阪大学、早稲田大学、本学)での取り組みについて発表がありました。

それぞれの大学にとっての世界へ向けてMOOCを発信する意義、学内授業での活用、またどのように効果的な教材を効率的に開発していくかなど、多岐にわたる登壇者からの話題提供が行われました。参加者からは「各大学が危機感を持ち、かつ先を見据えてMOOC開発と活用を行っていることを学ぶことができた」、「MOOCの大学での役割を考え直す、よい機会であった」などの感想も寄せられ、MOOCの今までと今後を考える貴重なフォーラムとなりました。

また、当日は、リョー・グレイスディレクターによる学生向けのオンライン教材開発ワークショップも行われ、MOOC開発に関わっている学生ティーチングアシスタントらが参加しました。

フォーラム登壇者と学生向けワークショップ(同時開催)参加者

フォーラム登壇者と学生向けワークショップ(同時開催)参加者

※1 edX(エデックス)

マサチューセッツ工科大学とハーバード大学によって創立されたMOOC(=Massive open online course)のプラットフォームであり、世界中の学生に対し、多岐にわたる分野の大学レベルの授業を無償で提供しています。東京工業大学も2014年に加盟し、TokyoTechXouterとしてオンライン講座を提供しています。

※2 Coursera(コーセラ)

スタンフォード大学コンピュータサイエンス教授であるAndrew Ng氏とDaphne Koller氏によって創立された教育技術の営利団体で、世界中の多くの大学と協力し、それらの大学のコースのいくつかを無償でオンライン上に提供している。

お問い合わせ先

教育革新センター

E-mail : mooc@citl.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3445

ロボット技術研究会がNHK学生ロボコン2017で初優勝

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6月11日、東京工業大学ロボット技術研究会のチームMaquinista(以下、マキニスタ)が「NHK学生ロボコン2017~ABUアジア・太平洋ロボコン代表選考会~」で初優勝しました。本コンテストの様子は2017年7月17日(月・祝)午前9時30分よりNHK総合テレビにて放送予定です。

ロボット技術研究会は機械工作・電子工作・プログラミングなどのものつくり活動を行う東工大の公認サークルです。

「NHK学生ロボコン」は1991年より開催されている日本全国の大学が参加するロボットコンテストで、2002年からは「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト(以下、ABUロボコン)」の日本代表選考大会という位置づけで開催されています。

競技内容は毎年異なり、2017年はABUロボコンの主催国が日本であることから、日本の伝統遊戯である投扇興をモチーフにした「The Landing Disc(ザ ランディング ディスク)」というテーマで競技が行われます。この競技は2チームによる3分間の対戦形式で、各チームのロボットが柔らかいディスクを飛ばして、フィールドにある高さや距離が異なる7つのスポットに乗せていくというものです。また試合時間内にすべてのスポットにディスクを乗せることに成功すると、「APPARE(あっぱれ)!」といって、その瞬間勝利となります。

今回マキニスタが作ったロボットは「竹とんぼ」のような形のバットでディスクを打ち出す機構で、打ち出し方によって4種類の軌道を使い分けています。壁やポールとの距離を測るレーザーセンサーを搭載し、毎回同じ位置に留まることができるようになっています。

優勝したロボットとの記念撮影(左から)矢野遼人さん、徳田俊平さん、マキニスタ代表山田泰基さん

優勝したロボットとの記念撮影
(左から)矢野遼人さん、徳田俊平さん、マキニスタ代表山田泰基さん

NHK学生ロボコンの予選リーグを1勝1敗で突破し決勝トーナメントへ進出したマキニスタは、決勝トーナメントの1回戦(準々決勝)では強豪校の豊橋技術科学大学を、準決勝では圧倒的パフォーマンス力と得点力を有する東京農工大学を次々に破り、決勝戦へと駒を進めます。そして迎えた決勝戦では、全チーム中最多の優勝回数を誇る東京大学のチームRoboTech(ロボテック)と対戦し、見事「APPARE!」を決めて参加した24校の頂点に立ちました。ロボット技術研究会は2003年よりNHK学生ロボコンに出場していますが、今回が悲願の初優勝となりました。

優勝翌日の12日には、学生たちが三島良直学長の元を訪れ優勝を報告しました。

投扇興(とうせんきょう)…扇子を投げて、台の上に立てられた的を落として点数を競う日本の伝統的遊戯。江戸中期に京都で始まり、倒れた形に応じて源氏物語や百人一首に由来する呼び名や点数が付けられています。

マキニスタは、日本代表として8年ぶりに日本で開催されるABUロボコンに、日本代表として出場します。

ABUロボコンは2017年8月27日(日)に東京都大田区体育館で開催されますので、観覧や応援をよろしくお願いします。

  • 左から佐々木謙斗さん、田屋裕輝さん、マキニスタ代表山田泰基さん、三島良直学長、笠原崇裕さん、ロボット技術研究会部長石原隆宏さん

    (左から)佐々木謙斗さん、田屋裕輝さん、
    マキニスタ代表山田泰基さん、三島良直学長、笠原崇裕さん、
    ロボット技術研究会部長石原隆宏さん

  • 優勝の瞬間を三島学長と一緒に鑑賞

    優勝の瞬間を三島学長と一緒に鑑賞

NHK学生ロボコンでの優勝の瞬間
NHK学生ロボコンでの優勝の瞬間

NHK学生ロボコンでの優勝の瞬間

東京工業大学 Maquinista【学生ロボコン2017】

コメント

ロボット技術研究会部長 石原隆宏さん(工学部 制御システム工学科 3年)

NHK学生ロボコンに初めて優勝することができ、非常に嬉しく思っております。私もピットクルーとして会場にいたのですが、会場のフィールドと大学で練習していた時のフィールドが微妙に異なり、とても苦労しました。それでも優勝することができたのは、日頃からお世話になっているものつくりセンターの方々や練習場所を提供してくださった百年記念館やEEI棟、体育館の方々、そして応援していただいた各位のおかげです。

ロボット技術研究会は、NHK学生ロボコンだけでなく、マイクロマウスやROBO-ONEなどの他のロボットコンテストなどにも参加しています。今回の優勝をきっかけにしてお互いに刺激し合い、より活発なサークルにしていけたらなと思っております。これからも、ものつくり活動を続けていくためにご支援やご応援を何卒よろしくお願いいたします。

マキニスタ代表 山田泰基さん(工学部 制御システム工学科 4年)

今回マキニスタとして初めての優勝を飾り、嬉しい限りです。この優勝は何度も何度も行った練習の賜物であって、石原君の言うとおり、その練習場を提供していただいた施設、そして作業場を提供してくださったものつくりセンターのおかげであることは間違いありません。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

また、8月27日に行われるABUロボコンでは世界各国から集まった手強いロボットと戦うことになります。楽しみである反面、対等に戦うためには残り少ない時間でロボットの動きがより良くなるように調整しなければいけません。優勝に浮かれず、気を引き締めて頑張っていこうかと思います。皆様、ご応援の程をよろしくお願いいたします。

  • 番組名
    NHK総合「NHK学生ロボコン2017~ABUアジア・太平洋ロボコン代表選考会~」
  • 放送予定日
    2017年7月17日(月・祝) 09:30 -

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

スーパーコンピュータ「京」がGraph500において5期連続で世界1位を獲得

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スーパーコンピュータ「京」がGraph500において5期連続で世界1位を獲得
―ビッグデータの処理で重要となるグラフ解析で最高の評価―

概要

九州大学と東京工業大学、理化学研究所、スペインのバルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、富士通株式会社による国際共同研究グループは、2017年6月21日(水)(米国ソルトレイクシティ現地時間)に公開された最新のビッグデータ処理(大規模グラフ解析)に関するスーパーコンピュータの国際的な性能ランキングであるGraph500において、スーパーコンピュータ「京(けい)」[用語1]による解析結果で、2016年11月に続き5期連続(通算6期)で第1位を獲得しました。

大規模グラフ解析の性能は、大規模かつ複雑なデータ処理が求められるビッグデータの解析において重要となるもので、「京」は正式運用開始から5年以上が経過していますが、今回のランキング結果によって、現在でもビッグデータ解析に関して世界トップクラスの極めて高い能力を有することが実証されました。今後本成果の広範な普及のため、プログラムをオープンソース化し、大規模高性能グラフ処理のグローバルスタンダードを確立して行く予定です。

本研究の一部は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業CREST「ポストペタスケール高性能計算に資するシステムソフトウェア技術の創出」(研究総括:佐藤三久 理化学研究所 計算科学研究機構)における研究課題「ポストペタスケールシステムにおける超大規模グラフ最適化基盤」(研究代表者:藤澤 克樹 九州大学、拠点代表者:鈴村豊太郎 バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター)および「ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化」(研究総括:喜連川優 国立情報学研究所)における研究課題「EBD:次世代の年ヨッタバイト処理に向けたエクストリームビッグデータの基盤技術」(研究代表者:松岡聡 東京工業大学)の一環として行われました。

