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生命活動の燃料「ATP」を観察する3色の蛍光センサーの開発に成功 がんや肥満の創薬開発への貢献に期待 日本、シンガポール、アメリカの国際共同研究

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早稲田大学 理工学術院の新井敏研究院講師と東京工業大学 科学技術創成研究院の北口哲也准教授(論文投稿当時、早稲田大学 重点領域研究機構研究院 准教授)らの研究チームは、東京大学 大学院総合文化研究科、シンガポール国立大学、ハーバード大学と共同で、細胞の中のエネルギー代謝で中心的な役割を果たしているアデノシン三リン酸(ATP)を検出する、赤・緑・青(RGB)色の蛍光ATPセンサーの開発に成功しました。

地球上のあらゆる生物は、栄養素の分解を通して獲得したエネルギーを、ATPの形に変換・保存し、必要に応じて、ATPからエネルギーを取り出すことで、生命体を構成する細胞の中の様々な化学反応を滞りなく進行させたり、必要な場所に必要な物質を輸送するシステムを動かしたりしています。このATPの細胞内の分布を理解するためには、細胞内のATP濃度の変化の情報を蛍光シグナル(蛍光の明るさの強弱)に変換する蛍光ATPセンサーを細胞の中に導入し、蛍光顕微鏡を用いて生きた細胞を観察する蛍光イメージング技術が最も有力な手法の1つです。

本研究チームは、標的とするATPに特異的に結合するタンパク質(ATP合成酵素の一部)と、蛍光を発する色素を含む蛍光タンパク質をペプチドリンカー[用語1]で繋ぎ、その長さやリンカーを構成するアミノ酸の種類を独自の手法で最適化することで、青・緑・赤色の蛍光ATPセンサー(MaLionB, G, R)を開発しました。今回開発した蛍光ATPセンサーを自在に組み合わせることで、従来の技術では原理的に極めて困難であった「同じ細胞内の異なる場所のATPの動態の同時観察」や、「ATP以外の他のシグナルやタンパク質の動態との同時観察」などが可能になりました。

今回の開発した一連の蛍光ATPセンサーは、汎用性の高い研究ツールとして、創薬・医療技術開発にATPに関わるシグナル伝達経路のビジュアルエビデンスという新しい視点を加え、開発研究を加速度的に進めることが期待されます。本研究は、文部科学省科学研究費補助金、及び、日本医療研究開発機構(AMED)革新的先端研究開発支援事業(PRIME)「メカノバイオロジー機構の解明による革新的医療機器及び医療技術の創出」研究開発領域における研究開発課題「人工オルガネラ熱源の作成細胞機能の温熱制御」(研究開発代表者:新井敏)の研究費によって行われました。研究成果は、ドイツ化学会誌『Angewandte Chemie International Edition』オンライン版に2018年6月27日に掲載され、近日中に紙面掲載される予定です。

ポイント

  • 細胞の中のエネルギー代謝の中心であるATPをセンシングする、赤・緑・青(RGB)色の蛍光ATPセンサーの開発に成功
  • 従来の技術では困難であった、同一細胞内の異なる場所のATP動態の同時観察が可能に
  • 海外にある日本のラボ・早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所(WABIOS)を中心とした、日本、シンガポール、アメリカの国際共同研究

概要

細胞の中のエネルギー代謝の中心であるATPをセンシングする、赤・緑・青(RGB)色の蛍光ATPセンサーの開発に成功。細胞内のATPのダイナミックな姿を高精度、且つ、簡便に捉える強力なツールとして期待できます。

これまでの研究で分かっていたこと

地球上のあらゆる生物は、糖、脂質、アミノ酸などの栄養素の分解を通して獲得したエネルギーを、アデノシン三リン酸(ATP)の形に変換し、保存します。そして必要に応じて、ATPからエネルギーを取り出すことで、生命体を構成する細胞の中の様々な化学反応を滞りなく進行させたり、必要な場所に必要な物質を輸送するシステムを動かしたりしています。ATPは、言わば、生命活動の燃料であり、細胞の機能や恒常性を維持する上で極めて重要な分子であると言えます。

