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舞踏研究部が東都大学選手権で団体準優勝

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10月8日に埼玉県草加市の獨協大学35周年記念館アリーナで開催された第115回東都大学学生競技ダンス選手権大会(東部日本学生競技ダンス連盟主催)において、本学舞踏研究部が団体の部において24校中2位入賞を果たしました。東都大学選手権での団体準優勝は1978年以来で、39年ぶりの快挙となりました。団体の部3位入賞した前期大会に続き、順位を1つ上げての準優勝です。

個人の部においては、同部から出場した12組のうち8組が入賞し、そのうち4組が決勝進出を果たしました。

競技ダンスとは

男女がペアになって踊る社交ダンスとほぼ同じものですが、社交ダンスが社交を目的としているダンスであるのに対し、競技ダンスは競技会にて技術や表現を競うことを目的としています。

学生の競技ダンスには、大きく3つの部門があり、全部で9種目のダンスがあります。

  • スタンダード

    男女が組んで踊ります。

    ワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、クイックステップ

  • ラテンアメリカン

    基本的に男女が離れて踊ります。

    チャチャチャ、サンバ、ルンバ、パソドブレ

  • フォーメーション

    4~8組が2~4種目のメドレーで隊列を構成しながら踊ります。

    秋の東都選手権では開催されません

東工大 舞踏研究部について

東京工業大学舞踏研究部は、学生競技ダンス連盟に所属している大学公認のサークルです。共同加盟校として、白百合女子大学と杉野服飾大学と共に活動しています。部員数は、東工大生:28人 白百合女子大生:16人 杉野服飾大生:9人(2017年10月現在)で、競技会にむけて日々練習しています。

今大会の入賞者

今回の東都大学選手権の東工大チームの入賞者をご紹介します。

スタンダード

渡辺雅紀 (理学部 地球惑星科学科 4年)・佐藤洸佳(白百合女子大学)組
ワルツの部 準優勝、タンゴの部 10位入賞
渡辺雅紀(理学部 地球惑星科学科4年)・
佐藤洸佳(白百合女子大学)組

斎藤悠太郎(生命理工学部 生命科学科 4年)・大木あかり(杉野服飾大学)組
タンゴの部 3位入賞、スローフォックストロットの部 4位入賞
斎藤悠太郎(生命理工学部 生命科学科 4年)・
大木あかり(杉野服飾大学)組

生方道明(工学部 電気電子工学科 4年)・斎藤那維(跡見学園女子大学)組
クイックステップの部 4位入賞
生方道明(工学部 電気電子工学科4年)・
斎藤那維(跡見学園女子大学)組

武田龍河(工学部 化学工学科 3年)・小泉渚(白百合女子大学)組
クイックステップの部 11位入賞
武田龍河(工学部 化学工学科3年)・小泉渚(白百合女子大学)組

ラテンアメリカン

田添康平(理学部 情報科学科 4年)・水野都(白百合女子大学)組
チャチャチャの部 4位入賞、ルンバの部 6位入賞
田添康平(理学部 情報科学科4年)・水野都(白百合女子大学)組

栗崎義紀(理学部 地球惑星科学科 4年)・輿水早記(津田塾大学)組
チャチャチャの部 11位入賞
栗崎義紀(理学部 地球惑星科学科4年)・輿水早記(津田塾大学)組

上原克也(生命理工学部 生命工学科 3年)・松田貴子(白百合女子大学)組
チャチャチャの部 13位入賞、パソドブレの部 7位入賞
上原克也(生命理工学部 生命工学科3年)・
松田貴子(白百合女子大学)組

大頭拓斗(理学部 物理学科 4年)・木村真由(杉野服飾大学)組
パソドブレの部 11位入賞
大頭拓斗(理学部 物理学科4年)・木村真由(杉野服飾大学)組

(写真提供/百川美彩)

代表 重原悠太郎さん(理学部 地球惑星科学科4年)からのコメント

前期の東都戦よりも順位を更に1つあげ、準優勝することが出来たことを大変嬉しく思っています。

普段は部室でお互いの交流を深めたり、後輩にダンスを教えたりしている部員達が大会の時は勝利に向かって一丸となっていく姿に私自身非常に感動しました。

今年度の試合も残りわずかになりましたが、良い成績のまま2017年度を締められるよう悔いのない日々を過ごしていきたいと思います。

4年生の集合写真

4年生の集合写真

お問い合わせ先

東京工業大学 舞踏研究部

E-mail : tsubame.buken@gmail.com

Tel : 080-6534-8174


東工大マイスターのエコノムーブ部門がエコノムーブ関西大会2017で総合3位・技術賞を受賞

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東工大のものつくりサークル「マイスター(Meister)」のエコノムーブ部門は、10月8日に堺カートランドで行われたエコノムーブ関西大会2017のワールド・エコノ・ムーブ・グランプリ(W.E.M.GP)クラス(オープンクラス)に出場し、総合3位、技術賞を受賞しました。

W.E.M.GPは、バイクのバッテリー等に用いられる鉛蓄電池を2~4個使用し、1.5時間~2時間内の走行距離を競う大会です。大会本部より支給される電池を用いて、時間内の距離、すなわち速さと燃費で勝負します。電池の個数や時間は大会ごとに異なり、今回の関西大会では電池2個(72 Wh)で1.5時間、すなわち48 Wで競いました。大会は今年度に5戦あり、11月に成田大会、12月に沖縄大会に参戦予定です。

マイスターの車体 「アリア(Aria)」

マイスターの車体 「アリア(Aria)」

今大会は、6台と参加台数こそ少ないものの、古参の強豪、株式会社ホンダアクセスの「チームエンドレス(Team ENDLESS)」や、各チームが使用するモーターの提供元である株式会社ミツバの「チーム“ヨイショット!”ミツバ」、今年度優勝候補筆頭と言われている株式会社東郷製作所の「東郷アヒルエコパレーシング」などが参加するレベルの高い大会となりました。

マイスターの「アリア(Aria)」は予選前まで、カーブを曲がり切れる、切れないの問題で本戦棄権を検討しており、一時は大会本部に棄権の旨を伝えるまでに至りました。しかし、アリアを何度も確認したところ、舵角が取れなかった原因がブレーキの油圧ホース周りの干渉にあることが判明したため、その課題を解決して何とか出場できることになりました。予選はW.E.M.GPでは珍しい1台ずつのタイムアタックとなり、1分28秒672でアリアは4位に入ることができました。

予選結果

予選結果

グリッド4番目からスタートした本戦では、1つ前のチームエンドレスを追う展開となりました。チームエンドレスがペースアップし、じりじりと離されていく中、マイスターは大会開始15分後に左前輪のバーストに見舞われました。およそ5分強で修理を完了しコースに戻ったものの、トップチームには4~7周ほど離された状態からの再開となりました。大会1時間過ぎには、チームエンドレスに異変が発生し、電池切れを起こしました。その間にマイスターはプッシュを開始して抜き去ることに成功し、4位に浮上しました。その後、トップを快走していた東郷アヒルエコパレーシングとチーム“ヨイショット!”ミツバにもトラブルが発生します。前者はドライバーのオーバーヒート、後者は電池切れの様子でした。その隙に、チーム“ヨイショット!”ミツバをかわしてプッシュするものの、残り3周に迫ったあたりで東郷アヒルエコパレーシングが復活し、有り余る電池を見せつけるかのように快走を始めました。アリアはその時点で12 Vの電池を4 Vまで使い切り省エネ走行を余儀なくされましたが、順位を守りきり、3位に入賞しました。

本戦結果

本戦結果

アリアは土壇場で電気関係が壊れたり、舵角不足というトラブルに見舞われましたが、それを本戦までに修理した努力と技術力を評され、マイスターには3位の表彰だけでなく、技術賞も授与されました。

表彰式で記念品を受け取るマイスターの今枝裕登さん

表彰式で記念品を受け取るマイスターの今枝裕登さん

今枝裕登さん(代表兼ドライバー、工学部 機械宇宙学科 3年)のコメント

今大会はさまざまなトラブルが発生しましたが、まず走り切れるセットアップをしてくれたチーム、陰ながら応援してくださった顧問の井上先生、大学、OB・OGの皆さまにこの場を借りてお礼申し上げます。ミツバさんやエンドレスさんにバッテリー切れという形で正式に勝ったのは、おそらく長いマイスターの歴史でもほとんどないことだと思います。そういう意味で我々の車体がある程度のポテンシャルがあるといういい証明になったと思っています。あと2戦、気を抜かずにW.E.M.GP通しての入賞を狙いたいと思います。引き続きご支援よろしくお願いします。

職員野球部「東工大フェニックス」が在京大学等対抗の野球大会で優勝

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本学職員等の有志による野球部「東工大フェニックス」が、9月30日、10月1日の2日間にわたって開催された2017年度在京大学等職員懇親野球大会において優勝を果たし、前回大会に続いて2連覇を達成しました。

優勝を喜ぶ職員野球部「東工大フェニックス」のメンバー

優勝を喜ぶ職員野球部「東工大フェニックス」のメンバー

「在京大学等職員野球大会」は、文部科学省および東京都内の国立大学法人等各機関の有志によって結成されたチームが年に1度集まり、トーナメント形式で行われる野球大会です。東工大フェニックスは2015年度大会で優勝、2016年度の雨天中止を経て、連覇をかけ今大会に臨みました。

決勝戦のスコアボード
決勝戦のスコアボード

決勝では独立行政法人 日本学生支援機構(以下、JASSO)と対戦し、両者とも引けを取らぬ僅差の展開が続きました。最終回にJASSOに勝ち越しを許し、1点差を追う東工大フェニックスでしたが、2アウト2・3塁から代打の林宏樹選手(情報基盤課)がサヨナラヒットを放ち、9対8で劇的な勝利をおさめました。

2日間で計4試合を戦うのは壮年期のメンバーにとっていささかハードなスケジュールでしたが、田中陽子マネージャー(研究企画課長)が朝早くから米1升分のおにぎりを用意して選手を鼓舞し、控えの選手もプレイヤーと気持ちを一つにして試合を支え、チーム全員の力で優勝旗をつかむことができました。

職員野球部「東工大フェニックス」について

東工大フェニックスは2010年に、前身の東工大職員野球部メンバーが主体となってスタートしました。総務、財務、学務、研究推進などさまざまな部署の職員や地球生命科学研究所(ELSI)の研究員など多様なメンバーで、昼休みなどを使って練習に励んでいます。また活動を通じて、普段の仕事ではなかなか関わることのできない構成員とも部署や職種を越えて密に語り合うことができ、選手・マネージャーともに懇親を深めています。

昼休みの練習風景

昼休みの練習風景

昼休みの練習風景

昼休みの練習風景

本学の教職員によるサークルは他にも多く存在し、サッカーやバドミントン、バスケットボール、卓球など、昼休みの短い時間の中で積極的に活動を行っています。研究や業務の合間に、グラウンドや体育館に集まって汗を流すことができるというのは、大学で働くことの大きな魅力でしょう。またそれらの活動を通じて生まれる円滑なコミュニケーションは、コンパクトで機動力が高く団結力のある、本学の強みの一層の強化につながっています。

今大会の優勝を受け、三島良直学長・芝田政之事務局長へ喜びの報告と、優勝旗の奉呈を行いました。三島学長は「前回大会に続き、またもサヨナラ勝ちの優勝でしたか。皆さんよくやってくれました。」と健闘したメンバーを称えました。

三島学長(左4番目)、 芝田政之理事・副学長(財務・施設担当)・事務局長(右1番目)と、結果報告に訪れた職員

三島学長(左4番目)、 芝田政之理事・副学長(財務・施設担当)・事務局長(右1番目)と、結果報告に訪れた職員

大澤晃監督のコメント(施設運営部 施設総合企画課 安全企画室 安全企画グループ グループ長)

大澤晃監督

今年1月に就任した新米監督です。個々のレベルアップを目標に、短い昼休みに効果的な練習方法を選手間で相談して工夫し、実践力も高めるためにオンシーズンには横浜国立大学職員野球部との練習試合を毎月行うなど、楽しく、そしてまじめに活動しています。

当初の試合ではなかなか結果を出せなかったのですが、本大会での連覇を大きな目標に、選手が地道に練習をして、マネージャーに支えてきてもらったおかげで、本番ではすばらしいチームワークと個々の力を発揮でき連覇を成し遂げることができたと思います。

このすばらしい結果により、「東工大フェニックス」はさらに盛り上がって活動していきたいと思います!