スーパーコンピュータ「京」

2017年6月21日に公開されたGraph500上位5位

順位
システム名称
設置場所
ベンダー
国名
1
理研 計算科学研究機構
富士通
82,944
40
38,621
2
神威太湖之光
(Sunway TaihuLight)
無錫国立スーパーコンピューティングセンター
NRCPC
40,768
40
23,756
3
Sequoia
ローレンス・リバモア研究所
IBM
98,304
41
23,751
4
Mira
アルゴンヌ研究所
IBM
49,152
40
14,982
5
JUQUEEN
ユーリッヒ研究所
IBM
16,384
38
5,848

Graph500とは

近年活発に行われるようになってきた実社会における複雑な現象の分析では、多くの場合、分析対象は大規模なグラフ(節と枝によるデータ間の関連性を示したもの)として表現され、それに対するコンピュータによる高速な解析(グラフ解析)が必要とされています。例えば、インターネット上のソーシャルサービスなどでは、「誰が誰とつながっているか」といった関連性のある大量のデータを解析するときにグラフ解析が使われます。また、サイバーセキュリティや金融取引の安全性担保のような社会的課題に加えて、脳神経科学における神経機能の解析やタンパク質の相互作用分析などの科学分野においてもグラフ解析は用いられ、応用範囲が大きく広がっています。こうしたグラフ解析の性能を競うのが、2010年から開始されたスパコンランキング「Graph500」です。

規則的な行列演算である連立一次方程式を解く計算速度(LINPACK[用語2])でスーパーコンピュータを評価するTOP500[用語3]においては、「京」は2011年(6月、11月)に第1位、その後、2017年6月19日に公表された最新のランキングでも第8位につけています。一方、Graph500ではグラフの幅優先探索(1秒間にグラフのたどった枝の数(Traversed Edges Per Second; TEPS[用語4]))という複雑な計算を行う速度で評価されており、計算速度だけでなく、アルゴリズムやプログラムを含めた総合的な能力が求められます。

今回Graph500の測定には、「京」が持つ88,128台のノード[用語5]82,944台を用いています。約1兆個の頂点を持ち16兆個の枝から成るプロブレムスケール[用語6]の大規模グラフに対する幅優先探索問題を0.45秒で解くことに成功しました。ベンチマークのスコアは38,621 GTEPS(ギガテップス)です。Graph500第1位獲得は、「京」が科学技術計算でよく使われる規則的な行列演算だけでなく、不規則な計算が大半を占めるグラフ解析においても高い能力を有していることを実証したものであり、幅広い分野のアプリケーションに対応できる「京」の汎用性の高さを示すものです。また、それと同時に、高いハードウェアの性能を最大限に活用できる研究チームの高度なソフトウェア技術を示すものと言えます。「京」は、国際共同研究グループによる「ポストペタスケールシステムにおける超大規模グラフ最適化基盤」および「EBD:次世代の年ヨッタバイト処理に向けたエクストリームビッグデータの基盤技術」の2つの研究プロジェクトによってアルゴリズムおよびプログラムの開発が行われ、2014年6月に17,977 GTEPSの性能を達成し第1位、また「京」のシステム全体を効率良く利用可能にするアルゴリズムの改良が行われ2倍以上性能を向上させ、2015年7月に38,621 GTEPSを達成し第1位でした。そして今回のランキングでもこの記録は神威太湖之光等の新しいシステムに比べても大幅に高いスコアであり、世界第1位を5期連続(通算6期)で獲得しました。

今後の展望

大規模グラフ解析においては、アルゴリズムおよびプログラムの開発・実装によって性能が飛躍的に向上する可能性を示しており、研究グループでは今後も更なる性能向上を目指していきます。また、上記で述べた実社会の課題解決および科学分野の基盤技術へ貢献すべく、スーパーコンピュータ上でさまざまな大規模グラフ解析アルゴリズムおよびプログラムを研究開発していきます。

用語説明

[用語1] スーパーコンピュータ「京(けい)」 : 文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」プログラムの中核システムとして、理研と富士通が共同で開発を行い、2012年に共用を開始した計算速度10ペタフロップス級のスーパーコンピュータ。「京(けい)」は理研の登録商標で、10ペタ(10の16乗)を表す万進法の単位であるとともに、この漢字の本義が大きな門を表すことを踏まえ、「計算科学の新たな門」という期待も込められている。

[用語2] LINPACK : 米国のテネシー大学のジャック・ドンガラ博士らによって開発された規則的な行列計算による連立一次方程式の解法プログラムで、TOP500リストを作成するために用いるベンチマーク・プログラム。ハードウェアのピーク性能に近い性能を出しやすく、その計算は単純だが、応用範囲が広い。

[用語3] TOP500 : TOP500は、世界中のコンピュータシステムの、連立一次方程式の処理速度上位500位までを定期的にランク付けし、評価するプロジェクト。1993年に発足し、スーパーコンピュータのリストを年2回発表している。

[用語4] TEPS(Traversed Edges Per Second) : Graph500ベンチマークの実行速度をあらわすスコア。Graph500ベンチマークでは与えられたグラフの頂点とそれをつなぐ枝を処理する。Graph500におけるコンピュータの速度は1秒間あたりに調べ上げた枝の数として定義されている。G(ギガ)は10の9乗(=10億)を表す接頭辞。

[用語5] ノード : スーパーコンピュータにおけるオペレーティングシステム(OS)が動作できる最小の計算資源の単位。「京」の場合は、ひとつのCPU(中央演算装置)、ひとつのICC(インターコネクトコントローラ)、および16GBのメモリから構成される。

[用語6] プロブレムスケール : Graph500ベンチマークが計算する問題の規模をあらわす数値。グラフの頂点数に関連した数値であり、プロブレムスケール40の場合は2の40乗(約1兆)の数の頂点から構成されるグラフを処理することを意味する。

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情報理工学院 ―情報化社会の未来を創造する―
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ロボコンの創始者・森政弘名誉教授 ロボットの未来を語る ―CNN番組に登場

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ロボットコンテスト※1の創始者であり、ロボット工学の世界的パイオニアである森政弘名誉教授がCNNのロボット特集番組に出演します。

森政弘名誉教授がCNNのロボット特集番組に出演
森政弘名誉教授がCNNのロボット特集番組に出演

CNNの取材は森名誉教授が居を構えている宮崎市内で実施されました。90歳という高齢にもかかわらず、パソコン、動画、ホワイトボードを駆使して、これまでのロボット研究や今後のロボットのあり方について熱く語りました。

「ロボットをだんだんと人間に似せてくると親しさがわいてきます。ところが、似れば似るほど、ある段階で不気味で気持ち悪くなり、見るのも嫌になります。それを『不気味の谷』と名付けました。なぜ、そのような感情が起きるのかはわかりません。ASIMO※2のようなロボットは顔を人間に似せないことにより、不気味の谷を回避しています。」

「ロボット研究を始めた約30年前に研究室のメンバーを集めて将来のロボットのあり方について検討を行いました。ドローンや郵便配達ロボットなど、今のロボットの原型は全てアイデアとして出てきました。現在のロボット研究はその延長線上にあります。日本のロボット工学は世界をリードしていますが、その一番大きな理由はロボットを人間の敵とみなさず、仲間として見るという思想です。仏教学者という立場から見ても、将来のロボット工学研究については“倫理観”が極めて重要です。そのためには、進歩や物欲ばかり追求し、外的環境に振り回されてはいけません。一旦、歩みを止めて、内なる心を静かにし、自らの心を自らが制御し、心を自然の状態にすることが不可欠なのです。」

CNN特集番組 “The Future of Japan”

森政弘名誉教授
©cnn.com

番組名 : CNN.comouter

タイトル : The weird and wonderful world of Japanese robotsouter

掲載日 : 2017年6月15日(木)

森教授プロファイル

1969年に東京工業大学工学部制御工学科教授に着任。1987年に退官。技術的、哲学的観点からロボット工学に多大な業績を残している。1970年に「不気味の谷」現象を発見し、大きな反響を呼んだ。1975年に開催された沖縄海洋博において、ロボットが群れをなして自律的に動く「みつめむれつくり」を出展した。1971年から研究室で二足歩行ロボットの研究も開始し、膝が伸縮するタイプの二足歩行ロボットとその制御理論を開発。小手先の技術だけでなく、歩行に関する創造的な観点と哲学が必要であると考えた。その成果は弟子である竹中透氏(本田技研 主席研究員)が本田技術研究所においてASIMOとして実現している。

※1
ロボットコンテスト: 「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)」。全国高等専門学校連合会、NHK、NHKエンタープライズの主催するロボットコンテスト(ロボコン)のひとつ。1988年から始まり、毎年NHKで放映されている。2017年はその30周年にあたる。
※2
ASIMO(アシモ): 本田技研工業が開発し、ホンダエンジニアリング株式会社が製造している世界初の本格的な二足歩行ロボット。人間の生活空間で活動することを想定して研究されている人型ロボットで、「Advanced Step in Innovative Mobility(新しい時代へ進化した革新的モビリティ)」という言葉の頭文字をとって名付けられた。

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平成29年度 大学の業務運営に貢献した職員を表彰

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6月19日、東京工業大学大岡山キャンパス本館において、平成29年度国立大学法人東京工業大学職務表彰式が行われました。この表彰は、事務職員及び技術職員を対象として、職務上の功績があった職員を表彰し、職員の勤労等に報いるとともに、他の職員の勤労意欲を高め、大学の発展に寄与することを目的として行われているものです。