このため、生物学研究の幅広い領域において、細胞の中で、どのようにATPが分布しているのか、そして時間に伴ってどう変化していくのかを検出することは大きな課題の1つです。こうした課題を解決するために用いられるのが、蛍光イメージングの技術です。細胞の中で起きる現象の変化を、蛍光シグナル(主に、蛍光の明るさの強弱)に変換する極小の蛍光センサーで細胞内の注目分子の動態を蛍光顕微鏡で観察する手法です。現在までに、幾つかの蛍光ATPセンサーが報告されています(ATeam; Imamura et al., PNAS, 2009. B-Queen; Yaginuma et al., Sci. Rep., 2014)。しかしながら、従来の蛍光センサーでは、使用できる色に制限があるため、同じ細胞の中の異なる場所(細胞小器官など)のATPの動態を同時に解析することやATP以外の他のシグナル分子やタンパク質の動態を同時に観察することは原理的に困難でした。

今回の研究で新たに開発した手法

本研究チームは、ATPの濃度変化に応答して、蛍光強度が変化する単色型の蛍光タンパク質を用いた新しい蛍光ATPセンサーを開発しました。今回の蛍光ATPセンサーは、標的とするATPに特異的に結合するタンパク質(ATP合成酵素の一部のεサブユニット)と、蛍光を発する色素を含む蛍光タンパク質がペプチドリンカーを介して繋がった構造をしています(図1左参照)。ATP濃度に応答して蛍光強度が大きく変わる蛍光ATPセンサーを得るには、このペプチドリンカーの長さや、構成するアミノ酸の種類が大きな鍵なります。最終的に、このリンカーを独自の手法で最適化し、青色(BFP)、緑色(Citrine)、赤色(mApple)のTurn-on型[用語2]の蛍光ATPセンサーを開発、それぞれ、MaLionB, G, R(Monitoring aTP Level intensity based turn on indicators)と名づけました。MaLionB、MaLionG、MaLionRは、それぞれ、蛍光強度が90%、390%、350%増加します。また、センサーの作動するATPの濃度域も、0.1~8ミリモル濃度で、生理的条件のATP濃度域と一致しています。更に、この蛍光ATPセンサーは、細胞の中の狙った細胞小器官などに、自由自在に配置できることも特徴です。

図1. ATPの濃度変化によって蛍光強度が変わるRGBカラーの蛍光ATPセンサー

図1. ATPの濃度変化によって蛍光強度が変わるRGBカラーの蛍光ATPセンサー

今回の研究で得られた結果及び知見

今回開発した一連の蛍光ATPセンサー(MaLions)によって、今までの技術では極めて困難であったことが可能になりましたので、その事例を2つ紹介します。

同じ細胞の中の異なる場所のATPの動態を同時に観察する試み

通常、動物細胞の場合、ATPは、細胞質における解糖系と、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化の両方の経路から合成されています。更に、分化した細胞は、ミトコンドリアでのATP産生系が主要経路であるのに対し、がん細胞をはじめとした増殖性の細胞では、解糖系が発達しているといった違いが知られています(ワーブルグ効果[用語3])。がん細胞(HeLa細胞)と正常な細胞(褐色脂肪細胞)に、緑色の蛍光ATPセンサー(MaLionG)と赤色のセンサー(MaLionR)を、それぞれ、細胞質とミトコンドリアに導入し、顕微鏡観察しました。観察の途中に、ミトコンドリアのATP産生をオリゴマイシンで阻害したところ、HeLa細胞[用語4]では、ミトコンドリアのATP濃度減少と同時に、細胞質のATP濃度上昇が観察されました。この現象は、活発な解糖系を持つがん細胞が、ミトコンドリアのATP産生の阻害による細胞全体でのATP濃度の低下に応答し、細胞質のATP濃度の一過的な上昇により補おうとしていると考察しています。一方、ミトコンドリアのATP産生が優位な細胞の例として、例えば褐色脂肪細胞では、細胞質のATP濃度上昇は見られませんでした。これらの結果は、がん細胞と正常な細胞の違いを、同一細胞内のATP動態という視点から検出した初めての例と言えます。また、上記の他に、光合成によって生じる植物(シロイヌナズナ)のATP産生の増加や(シンガポール国立大学との共同研究)、麻酔に伴って減少するATPの様子を線虫で捉えることにも成功しており(東京大学 大学院総合文化研究科との共同研究)、開発したセンサーが、動物・植物の極めて広い範囲の生物種に適用できる可能性を示しました。