お問い合わせ先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : pr@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

ニュースレター「AES News」No.11 2017秋号発行

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科学技術創成研究院 先進エネルギー国際研究(AES)センターouterは、「AES News」No.11 2017秋号を発行しました。

AESセンターは、従来の大学研究の枠組みを越えて、企業、行政、市民などが対等な立場で参加する研究拠点である「オープンイノベーション」を推進しています。ここでは、低炭素社会実現のための研究プロジェクトを創生することを大きな目的の一つとしています。

本学教員と本センター企業・自治体が連携し、既存の社会インフラを活かしながら革新的な省エネ・新エネ技術を取り入れ、安定したエネルギー利用環境を実現する先進エネルギーシステムの確立を目指しています。

本センターの活動を、より多くの方々にご理解いただき、また、会員および本学教職員の連携を深めるため、季刊誌「AES News」を発行しています。今回は第11号となる2017年秋号をご案内します。

ニュースレター「AES News」第10号 2017夏号

第11号・2017秋号

  • 経済産業省産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課 松岡建志課長 巻頭記事「オープンイノベーションの促進施策と大学への期待」
  • 東芝共同研究講座「新興国における公共交通機関の普及による渋滞・環境の改善に向けた取り組み」
  • 日立製作所共同研究講座「低濃度エタノール燃料使用高効率改質エンジンの開発」
  • AES開催報告(2017年7月~9月)
  • 2017年度の活動、今後のスケジュール等

ニュースレターの入手方法

PDF版

資料ダウンロード|先進エネルギー国際研究センター(AESセンター)outer

バックナンバーもリンク先よりご覧いただけます。
冊子版
  • 大岡山キャンパス:東工大蔵前会館1階 ロビー
  • すずかけ台キャンパス:すずかけ台大学会館1階 広報コーナー

お問い合わせ先

科学技術創成研究院
先進エネルギー国際研究(AES)センター

Email : aescenter@ssr.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3429

大規模都市建築を対象とした社会活動継続技術共創コンソーシアム発足

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本学 科学技術創成研究院 山田哲教授を統括とした建築・都市防災・センシング・人間科学など異分野融合研究グループは、10月に、東京大学、東北大学及び民間企業12社(2017年9月末現在)と共に、科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業である産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)の1プロジェクトとして「社会活動継続技術共創コンソーシアム」を立ち上げました(プロジェクト期間5年間)。上記3大学と12社の間で行われている産学共同研究をベースに、研究開発をスタートさせたところです。

社会活動継続技術共創コンソーシアムのイメージ

社会活動継続技術共創コンソーシアムのイメージ

本コンソーシアムでは、社会・経済の中枢機能が集約される大規模都市建築を対象に、極大地震をはじめとする自然災害に対しても、安心して社会活動が維持できる技術の創出を目指していきます。具体的には、建物の構造安全性能を大幅に向上する技術、安全性能を支える大型部材や免震・制振部材の安全性を実証する技術、設備機器類等の損傷を制御して早期復旧を実現する技術、災害時だけでなく日常から活用できるモニタリングシステム技術、情報を安心につなげる技術の確立が挙げられます(社会活動継続技術)。

そして、これらの社会活動継続技術群をパッケージとして世に送り出し、

  • 構造物としての耐震性だけでなく、平常時から非日常まで建物の機能・人の社会活動を継続させる高層建築システムを実現
  • 先端耐震部材の安全性実証技術の実現と実証法の国際標準化
  • 構造物の耐震性の基準から、機能や社会活動の継続まで見据えた新たな基準への変革
  • 首都圏で想定される100兆円規模の被害の抑止
  • 安全と安心が結合した技術による、国際市場の開拓

という新たな価値の創出に挑戦していきます。

社会活動継続技術の研究開発は、現状の3大学12社の産学共同体制で完結できるものではありません。大学など公的研究機関と関連する産業界、企業の協力関係を一層広げて議論を深め、それぞれの共同研究に磨きをかけることによって、日本発・日本オリジナルで世界に通用する社会活動継続技術を育てていきたいと考えています。

本コンソーシアム設立にあたり、キックオフシンポジウムを2017年12月20日に東工大蔵前会館くらまえホールにて開催します。詳細については本学WEB上のイベントニュースやメールマガジンを通じてご案内いたします。この機会に、多くの方に社会活動継続技術共創コンソーシアムの活動の一端に触れていただけることを期待しています。

お問い合わせ先

科学技術創成研究院URA

小林義和

E-mail : kobayashi.y.bi@m.titech.ac.jp

TAIST-Tokyo Tech 2016年度修了式を開催

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8月21日、タイ王国バンコク都内のチャオパヤパークホテルにおいて、TAIST-Tokyo Tech(以下、TAIST)の修了式が挙行されました。今年は69名の修了生が本学の三島良直学長およびタイ国立科学技術開発庁(以下、NSTDA)のナロン・シリルーウォラクン長官より修了証書を授与され、多数の来賓から門出を祝福されました。

三島学長(左)、ナロン長官(右)と記念撮影

三島学長(左)、ナロン長官(右)と記念撮影

8TAISTは、タイ政府からの要望により、理工系分野での高度な「ものつくり人材」の育成と研究開発のハブを目指して、2007年に設立された国際連携大学院です。タイの先端研究機関であるNSTDA 、タイの4大学(キングモンクット工科大学ラカバン校(KMITL)、キングモンクット工科大学トンブリ校(KMUTT)、カセサート大学 、およびタマサート大学(SIIT))、東工大の連携により運営されています。今回の修了生69名を含め、これまでに277名の修了生を輩出してきました。

修了式では、第3回滝久雄奨学金授与式も執り行われました。今年度、TAISTの組込情報システムプログラムに入学したナビーラ・シャヒーンさん、エネルギー資源工学プログラムに入学したパリタ・ミーナピナンさんが受給者として、今年の入学者の中から選出されました。式典では、滝久雄奨学金の紹介の後、寄附者の滝久雄氏(1963年本学卒、株式会社ぐるなび代表取締役会長・創業者)に代わり、本学の三島良直学長が受給者2名に目録を授与し、来賓から盛大な拍手が送られました。

三島学長とナビーラさん
三島学長とナビーラさん

三島学長とバリタさん
三島学長とバリタさん

また修了式においては、第2回須山チャレンジコンテストの表彰式も開催されました。同コンテストは、8月2日にタイランドサイエンスパーク内のNSTDAにおいて開催され、東工大側からは寄附者の須山英三氏およびTAIST協力教員がTV会議システムを通じて出席しました。審査の結果、参加した2チームの試作品「クラウドによる運転者支援システム」、「人工農業アシスタント」はともに努力賞に決定しました。表彰式では、須山氏に(1953年本学卒)代わり東工大の西原明法特任教授が両チームに目録を授与し、健闘を称えました。

「クラウドによる運転者支援システム」で努力賞を受賞したチームと西原特任教授(左)
「クラウドによる運転者支援システム」で努力賞を受賞したチームと
西原特任教授(左)

「人工農業アシスタント」で努力賞を受賞したチームと西原特任教授(左)
「人工農業アシスタント」で努力賞を受賞したチームと
西原特任教授(左)

修了式の最後には、プログラムごとに修了生およびTAIST協力教員らが記念撮影を行いました。修了生たちの進路は、東工大を含む博士後期課程への進学、民間企業や政府機関への就職などさまざまです。TAISTで学んだ知識や経験を活かし、大いに活躍することが期待されます。

修了生とTAIST協力教員ら

修了生とTAIST協力教員ら

東工大基金

このプロジェクトは東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

国際部国際事業課 TAIST事務室

E-mail : taist@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2237

TAIST-Tokyo Tech 10周年記念シンポジウムを開催

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8月21日、タイ王国バンコク都内のチャオパヤパークホテルにおいて、TAIST-Tokyo Tech10周年記念シンポジウムが開催されました。TAIST関係者の他、大学、政府機関、教育・研究機関、企業等から約200名が出席し、盛大に執り行われました。

TAIST-Tokyo Tech(TAIST(タイスト):Thailand Advanced Institute of Science and Technology)は、タイ政府からの要望により、理工系分野での高度な「ものつくり人材」の育成と研究開発のハブ(拠点)を目指して、2007年に設立された国際連携大学院です。タイの先端研究機関であるタイ国立科学技術開発庁(NSTDA)、タイの4大学(キングモンクット工科大学ラカバン校(KMITL)、同大学トンブリ校(KMUTT)、カセサート大学、タマサート大学(SIIT))、および東工大との連携により運営され、2017年9月までに累計277名の修了生を輩出しています。

シンポジウムは、始めにNSTDAのナロン・シリルーウォラクン長官、本学の三島良直学長が挨拶し、続いてタイ科学技術省のソムチャイ・ティアムブーンプラサート副事務次官がアッチャカ・シーブンルアン大臣代理として挨拶を行いました。

冒頭で挨拶する三島学長

冒頭で挨拶する三島学長

次に、TAISTの設立・運営に貢献した功労者およびTAISTの支援企業・支援者への表彰式が行われました。本学側では、功労者として歴代の学長、理事・副学長(教育・国際担当)、TAIST運営員会委員長および本学タイオフィス拠点長の中から相澤益男元学長を始めとして12名が選出され、その代表として初代TAIST運営委員会委員長の岡崎健特命教授が挨拶を行いました。その後、NSTDAのナロン・シリルーウォラクン長官から本学側の功労者および支援企業・支援者に、本学の三島良直学長からタイ側の功労者および支援企業に、感謝状が贈呈され、表彰者全員で記念撮影を行いました。

表彰者代表の岡崎健特命教授(右)とナロンNSTDA長官
表彰者代表の岡崎健特命教授(右)とナロンNSTDA長官

タイ側・東工大側の功労者および支援企業・支援者で記念撮影
タイ側・東工大側の功労者および支援企業・支援者で記念撮影

基調講演を行う佐渡島志郎大使
基調講演を行う佐渡島志郎大使

続いて、基調講演が行われ、タイ東部経済回廊(Eastern Economic Corridor、以下EEC)事務局のカニット・セーンスバン事務局長が「EECについて」、在タイ日本国大使館の佐渡島志郎大使が「タイにおける人材育成への貢献について」、元タイ石油公社総裁で本学同窓生のパイリン・チューチョーターウォン氏が「Thailand4.0に向けた教育に対する産業界の貢献について」、それぞれ話をしました。