学長による祝辞

学長による祝辞

今年度は、職務の遂行にあたり大学の業務運営に貢献し、成績顕著と認められた職員17名が選ばれ、表彰式では役員および所属部課長の列席のもと17名の出席者に対して三島学長から表彰状が授与されました。

今回表彰された職員は次のとおりです。

職務表彰(17名)

推薦部局
所属
職名
氏名
推薦理由
総務部
総務課
総務秘書グループ
グループ長
岩松力也
「ノーベル賞受賞による対外公的行事等及び広報対応に多大な貢献」
総務課
秘書室
専門職
(秘書担当)
小林由嗣
広報・社会連携課 広報グループ
(2016年度:広報・社会連携グループ)
グループ長
間島秀明
財務部
主計課
決算グループ
グループ長
遠藤美奈子
「決算業務に関連し抜群に努力し,決算知識の普及に努め特に規範となる行為」
経理課
運用・支出グループ
スタッフ
吉田律子
「多種多様な工夫による業務の簡略化及び効率化への貢献」
国際部
国際連携課
総務グループ
スタッフ
「学術交流協定締結等における多大なる貢献」
国際事業課
国際基盤グループ
グループ長
渡部千夏
「八十年記念館外国人居住施設再開における多大なる貢献」
学務部
教務課
教育企画グループ
グループ長
植松明彦
「教育改革実施対応及び企画立案執行組織の構築に係る多大なる貢献」
学生支援課
生活支援グループ
主査
田中寿弥
「学生に関する突発事項等への適切な対応」
研究推進部
研究企画課
研究推進グループ
スタッフ
西田智
「日本学術振興会特別研究員の採択者数の大幅増に貢献」
研究資金管理課
研究資金執行グループ
スタッフ
宮国卓也
「業務遂行における卓越した処理能力と不断の努力」
情報基盤課
情報企画グループ
グループ長
小寺孝志
「情報セキュリティに関する活動への顕著な貢献」
施設運営部
施設総合企画課安全企画室
(2016年度:施設総合企画課安全企画室 安全企画グループ)
室長
(2016年度:グループ長)
稲葉千代子
「廃液の有償化における受益者負担の実施及び安全管理体制の強化」
施設整備課すずかけ台グループ
(2016年度:施設総合企画課安全企画室 安全管理グループ)
グループ長
山本英恭
技術部
すずかけ台設計工作部門
技術専門員
杉原輝哉
「優れた機械加工技能を発揮し,教育研究支援に多大に貢献した」
電気電子部門
技術専門員
脇田雄一
「電気機械系分野に関わる献身的技術貢献」
マイクロプロセス部門
技術職員
西岡國生
「半導体微細加工技術の支援とクリーンルーム運営業務への貢献」

表彰された方々と学長らとの記念撮影
表彰された方々と学長らとの記念撮影


骨格で支えられた人工細胞の形成に成功 薬用カプセルや化粧品などの応用に耐える補強が実現

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ポイント

  • 骨格で支えられた人工細胞の形成に成功しました。
  • 骨格により耐久性が向上した人工細胞は、医薬品や化粧品への応用が期待されます。

東京農工大学 大学院工学研究院 先端物理工学部門の柳澤実穂テニュアトラック特任准教授、大学院生の黒川知加子、東京工業大学 情報理工学院 情報工学系の瀧ノ上正浩准教授ら、慶應義塾大学 理工学部 生命情報学科の藤原慶専任講師、東北大学 大学院工学研究科 ロボティクス専攻の村田智教授らのグループは、人工的に創られた細胞モデル(リポソーム[用語1]、もしくは人工細胞)に骨格を持たせ、現実の細胞並みに硬くすることに成功しました。

我々の体を構成する細胞は、細胞骨格と呼ばれるネットワーク構造により非常に安定になっています。リポソームは薬の輸送用カプセルや化粧品の材料として使われてきましたが、細胞骨格のような構造が無いため、わずかな刺激により壊れてしまう問題がありました。今回、DNAナノテクノロジー[用語2]と呼ばれる技術によって人工的な細胞骨格を作製し、リポソームに付与しました。この人工細胞骨格を持つリポソームは、従来の骨格を持たないリポソームが壊れてしまうような刺激に対しても崩壊せず、その形を維持しました。リポソームの耐久性を高めることは、薬用カプセルや化粧品などへ応用する上での最も大きな課題でしたが、今回の成果によりこの問題が克服される可能性があります。

本研究成果は、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(略称PNAS))オンライン版(6月26日付:日本時間6月27日)に掲載されました。

現状

リポソームは、基礎研究だけでなく、薬用カプセルや化粧品など多くの日用品に応用されています。しかし、膜が壊れやすく、内包物が漏れやすいという問題がありました。壊れにくくし、さらにその強度を自在に変化できれば、カプセルとしての機能を大幅に向上できるため、その手法が渇望されていました。

研究体制

本研究は、東京農工大学・柳澤実穂特任准教授、東京工業大学・瀧ノ上正浩准教授,東京農工大学大学院生・黒川知加子氏、慶應義塾大学・藤原慶専任講師、東京工業大学・森田雅宗研究員、東北大学・村田智教授、野村M.慎一郎准教授、川又生吹助教、川岸由研究員、東京農工大学大学院生・酒井淳氏、東京農工大学・村山能宏准教授が共同で実施しました。

研究成果

リポソームの強度を上げるため、細胞骨格のように膜を支えるネットワーク構造をDNAナノテクノロジーにより構築しました(図1・A)。本研究で用いたDNAは、温度低下に伴い、分岐を維持しながら互いに結合してネットワーク状の構造を作ります(図1・B)。またDNAはマイナスの電荷を帯びているため、リポソームの中のみにプラスの電荷を帯びさせることで、プラスとマイナスの引き合いにより膜直下へDNAの骨格を形成させることができました。リポソームは通常わずかな浸透圧差で崩壊してしまいますが、DNAからなる骨格を持つことにより体内で想定される浸透圧変化環境においても崩壊しないことを確認しました(図2)。この補強機能は、DNAが互いにネットワークを組むことに由来し、さらにその強度はDNAの塩基配列[用語3]により決定されています。そのため、DNA構造を設計することによる強度制御が期待されます。

(A)DNA骨格を備えたリポソームの断面像と(B)DNAのネットワーク化を示す模式図

図1. (A)DNA骨格を備えたリポソームの断面像と(B)DNAのネットワーク化を示す模式図

DNA骨格あり(左)となし(右)のリポソームに対し浸透圧変化を与えた際の生存割合

図2. DNA骨格あり(左)となし(右)のリポソームに対し浸透圧変化を与えた際の生存割合

今後の展開

今回形成した人工細胞骨格は、リポソームの内側に存在するため、外部との接触無しに膜を補強することができます。この成果により、リポソームのカプセルとしての機能強化が見込まれます。また、DNAで形成されているため、DNAの化学反応に基づく膜崩壊の誘発と内包物の放出制御など、多様な機能付与が期待されます。

用語説明

[用語1] リポソーム : 主に脂質からなる人工的な脂質二重膜小胞のこと。同じく脂質二重膜を基本構造とする細胞膜のモデル研究や、薬用カプセル・化粧品など、様々な分野で利用されている。

[用語2] DNAナノテクノロジー : DNAが二重らせんをとる性質を利用し、ナノサイズ(1mmの百万分の1)の形を自在に創り出す技術。本研究では、ネットワーク構造を作るDNAを作製し利用した。

[用語3] 塩基配列 : DNAはアデニン、グアニン、シトシン、チミンの4種類の塩基から出来ている。その配列のこと。

論文情報

掲載誌 :
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
論文タイトル :
DNA cytoskeleton for stabilizing artificial cells
著者 :
Chikako KUROKAWA, Kei FUJIWARA,Masamune MORITA, Ibuki KAWAMATA, Yui KAWAGISHI, Atsushi SAKAI, Yoshihiro MURAYAMA, Shin-ichiro M. NOMURA, Satoshi MURATA, Masahiro TAKINOUE,Miho YANAGISAWA
DOI :

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お問い合わせ先

東京農工大学大学院 工学研究院 先端物理工学部門

特任准教授 柳澤実穂

E-mail : myanagi@cc.tuat.ac.jp

Tel : 042-388-7113

東京工業大学 情報理工学院 情報工学系

准教授 瀧ノ上正浩

E-mail : takinoue@c.titech.ac.jp

Tel : 045-924-5680

取材申し込み先

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2017 東工大スピントロニクスイノベーション研究推進体研究会 開催報告

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6月9日、東工大スピントロニクスイノベーション研究推進体が主催する第2回研究会が大岡山キャンパス大岡山西8号館大会議室で開催されました。今回は「ポストスピントロニクスへの挑戦」と題して、スピントロニクス※1に関連した研究の最先端の成果について東工大の若手研究者を中心とした発表者による7件の講演が行われました。当日は学内外から31名の参加者が集いました。

最初に、工学院 波多野睦子研究室の岩崎孝之助教が「ダイヤモンド量子センサ」と題して、ダイヤモンドのNVセンター※2を利用した室温で高感度な電場や磁場の定量センシングについて講演を行いました。ダイヤモンド結晶の形成方法を工夫しN-V軸を意図的に配列することにより検出感度が大きく向上したと報告しました。