図2. がん細胞のダイナミックなATPの濃度変化を捉えた成功例

図2. がん細胞のダイナミックなATPの濃度変化を捉えた成功例

ATPとそれ以外のシグナルの動態を同時に観察する試み


図3. 褐色脂肪細胞の熱産生に関わるシグナル伝達系の可視化

図3. 褐色脂肪細胞の熱産生に関わるシグナル伝達系の可視化

褐色脂肪細胞は、私達の体の中で、恒常性を保つために熱産生を行う重要な細胞の1つです。私達は褐色脂肪細胞をその前駆細胞より分化させ(シンガポール国立大学、ハーバード大学との共同研究)、細胞質に青色の蛍光カルシウムセンサー(B-GECO)と緑色の蛍光cAMPセンサー(Flamindo2)、そしてミトコンドリアに赤色の蛍光ATPセンサー(MaLionR)を導入しました。顕微鏡観察中に、βアドレナリン受容体をイソプロテノール[用語5]で刺激したところ、cAMPが上昇(Flamindo2の蛍光強度が減少。Flamindo2はTurn-off型)、続いて、ミトコンドリアのATPが緩やかに減少、更に、反応の後半、カルシウムイオンの濃度が上昇する様子が見られました。褐色脂肪細胞は、受容体の刺激によって活性化された細胞膜上のアデニル酸シクラーゼ(AC)がcAMPを合成し、これがシグナル伝達となって、cAMP依存性のPKAを活性化します。その後、脂肪酸を遊離、ミトコンドリア膜上の脱共役タンパク質UCP1と作用して、ミトコンドリア膜上の膜電位の元となるプロトン濃度勾配を解消させATP合成を阻害し、最後に、ミトコンドリアからカルシウムイオンが流れ出てくることが知られています(褐色脂肪の熱産生)。生物学の教科書に記載されているこのような細胞内のシグナル伝達の模式図は、「時間」が止まっています。しかし、実際には、細胞の中は、時々刻々と様々な因子がダイナミックに変化しています。今回、R,G,Bというカラフルなセンサーを開発したことで、模式図として描かれているシグナル伝達の一部を本来の姿として見ることができるようになりました。

研究の波及効果と意義

今回、開発した一連の蛍光ATPセンサーは、エネルギー代謝系の変化について知りたいというニーズに対して、直感的に分かりやすいビジュアルのエビデンスを提供します。特に、薬剤の効果を迅速に解析することが要求される、がんや肥満などの生活習慣病のための創薬開発において威力を発揮します。また、力や熱などの物理的な刺激に伴う細胞の応答を知ることも、医療機器開発の分野においては重要です。従って、本研究成果は、創薬・医療機器開発の様々な分野の研究開発を加速させるものと期待されます。