次に、「Towards Global Education and Research Collaboration for Thailand 4.0」をテーマにパネルディスカッションが行われ、本学からは花村克悟TAIST運営委員会委員長が参加しました。「Thailand4.0」は、タイ政府が打ち出している、農耕、軽工業、重工業に続く、ICT等を活用した新たな産業創出を目指すスローガンです。タイ政府の政策に対し、大学等の教育・研究機関が具体的にどのように対応すべきかについて、活発な議論が行われました。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

パイリン氏(前列右)他、耳を傾ける列席者
パイリン氏(前列右)他、耳を傾ける列席者

最後に、NSTDAのチャダマス・ツバセタクル副長官および本学の丸山俊夫理事・副学長(教育・国際担当)より閉会の挨拶があり、盛況のうちにシンポジウムは終了しました。

閉会の挨拶を行う丸山理事・副学長

閉会の挨拶を行う丸山理事・副学長

設立から10周年を迎えたTAISTは、今年から新たに鉄道カリキュラムがスタートする等、教育活動の幅がますます広がっています。TAISTを通じた本学のタイにおける教育・研究活動に今後もご期待ください。

東工大基金

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お問い合わせ先

国際部国際事業課TAIST事務室

E-mail : taist@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2237

10月30日(月)午前の授業等について(午前通常通り開講)

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10月30日(月)午前の授業等の取り扱いについて下記のとおり連絡します

学生及び教員の皆様

10月30日(月)午前の授業について

10月30日(月)午前の授業は通常通り開講します。

イベント等で東工大へお越しの皆様

学内で開催予定のイベントの実施につきましては、各イベント主催者へお問い合わせください。


10月30日(月)午後の授業等について(午後通常通り開講)

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10月30日(月)午後の授業等の取り扱いについて下記のとおり連絡します。

学生及び教員の皆様

10月30日(月)午後の授業について

10月30日(月)午後の授業も通常通り開講します。

イベント等で東工大へお越しの皆様

学内で開催予定のイベントの実施につきましては、各イベント主催者へお問い合わせください。

11月の学内イベント情報

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11月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

理工系学生能力発見・開発プロジェクト 第12回シンポジウム「宇宙エレベーターの実現可能性と未来への道」

理工系学生能力発見・開発プロジェクト 第12回シンポジウム「宇宙エレベーターの実現可能性と未来への道」

サイエンス・フィクションで時々登場する宇宙エレベーター。ロケット、宇宙シャトルなどの力に借りずに、新幹線気分で宇宙に進出できる夢の建造物。もし、これはただのフィクションではなく、現実に作ることができると言われたら?今回のシンポジウムでは、実際に研究に関わる人と共に、宇宙エレベーターの実現可能性を中心に未来を語ります。

日時
2017年11月1日(水)17:30 - 19:30
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
不要

CERI寄附公開講座「ゴム・プラスチックの安全、安心―身の回りから先端科学まで―」(2017年後期)

CERI寄附公開講座「ゴム・プラスチックの安全、安心―身の回りから先端科学まで―」(2017年後期)

本講座では前半の講義として、私たちの身の回りにある化学品を含むゴムやプラスチックとその製品の安全・安心に関する情報とやさしい科学を、一般の方にもわかりやすく紹介します。更に後半の講義では、少し高度な内容として、最先端の安全性評価技術、劣化と寿命予測技術、耐性向上技術、高性能・高強度化技術・材料に関する科学を紹介し、将来の安心・安全な材料・製品設計の基礎を学べるようにします。

日時

※各日 10:45 - 12:15(全て水曜)

1.
2017年2017年9月27日、10月4日、10月11日、10月18日、10月25日、11月1日、11月8日、11月15日
2.
2017年11月29日、12月6日、12月13日、12月20日、2018年1月10日、1月17日、1月24日、1月31日
会場
参加費
無料
対象
一般
申込
必要

第1回実践的原子力安全教育道場アジア大会inふくしま 研修生募集

第1回実践的原子力安全教育道場アジア大会inふくしま 研修生募集

日本と海外の大学から選抜した学生が、茨城・福島に集まり、原子力に関する講義と施設等の見学やグループ討論を行います。学生同士の国際交流もできる良い機会ですので、ぜひふるってご応募ください。

日時
10月29日(日) - 11月3日(金) 5泊6日
会場
茨城県(日立市)、福島県(いわき市他)
参加費
無料
対象
海外の学生5名程度、国内の学生(大学連合連携大学)5名程度を選抜します。
申込
必要

第38回蔵前科学技術セミナー「加藤与五郎博士没後50年記念講演会」

第38回蔵前科学技術セミナー「加藤与五郎博士没後50年記念講演会」

東京工業大学の同窓会である一般社団法人蔵前工業会は、時宜に適した技術テーマを取り上げて「蔵前科学技術セミナー」を主催してきました。

今年は「フェライトの父」と呼ばれ、また東工大資源化学研究所を開設され初代所長を務められた加藤与五郎博士の没後50年にあたり、蔵前工業会東海支部が出身地である愛知県刈谷市の協力を得て、記念事業の一つとして刈谷市にて開催します。

日時
2017年11月5日(日) 14:00 - 17:10(開場13:30)
会場
刈谷市産業振興センターホール
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
不要

第61回 My Study Abroad 留学報告会

第61回 My Study Abroad 留学報告会

本学のプログラムにより留学した学生の報告会を開催します。経験者の話を聞き、語学の勉強方法や留学費用など気になることを質問できるチャンスです。事前登録不要、出入り自由ですので、興味のある方は直接会場にお越しください。なお、昼食時のイベントですので、飲食が可能です。

日時
2017年11月7日(火)昼休み 12:20 -
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要

ゴットフリート・ワグネル没後125年記念講演会

ゴットフリート・ワグネル没後125年記念講演会

ゴットフリート・ワグネルは本学の前身である東京職工学校の創立に関わり、本学草創期の教育・研究に貢献しました。今年はワグネルの没後125年にあたります。そのような節目の年の命日(11月8日)に、ワグネル研究の第一人者である本学の道家達將特命教授・名誉教授が記念講演をします。ワグネルの顕彰と新しい交流の輪が広がる機会になることを願いつつ、多数の皆さんのご来場をお待ちしています。

日時
2017年11月8日(水) 18:30 - 20:00
会場
OAG・ドイツ文化会館1階 ホール
港区赤坂7-5-56(地下鉄青山一丁目駅、出口4南、徒歩8分)
参加費
無料(講演後 懇親会を開催いたします。申し込みは当日会場にて受付)
対象
一般
申込
不要

藝大生と東工大生による名曲コンサート&メシアン 世の終わりのための四重奏曲

藝大生と東工大生による名曲コンサート&メシアン 世の終わりのための四重奏曲

2015年から始まった東工大コンサートシリーズ(Art Meets Engineering@Tokyo Tech)の2017年は、若者たちの祭典。東京藝術大学と東京工業大学の学生+最近の卒業生を中心とするガラコンサートをお送りします。そして、後半には、みなさんにぜひお聴きいただきたい20世紀室内楽作品の屈指の傑作「世の終わりのための四重奏曲」をとりあげます。

日時
2017年11月9日(木)17:30 前半開演、19:00 後半開演(17:00開場、20:00終演予定)
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
不要(定員700名先着順)

第2回生体医歯工学共同研究拠点国際シンポジウム

第2回生体医歯工学共同研究拠点国際シンポジウム

平成28年4月1日より、東京工業大学 未来産業技術研究所、東京医科歯科大学 生体材料工学研究所、広島大学 ナノデバイス・バイオ融合科学研究所、静岡大学 電子工学研究所は、「生体医歯工学」を研究対象とする異分野連携ネットワークを形成し、各大学研究所の強み・特色をそれぞれの大学全体の機能強化に活用すると共に,国内外の関連研究者コミュニティと共同研究を展開し、医療・健康・バイオ領域の学際的連携研究の研究成果を広く社会実装することを目的とし、「生体医歯工学共同研究拠点」を設置しました。

日時
2017年11月9日(木)13:00 - 20:00、11月10日(金)10:00 - 16:50
会場

東京工業大学 大岡山キャンパス

  • 講演会場:ディジタル多目的ホール(大岡山西9号館 2階)
  • ポスター会場:コラボレーションルーム+メディアホール(大岡山西9号館 2階)
  • 懇親会会場:交流スペース(大学食堂2階)
参加費
参加費無料、交流会費:5,000円(学生2,000円)
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要

物質理工学院主催「ノーベル賞受賞者ジャン・ピエール・ソヴァージュ教授の特別講演会」

物質理工学院主催「ノーベル賞受賞者ジャン・ピエール・ソヴァージュ教授の特別講演会」

分子機械研究におけるパイオニアである、ジャン・ピエール・ソヴァージュ教授(仏、ストラスブール大学)をお招きして学術講演会を開催いたします。ご存知のとおり、ソヴァージュ先生は、2016年のノーベル化学賞受賞者のお一人です。今回は、結び目や絡み合い構造をもつ分子の精密合成から分子機械への発展についてご講演いただきます。

日時
2017年11月10日(金) 15:30 - 17:00
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
不要

東京工業大学・目黒区教育委員会連携講座「東工大キャンパスの歴史とツアー」

東京工業大学・目黒区教育委員会連携講座「東工大キャンパスの歴史とツアー」

東京工業大学大岡山キャンパスは各時代で変化を重ねながら形成されてきました。本ツアーでは遠藤康一特任講師(東京工業大学博物館)のガイドで本館、図書館、講堂などを当時のエピソードと各建造物の魅力とともに巡ります。目黒区在住、在学・在勤の方で建築好きの方、大岡山キャンパスの歴史に興味がある方等、幅広い方々にお楽しみいただけます。

日時
2017年11月18日(土)10:30 - 12:30(雨天決行)
会場
参加費
無料
対象
目黒区在住・在学・在勤の方
申込
必要

社会人アカデミー主催講演会「進化する生命」開催

社会人アカデミー主催講演会「進化する生命」開催

日時
2017年9月30日(土)17:00 - 19:00、10月14日(土)10:00 - 12:00 14:00 - 16:00、11月18日(土)15:00 - 17:00 18:00 - 20:00
会場
参加費
  • 一般:1講演2,000円、全5回一括8,000円
  • 社会人教育院および社会人アカデミー講座受講生・修了生:1講演1,500円、全5回一括6,000円
  • 小・中・高・専門学校・大学・大学院等学生(当日、要学生証):1講演500円、全5回一括2,000円
  • 蔵前工業会会員・ゴールドカード家族会員、本学学生(附属高校含む)、本学教職員:無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要

一橋大学・東京工業大学 合同移動講座in大阪

一橋大学・東京工業大学 合同移動講座in大阪

2009年から蔵前工業会(東京工業大学同窓会)と如水会(一橋大学同窓会)が合同で開催している移動講座の第9弾!浜松、神戸、福岡、広島、札幌、名古屋、仙台、富山に続き、今年は大阪で開催いたします。お近くの方は、ぜひ足をお運びください。

日時
2017年11月23日(祝・木) 13:00開演
会場
グランフロント大阪北館内 ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター
大阪府大阪市北区大深町3-1
参加費
無料
対象
一般(懇親会は如水会・蔵前工業会会員およびその同伴者のみ)
申込
必要