次に、工学院 ファム・ナム・ハイ研究室のN. H. D. Khangさん(博士後期課程学生)が発表しました。スピン注入型磁気抵抗メモリであるSTT-MRAMのエネルギー消費の課題を解消すべくトポロジカル絶縁体(BiSb)※3と垂直磁気異方性を示す強磁性体(MnGa)の接合について、主に結晶成長に関する最近の進展と問題点を語りました。

続いて、理学院 藤澤利正研究室の橋坂昌幸助教が、微小領域に形成された整数量子ホール系のダイナミクスに関する新知見について講演しました。大きなバイアス電圧が印加された非平衡領域で分数電荷(e/3)が現れると述べました。

休憩後は、科学技術創成研究院 宗片比呂夫研究室の西沢望特任助教による「室温純粋円偏光スピンLED」にかかる講演から始まりました。工夫をこらしたスピンLEDにおいて室温で純粋な円偏光発光が得られたこと、および、今後の医療応用に関する展望が語られました。

次いで、科学技術創成研究院 菅原聡研究室の北形大樹さん(博士後期課程学生)が、消費エネルギーの削減の観点から、集積回路に不揮発性SRAMを導入する意義とアーキテクチャに関する研究についての報告を行いました。

続いて、工学院の中川茂樹教授がSTT-MRAM材料として期待されるCo2FeSi/MgO系における垂直磁気異方性の発現と制御についての最近の進捗を語りました。

最後に、科学技術創成研究院の庄司雄哉准教授から「磁性材料を用いた光制御デバイス」と題して、磁性体を組み込んだ光導波路を基礎とする光アイソレータ、光スイッチ、光メモリの設計、ならびに、最近の実験状況について意欲的な発表がなされました。

講演は、スピンが絡む物理現象からデバイス作製、実装、応用展開まで多岐にわたっており、各研究テーマで新知見を切り拓こうとする東工大の若手研究者による熱い報告でした。今後の研究展開への期待の表れか、各講演の終わりには様々な質問が登壇者に投げかけられ、研究会終了後も遅くまで活発な意見交換がされ、会場を閉めた時には終了予定時刻を1時間以上超過していたほどでした。

※1
スピントロニクスとは、固体中の電子が持つ電荷とスピン(量子力学上の概念で、粒子が持つ固有の角運動量)の両方を工学的に利用、応用する分野のこと。
※2
ダイヤモンドの結晶において本来は炭素があるべきところに窒素(N)で置換され、隣接する位置に空孔(V)がある複合欠陥をダイヤモンドNVセンターと呼ぶ。NVセンターが電子1個を捕獲して負に帯電時にNV中心はスピン角運動量をもった磁気的な性質を示す。
※3
トポロジカル絶縁体とは、物質の内部は絶縁体でありながら、表面は電気を通すという物質である。

(左から)岩崎助教、Khang大学院生、橋坂助教、西沢特任助教、北形大学院生、中川教授、庄司准教授
(左から)岩崎助教、Khang大学院生、橋坂助教、西沢特任助教、北形大学院生、中川教授、庄司准教授

お問い合わせ先

未来産業技術研究所 西沢望

Email : nishizawa.n.ab@m.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5178

次期学長候補者の選考、および推薦について

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2018年3月31日(土)をもって現学長の任期が満了することを受け、国立大学法人東京工業大学は6月26日に国立大学法人東京工業大学学長選考会議を開催し、次期学長の選考を行うことを決定いたしました。次期学長候補者の資格や任期、学長選考の方法等について、公示します。

学長候補者には、人格が高潔で学識が優れ、かつ、大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者のうち、学長選考会議が定めた基準「国立大学法人東京工業大学に求められる学長像について」(後述)を満たすことが求められます。

次期学長の任期は、2018年4月1日から4年(ただし、再任(2年)を妨げない)とし、自薦・他薦を問わず、2017年7月3日(月)から2017年7月21日(金)まで次期学長候補者の推薦を受け付けます。

その他、学長選考にかかる詳細、ならびに「国立大学法人東京工業大学に求められる学長像について」は以下をご覧ください。

学長候補者選考の公示

学長候補者推薦受付けの公示

推薦書類等

参考

お問い合わせ先

総務部 総務課 総務秘書グループ

Email : som.sohi@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2032、03-5734-2036

6月28日 09:30 学長選考会議の開催日に誤りがあったので該当箇所を修正しました。

触媒活性指標の回転数が一桁高い190万回を実現 ―極めて高い活性を示す固定化ロジウム触媒を開発―

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要点

  • シリカにロジウムとアミンを同時に固定した触媒によってオレフィンのヒドロシリル化反応における190万回の触媒回転数を達成
  • 貴金属触媒量の大幅な低減に成功し、シリコーンの持続的供給に貢献
  • 固体表面におけるロジウムとアミンの「協奏効果」によって反応が促進

概要

本学物質理工学院の本倉健講師と前田恭吾大学院生らは、オレフィンのヒドロシリル化反応に極めて高活性を示す固定化ロジウム触媒を開発しました。この触媒では、活性・安定性の指標となる触媒回転数(触媒1分子が目的とする反応を進行させた回数)が190万回に達することを発見しました。この値は従来よりも一桁高い値です。

ヒドロシリル化反応の生成物である有機ケイ素化合物は、シリコーン製造工業で用いられる重要な化合物です。本触媒の発見により、有機ケイ素化合物の合成反応における貴金属の使用量を大幅に低減することが可能となります。世界中で広く利用され需要が高いシリコーンの持続的な供給につながる発見です。固体表面でのロジウムとアミンの「協奏効果」によって反応が促進されることも明らかにしました。

本研究成果は米国科学誌「エーシーエス・キャタリシス(ACS Catalysis)」オンライン速報版に2017年6月19日に公開されました。

研究成果

ロジウム錯体と第三級アミンをシリカの表面に固定した触媒(SiO2/Rh-NEt2)を開発し、この触媒がオレフィンのヒドロシリル化反応[用語1]に極めて高い活性を示すことを発見しました。触媒1分子が何回目的の反応を進行させたかを示し、活性の指標となる触媒回転数(TON)[用語2]を計測したところ、24時間で最大1,900,000回に達することがわかりました。この値は、これまでに報告されている他の固定化ロジウム触媒と比較して、一桁高い値です(表1)。

表1. 本研究で開発した触媒と既報との活性比較

触媒
反応時間(h)
触媒回転数(TON)
SiO2/Rh-NEt2(本研究)
24
1,900,000
MOF-Rh(論文1※1
72
820,000
SiO2/Rh(論文2※2
10※3
200,000
※1
Sawano, T.; Lin, Z.; Boures, D.; An, B.; Wang, C.; Lin, W. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 9783-9786.
※2
Szubert, K.; Marciniec, B.; Dutkiewicz, M.; Potrzebowski, M. J.; Maciejewski, H. J. Mol. Catal. A Chem. 2014, 391, 150-157.
※3
1時間の触媒反応を10サイクル実施

この発見によって、有機ケイ素化合物の合成に必要な貴金属触媒の量を大幅に低減することができます。反応には溶媒が不要であり、図1に示すように、生成物/触媒比=1,900,000の条件では液体の生成物以外にわずかに触媒が存在するのみとなります。生成物/触媒比=260と比較すると、ロジウムに由来するオレンジ色が目視では確認できないほど触媒量が少ないことがわかります。

オレフィンのヒドロシリル化反応では、原料となるオレフィンとヒドロシランの構造を様々に変えることで、必要に応じた構造の有機ケイ素化合物を合成することができます。本研究で開発した触媒を用いて様々なオレフィンとヒドロシランの反応を行ったところ、いずれも高収率で対応する生成物が得られることがわかりました(図2)。例えば、シリコーン骨格(ケイ素―酸素―ケイ素結合)を有するヒドロシロキサンや、生成物からの官能基変換が可能なシアノ基(CN三重結合)やエポキシ基(炭素―酸素―炭素の三員環)をもつオレフィンの反応も良好に進行しました。

生成物/触媒比=260および1,900,000での反応溶液の様子。触媒が極微量でも十分に生成物が得られるため、クリーンな状態(右)となる。

図1. 生成物/触媒比=260および1,900,000での反応溶液の様子。
触媒が極微量でも十分に生成物が得られるため、クリーンな状態(右)となる。

様々な構造のオレフィンおよびヒドロシランを用いたときの生成物収率(括弧内は要した時間)。様々な構造の有機ケイ素化合物を99~76%と高い収率で得ることができる。

図2. 様々な構造のオレフィンおよびヒドロシランを用いたときの生成物収率(括弧内は要した時間)。
様々な構造の有機ケイ素化合物を99~76%と高い収率で得ることができる。

シリカの表面にロジウム錯体とアミンを同時に固定することで高い触媒活性が発現していることを見出しました。用いるロジウムの量を一定にして触媒反応を行い、それぞれの触媒の活性を比較した結果を図3に示します。Rhのみ固定した場合(SiO2/Rh)、11%であった収率が、Rhとアミンを同時に固定化することで88%まで向上しました。一方で、ロジウムとアミンのシリカ表面への固定を逐次的に行うと、ロジウムから固定した場合は86%に、アミンから固定すると59%まで収率が低下することがわかりました。つまり、ロジウムやアミンを別々に使うのではなく、2つを同時に固定する方法を発見したため成功につながったのです。