本研究の実施においては、世界の研究ハブであるシンガポール・バイオポリスにある早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所(WABIOS)が最大限に活用されました。現地のシンガポール国立大学(Raghunath博士やIto博士ら)から研究試料をスムーズに受け取り、迅速にWABIOSにて実験を遂行しつつ、日常的に議論できたことが、本研究を完遂するのに非常に重要でした。最終的に本共同研究は、東京大学 大学院総合文化研究科、ハーバード大学へと広がり、世界中の研究者を巻き込んだ国際共著論文として達成されています。また、WABIOSは、効率良く国際的な共同研究を実施できる場所であることに加え、現地の大学・研究機関等から独立した研究所であるため、発生した知財に関しては、日本側の研究者が単独でその権利を主張できることも特徴です。こうした特殊性を活かし、蛍光ATPセンサー材料の関連で出願した特許は、本学が主導で、その知財を保護しながら、研究を進めることができました。こうした海外の研究拠点は本学の大きな強みであり、今後一層、新たな研究成果を発信していく独自のプラットフォームとして期待されます。

今後の課題

本研究成果では、がん細胞の一部と褐色脂肪細胞に焦点が当てられているため、今後は、様々な細胞種のATP産生経路の特徴を体系的に理解していく必要があります。このため、今まで以上に、産学を問わず、多岐に渡る専門分野の研究者との共同研究が必須です。特に、複数の種類のがん細胞の特徴をATP産生系の視点から網羅的に理解することで、創薬研究に大きなインパクトを与えるものと期待しています。

用語説明

[用語1] ペプチドリンカー : 本研究では数個~数十個のアミノ酸が連結した分子(ペプチド)が、2つの異なるタンパク質を繋げる役割(リンカー)を担っています。構成するアミノ酸の種類によって、ペプチドリンカーの柔軟性や剛直性が変わりますが、このバランスを最適化することが蛍光センサーの開発の重要な点の1つです。

[用語2] Turn-on型 : 対象とする分子を検出して、蛍光強度を変化させる蛍光センサーの場合、蛍光強度が増加するタイプのセンサーを“Turn-on”型、逆に、減少するタイプを“Turn-off”型と呼びます。

[用語3] ワーブルグ効果 : 細胞内でATPが合成される経路として、解糖系と酸化的リン酸化の2つが知られています。解糖系は細胞質で行われ、グルコース1分子からATPを2分子合成するのに対し、酸化的リン酸化はミトコンドリアで行われ、ATP36分子を合成します。したがって、ATP産生の効率の点では、解糖系よりも酸化的リン酸化の方が圧倒的に優れています。正常な細胞は、酸化的リン酸化に依存してATP産生を行っているのに対して、がん細胞は、効率の悪い解糖系に依存していることが古くから知られており、ワーブルグ効果と呼ばれています。

[用語4] HeLa細胞 : ヒト子宮頸癌由来の細胞。さまざまな細胞生物学的研究で用いられるモデル細胞であり、蛍光センサーの開発研究においては、生細胞で作動するかを検討する目的で用いられます。

[用語5] イソプロテノール : アドレナリンβ受容体を選択的に刺激する分子であり、Gs経路を活性化することでcAMPを産生させます。

論文情報

掲載誌 :
Angewandte Chemie International Edition
論文タイトル :
RGB‐Color Intensiometric Indicators to Visualize Spatiotemporal Dynamics of ATP in Single Cells
著者 :
Satoshi Arai(新井敏), Rókus Kriszt, Kazuki Harada(原田一貴), Liang-Sheng Looi, Shogo Matsuda(松田翔吾), Devina Wongso, Satoshi Suo(周防諭), Shoichi Ishiura(石浦章一), Yu-Hua Tseng, Michael Raghunath, Toshiro Ito(伊藤寿朗), Takashi Tsuboi(坪井貴司), Tetsuya Kitaguchi(北口哲也)
著者所属 :
早稲田大学(当時WABIOS)、AMED、東京大学大学院総合文化研究科、シンガポール国立大学、ハーバード大学医学部
DOI :