グローバルリーダー教育院(AGL)・経産省共同開催「政策シミュレーションWS(政策立案体験)」

グローバルリーダー教育院(AGL)・経産省共同開催「政策シミュレーションWS(政策立案体験)」

グローバルリーダー教育院(AGL)と経済産業省が共同で、政策シミュレーション・ワークショップを開催します。本ワークショップは、政策立案のプロセスを体験し、経済産業省の役割・業務を、体験・理解いただくために、経済産業省が毎年・各地で行っているものですが、昨年・一昨年に続き、当AGL/山田道場の正式menuの一つとし、AGLとの共同開催で行うものです。

本ワークショップは、当道場のOPEN道場という位置付けでもあるため、AGL所属生はもとより、AGLに所属していない本学一般学生のみなさん(学部・大学院問いません)、さらには本学以外の学生で、経済産業省の政策に興味を持つ学生のみなさんも受け付けます。

日時
2017年11月24日(金)17:30 - 20:30
会場
参加費
無料
対象
学部生・大学院生(本学以外の学生も応募可能です)
申込
必要

一部締め切りを過ぎているものがございますが、取材をご希望の場合はご連絡ください。

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

新産業創出・育成の推進に向けたギャップファンドの設置および運営に係る組織的連携協定を締結

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東京工業大学と芙蓉総合リース株式会社(代表取締役:辻田泰徳、以下「芙蓉総合リース」)および株式会社みらい創造機構(代表取締役:岡田祐之、以下「みらい創造機構」)は、ギャップファンドの設置および運営に係る組織的な連携協力に関する協定を10月27日に締結しました。

調印式の様子

東工大では本年4月から研究戦略企画・実施機能と産学連携機能を強力に束ねて実施するため、研究・産学連携本部を新たに設置し、今まで行ってきた知財の権利化、ライセンシングに加え、新産業の創出、国際共同研究の推進、イノベーションの促進に貢献するとともに、更なる知財の創出を図っています。芙蓉総合リースは、みずほフィナンシャルグループ系の国内大手総合リース会社であり、みらい創造機構が組成した東工大関連ベンチャーキャピタルファンドに出資しています。みらい創造機構は、新規事業創出と育成支援に多くの実績を持ち、東工大ともこれまで共同研究・学術指導の推進、人材教育支援、ベンチャー育成支援等を行ってきており、相互協力しながら総合的な社会連携活動の推進事業を実施するにあたり、東工大と連携協定を5月に締結しています。

調印式の様子

今回の協定により、東工大の創造的活動として生み出された研究成果や技術・デザインなどの知的財産(研究シーズ)を実用化・事業化するために必要な追加試験や試作品製作、顧客ヒアリング等、起業直前に大学内で必要となる活動の資金不足を補うため、芙蓉総合リースが拠出する資金による日本初の産学連携型ギャップファンドを設置し、3者が協力して新産業の創出・育成を推進していきます。

ギャップファンド:大学が、自律的かつ機動的に大学研究室へ比較的少額の開発資金(試作開発・試作テスト資金など)を供与して大学の基礎研究と事業化の間に存在するギャップ(空白・切れ目)を埋めることにより、大学先端技術の技術移転や大学発ベンチャー創出を促していく基金。

(右)芙蓉 辻田社長、(中央)東工大 三島学長(左)みらい創造機構 岡田社長

(左)みらい創造機構 岡田社長、(中央)東工大 三島学長、(右)芙蓉総合リース 辻田社長

お問い合わせ先

東京工業大学 研究・産学連携本部

E-mail : venture@sangaku.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2445

2017年度前期の附属図書館企画展示

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東工大附属図書館では、所蔵資料の利用促進のため、1年を通じて企画展示を行っています。テーマは2~3ヵ月毎に変更します。図書館サポーターの学生などが本を選び、ポスターや配布用のリストとコメントを書いたポップの作成を行っています。2017年度前期に実施した展示を紹介します。

図書館サポーターとは…
カウンター対応、書架の整理、資料の整備、広報活動、展示等の企画など、さまざまな活動を図書館職員と協働して行っている学生たちです。

図書館サポーター推薦:2017春 新入生にすすめる本

展示期間:4月3日~5月31日

「2017春 新入生にすすめる本」ポスター
「2017春 新入生にすすめる本」ポスター

附属図書館では2011年より毎年「新入生にすすめる本」をテーマにした企画展示を開催しており、今回で7回目となりました。

4月に入学された方々に向けて、図書館サポーターが選んだ本を大岡山本館地下1階とすずかけ台分館1階にて展示しました。サポーターが作成したポップは本に添え、推薦文は配布用の図書リストに載せました。

大学での学修だけではなく日々の暮らしの中で役立ちそうな本や、新入生だけでなく在学生や教職員にとっても気になる本がたくさん展示されました。 そのためか、展示本だけでなくポップに書かれたコメントにも目を通したり、図書リストを持ち帰る人の姿が多く見られ、大変好評でした。

展示風景(大岡山本館)
展示風景(大岡山本館)

展示風景(すずかけ台分館)
展示風景(すずかけ台分館)

図書館サポーター推薦:ヒト、モノ、コトの歴史の本

展示期間:7月14日~9月21日

「ヒト、モノ、コトの歴史の本」ポスター
「ヒト、モノ、コトの歴史の本」ポスター

大岡山本館地下1階とすずかけ台分館1階において、歴史をテーマにおすすめの本やDVDを展示しました。

図書館サポーターたちが自身の専門や個性を活かして資料を選びました。食べ物の成り立ち、言葉の起源、科学者の生涯など、様々なヒト、モノ、コトの歴史に焦点をあてた40点が集まり、附属図書館の所蔵資料の幅広さを感じられる展示となりました。期間中、ポップやポスターとともに展示資料を眺めている来館者の姿が多く見られました。

展示風景(大岡山本館)
展示風景(大岡山本館)

展示風景(すずかけ台分館)
展示風景(すずかけ台分館)

関連リンク

お問い合わせ先

研究推進部情報図書館課利用支援グループ

Tel : 03-5734-2097

すずかけ台図書館グループ

Tel : 045-924-5152

分子のオルト-パラ核スピン異性体間の光学遷移の検出に成功

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分子のオルト-パラ核スピン異性体間の光学遷移の検出に成功
―オルト-パラ対称性の破れを直接定量―

要点

  • 孤立状態にある分子のオルト-パラ異性体間の光学遷移の検出に初めて成功
  • 観測からオルトとパラの混合状態の度合いを直接定量する手段を確立
  • オルト-パラ異性体間では自然発光による自発的緩和過程が存在しうる可能性がある

概要

180度の回転対称性を有するすべての分子の量子状態は、等価な配置にある核スピンの向きによって、オルト状態とパラ状態の2つに分類され、これをオルト-パラ対称性[用語1]と呼びます。一般に、光を使ってこの2つの状態間を遷移させることはとても難しいので、両者は核スピン異性体として、あたかも独立した別の分子であるかのように見なされてきましたが、東京工業大学 理学院 物理学系の金森英人准教授の研究グループは、孤立した環境にある分子のオルト-パラ異性体間の光学遷移[用語2]の検出に初めて成功し、その発現メカニズムを理論及び実験的に明らかにしました。

オルト-パラ遷移の検出実験には、塩素核が分子骨格の両端の等価な位置にある塩化硫黄分子(S2Cl2)を選びました。この分子については、研究グループが以前に観測したマイクロ波スペクトルの解析から、オルト-パラ状態を混合させる相互作用を含んだ分子ハミルトニアン[用語3]モデルを提案していました。

今回の実験では、真空容器中のマイクロ波共振器内にS2Cl2分子を導入し、この理論モデルで予想した周波数領域を調べたところ、通常の遷移の1,000分の1の強度を持つ超微細構造分裂[用語4](エネルギー準位の小さな分裂)した回転スペクトルを7本検出し、オルト-パラ遷移として同定しました。観測された周波数と強度は理論予想と良く一致したため、ハミルトニアンモデルの正しさ、すなわち、オルト-パラ遷移の発現起源を立証することができました。

本研究によって、オルト-パラ異性体分子一般について、自然発光過程による変換速度を定量化する道が確立できました。オルト-パラ対称性は物理学の基本原理のひとつである、等価粒子の交換対称性[用語5]に基づいているので、自然科学の広い分野で重要な役割をしています。たとえば、電波天文学で発見されている星間分子の異常オルト/パラ存在比[用語6]のような宇宙物質進化の未解決問題を解明する手がかりになると期待されます。

本研究の内容は、2017年10月25日に米国の学術誌「Physical Review Letters」10月号でEditors' Suggestionとして掲載されました。

また、米国物理学会(American Institute of Physics)が選ぶRecent Articles from Physicsの“Synopsis”としても取り上げられました。

背景

分子におけるオルト-パラ対称性は、量子力学の等価粒子の交換対称性が分子の核スピン関数と回転波動関数に課す保存則です。核スピンと180度回転(C2)対称性を持つすべての分子はオルト-パラ対称性があることから、分子の状態は核スピン関数の偶奇性と回転準位の偶奇性との組み合わせにより、オルトかパラのいずれかの状態に二分されます。オルト-パラ状態を変換するためには、核スピンと回転状態の偶奇性を同時に相互交換することが求められることから、図1に示すような光(電磁波)を介した遷移はとても難しく、両者はオルト-パラ異性体としてあたかも別の分子として認識されています。

S2Cl2分子のマイクロ波によるオルト-パラ遷移

図1.S2Cl2分子のマイクロ波によるオルト-パラ遷移


核スピンが平行で回転状態J(奇数)であるオルト状態の分子がマイクロ波を吸収することによって、核スピンが反平行で回転定数J+1(偶数)のパラ状態に遷移する様子

オルト-パラ異性体として最もよく知られている例は水素分子(H2)があげられます。H2を構成するHの核、すなわち陽子は核スピン1/2を持ちますが、2つの核スピンが平行となっている状態をオルト水素、反平行となっているものをパラ水素と呼んでいます。室温では水素分子の75%がオルト状態、25%がパラ状態となっていますが、極低温にして液化すると、分子間の相互作用によってゆっくりとオルト状態が最低エネルギー状態であるパラ状態に変換されていきます。

しかしながら、衝突等の分子間相互作用のない孤立した環境では、光を介した相互作用、すなわち1個の光子を吸収、あるいは放出することによって、変換が起きる確率は極めて小さく、理論によれば変換時間は宇宙の寿命よりも長いとされています。

研究の経緯

このような状況の中で、研究グループはオルト-パラ対称性を持つ分子として、塩化硫黄分子(S2Cl2)に注目しました。この分子は螺旋状にねじれた分子骨格を持ち、核スピン3/2を持つ塩素核が両端の等価な位置にあります。これまでのS2Cl2分子のマイクロ波領域の許容遷移であるオルト-オルト、およびパラ-パラ準位間の分光スペクトルの解析から、オルト-パラ状態が少なからず混合している状態があることを実験的証拠から見つけました。それを説明するために、Cl核の電気四重極相互作用の非対角成分を導入した分子ハミルトニアンモデルを提案しました。

今回はこのモデルを使った計算により、超微細構造分裂した回転準位の中からオルト-パラ混合の大きなものを探し出し、その遷移周波数と遷移強度を計算しました。その結果、オルト-パラ光学遷移がマイクロ波領域に存在することが予測されました。その例を予想スペクトルとして図2に示しました。