そこで、各触媒において、シリカ表面に存在しているロジウムの局所構造を高エネルギー加速器研究機構においてX線吸収微細構造(XAFS)[用語3]測定を行うことで解析しました。図3で示した4種類の触媒のRh K-edge 広域X線吸収微細構造(EXAFS)[用語4]スペクトルを図4に示します。いずれの触媒においても振動パターンがほぼ完全に一致しており、これらの触媒に含まれるRh周辺の局所構造(Rhに最近接している原子の種類・数・距離など)は同一であることが支持されました。スペクトルの詳細な解析によって明らかになった触媒表面の構造を合わせて図4に示します。

アミンの有無およびロジウムとアミンの固定化順序が生成物収率に与える影響。同時にロジウムとアミンを固定化することで高活性が得られる。

図3. アミンの有無およびロジウムとアミンの固定化順序が生成物収率に与える影響。
同時にロジウムとアミンを固定化することで高活性が得られる。

(左)触媒のRh K-edge EXAFSスペクトル(右)XAFS測定等によって明らかになったSiO2/Rh-NEt2触媒の表面構造

図4. (左)触媒のRh K-edge EXAFSスペクトル / (右)XAFS測定等によって明らかになったSiO2/Rh-NEt2触媒の表面構造

以上の結果から、(1)ロジウムとアミンの協奏的触媒作用によるヒドロシリル化反応の促進、および(2)ロジウムとアミンの固定化手法(順序)による両者の位置関係の変化による活性の変化が示唆されます。

背景

有機ケイ素化合物から構成されるシリコーンは、ケイ素由来の無機化合物と有機化合物の両方の性質の良いところを持ち合わせた材料であり、撥水剤・塗料・建材・ゴム等、様々な用途で広く利用されています。構成元素であるケイ素(Si)、酸素(O)、炭素(C)は地球上に大量に存在する元素であり、今後もシリコーン材料の需要は高まると思われます。現代社会にとって重要な役割をもつ材料であり、安定して長期にわたり生産し続けることが強く期待されます。

シリコーンの合成法の一つであるヒドロシリル化反応は、工業的にも貴金属触媒を用いて行われています。触媒量の低減はシリコーンの持続的な供給に必須であるといえます。我々の発見により貴金属触媒の使用量が大きく減るため、シリコーンの安定生産に貢献すると期待されます。まだ十分な活性は得られていませんが、貴金属を汎用金属で代替する研究も進められています。

研究の経緯

我々の研究室では、固体表面に複数の活性点を集積することで、協奏的触媒作用が発現し、一方の活性点のみが存在する場合と比較して触媒反応が促進されることを見出してきました(図5)。今回の研究では、この「活性点集積型触媒」のコンセプトに基づき、ロジウム触媒と有機アミンを固体表面に固定した触媒を開発しました。活性点集積型触媒のコンセプトを活用することで、従来法よりも高活性な触媒を開発することが可能であることがわかりました。

活性点集積型触媒の概念図

図5. 活性点集積型触媒の概念図

今後の展開

本触媒を用いることで、貴金属使用量を大幅に減らした有機ケイ素化合物の合成が可能となります。今後、固体表面での錯体構造に加えて、2つの活性点の配置をチューニングすることによっても、さらなる活性向上が見込まれます。また、ロジウムよりも安価な金属を用いる場合でも、活性点集積のコンセプトに基づいた高活性触媒が設計・開発できると思われます。

本成果は、JSPS(日本学術振興会)の科学研究費補助金 新学術領域研究(3D活性サイト科学・精密制御反応場)の支援によって得られました。

新学術領域研究 3D活性サイト科学

課題名 :
「3D活性サイト制御による高性能ナノ分子触媒の創製」
(研究代表者:首都大学東京 野村琴広教授)
期間 :
平成26年4月~平成31年3月

新学術領域研究 精密制御反応場

課題名 :
「複数活性点をもつ固体表面反応場のsite-isolation概念による設計と構築」
(研究代表者:東京工業大学 本倉健講師)
期間 :
平成28年4月~平成30年3月

用語説明

[用語1] ヒドロシリル化反応 : ケイ素に直接水素が結合した化合物(ヒドロシラン)を他の分子へ付加させる反応。相手分子がオレフィンの場合は、二重結合部にケイ素と水素が付加する。オレフィンに由来する有機分子の機能を備えたケイ素化合物(有機ケイ素化合物)が得られる。

[用語2] 触媒回転数(TON) : 触媒1分子が目的とする反応によって原料を生成物へと変換した回数。ターンオーバーナンバー(turnover number: TON)。生成物からの副反応がない場合、生成物量を触媒量で割ることで算出される。触媒が完全に失活するまでの値を表すこともあり、触媒の活性・安定性の指標として用いられる。

[用語3] X線吸収微細構造(XAFS) : 試料にX線を照射することにより、内殻電子の励起に起因して得られる吸収スペクトル。測定したい原子の局所構造に由来する情報を得ることが出来る。

[用語4] 広域X線吸収微細構造(EXAFS) : XAFSスペクトルのうち、光電子と隣接する原子による散乱波との干渉に起因する振動構造が観測される、吸収端から1000 eV程度までに得られるスペクトル。測定したい原子の周辺に存在する原子の種類・数・距離に関する情報を得ることが出来る。

論文情報

掲載誌 :
ACS Catalysis, 2017, 7, 4637-4641.
論文タイトル :
SiO2-Supported Rh Catalyst for Efficient Hydrosilylation of Olefins Improved by Simultaneously Immobilized Tertiary Amines
著者 :
Ken Motokura, Kyogo Maeda, Wang-Jae Chun
DOI :

物質理工学院

物質理工学院 ―理学系と工学系、2つの分野を包括―
2016年4月に発足した物質理工学院について紹介します。

物質理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

お問い合わせ先

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 本倉健 講師

E-mail : motokura.k.ab@m.titech.ac.jp

Tel / Fax : 045-924-5569

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

アーヘン工科大学との共同ワークショップを開催

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3月2日~3日の2日間、本学教職員がドイツのアーヘン工科大学及びユーリッヒ総合研究機構を訪れ、アーヘン工科大学の教員とともに物質科学およびライフサイエンスを主なテーマとしたワークショップを開催しました。

東工大は、「世界のトップ10に入るリサーチユニバーシティ」を目指して、様々な国際化への取り組みを行っており、本ワークショップは、この一環としてアーヘン工科大学との交流を活発化させるために開かれました。

ワークショップ1日目はアーヘン工科大学で行われました。アーヘン工科大学側のリーダーであるヨッケンホーベル教授、同大学オッフェンハウアー教授および東工大物質理工学院の原正彦教授から、本ワークショップの目的と今後の関係強化に向けた挨拶があり、続いて研究者から研究内容の紹介が行われました。東工大からは、物質理工学院の森川淳子教授、生駒俊之准教授のほか、バイオ研究基盤支援総合センターの廣田順二准教授、研究戦略推進センター(現 研究・産学連携本部)の大井満彦特任教授が参加しました。そのほかアーヘン工科大学及びユーリッヒ総合研究機構の関係分野の研究者が集まり、白熱した質疑応答が展開されました。

2日目は会場をユーリッヒ総合研究機構に移し、前日に続く研究紹介のあと、研究室見学が行われました。ユーリッヒ総合研究機構はドイツ最大の研究機関であるヘルムホルツ協会に属する公的研究機関で、多くの教員が大学と兼任し、連携しながら研究が行われています。研究室見学の後には、総括討議として共同研究の具体的なテーマの選択と今後の進め方について活発な意見交換が行われ、今後も議論を深め共同研究を推進していくことで合意しました。

さらなる連携強化と、共同研究の発展が期待されます。

(後列左から2人目と3人目)原教授、オッフェンハウアー教授、(前段左から4人目)ヨッケンホーベル教授

(後列左から2人目と3人目)原教授、オッフェンハウアー教授、(前段左から4人目)ヨッケンホーベル教授

お問い合わせ先

研究・産学連携本部 大井・松尾

E-mail : nmatsuo@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-8734-2479

TAIST-Tokyo Tech 学生交流プログラム2016実施報告

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本学では、2007年よりタイ国立科学技術開発庁およびタイのトップクラス大学と連携し、TAIST- TokyoTech(以下、TAIST)という修士課程プログラム(自動車工学、組込情報システム、環境工学の3分野)をタイで実施しています。

TAISTを活用した学生交流プログラム「TAIST-Tokyo Tech 学生交流プログラム(TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program)」は2年目を迎え、東工大生がTAISTで、TAISTの学生が東工大で、それぞれ異文化に触れながら専門分野の研究に取り組みました。

東工大生がTAISTへ

2016年8月から2017年3月にかけ、東工大生18名が、各自で設定したスケジュールに沿って2週間から2ヵ月間タイで過ごしました。今回は、自動車工学コース(AE)に15名、環境工学コース(EnvE)に3名が参加し、渡航1~2ヵ月前からメールでタイ側の受入研究者とインターンシップの内容について打合せを行うなどの準備を進めました。タイ到着後は、タイランドサイエンスパーク(TSP)内にある学生用宿舎シリントーン サイエンス ホームに滞在し、TAISTの講義受講とインターンシップに取り組みました。