内容に関するお問い合わせ先

東京工業大学 科学技術創成研究院

化学生命科学研究所 准教授

北口哲也

E-mail : kitaguct-gfp@umin.ac.jp
Tel : 045-924-5270

早稲田大学 理工学術院 次席研究員(研究院講師)

新井敏

E-mail : satoshiarai@aoni.waseda.jp
Tel : +65-9026-2546

AMED事業に関すること

国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)

基盤研究事業部 研究企画課

E-mail : kenkyuk-ask@amed.go.jp
Tel : 03-6870-2224 / Fax : 03-6870-2246

報道に関するお問い合わせ先

早稲田大学 広報室広報課

E-mail : koho@list.waseda.jp
Tel : 03-3202-5454

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

東京大学 教養学部等総務課広報・情報企画係

Email : koho-jyoho@adm.c.u-tokyo.ac.jp
Tel : 03-5454-6560


東京工業大学 IDCロボットコンテスト大学国際交流大会 開催のご案内 世界からロボット製作に燃える大学生が大集合!みんなでロボコンを楽しもう!!

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東京工業大学では、8月6日(月)から18日(土)まで、大岡山キャンパスにて、「The World Star Hunting Swallow(つばめよ、地上の星を探せ!)」を競技テーマにIDCロボットコンテスト大学国際交流大会(以下、IDCロボコン)を開催します。

IDCロボットコンテスト大学国際交流大会(International Design Contest)は、創造性豊かな国際的感覚を持つ学生の育成を目的に1990年からスタート。今年で29回目を迎える歴史ある国際ロボコン大会で、4大ロボコン(高専ロボコン・大学ロボコン・ASIA―Pacific Robot Contest・International Design Contest:本コンテスト)の1つの位置づけです。他のロボコンと異なり特徴的なのは、大学別でなく、各国の大学生をミックスした混成チームを編成することです。世界各国の有名大学からロボット工学を学ぶ学生が集まり、10日間あまりという短い期間の中で、言葉や文化の違いを乗り越えロボットの設計・製作を競います。今年のテーマは本学シンボルマークにちなんで「The World Star Hunting Swallow(つばめよ、地上の星を探せ!)」としました。

参加は、日本、アメリカ、中国、韓国、タイ、シンガポール、インド、メキシコの8ヵ国55名の学生たち。学生たちの暑い夏をぜひご見学ください。

過去のコンテストの様子

過去のコンテストの様子

開催概要

ワークショップ一般公開

学生たちがロボットを製作している会場(ワークショップ)を見学できます。

日時
8月10日(金) 10:00 - 16:00 (オープンキャンパス催事)
会場
一般申込方法
申込不要。当日直接会場にお越しください。

最終競技会

学生たちが作り上げたロボットで、熱戦を繰り広げます。

日時
8月18日(土) 13:00 - 16:00
会場
定員
700人(参加無料、応募先着順、7/19より応募開始)
一般申込方法
IDCロボコン 2018 オフィシャルサイトouterの観戦申し込み窓口より申し込み

参考:IDCロボットコンテスト大学国際交流大会 概要

日時
2018年8月6日(月) - 18日(土)
会場
参加校
東京工業大学、東京電機大学(日本)、マサチューセッツ工科大学(米国)、ソウル大学(韓国)、清華大学、上海交通大学、浙江大学(中国)、Singapore University of Technology and Design(シンガポール)、タイ選抜(タイ)、IPN ESIMEZ(メキシコ)、Amrita大学(インド)
参加学生55名 5名1組 11チーム(予定)
テーマ
The World Star Hunting Swallow(つばめよ、地上の星を探せ!)
※ 東工大のシンボルマークがつばめであることによります
主催
東京工業大学 IDC国内実行委員会
共催
東京電機大学
特別協力
東京都
後援
目黒区、目黒区教育委員会、大田区、大田区教育委員会、日本精工株式会社、株式会社 IHI、株式会社 東芝、株式会社 サイス、アズビル株式会社、株式会社 エヌエフ回路設計ブロック、ソリッド・ワークス・ジャパン株式会社、日本電産株式会社、一般社団法人 日本フルードパワー工業会、一般社団法人 日本フルードパワーシステム学会、日本電計株式会社、日本モレックス合同会社、オートデスク株式会社
主なスケジュール
8月6日 開会式、ウェルカムパーティ
8月7日 マシン設計、構想設計発表
8月8日 - 16日 マシン作製(11日・12日休日)
8月17日 シーディングコンテスト
8月18日 最終競技会、フェアウェルパーティー