図2Aは、淡青と赤色で示される許容遷移である回転線が数十本の超微細構造線に分裂している様子がわかります。拡大した図2Bでは、分裂した許容遷移の間に、濃青色で示されたオルト-パラの禁制遷移(ルールに従わない遷移)が、3桁ほど弱い強度で予言されています。その中で、強度が大きくかつ許容遷移から最も離れている遷移を測定候補の1つとして選択しました。

S2Cl2分子のオルト-パラ遷移の予想と実測スペクトル

図2.S2Cl2分子のオルト-パラ遷移の予想と実測スペクトル

A)回転遷移の予想スペクトル。2つの縦線の集団は超微細構造を持つパラ-パラ遷移(青)とオルト-オルト遷移(赤)を表す。いずれも許容遷移である。

B)予想スペクトルの拡大図:オルト-パラ遷移(濃青)がオルト-オルト遷移(赤)と比べて3桁弱い強度で予想されている。

C)実測されたオルト-パラ遷移。分子のドップラー効果のために2重項線として観測されているが、中心は予想された周波数と誤差範囲で一致した。

研究成果

実験には台湾交通大の4 - 40 GHz帯のフーリエ変換型マイクロ波分光器[用語7]を用いました。Arガスに希釈したS2Cl2分子の蒸気をパルス分子ジェットとして、マイクロ波共振器中に噴出、衝突フリーの条件の下でオルト-パラ遷移の検出測定を試みました。その結果、数万ショットの信号を数時間に渡って積算することで、図2Cに示すように、予測された遷移周波数の誤差範囲に、超微細分裂したオルト-パラ遷移を観測することができました。今回観測された7本の禁制遷移は許容遷移と比較して3桁小さく、予想と一致しました。

今回の観測結果を図3にまとめました。S2Cl2分子の回転準位はオルトとパラに二分されており、オルトとパラの核スピン異性体を構成しています。ルール通りの光学遷移はそれぞれの異性体内で閉じていますが、今回、観測したオルト-パラ遷移は核スピン異性体間をクロスする遷移に対応します。

従来のオルト-パラ間の光学遷移は、極端に高い励起状態とした分子、または磁場や電場等の強い外場をかけた分子についての報告しかありませんでした。今回の結果は衝突も外場もない、まったく孤立した環境にある分子であっても、オルト-パラ間の光学遷移が可能であること実証した最初の例となります。また、この結果は、オルト-パラ状態の変換が自然発光過程を通して自発的に起きるという重要な結論を引き出します。

今回観測したS2Cl2の遷移の場合、その寿命は約1,000年となります。これは長いと思うかもしれませんが、天文学の時間スケールではとても短い時間と言えます。

S2Cl2分子の回転準位と観測されたオルト-パラ遷移

図3.S2Cl2分子の回転準位と観測されたオルト-パラ遷移

横線は超微細構造分裂を省略した回転準位を表し、付記した3つの数字は回転量子数を表している。S2Cl2分子の回転準位はオルトとパラに二分されており、オルトとパラの核スピン異性体を構成している。

許容な光学遷移は垂直な矢印で表されるように、各異性体内で閉じている。今回、異性体間を結ぶオルト-パラ遷移(クロスする矢印)が初めて観測された。

今後の展開

オルト-パラ対称性は物理学の基本原理のひとつである等価粒子の交換対称性に基づいているので、自然科学の広い分野で重要な役割を果たしています。

例えば、新しいエネルギー源として注目を集めている水素(H2)を液化して貯蔵した際に大部分が蒸発損失(ボイルオフ)してしまう問題は、オルト-パラ変換の速度が遅いことに原因があります。また、電波天文学で観測される星間分子の中には、オルト-パラ存在比が分子間衝突による熱平衡モデルでは説明できない例が多くあり、宇宙物質進化過程の未解決問題となっています。本研究により、オルト-パラ準位間の自然発光過程を定量化する手段が確立し、この異常オルト/パラ存在比の解明の突破口となることが期待されます。

用語説明

[用語1] オルト-パラ対称性 : 分子のオルト-パラ対称性は、量子力学の前提条件の1つである「等価粒子の交換対称性」に起因する特性で、物理的に存在が許される状態は核スピン状態と回転状態の偶奇性によって制限されることで生じるものです。特に電子では「パウリの排他律」として良く知られています。

[用語2] 光学遷移 : ここでは分子の電気双極子モーメントと電磁波との相互作用による遷移を表現しています。

[用語3] 分子ハミルトニアン : 分子の内部エネルギーに対応する演算子。具体的には回転運動エネルギーと核スピンが関与する超微細相互作用エネルギーに対応する項からなります。その演算子をオルト-パラ相互作用に関して対角な項H(0)と非対角な項Hopに分けました。

H = H(0) + Hop

具体的なHop項としてはCl核の四重極相互作用の非対角成分を含む項が相当します。このハミルトニアンのエネルギー行列を対角化することによって得られる混合状態の波動関数を使って、禁制遷移とされるオルト-パラ状態間のマイクロ波遷移の周波数と強度を直接計算することができます。

[用語4] 超微細構造分裂 : 核スピンが関与する相互作用に起因するエネルギー分裂。

[用語5] 等価粒子の交換対称性 : 量子力学では同じ粒子同士は互いに区別がつかないことを前提として量子状態を記述する必要があります。さらに、これらの区別のつかない粒子の配置を交換するという操作によって量子状態関数の符号がフェルミ粒子(スピンが1/2、3/2などの半整数値)の場合はマイナスに変わり、ボーズ粒子(スピンが1、0などの整数値)では変わらないという性質が備わる。

[用語6] 星間分子の異常オルト/パラ存在比 : 宇宙空間での物質進化の研究では、星間分子のオルト/パラ存在比はその分子の生成時の化学反応、およびその後の衝突頻度の情報を含む貴重な情報源となっています。

[用語7] フーリエ変換型マイクロ波分光器 : 共振器に閉じこめたマイクロ波で分子を励起し、自由誘導緩和過程で放出されるマイクロ波輻射を時間軸で記録し、それをフーリエ変換することによって周波数スペクトルとする分光システムです。1回の測定範囲は狭い周波数に限定されますが、一般的な吸収法とは異なるゼロバックグラウンドの測定法なので、長時間の積算によって高い検出感度を実現できる分光システムです。

論文情報

掲載誌 :
Physical Review Letters
論文タイトル :
Detection of Microwave Transitions between Ortho and Para States in a Free Isolated Molecule
著者 :
Hideto Kanamori, Zeinab. T. Dehghani, Asao Mizoguchi, Yasuki Endo
DOI :

理学院

理学院 ―真理を探究し知を想像する―
2016年4月に発足した理学院について紹介します。

理学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

お問い合わせ先

東京工業大学 理学院 物理学系

准教授 金森英人

E-mail : kanamori@phys.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2615 / Fax : 03-5734-2615

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

学生による国際交流プログラム「8th ASCENT」開催報告

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8月19日から28日までの10日間にわたり、東工大を拠点に国際交流活動を行っている東京工業大学 国際交流学生会SAGE(以下、SAGE)が、第8回アジア理工系学生連携促進プログラム「8th ASCENT」を開催しました。本プログラムには、日本を含むアジア圏7つの国と地域から学生25名が参加しました。

ASCENT参加者の集合写真

ASCENT参加者の集合写真

ASCENTの概要

アジア理工系学生連携促進プログラムASCENTは、Asian Students Collaboration Encouragement Program in Technologyの略称であり、SAGEが企画・運営を行う10日間の国際交流プログラムです。アジア圏の理工系大学に所属する学生間のネットワーク構築を目的としています。

本プログラムでは、科学技術に関連するテーマを開催年ごとに設定します。参加者はテーマに関連した研究や事業を行っている民間企業や研究所、官公庁、学内研究室を訪問することで、テーマに関して理解を深め、ビジネスにおける応用例を学びます。さらに、これらの訪問を基にして、近年アジア各国が抱える問題に対する解決策を少人数のグループで話し合い、最終日に報告会を行います。各グループはさまざまな国籍のメンバーで構成されるので、文化や習慣の違いに困惑することがあります。しかし、自分たちが見つけた問題に対して議論を交わし、解決策を共に創りあげる経験をすることによって、学生間の強固なネットワークを構築することができます。また、学術的な活動を軸に据える一方、文化交流会や日本文化研修なども行います。それらの企画を通して異文化交流や学生間の交流を促進させ、本プログラムが学術的な側面だけではなく総合的な体験の場となることを目指しています。

最優秀賞獲得チーム

最優秀賞獲得チーム

8th ASCENTの開催

8th ASCENTは8月に10日間にわたって開催しました。今回のテーマは「The Dawn of IoT~IoT時代の幕開け~」です。近年、市場規模が拡大し続けているIoT(Internet of Things)技術に関して理解を深め、どのようにIoT技術を用いればアジア諸国が抱える複雑な問題を解決できるのか議論しました。本プログラムには、中国、台湾、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、日本の7つの国と地域から合計25名が参加しました。参加者は基調講演や企業見学、ディスカッションなどを経て、最終報告会ではIoT技術を用いた新しい製品やサービスを提案しました。

スケジュール

8月19日
海外学生到着、歓迎会
8月20日
開会式、事前学習報告会
8月21日
特別講義、企業見学(横河電機株式会社)
8月22日
文化交流会、研究室見学(すずかけ台キャンパス 益・伊藤研究室)
8月23日
基調講演(経済産業省)、中間報告会
8月24日
研究説明(大岡山キャンパス 井村研究室)、企業見学(株式会社小松製作所)
8月25日
企業見学(NTT コミュニケーション科学基礎研究所 スポーツ脳科学プロジェクト)
8月26日
ディスカッション
8月27日
日本文化研修
8月28日
最終報告会、閉会式、送別会

参加国・参加大学

  • 日本:東京工業大学、一橋大学
  • 中国:清華大学
  • 台湾:国立台湾科技大学
  • インドネシア:バンドン工科大学
  • タイ:チュラーロンコーン大学、タンマサート大学
  • フィリピン:デラサール大学
  • ベトナム:ハノイ工科大学

プログラム内容

基調講演・企業見学・研究室見学

基調講演では、経済産業省を訪問し、IoTの概要や現在行っている政策、国際的な協力体制などについて学びました。企業見学では、横河電機株式会社、株式会社小松製作所、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の3社を見学しました。IoTに関して各企業で行われている事業の説明だけでなく、プラントで用いられる計測機器の見学やセミオートマチック運転制御システムが搭載された建機の運転体験、運動計測に用いられるシミュレーター体験などを行いました。研究室見学では、本学 工学院電気電子系の益・伊藤研究室への訪問と、工学院 システム制御系の井村順一教授による講演を行いました。農業分野におけるIoTの活用方法や、スマートグリッドでの分散型電力制御について学ぶことができました。

ドローンによる計測デモ(小松製作所にて)

ドローンによる計測デモ(小松製作所にて)

特別講義

本学 環境・社会理工学院 融合理工学系のホープ・トム准教授による、魅力的なプレゼンテーションに関する特別講義も行いました。参加者は聞き手を引きつける話し方やプレゼンテーションの構成、注意点などに関する講義を受けました。その後、プレゼンテーションの練習として「IoT分野における各国の違い」というテーマについてミニ発表を行いました。この特別講義で学んだことが中間報告や最終報告に活かされたようです。