受入先では、研究室のメンバーに温かく迎え入れられ、日々英語で意見交換しながら演習を進めました。研究室を離れたところでは、クラスメイトと一緒にスポーツをしたり、観光名所を訪れたりと、現地学生との交流を楽しみました。また、タイも日本同様、英語が公用語ではないので、一歩街中に出ると英語はほとんど通じませんが、現地の方々に親切に声をかけてもらい、身振り手振りで意思を伝え、言葉が通じなくても気持ちが通じ合えるという経験を幾度となくしました。参加学生は、日本とは異なる環境で専門分野を学び、自身の成長を実感して帰国しました。

参加学生のコメント

  • 1人で海外に行くことには大きな不安を伴うが、その分1人での生活をやり終えたことは自分の中で大変貴重な経験だったと感じています。日本に帰ってきた今、タイから東工大に来ている学生と積極的にコミュニケーションをとるよう努めています。
  • 日本語が通じない状況下において拙い英語だけでもなんとか意思疎通できたことは自分にとって大きな一歩だったと感じています。
  • アジア諸国が抱える諸問題を考える上で実際にそれを肌身で感じることは、今後の我々の人生にとって有意義であることは間違いありません。
  • 海外の学生の様子を目の当たりにすることによって、全ての企業が国際競争力を求めている中で、海外の学生に勝てるだけの語学力や専門知識の取得、そして熱意が必要であることを理解しました。
  • 多くのタイの人々や他国の留学生と時間を共にすることで、積極性や自信を持つこと、思いやりの心など、さまざまなことを彼らから学びました。
  • TAISTの学生とアユタヤ遺跡を見学 後列左から3人目が小林将哉さん(環境社会理工学院 融合理工学系 修士課程1年)

    TAISTの学生とアユタヤ遺跡を見学
    後列左から3人目が小林将哉さん
    (環境社会理工学院 融合理工学系 修士課程1年)

    ※学生の学年は全て参加当時のものになります。

  • TAIST講義のクラスメイトと 後列左から2人目が手操周平さん(生命理工学院 生命理工学系 修士課程1年)

    TAIST講義のクラスメイトと
    後列左から2人目が手操周平さん
    (生命理工学院 生命理工学系 修士課程1年)

TAISTの学生が東工大へ

TAISTの学生を浅草に案内 一番左が江山雄哉さん(工学部 機械科学科 4年) 左から2人目が谷口紘章さん(工学部 機械科学科 4年)
TAISTの学生を浅草に案内
一番左が江山雄哉さん(工学部 機械科学科 4年)
左から2人目が谷口紘章さん(工学部 機械科学科 4年)

1月11日から3月17日にかけての約10週間、TAISTの学生5名が東工大に派遣され、副指導教員となっている東工大の研究室に所属し、修士論文のテーマに沿って研究を進めました。

5名が来日したのは寒さが厳しさを増す1月でしたが、プログラムを通して全員が元気に過ごしました。期間中は、研究活動の他に学内見学、研究室訪問、民間企業訪問、休日の観光などさまざまな活動に参加しました。TAISTの学生にとっては、毎日遅くまで他の学生と研究室に残り、時には休日にも実験を行うなど、研究室の一員として過ごしたことが、たいへん貴重な経験となりました。

帰国前日の3月17日に行われた報告会では、TAIST協力教員や副指導教員、研究室の学生たちを前に、5名それぞれが研究成果を発表しました。研究に重点を置いた本プログラムの趣旨にかなう成果が報告され、発表を終えた5名の表情には大きな達成感が見られました。続いて行われた懇親会では、本学の教員や学生と来日中の日々を振り返り、将来の再会を誓い合いました。

参加学生のコメント

  • プログラム期間中は、日本の文化、習慣、食べ物などに触れ、色々なことが経験できました。研究室だけでなく、あらゆるところに日本のハイテク技術を見ることができました。
  • 日本の人々がとても親切で、いろいろな質問に一生懸命答えてくれようとして有難かったです。
  • 研究室の学生が想像していた以上に、熱心に研究に取り組んでいたのが印象的で、自分の研究へのモチベーションが大いに高まりました。
  • 寒かったが、生まれて初めて雪を見ることができて良かったです。
帰国前報告会でのTAIST学生の研究成果発表
帰国前報告会でのTAIST学生の研究成果発表
  • 帰国前報告会でのTAIST学生の研究成果発表
  • 帰国前報告会でのTAIST学生の研究成果発表
  • 帰国前報告会でのTAIST学生の研究成果発表

帰国前報告会でのTAIST学生の研究成果発表

プログラムを通じて

東工大生がTAISTに派遣されている間、TAISTの学生たちがとても気軽に声をかけてくれ、渡航前の不安はすぐに解消され、毎日楽しく過ごせました。また、TAISTの学生が来日した際は、受入研究室のチューターのほか、TAISTに短期留学したことのある東工大生が、積極的にTAISTの学生と交流していました。

東工大生がTAISTへ、TAISTの学生が東工大へと行き来が増えるに従い、お互いの国への理解が深まっています。本プログラムを通して、今後ますます交流の輪が広がっていくことが期待されます。

修了証書を手に記念撮影

修了証書を手に記念撮影

TAIST(タイスト):Thailand Advanced Institute of Science and Technologyの頭文字。タイ政府からの要望により、理工系分野での高度な「ものつくり人材」の育成と研究開発のハブを目指して設立。タイにおいて、急速な工業化から派生する諸問題の解決や持続可能な発展に資する研究開発、人材育成を目的としています。

お問い合わせ先

国際部国際事業課 TAIST事務室

Email : taist@jim.titech.ac.jp

東工大ボート部 関東理工系レガッタの男子シングルスカル、男子舵手付きフォアで2連覇

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東京工業大学端艇部(ボート部)が、5月20日に埼玉県戸田市の戸田ボートコースで開催された関東理工系レガッタに出場し、男子シングルスカル、男子舵手付きフォアにて優勝しました。両種目とも昨年に引き続き2連覇です。

関東理工系レガッタは東京工業大学を始めとする関東の理工系大学や理工系学部のボート部で構成される大会で、ボートに乗って行われる1,000mレースの大会です。

今回東工大が優勝したのは、1人乗りボートのシングルスカルと、1人1本のオールを持ち、舵きり専門で漕がない舵手(コックス)を合わせた5人で乗る舵手付きフォアです。

男子シングルスカル

  • 藤井健人(所属:工学部 電気電子工学科 学士課程4年)

男子シングルスカル
シングルスカル

藤井健人さんのコメント

シングルスカルの練習期間が2週間しかありませんでしたが、やれることを着実に積み重ねた結果優勝することが出来ました。次は全日本級の大会で結果を残せるよう、引き続き練習に励みたいと思います。

男子舵手付きフォア

  • 中島雪暢(所属:工学部 電気電子工学科 学士課程3年)
  • 稲子晴也(所属:生命理工学部 生命科学科 学士課程4年)
  • 舩岡知広(所属:理学部 地球惑星科学科 学士課程3年)
  • 服部広暉(所属:工学院 機械系 学士課程2年)
  • 井上幸大(所属:工学院 経営工学系 学士課程2年)

舵手付きフォア
舵手付きフォア

稲子晴也さんのコメント

今回自分達は体格の良いメンバーが集まってクルーを結成しており、理工系もパワーで圧倒した結果となりました。実際の漕ぎに関してはまだまだ不満が多く、日々重点的に改善を図っています。応援ありがとうございました。

東工大基金

端艇部の活動は東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

東京工業大学端艇部

Email : titboat@green.ocn.ne.jp
Tel : 048-442-5581


ストラスブール大学主席副学長が東工大を訪問

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(左から)安藤理事・副学長、三島学長、フローレンツ主席副学長、中谷教授
(左から)安藤理事・副学長、三島学長、フローレンツ主席副学長、中谷教授

4月25日、本学協定校である、フランスのストラスブール大学のキャサリン・フローレンツ主席副学長と中谷陽一協約教授が東工大を訪問し、三島良直学長、安藤真理事・副学長(研究担当)、理学院の江口正教授と懇談を行いました。

懇談はまず、三島学長が本学の近況報告として、昨年4月に導入した教育・研究改革後のそれぞれの新体制を説明するとともに、企業との連携強化への取り組みや学生交流プログラムについて話をしました。

フローレンツ主席副学長からは、新教育システムで博士後期課程まで履修が可能となった教養教育のカリキュラムや研究改革の柱となっている「科学技術創成研究院(IIR)」、本学が行っているダブルディグリープログラムについて質問がありました。

続いて、フローレンツ主席副学長からストラスブール大学の歴史や主要研究分野について説明がありました。1538年に公立の人文科学系大学として設立された同大学は、1971年に理工系、人文科学系、社会科学系の3大学への分割を経て、2009年に再統合し、現在、48,000人の学生が4つのキャンパスで4分野、37の学部で学んでいます。また、同大学は、フランス高等教育研究省が導入した、世界トップレベルの研究・教育拠点を支援するプログラム「イニシアティブ・エクセレンス(Initiatives d'excellence (IDEX)」に採択されています。