お問い合わせ先

IDC2018国内実行委員会 事務局

E-mail : query-idc2018@ac.sc.e.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3307

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

太陽系外の生命探査に向けた科学者たちの戦略

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太陽系の外に生命を宿す惑星を見つける。そんなことが、数十年以内に可能になるかもしれないと、科学者たちは考えています。とはいえ、それには新しい観測技術や理論研究が必要なのです。東京工業大学 地球生命研究所(Earth-Life Science Institute: ELSI)の研究者も参加している国際研究グループは、「我々はこの宇宙で唯一の生命体なのか」という疑問に答えるための、ロードマップとなる論文を発表しました。今後、科学者たちが望遠鏡による観測で宇宙における「生命のサイン」(生命の存在を示す特徴、バイオシグニチャーと呼ばれる)を探す際の指針となります。この成果は5つの論文にまとめられ、2018年6月、Astrobiology誌に掲載されました。

参考図:系外惑星に生命のサインを探るための研究のイメージ図

参考図 : 系外惑星に生命のサインを探るための研究のイメージ図

Mary Ann Liebert, Inc. (New Rochelle, NY.) 出版 Astrobiologyより許可を得て翻訳、転載。)

系外惑星における生命探査に向けた国際的・学際的な取り組み

銀河系には非常に多くの恒星があり、その恒星のまわりを回る惑星が存在します。太陽以外の恒星を周回する惑星を「系外惑星」と呼びます。系外惑星の発見はかなり速いペースで進んでいます。最初に発見されたのは20世紀末ですが、すでに3,500個以上もの系外惑星が見つかっています。これらの系外惑星に生命を探すには、様々な分野にまたがる科学者の知識を統合することが欠かせません。NASAのNexus for Exoplanet System Science(NExSS)は3年前に設立された国際ネットワークです。様々な分野の研究者が集まり、系外惑星において生命のサインをどのように特徴づけ、探索を進めるかについて、理解を深めています。いまのところ、系外惑星に人間が直接行ってみることはできません。科学者たちは望遠鏡を使って生命のサインを探すしかないのです。そのためには、望遠鏡の技術を極限まで高めることが必要になるでしょう。

NExSSは、系外惑星における生命のサインの探索方法をめぐるこれまでの研究と現在の研究、そして未来に行われるであろう研究の要点をまとめた包括的な一連の論文を発表しました。これらの重要なレビュー論文は、宇宙生物学(アストロバイオロジー)、惑星科学、地球科学、太陽物理学、宇宙物理学、化学、生物学の各分野における第一線の研究者たちの2年間にわたる研究結果をまとめたものです。彼らは、まずオンラインミーティングを始め、その後2016年にワシントン州シアトルでワークショップを開催しました。これらの活動の中で、科学者たちは、太陽系外における生命を特定する最適な方法を話し合い、新たな計画を議論しました。ELSIや他の日本国内の研究機関のメンバーも、現地でまたはリモート参加で議論に加わりました。この議論が今回のAstrobiology誌掲載論文のベースとなりました。