ホープ准教授によるプレゼンテーション特別講義

ホープ准教授によるプレゼンテーション特別講義

ディスカッション・中間報告会・最終報告会

参加者25名は4つのグループに分かれ、アジア諸国が抱える問題を1つ取り上げ、それに対する解決策を話し合います。企業見学や研究室見学などで学んだことを参考にしつつ、今までにない新しい製品やサービスを考えます。各グループは国籍や専門分野が異なる学生で構成されることでさまざまな意見が飛び交い、非常に白熱したディスカッションとなりました。

5日目に行われた中間報告会では、日本企業のIoT活用事例に関する記事に対する考察とディスカッションの進捗状況について報告してもらいました。他の参加者やSAGEメンバーからフィードバックをもらい、後半のディスカッションに活かしてもらうことが狙いです。

最終日の最終報告会では、10日間にわたる活動のまとめとして、各グループで考えた新しいIoT活用方法の提案をしました。各グループで取り上げた問題はさまざまであり、その問題に対する解決策はオリジナリティ溢れるものとなっていました。ただ単に新しい製品やサービスを提案するだけでなく、提携企業や運用リスクなどの実現可能性についても言及されており、どのグループも中身が非常に濃い発表となりました。

特に、最優秀賞を獲得したチームの発表では、ウェアラブル端末を用いて子供の健康状態を確認するサービスが提案されました。

最終報告会

最終報告会

最終報告会

事前学習報告会・文化交流会・日本文化研修

本プログラムは、学術的な活動だけでなく、アジア各国について学ぶ企画も行います。事前学習報告会では、各国の参加者が自国に関する文化的・社会的情報と自国のIoT関連企業について紹介します。文化交流会では、各国の文化を紹介し、それらを参加者全員で体験しました。各国の有名なお菓子を食べたり、伝統的なダンスや習字などに挑戦したりするなど、普段の生活では体験しない他国の文化に触れることができました。予定していた時間では物足りないくらい非常に盛り上がった交流会となりました。プログラムの終盤には、日本文化研修として国内の文化的に有名な観光地へ出かけます。今年は埼玉県の川越を訪れ、蔵造りの町並みや、伝統的な川越まつりで用いられる山車の展示などを楽しみました。海外学生はもちろん、日本人学生にとっても日本文化を知る良い機会になりました。

文化交流会

文化交流会

文化交流会

日本文化研修(川越にて)

日本文化研修(川越にて)

SAGE代表総括

表彰式にて(右側が釜坂さん)
表彰式にて(右側が釜坂さん)

釜坂みおさん(工学部 高分子工学科3年)

私はこれまで2年半の間SAGEに在籍し、今年は代表として団体全体をまとめつつ、7thの経験を活かし8th ASCENTの内容決定にも深く関わりました。10日間の本番に対し1年以上にわたってメンバーと共に調査や話し合いを重ね、より充実したプログラムの開催に向け尽力しました。プログラム内容を洗練させ、参加者選考や資金獲得など多岐にわたる準備を進めることは、想像以上に大変なことでした。最終的に、国際交流に対して熱意があり非常に信頼できるメンバーと、1つのプログラムを完成させることが出来た時は、安堵感と達成感を感じました。

今年は初めて台湾からの参加学生を迎えたり官公庁を訪問したりと、年々プログラムの内容は多様性を高めています。海外参加者のほとんどにとって、ASCENTが初めて日本に来る機会でしたが、過去の参加者の中には、現在東工大に在籍している留学生や日本での就労者もいます。ASCENTが参加者にとって、ただの留学経験でなく人生における転機となる大変貴重な10日間であると確信し、開催意義を感じています。

国際交流の魅力は、さまざまな背景を持った人々が交流することで、新たな価値観や発見が生まれることだと思います。SAGEは今後も東工大生が気軽に国際交流を出来る機会を設け、メンバー・参加者共に成長していけるような団体でありたいです。

9th ASCENTについて

次回のASCENTは2019年春に開催予定です。アジア諸国が抱える問題や社会現象などの時事に基づいてテーマを選定し、講演や見学先企業を順次決定します。9th ASCENTの応募は、海外大学生向けは来年8月頃、東工大生向けには9月頃に開始する予定です。

ASCENTは東工大生はもちろん、アジアの大学に属する学士・修士・博士後期課程の学生であれば、誰でも応募することが出来ます。プログラムの詳細や応募方法などはSAGEのウェブサイトや各種SNSを通じて発信します。

東工大生の国際的な活動を促進するASCENTを今後も開催していきます。

お問い合わせ先

東京工業大学 国際交流学生会SAGE

E-mail : sage.tokyo.tech@gmail.com

東工大ボート部が第44回全日本大学選手権大会で男子エイト7位入賞

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東京工業大学端艇部(ボート部)が、8月31日~9月4日に埼玉県戸田市の戸田ボートコースで開催された第44回全日本大学選手権に出場し、男子エイトが7位入賞しました。

準決勝レース(中央が東工大)

準決勝レース(中央が東工大)

男子エイトは、大きいオールを一人一本持って漕ぐスウィープ艇で、8人の漕手と1人の舵手が乗る種目です。ボート競技の中では最大の人数で行われ、最速の種目です。2,000 mのコースを6分足らずで漕ぎ切ります。

東工大端艇部が全日本大学大学選手権(インカレ)にて入賞するのは3年ぶりです。入賞は8位までですが、高校までの有力な選手を推薦入部で揃えている他の私立大学7大学の中に唯一の国立大学として入賞したことは大変な快挙といえます。

スタート地点に移動する男子エイトクルー

スタート地点に移動する男子エイトクルー

また、部の年度目標としていたインカレ国立1位も達成することができました。インカレは部内で1つの節目であり、これで4年生から3年生に代替わりします。シーズン途中で一部4年生が引退してしまいますが、残りシーズン3試合は3年生を中心に引き続き挑戦していきます。

出場クルーのコメント

前主将 服部淳(生命理工学部 生命工学科4年)

私はこの1年間主将として、部員一人一人が最大限に力を発揮できるような 部活にしようと考えて活動していました。また、東工大ボート部は様々な人の協力のもとに成り立っている部活動で、この協力に応えるべく、形に残る結果を出さなければいけないと考えていました。インカレで戦うチームはどこも東工大ボート部よりも規模が大きく強豪揃いです。そこで、部員が同じ方向性をもって一致団結することを他大学に勝る強み、つまり突破口と考え、「団結」をチームの方針として定めていました。代替わりは終わりましたがこのような個々人が能力を最大限に発揮するという考えをこれからも受け継いでいってほしいと思います。

新主将 舩岡知広(理学部 地球惑星科学科3年)

この1年間「国公立1位」という目標を掲げて、この大会に向けて練習を積み重ねてきました。そして、7位に入賞し、目標も達成することが出来ました。本当に嬉しい限りです。この結果は部員の努力ももちろんのことですが、OBOG、大学の支援があってこそのものです。支えてくださった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。 4年生が引退し、チームは新体制になりました。課題はまだまだありますが、一つ一つ努力を重ね、個人としてもチームとしても成長して、来年度の目標である「インカレ入賞」を達成します。 これからも応援よろしくお願いします。

クルーコーチ 島田哲郎

応援してくださった皆様、誠にありがとうございました。熱い声援により、全日本大学選手権においてエイト、7位入賞という結果を残すことができました。そして、今年のスローガンとして”団結”を掲げていましたが、達成できたレースをすることができました。

当日のレースは、最初の500 mから先頭に出ることができ、優位にレースを運べました。その後、他大学が追走してきましたが、全力で2,000 m漕ぎきり、入賞を決めました。レース後に倒れてしまう選手が出るくらいに過酷なレースでした。

最後まで諦めずに漕ぎきれたのは、選手だけの力だけでは成し遂げられなかったものです。OBOGさんだけでなく学校の方々の支えもあり、東工大全体が”団結”できたからだと思います。

東工大ボート部はこれからも努力をしていきます。そして応援されるチームになります。これからも応援よろしくお願い致します。

出場選手

  • 工学部 電気電子工学科4年 藤井健人
  • 工学部 土木環境工学科4年 三浦弘靖
  • 工学部 経営システム工学科4年 馬場俊介
  • 生命理工学部 生命科学科4年 稲子晴也
  • 生命理工学部 生命工学科4年 服部淳
  • 生命理工学部 生命工学科4年 池田郁也
  • 工学部 化学工学科3年 小川翔太郎
  • 工学部 土木環境工学科3年 長谷川青春
  • 理学部 地球惑星科学科3年 舩岡知広

インカレ入賞の賞状とともに全体写真

インカレ入賞の賞状とともに全体写真

東工大基金

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日野自動車スカラーシップ(Hino Motors Scholarship)授与式を開催

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10月4日、東京工業大学 学長室にて日野自動車スカラーシップ(Hino Motors Scholarship)授与式が行われました。日野自動車スカラーシップは、日野自動車株式会社からの寄附を原資として、次世代を担う優秀な本学私費留学生(タイ王国もしくは別のASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国)を対象に設立された奨学金制度です。グローバルな事業展開を行う日野自動車株式会社の企業方針の一翼を担うとともに、本学が目標のひとつとして掲げる「世界の理工系トップ大学・研究機関との連携強化、優秀な研究者・学生との交流を通じた教育研究の高度化・国際化の推進」の一助となっています。

三島学長より奨学生証を授与されるハンダヤニさん

三島学長より奨学生証を授与されるハンダヤニさん

今年度は、インドネシア出身で環境・社会理工学院 融合理工学系のハンダヤニ・ナビラさんが選ばれました。

授与式には日野自動車株式会社 技術管理部総括グループ主管の木谷太郎氏も出席し、三島良直学長の挨拶および木谷氏の挨拶の後、奨学生証が授与されました。その後ハンダヤニさんから、「素晴らしい奨学金と学ぶ機会を与えてくださった日野自動車に感謝します。また、これまで学んできたこと、そしてこれから学び続ける専門的知識が持続可能な未来へのひとつの解決策となることを強く願っております」と、感謝の意と意気込みが述べられました。

(前列左から)三島学長、ハンダヤニさん、日野自動車 木谷技術管理部総括グループ主管、(後列左から)日置滋副学長(基金担当)、丸山俊夫理事・副学長(教育・国際担当)

(前列左から)三島学長、ハンダヤニさん、日野自動車 木谷技術管理部総括グループ主管、
(後列左から)日置滋副学長(基金担当)、丸山俊夫理事・副学長(教育・国際担当)

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お問い合わせ先

広報・社会連携課基金室

E-mail : koh.bok@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2415

植物の窒素欠乏耐性に必須な酵素を発見 ―新たなストレス耐性植物の開発に貢献―

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要点

  • 窒素は植物の生育における必須栄養素
  • 植物の窒素欠乏ストレス耐性に寄与するリン脂質分解酵素を発見
  • リン脂質分解酵素がリン欠乏および窒素欠乏時にも重要であることが判明

概要

東京工業大学 生命理工学院の吉竹悠宇志大学院生(博士後期課程2年)、下嶋美恵准教授、円由香技術支援員、同 技術部 バイオ部門の池田桂子技術職員らは、東京薬科大学の野口航教授、名古屋大学の杉浦大輔助教らと共同で、植物の窒素欠乏下の生育において必須なリン脂質分解酵素を発見した。