フローレンツ副学長は、同大学ではアジアの大学とのダブルディグリープログラムを推進しており、東工大とも連携を行いたいと話しました。

懇談後、一行は地球生命研究所(ELSI)を訪問し、廣瀬敬所長と懇談した後、同研究所のショーン・マグリン准教授の案内で施設見学をしました。

廣瀬所長(左)と懇談の様子
廣瀬所長(左)と懇談の様子

蔵前工業会及びくらまえアドバイザーに感謝状を贈呈

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6月13日、本学同窓会組織である一般社団法人蔵前工業会及び蔵前工業会くらまえアドバイザーに対する感謝状の贈呈式が、東工大蔵前会館手島精一記念会議室で行われました。

三島良直学長から感謝状を授与される本房文雄業務執行理事・事務局長と鏑木耕二くらまえアドバイザー代表

三島良直学長から感謝状を授与される本房文雄業務執行理事・事務局長と鏑木耕二くらまえアドバイザー代表

東工大では本学学生への重要な支援として、蔵前工業会及び蔵前工業会くらまえアドバイザーから本学学生のための個別就職相談、技術面接指導及びアドバイス等の協力をいただいてきました。

また、就職関連イベント「仕事とキャリアセミナー」、「蔵前情報交換の集い(K-meet)、(K-meet2)」等の主催など、キャリア支援業務に多大なる貢献をいただいています。

このたび、これらの活動に対し、三島学長から蔵前工業会及びくらまえアドバイザーに感謝状を贈呈しました。

これらの支援活動は、学士課程学生だけではなく、修士課程・博士後期課程の学生にとっても、企業等で活躍し要職についている先輩方からの話を聞き、アドバイスを受けることのできるよい機会ともなっています。

今後も、東工大は、蔵前工業会との連携のもと、本学学生の支援をしていきます。

くらまえアドバイザーとは、蔵前工業会に所属するOB・OGで企業や大学勤務経験者、企業経営者などから構成されたメンバーで、キャリアアドバイザーと協働する形で、技術面接指導や企業内でのキャリア開発など技術的な事柄を取扱い、学生のキャリア支援を行っています。
蔵前工業会の皆様と学長、本学関係者

蔵前工業会の皆様と学長、本学関係者

お問い合わせ先

学務部 学生支援課 支援企画グループ

E-mail : gak.sie@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3011

東京工業大学社会人アカデミー グローバル産業リーダー育成プログラム 2017年度 Enterprise Engineeringコース(IT-CMF)のご案内

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東京工業大学 社会人アカデミーでは、産業のグローバル化に対応できる企業人材を育成することを目的として、グローバル産業リーダー育成プログラム(GINDLE-Global INDustrial LEader)を設置しております。

その中のコースとして、情報システムベンダーあるいはユーザ企業の情報システム関連部署の部課長レベル・シニアコンサルタントを対象にEnterprise Engineeringコース(IT-CMF)を開講いたします。

海外より当該分野に精通する講師を招き、ICT(情報通信技術)の利活用に焦点を当てた講義・演習を通じて、企業活動におけるICT活用力向上のための、知識とスキルを身につけることができます。

開催概要

Enterprise Engineeringコース(IT-CMF)

ICTの利活用に焦点を当てた講義・演習を通じて、企業活動におけるICT活用力向上のための、知識とスキルを身につけることができます。

受講期間
1)
IT-CMF Tier2 2017年9月15日(金)・16日(土)
2)
IT-CMF Tier3 2017年9月22日(金)・23日(土)
※IT-CM F Tier2の受講あるいはIT-CMF associateの資格を持っていることが条件となります。
3)
IT-CMF Tier2およびIT-CMF Tier3
2017年9月15日(金)・16日(土)・22日(金)・23日(土)
定員
10名(※最小開催人数5名)
受講料
1)・2)
各81,000円(税込)
3)
148,500 円(税込)

受講場所

〒108-0023 東京都港区芝浦3-3-6 東京工業大学 田町キャンパス・イノベーションセンター410教室

お申込期間

2017年6月13日(火)~9月2日(土)(締切日必着)

定員に達し次第、募集終了。お申込状況に応じ、締切日を変更することがあります。

申込方法および詳細

東京工業大学 社会人アカデミーWEBサイトouterをご確認ください。

「Enterprise Engineeringコース」ポスター表

「Enterprise Engineeringコース」ポスター裏

お問い合わせ先

東京工業大学 社会人アカデミー事務室

E-mail : jim@academy.titech.ac.jp
Tel : 03-3454-8722、03-3454-8867
FAX : 03-3454-8762

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

世界初、光学顕微鏡で三次元分子解像度を実現 ―生命現象の分子レベル画像化に期待―

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要点

  • 一つ一つの生体分子の三次元位置をそのサイズと同等の解像度で観察可能に。
  • 手作り光学顕微鏡だからできた世界最高の解像度。
  • 鮮明な画像の鍵は超流動ヘリウムとその中で使える反射対物レンズ。

概要

東京工業大学 理学院 物理学系の古林琢大学院生、本橋和也氏(元大学院生)、松下道雄准教授、藤芳暁助教らは、可視光のみで1個の分子の三次元位置をオングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の精度で決定することに成功した。この精度は現存する最高性能の光学顕微鏡である超解像蛍光顕微鏡(2014年ノーベル化学賞)を1桁しのぎ、分子を見分けられるレベル(分子解像度)に達している。

生命現象は無数の分子が関わっている複雑な系であり、試験管の中では再現できない。このため、生命現象の解明には、生体内部を直接観察することが不可欠である。しかし、人類は400年にわたり多種多様な顕微鏡を開発してきたが、生体内部を分子レベルで観察できるものはなかった。そこで、分子レベルの光イメージングを目標に、2004年から光学顕微鏡の独自開発をはじめ、ごく最近、これに成功した。現在は、生命現象の画像化に向けた研究をおこなっている。

本研究成果は2017年6月23日(米国時間)に米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン速報版で公開された。

研究成果

東京工業大学 理学院 物理学系の古林 琢大学院生、本橋和也氏(元大学院生)らは光学顕微鏡を用いて、一つ一つの分子の三次元位置を分子のサイズと同等の解像度(分子解像度)で決定することに世界ではじめて成功した。高い位置精度を実現するための鍵は、独自開発した超流動ヘリウム中で使える対物レンズである。このレンズを用いることで、極限の光学性能と優れた機械的安定性を持つクライオ蛍光顕微鏡の開発に成功し、本研究成果につなげた。

本研究はJST戦略的創造研究推進事業さきがけ(研究者:東工大 藤芳暁助教)の支援の元に行われ、東京工業大学の松下道雄准教授、若尾圭祐氏(元大学院生)、松田剛大学院生、林宣宏准教授、理研CLSTの喜井勲研究員、東京医科歯科大学の細谷孝充教授、京都大学の石川冬木教授、定家真人助教と共同で行った。

背景

生命現象には無数の分子が関わっており、その生体内部での振る舞いには様々なモデルが提唱されている。しかし、観察に適した顕微鏡が存在しなかったため、モデルを生命現象の解明につなげることは困難な場合が多い。例えば、生体試料を測定できる最も高解像度なクライオ透過電子顕微鏡では、高い解像度を出すためには試料を薄くスライスする必要があり、細胞全体を観察することができない。また、生体試料全体を見渡せる光学顕微鏡では、解像度が最も高い超解像蛍光顕微鏡(2014年ノーベル化学賞)でも分子レベルには1桁足りない。上記の2つの顕微鏡から、生体試料への応用性が高い光学顕微鏡に注目し、その弱点である低い解像度を克服することを目指した。

研究の経緯

光学顕微鏡の解像度の限界を決めるのは、被写体である生体分子の動きである。クライオ透過電子顕微鏡と同様に試料を-271 ℃まで冷却(超流動ヘリウム中)すれば、分子の動きが完全に凍結し、分子レベルの鮮明な画像が観察できるはずである。そこで、我々は極低温用の光学顕微鏡の開発を始めた。しかし、開発は予想以上に難しく、試行錯誤の繰り返しであった。例えば、機械的安定化である。顕微鏡の機械的安定性は、言うまでなく、解像度を基準に設計されている。このため、桁違いに高いオングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の解像度を実現するには、その機械的安定性を従来品に比べて桁違いに向上させなければならない。我々は安定化についての研究をおこない、試料と対物レンズを同一の環境に置くことが安定性に最も大切であることをあきらかにした。つまり、試料を-271 ℃に冷却するならば、対物レンズも同じ温度に冷却しなければならない。しかし、-271 ℃で使用できる高性能な対物レンズは存在しなかった。そこで、2004年から10年かけて、極低温下で動作して高性能な対物レンズを独自開発し、目標とするオングストロームの機械的安定性を実現した。このレンズ開発が終盤にさしかかった2014年10月からはJSTさきがけ(統合1細胞解析のための革新的技術基盤、研究総括 浜地格教授)からの様々な支援を受け、研究の速度が上がった。その結果、2016年8月5日、クライオ蛍光顕微鏡を用いて、色素1分子の三次元位置をオングストロームの精度で決定することに成功した。この解像度は既存の光学顕微鏡よりも1桁以上高く、分子を見分けられるレベル(分子解像度)に到達している。