研究グループは、シロイヌナズナ[用語1]の野生株、リン脂質分解酵素の欠損体、その欠損体にリン脂質分解酵素を戻し入れた相補体[用語2]について、通常生育条件下および窒素欠乏条件下で生育を比較、解析。欠損体では、著しく窒素欠乏耐性が低下していることを見出した。

リン欠乏下で生育した植物は、リン脂質分解酵素が活性化して生体膜の構成成分であるリン脂質を分解し、その際に生じたリン酸を細胞内に放出することで一時的にリン欠乏を回避することが知られている。しかし、今回の研究成果は、リン脂質分解酵素がリン欠乏だけでなく、窒素欠乏時の植物生育でも重要な役割を担っていることを明らかにした。

今後、植物におけるリン脂質分解酵素を介した窒素欠乏ストレス耐性メカニズムの詳細が明らかになることで、新たな窒素欠乏耐性植物の作出方法の開発が期待される。

研究成果は、スイス国際科学誌「Frontiers in Plant Science(フロンティアズ イン プラント サイエンス)」オンライン版に10月31日付で公開された。

研究成果

研究グループは、シロイヌナズナのリン脂質分解酵素(ホスファチジン酸ホスホヒドロラーゼ:PAH1、PAH2)の欠損変異体について検討。窒素欠乏条件下では生育が著しく阻害されることを発見した(図1A、B)。また、欠損変異体では、窒素欠乏時のみクロロフィル[用語3]含量および光合成活性が顕著に低下することがわかった(図1C、D)。

図1. シロイヌナズナ各植物体の窒素欠乏下での生育の様子

図1. シロイヌナズナ各植物体の窒素欠乏下での生育の様子

A. 通常生育および窒素欠乏下での植物の生育比較
B. 植物体地上部の重量(新鮮重量)
C. 植物体地上部のクロロフィル含量
D. 光化学系IIの最大量子収率 (Fv/Fm)[用語4]
※+N:通常生育条件、‒N:窒素欠乏条件
WT:野生株、pah1pah2:PAH1/PAH2欠損変異体、PAH1OEはPAH1相補体、PAH2OEはPAH2相補体

そこで、通常生育時および窒素欠乏時の各植物葉の葉緑体の様子を、透過型電子顕微鏡で観察した(図2)。その結果、欠損変異体は通常生育時には、野生株や相補体と葉緑体の様子に違いは見られないが、窒素欠乏時には顕著に葉緑体内部の膜構造、特に光合成の場であるチラコイド膜の崩壊が著しく進んでいることがわかった(図2B)。

これらの結果から、リン脂質分解酵素PAH1、PAH2は、窒素欠乏時の植物生育に必須であり、窒素欠乏時の葉緑体のチラコイド膜崩壊の抑制および光合成活性の維持に寄与していることが明らかになった。

図2. 通常生育条件および窒素欠乏生育条件下におけるシロイヌナズナ各植物体の葉の細胞の電子顕微鏡写真

図2.通常生育条件および窒素欠乏生育条件下におけるシロイヌナズナ各植物体の葉の細胞の電子顕微鏡写真

Aは通常生育条件における野生株、BはPAH1/PAH2欠損変異体、CはPAH1相補体、DとGは窒素欠乏生育条件における野生株、EとHはPAH1/PAH2欠損変異体、FとIはPAH1相補体
※赤矢印は葉緑体チラコイド膜のグラナ―ラメラ構造、黄矢印は葉緑体でSはデンプン粒

背景

窒素は植物の生育において欠かすことのできない栄養素であり、その欠乏は植物に大きなダメージを与える。そのため、これまでに国内外で、特に土壌からの窒素の取り込み活性の向上や植物体内での窒素利用効率の向上による窒素欠乏耐性作物の開発に向けた研究が広く進められている。

しかし近年、植物の窒素欠乏応答においては、生育環境中のリン濃度も影響を与えるなど、窒素欠乏とリン欠乏は、それぞれに特異的な応答機構が存在するだけでなく、両方の欠乏ストレスは密接に関連していることが示唆されている。

研究の経緯

植物はリン欠乏にさらされると、生体膜の主要構成成分であるリン脂質を分解することでリンを細胞内に供給し、一時的にリン欠乏下での生育を維持することがこれまでに知られている。研究グループはこれまでに、このリン脂質の分解において重要な役割を担っている酵素PAH1、PAH2をシロイヌナズナで発見し、シロイヌナズナのPAH1、PAH2欠損体では著しくリン欠乏耐性が低下することを見出した。その際に、リン欠乏時にはPAH1、PAH2は小胞体のリン脂質を分解すると共に、生成したジアシルグリセロールを小胞体から葉緑体へと供給することで、葉緑体内の膜脂質合成に寄与していることが示唆された。

そこで本研究では、上記のようなPAH1、PAH2を介したリン酸の細胞内供給や、葉緑体へのジアシルグリセロール供給は、窒素欠乏時の生育にどのような影響を与えるのかを調べた。

今後の展望

今後、実用作物にPAH1を過剰発現させることで、窒素欠乏だけでなくリン欠乏にも耐性を持つ作物の開発に結び付くことが期待できる。

用語説明

[用語1] シロイヌナズナ : 学名Arabidopsis thaliana、植物分子生物学の研究分野では、全ゲノム配列が2000年に決定されており、遺伝子情報および遺伝子操作技術が整備されていることから、モデル植物として基礎研究に利用されている。

[用語2] 相補体 : PAH1/PAH2欠損変異体に、PAH1もしくはPAH2を導入した植物体。

[用語3] クロロフィル : 光合成において光エネルギーの吸収する役割を持つ色素。

[用語4] 光化学系IIの最大量子収率 (Fv/Fm) : 光合成活性の指標となるパラメーターの1つ。クロロフィルが受けた光エネルギーのうち、光合成に最大限使えるエネルギーの割合。

論文情報

掲載誌 :
Frontiers in Plant Science
論文タイトル :
Arabidopsis Phosphatidic Acid Phosphohydrolases Are Essential for Growth under Nitrogen-Depleted Conditions
著者 :
Yushi Yoshitake, Ryoichi Sato, Yuka Madoka, Keiko Ikeda, Masato Murakawa, Ko Suruga, Daisuke Sugiura, Ko Noguchi, Hiroyuki Ohta, Mie Shimojima
DOI :

お問い合わせ先

東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系

下嶋美恵 准教授

E-mail : shimojima.m.aa@m.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5527 / Fax : 045-924-5527

東京薬科大学 生命科学部

野口航 教授

E-mail : knoguchi@toyaku.ac.jp
Tel : 042-676-6800 / Fax : 042-676-6800

名古屋大学 大学院生命農学研究科

杉浦大輔 教授

E-mail : dsugiura@agr.nagoya-u.ac.jp
Tel : 052-789-4023

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

東京薬科大学 総務法人広報課

E-mail : kouho@toyaku.ac.jp
Tel : 042-676-1649 / Fax : 042-677-1639

名古屋大学 総務部総務課広報室

E-mail : kouho@adm.nagoya-u.ac.jp
Tel : 052-789-2699 / Fax : 052-789-2019

第27回英国科学実験講座 クリスマス・レクチャー日本公演2017 開催報告

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クリスマス・レクチャー日本公演2017を、9月23日、24日に大岡山キャンパス西講義棟1のレクチャーシアターで開催しました。東工大共催で、読売新聞社主催、駐日英国大使館と文部科学省後援のもと、トヨタ自動車株式会社、日本ガイシ株式会社、味の素株式会社の協賛で開催されました。各日午前と午後に1回ずつ計4回の開催で各回約200名、延べ約800名が参加しました。東工大の優先席が確保されていた1日目午前の部には、東工大生・教職員ら約60名の参加がありました。

「クリスマス・レクチャー」は、英国王立科学研究所(The Royal Institution of Great Britain。以下、Ri)が青少年向けに開催するイベントで、190年以上続く人気の科学実験講座です。このクリスマス・レクチャーを日本で再現するイベントは1990年から毎年開催されており、東工大では一昨年、昨年に続いて3回目の開催となりました。

東工大は、2016年度からスタートした教育改革の取り組みの一つとして、新入生を対象とした「科学・技術の最前線」や「科学・技術の創造プロセス」などの実演・実験付き授業を開講しています。これらの授業はこのクリスマス・レクチャーを手本としており、レクチャーシアターを最大限活用した臨場感あふれる個性的な授業を展開しています。

今回のクリスマス・レクチャーは2016年にロンドンで開催されたレクチャーを日本向けにアレンジしたもので、物質化学専門の英国バース大学サイフル・イスラム教授が講師を務めました。

「充電のいらない携帯電話(The phone that never dies)」と題し、リチウムイオン電池や水素電池のしくみ、その特性などを明らかにしつつ、次世代のエネルギー開発に向けた様々な取り組みが紹介されました。東工大からも物質理工学院 応用化学系の菅野了次教授が登壇し、今まさに最前線で研究が進められている「全固体リチウムイオン電池」についての講演を行うなど、約1時間半にわたる充実した内容のレクチャーとなりました。

単三電池800個を体感する実験
単三電池800個を体感する実験

9月20日にRiのスタッフ2名が来日して物品等を運び込み、公演に使われる機器、装置の準備・調整が始まりました。東工大の学生スタッフ13名が素早く準備を整え、昨年以上にスムーズなその動きはRiスタッフをはじめ主催である読売新聞社の担当の方々からもおおいに称賛されました。 公演を翌日に控えた9月22日には講師であるサイフル教授を迎え、打ち合わせおよび最終リハーサルを行いました。リハーサル終了後には、サイフル教授、Ri、本学、読売新聞社、英国大使館等からの関係者出席のもと歓迎レセプションが開かれ、参加者全員で親交を深めながら、翌日からの公演に備えました。

公演第1回目は、一般の参加者に加え、東工大関係者にも優先席が設けられました。各回の公演開始前には、司会の斎尾直子准教授(環境・社会理工学院)による注意事項やボランティア(講師の呼びかけによりステージで講師の実験に協力する参加者)への要望などの説明が行われました。公演に先立ち、第1回目は三島良直学長から、第2回目以降は大竹尚登副学長(研究企画担当)から、挨拶と講師の紹介がありました。

サイフル教授はスマートな立ち居振る舞いとチャーミングな笑顔で観客を魅了し、「携帯電話を1年間使用するのに必要なエネルギーはどれくらいだと思う?」、「ずっと充電しなくてもいい携帯電話があったらいいよね」などといった教授の観客への巧みな語りかけに魅かれ、大人から子どもまで誰もが熱心に公演に見入っていました。本公演はすべて英語で行われましたが、一人ひとりに同時通訳の機械が配られ、英語が分からない人でも安心して楽しめるよう配慮がなされました。この同時通訳の設備が整っていることはレクチャーシアターの特徴の一つです。また、登壇するボランティアには学生スタッフがすぐそばで通訳を行い、緊張気味の子どもたちを上手にリラックスさせていました。なかにはサイフル教授に直接英語で受け答えをする子どももいて、日本の若い世代の国際化を垣間見ることができ、頼もしい限りでした。

レモン電池の実演
レモン電池の実演

今回の公演では、化学電池には一度だけ使える「一次電池」と、充電・放電が可能な「二次電池」、エネルギー密度の高い水素や酸素などを使っている「燃料電池」があることが明らかにされていきました。一次電池の例としては単三電池と、世界で最初の化学電池である「ボルタ電池」、レモンに銅とマグネシウムの電極をつないで使用する「レモン電池」などが紹介されました。携帯電話を1年間使用するためには単三電池約800本分の電力が必要だとされ、実際に電池800本を透明の筒に入れ、どのくらいの高さになるのかを確かめる実験や、レモンを7つつないでライトを光らせる実験などが行われました。多くの子どもたちが積極的にボランティアとして実験に参加してくれました。

リチウムイオン電池について説明するサイフル教授
リチウムイオン電池について説明するサイフル教授

二次電池の例としては現在ほとんどの携帯電話に使われている「リチウムイオン電池」と日本ガイシ製の「NAS電池」等が紹介されました。NAS電池の説明では日本ガイシの方が登壇され、大容量かつ充放電を繰り返してもほとんど劣化せず、15年も働き続けることができるという紹介があり、観客はみな興味深く聞いていました。

3つ目の電池である「燃料電池」については、トヨタ自動車のエコカーである「MIRAI」に使われている水素と酸素を利用したものや、リチウムと酸素を反応させる「リチウム酸素電池」などが分かりやすい映像とともに紹介されました。

講演後サインに応ずるサイフル教授
講演後サインに応ずるサイフル教授

さらに、今最も注目を集めている電池として、東工大の菅野教授の「全固体電池」が取りあげられました。液体の状態では爆発などの危険があるリチウムイオン電池を固体にすることで、安全かつ高エネルギー・高出力、省スペースを実現するという、まさに夢のような電池です。研究をはじめた当初は「リチウムイオン電池を固体にすることなんてできるはずがない」などと言われていたのを、あきらめず30年にわたって研究を続けてきた成果が、今ようやく出ようとしていると菅野教授は話しました。子どもたちへは「夢をもって、あきらめずに自分の道を信じて研究に取り組む科学者になってほしい。」というメッセージが伝えられました。

公演の最後には、東工大学生スタッフらが全員登壇し、観客の大きな拍手に包まれました。公演終了後もサイフル教授は質問やサインの要望に喜んで応えてくれたので、子どもたちにとっては素晴らしい思い出となったことでしょう。このレクチャーから、将来科学者になることを目指して東工大で学ぶ子どもたちが生まれることを祈ります。

サイフル教授とともに全スタッフで記念撮影

サイフル教授とともに全スタッフで記念撮影

お問い合わせ先

国際フロンティア理工学教育研究プログラム

E-mail : kokusais@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3190

骨の再生メカニズムを解明 ―骨を作る細胞の源と前駆細胞の住処を発見―

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要点

  • モデル動物であるゼブラフィッシュで骨を作る骨芽細胞の前駆細胞を発見
  • この前駆細胞は、骨が再生する時だけでなく、骨の維持にも関与
  • ヒトなどの脊椎動物でも共通した骨再生・新生の仕組みがある可能性

概要

東京工業大学 生命理工学院の安藤和則大学院生(博士後期課程)と川上厚志准教授らの研究グループは、ゼブラフィッシュを用いて、骨の再生や維持(新生)のキーとなる骨芽細胞の前駆細胞(骨芽前駆細胞(OPC)[用語1])を発見、その働きを解明した。

魚類やイモリなどの両生類は、驚異的な組織再生能力を持ち、骨を含む四肢やヒレを失っても、元通りの組織を再生することができる。研究グループは今回、ゼブラフィッシュのヒレを再生する組織の細胞について研究を進める過程で、骨を作る骨芽細胞が、骨組織付近のニッチ[用語2]にいる前駆細胞から分化することを発見した。さらに研究を進めると、この前駆細胞は、発生期は体節に存在し、個体の成長とともに、骨組織付近のニッチに休眠状態で保存されることがわかった。この前駆細胞は、再生時だけでなく、普段の骨組織の恒常性維持にも働いている。

本研究から、骨芽前駆細胞が、骨の再生や維持で重要であることが明らかになった。この仕組みは、ヒトを含む他の脊椎動物にも共通する可能性がある。

研究成果は、アメリカの生物医学・生命科学誌「ディベロプメンタルセル(Developmental Cell)」のオンライン版に現地時間2017年11月2日に公開された。

研究の背景

魚類やイモリなどの両生類は、高い組織再生能力を持ち、手足などの器官を失っても、元通りに完全に再生できる。組織再生の仕組みを解明することは、長年の生物学の課題となっている。このメカニズムを解明することで、基礎科学的な関心はもとより、医学などへ応用し、実社会に直接役立つと期待される。

組織が再生する際に細胞がどのような源から供給されているのかは、これまでほとんどわかっていなかった。しかし近年、遺伝学的な細胞標識法[用語3]が開発されたことで、様々な組織の修復や再生で働く細胞の進化(分化)過程を追うことができるようになってきた。

研究成果

研究グループは、ゼブラフィッシュのヒレの再生をモデルにして、研究を行った。今回、遺伝学的な細胞標識法で再生組織の細胞(OPC)を標識して、細胞を長期にわたって追跡した。その結果、OPCが成体の骨を再生するとともに、骨を恒常的に維持する重要な役割を果たしていることを見出した(図1)。

ゼブラフィッシュにおける骨芽前駆細胞(OPC)の源と骨再生

図1. ゼブラフィッシュにおける骨芽前駆細胞(OPC)の源と骨再生

このOPCは、個体発生の初期には体節にあり、個体の成長とともにヒレや鱗、その他の骨組織付近のニッチに休眠状態で保存される(図2、3)。

組織に傷害を与えるとOPCはニッチから移動して、骨芽細胞を形成して骨を作り、さらにOPC自身も自己複製して、新たにニッチを形成する。この細胞を長期に渡って追跡すると、OPCは再生時だけでなく、正常な組織が骨組織を新生する恒常性維持の際にも、骨芽細胞を供給していることがわかった。

トランスジェニック・ゼブラフィッシュを用いた骨芽前駆細胞(OPC)とそのニッチの可視化

図2. トランスジェニック・ゼブラフィッシュを用いた骨芽前駆細胞(OPC)とそのニッチの可視化

ゼブラフィッシュのヒレの節のニッチにおける骨芽前駆細胞(一部を緑で標識)。骨系列細胞のマーカー(赤)、細胞核(青)。骨芽前駆細胞は、樹状突起を持つ独特な形状と骨系列細胞のマーカーを発現している

図3.ゼブラフィッシュのヒレの節のニッチにおける骨芽前駆細胞(一部を緑で標識)。

骨系列細胞のマーカー(赤)、細胞核(青)。骨芽前駆細胞は、樹状突起を持つ独特な形状と骨系列細胞のマーカーを発現している

今後の展望

本研究により、骨再生・新生のキーとなっていたOPCを見出し、魚類における、骨の維持や再生の重要な仕組みの一端を明らかにした。この仕組みは、ヒトを含む他の脊椎動物でも同様の仕組みがあると考えられることから、今後、様々な骨疾患の原因解明や再生医療の進展に寄与する可能性がある。

用語説明

[用語1] 骨芽前駆細胞(OPC) : 個体発生期には体節の硬節と呼ばれる部分に存在し、再生や新生が必要となると骨芽細胞に分化して脊椎や手足の骨を作る。一方で、哺乳類における研究では、成体の骨芽細胞が骨髄の前駆細胞に由来し、骨芽前駆細胞を経て、骨芽細胞へ分化するとされている。しかしながら、発生期と成体の骨芽細胞の関係、骨芽前駆細胞についてはよくわかっていない。

[用語2] ニッチ : この場合のニッチとは、幹細胞や前駆細胞がその未分化な性質を維持するために必要な住処(微小環境)。

[用語3] 遺伝学的な細胞標識法 : Cre組み換え酵素による標的配列LoxPの組み換えなど、遺伝子導入などによって特定の細胞だけを蛍光タンパク質などで永続的に標識する方法。一度標識された細胞は、細胞分裂後もずっと蛍光タンパク質を発現し続け、1個の細胞が生涯にたどる運命を追跡できる。

論文情報

掲載誌 :
Developmental Cell
論文タイトル :
Osteoblast production by reserved progenitor cells in zebrafish bone regeneration and maintenance
著者 :
Kazunori Ando, Eri Shibata, Stefan Hans, Michael Brand, Atsushi Kawakami
DOI :

生命理工学院

生命理工学院 ―複雑で多様な生命現象を解明―
2016年4月に発足した生命理工学院について紹介します。

生命理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

お問い合わせ先

東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系

川上厚志 准教授

E-mail : atkawaka@bio.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5717 / Fax : 045-924-5717

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

新しいMOOC「オートファジー」を世界に向けて公開

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東工大の新しいMOOC(ムーク)※1Autophagy: Research Behind the 2016 Nobel Prize in Physiology or Medicineouter(オートファジー:2016年のノーベル生理学・医学賞の裏側の研究)」が、プラットフォームであるedX(エデックス)※2にて、2017年11月29日に世界へ向けて公開されます。

大隅良典栄誉教授、中戸川仁准教授(生命理工学院 生命理工学系)、アレクサンダーメイ特任助教(科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センター)が本講義を行います。

また、制作については、オンライン教育開発室(OEDO)の教職員、15名のTA(ティーチング・アシスタント)が行っています。

この講座は、一般の方々を対象にしており、3週間で以下のテーマを扱います。

  • 1週目 : オートファジーの基本的なメカニズムと役割
  • 2週目 : 大隅栄誉教授のノーベル賞を受賞した研究
  • 3週目 : 私たちの体におけるオートファジーの役割、ヒトの疾患とのつながり、オートファジー研究の未来

このコースの学習目標は以下の通りです。

  • オートファジーの基礎を定義できる
  • オートファジーが人間、植物、動物において果たす重要な役割について説明できる
  • 科学における大きな進歩につながる純粋な好奇心に端を発する基礎研究の重要性について説明できる

ここで、制作の裏側を少しだけご紹介します。

OEDOはこれまでedXで4講座を公開してきましたが、全て大岡山キャンパス南3号館、西9号館にあるスタジオで収録されてきました。

しかし今回の講座制作に関しては、講座講師の利便性を考慮し、すずかけ台キャンパスB1棟に臨時スタジオを開設し、このオートファジーのコースは8月に撮影を開始しました。

OEDOは講師の多様なニーズに対応し、より多くのMOOCを制作していくことを目指しています。

皆様の受講登録をお待ちしております!

すずかけ台スタジオの準備
すずかけ台スタジオの準備

撮影のための打ち合わせ(左が中戸川准教授)
撮影のための打ち合わせ(左が中戸川准教授)

撮影の様子

撮影の様子

※1 MOOC(ムーク)

Massive Open Online Courseの略で、インターネットにつながる環境さえあれば、どこでも誰でも受講できる大規模公開オンライン講座です。

※2 edX(エデックス)

マサチューセッツ工科大学とハーバード大学によって創立されたMOOC (=Massive open online course) のプラットフォームであり、世界中の学生に、多岐な分野にわたる大学レベルの授業を無償で提供しています。東京工業大学も2014年に加盟し、TokyoTechXとしてオンライン講座を提供しています。

Autophagy: Research Behind the 2016 Nobel Prize in Physiology or Medicine | TokyoTechX on edX

お問い合わせ先

東京工業大学 教育革新センター
オンライン教育開発室

E-mail : oedo@citl.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3828

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