図1は顕微鏡を作っている時の写真、図2は完成した顕微鏡の写真である。ちなみに図2は、通算19作目のクライオ蛍光顕微鏡である。図1で、古林院生が設置しているのが空間フィルターのユニットであり、堅牢なステンレスの箱中に光学系を組むことで、高い機械的安定性が実現している。さらに、図2のように、その他の光学系も同様なユニット化することで、顕微鏡のイメージ安定性を高めている。これらのユニットの設計、開発も独自に行ったものである。

最新の顕微鏡を制作する古林院生(2015年10月8日撮影)

図1. 最新の顕微鏡を制作する古林院生(2015年10月8日撮影)

完成したクライオ蛍光顕微鏡(2016年9月5日撮影)。古林院生、本橋院生が1年かけて顕微鏡を完成させた。通算19作目のクライオ蛍光顕微鏡である。写真は本研究が成功した直後に撮影した。

図2. 完成したクライオ蛍光顕微鏡(2016年9月5日撮影)

古林院生、本橋院生が1年かけて顕微鏡を完成させた。通算19作目のクライオ蛍光顕微鏡である。写真は本研究が成功した直後に撮影した。

開発したクライオ光学顕微鏡のもう一つの特長は、極限の光学性能である。これも上記の対物レンズが鍵となる。図3は開発した反射対物レンズの一部で、左から2代目、3代目、8代目のデザインの対物レンズである。右にいくほど性能が上がっていき、一番右のものは極限の光学性能を持っている。

2004年以来、開発してきた極低温用の反射対物レンズの一部。左から、2代目、3代目、8代目(当代)である。8代目は極限的な性能を持ち、数ケルビンから室温までのあらゆる温度で使用できるという唯一無二の性能を有している。
図3.
2004年以来、開発してきた極低温用の反射対物レンズの一部。左から、2代目、3代目、8代目(当代)である。8代目は極限的な性能を持ち、数ケルビンから室温までのあらゆる温度で使用できるという唯一無二の性能を有している。

今後の展開

生命現象には多くの謎が残されている。これは、生命現象が起こっている現場である細胞内を観察する方法が不足しているからである。本研究成果を元に、東工大物理の学生達と「生命現象の分子レベル画像化」を目指す。

論文情報

掲載誌 :
Journal of the American Chemical Society (Article)
論文タイトル :
"Three-Dimensional Localization of an Individual Fluorescent Molecule with Angstrom Precision"(オングストローム精度で一つ一つの蛍光分子の三次元位置を決定)
著者 :
古林琢、本橋和也、若尾圭祐、松田 剛、喜井勲、細谷孝充、林宣宏、定家真人、石川冬木、松下道雄、藤芳暁
DOI :

理学院

理学院 ―真理を探究し知を想像する―
2016年4月に発足した理学院について紹介します。

理学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

お問い合わせ先

東京工業大学 理学院 物理学系 助教 藤芳暁

E-mail : fujiyoshi@phys.titech.ac.jp

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

学生主導の活動を応援 ―東工大「第10回学生応援フォーラム」開催―

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2月22日、学生支援センター自律支援部門が、「第10回学生応援フォーラム」を大岡山キャンパス百年記念館フェライト記念会議室にて開催しました。自律支援部門は、学生・大学・地域等にとって有益で公的な性格を有している本学学生によるグループ活動の支援を幅広く行っており、活動の輪を広げることを目的として、学生応援フォーラムを毎年開催しています。

フォーラムの様子

フォーラムの様子

今回のフォーラムには、本学の学生、教職員の参加に加えて、高大連携教育システムで本学入学予定の高校生、東京大学、千葉大学、多摩大学の教職員、一般の方を含めて計100名の参加がありました。

当日の司会進行は、第4類の森将真さん(学士課程1年、開催当時)が務めました。

三島良直学長の開会挨拶に始まり、まず工学院の岡村哲至教授・自律支援部門長から当部門の活動について説明がありました。その後、当部門が支援している「東工大学生ボランティアグループ(VG)」、「東京工業大学国際交流学生会(以下、SAGE)」、「学勢調査2016」、「理工系学生能力発見・開発プロジェクト」の各学生グループについて、その活動内容や意義等を学生達が口頭発表しました。参加者からは、学生の発表に対して質問やご意見、励ましの言葉を沢山いただきました。司会、口頭発表を行った学生達のコメントを紹介します。

パネル発表の様子
パネル発表の様子

パネル発表の様子

所属はすべて開催当時

司会 森将真さん(第4類 学士課程1年)

森将真さん(第4類 学士課程1年)
森将真さん(第4類 学士課程1年)

私はこのフォーラムに初参加ながら、司会のみならず、当日までの運営にも参加させていただきました。ポスターを作るにも、何回も話し合い修正を重ねて完成させていき、広報の重要性を再確認させられました。私はSAGEに所属していますが、学生間の知名度はまだ低いと感じております。そのような中で、様々な学生団体が互いに知り合い、意見交換できるこのフォーラムはとても貴重なものだと感じました。

今後も多様性に富んだ意見を交換できるような機会を求め、活動していきたいと思います。

東工大学生ボランティアグループ(VG) 紺野隆志さん(工学部 機械科学科 3年)

紺野隆志さん(工学部 機械科学科 3年)
紺野隆志さん(工学部 機械科学科 3年)

東工大VGは、復興支援活動を中心に様々な活動をしてきましたが、小さな団体で知名度が低く、メンバーがなかなか集まらないという問題に悩まされています。その中で、このフォーラムは自分たちの活動を学内外の多くの方に知ってもらえ、コネクションを作ることができる、非常に貴重な機会となりました。また、様々な方から意見や激励をいただき、改めて自分たちの活動の意義や、今後の活動などを考え直すことができました。こうした機会を励みに、活動を続けていきたいと思います。

東京工業大学国際交流学生会(SAGE) 小林萌さん(第4類 学士課程1年)

小林萌さん(第4類 学士課程1年)
小林萌さん(第4類 学士課程1年)

自分たちの活動報告をするのは、自分たちの活動を考え直す良いきっかけであり、私自身も大舞台での発表の機会を持つことができてよかったです。また、他の学生主導の活動も聞くことで、お互いの活動はもちろん、組織体制や展望、悩みなど様々なことを共有できて同じ学生団体として刺激を受けました。

個人的には様々な教授と意見交換をすることができ、教授陣の考え、学生への思いなど生の声を聞くことができ大変貴重な機会でした。

学勢調査2016 児島佑樹さん(理学部 物理学科 3年)

児島佑樹さん(理学部 物理学科 3年)
児島佑樹さん(理学部 物理学科 3年)

学勢調査は学生の声をもとに、学生自身がそれを集計し大学側に提言する団体です。学生主体の団体ではありますが、大学側の多大なサポートを受けながら、多岐にわたって大学に貢献することができました。この活動は様々な価値観を理解し、その中で自分の置かれた環境を客観視しながら、それを良くしていくアイディアを探すというエキサイティングなものです。今回の発表は、その提言を執筆している最中での発表であり、活動内容を新鮮な様子で紹介できたのではないでしょうか。今回の発表が参加された皆さんにとって、よい刺激になれば幸いです。この度は、活動のアピールできる場を設けていただき、ありがとうございました。

理工系学生能力発見・開発プロジェクト 石曽根香菜さん(工学部 無機材料工学科 3年)

石曽根香菜さん(工学部 無機材料工学科 3年)
石曽根香菜さん(工学部 無機材料工学科 3年)

今回の発表では自律支援部門の他団体の活動内容についても聞くことで、様々な活動を行っていることを知ることができ、勉強になりました。同時に、理工系プロジェクトの活動について発信することができたので、とても有意義なものとなったと思います。

ただ、これらの活動についてまだ多くの学生は知らないことを再認識したので、各団体の活動についてもっと発信する方法を模索する必要があると感じました。

続いて、他大学で行われている優れた活動から学ぶため、東京大学から講師を招き、東京大学ピアサポートルームの活動立ち上げから現在に至るまでの活動概要や成果等について、東京大学学生相談ネットワーク本部の大島紀人講師、東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の柳光孝紀さん(修士2年)から講演がありました。

フォーラムの後半に行った合同ポスター発表会では、先述した4つの学生グループの他、「ピアサポーター」「東工大テクノガールズ」「蔵前工業会学生分科会」「EPATS」「TED×Titech」「被災地応援プロジェクト」「環境プロジェクト」を加えた11の学生グループによる発表がありました。

最後に、丸山俊夫理事・副学長(教育・国際担当)の閉会の辞をもって、本フォーラムは終了しました。

当日回収したアンケートにも、「学生が高い意識を持って活動に参加していて心強いです」「学生達の活発な活動に感動しました。大学として彼らへの支援の強化を増強して欲しいです」「学生の意識の向上と共に、教職員の意識の向上も必要だと思いました」「今後さらに輪が広がって行くよう期待します」等の言葉が寄せられました。

参加者の集合写真

参加者の集合写真

お問い合わせ先

学生支援センター自律支援部門

E-mail : siengp@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-7629

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