生命のサインとその確からしさの評価

論文は、太陽系外生命の探索に関わるいくつかの問題を特定し、その解決策を提案しています。科学者たちが探そうとしているサインには、大きく分けて二つのタイプがあります。ひとつは、生命体が作り出す大気中の気体分子です。例えば、我々が呼吸する際に取り入れる酸素ですが、これは植物や光合成細菌が作りだしたものです。もうひとつは、生命体そのものから反射される光です。葉の色や、海に発生する赤潮やアオコ、さらにはイエローストーン公園の温泉を発色させる色素の光がこれにあたります。これらの痕跡は、衛星軌道から地球を見た場合にも見られるのです。天文学者は太陽系外惑星でもこのようなシグナルが検出できるよう、新たな天体望遠鏡のデザインを検討しています。

自然が科学者を騙すこともあります。生命体のない惑星に生命体がある、または生命体があるのにない、と錯覚してしまう場合です。たとえば、地球上に豊富に存在する酸素は生物の光合成によるものですが、別の惑星で生命体なしに作り出される場合はないのか、あるいは、酸素以外の生命のサインとして何があるのかを、科学者たちは検討しています。惑星の多様性をあらかじめ想定しておくことで、本当に生命体が存在する惑星を見極めたり、探すべき生命のサインの種類を広げようとしているのです。

研究グループは、太陽系外生命が存在する可能性や生命のサインの確からしさを定量化することにも着手しています。これは非常に重要でありながら困難な挑戦になります。天文学者は系外惑星に関し、ごく限られたデータしか持っていないからです。系外惑星から直接試料を採取して分析することはできません。データとして得られるのは、惑星から届く光だけです。天文学者たちは、その光に含まれた大気や惑星表面に関する特徴を解析し、系外惑星に関する情報を最大限に引き出そうとしています。これには、その惑星の大気組成や気候、海や大陸の有無に関する推論も含まれます。これらの情報を統合し、惑星のモデルを展開すると、得られたデータが生命体の存在によってきちんと説明できるのか議論できるようになります。その上で科学者たちは、その惑星で生物が存在するかどうかを推定し、その推定が信頼できるか決定しようとしています。この新たな研究は、様々な分野の知識や観点に基づいて惑星を総合的に考察する必要性を強調しています。

観測の将来展望

最後に、そのような観測のためには、新たな望遠鏡や装置が必要になります。地上望遠鏡と宇宙望遠鏡の両方、そして、現在稼働中のものに加え、10年後あるいは20年後に新しく建設される予定の望遠鏡も重要になってきます。これらの新しい技術で、遠く離れた惑星の大きさや軌道についてだけでなく、大気や表面の特徴について詳しく分析することも可能になってくると期待されています。その結果、その惑星に生命が宿っている可能性があるのかないのかが明らかになるかもしれません。生命のサインの検出を最重要のゴールとして掲げる宇宙望遠鏡の計画は、2030年代の打ち上げに向けて議論されています。

「太陽系外に生命を探る方法については20世紀半ばから色々と議論されてきましたが、系外惑星を詳細に観測して特徴づける手法や技術は近年飛躍的に進歩してきました。このような技術の多くは、木星のような巨大ガス惑星で実証されています。」

ELSIの研究者であり、掲載論文の筆頭著者でもある藤井友香特任准教授は語っています。その観測範囲は、地球と同程度の大きさで温暖な気候を持つであろう系外惑星にまで広げられつつあります。今後10年20年で得られるデータにより、生命を育む可能性のある惑星の調査がさらに進む見込みです。

「何光年も離れた系外惑星に生命を見つけようとすることは、とても野心的な挑戦です。特徴的なサインをただひとつ検出しただけでは結論付けることはできないでしょう。可能な観測を組み合わせて様々な観点から惑星の特徴を調べる。そして、非生物的な過程では説明できないけれど、惑星に生態系があるとすれば説明できる可能性がある。そういった分析を示していく必要があります。」

技術開発のペースや現在の系外惑星の分布に関する知識から判断すれば、2030年までに生命に適した環境を持つ可能性のある惑星の大気に関して情報を検出できるかもしれない。論文はそういう希望的な見解で結ばれています。

NExSSはNASAアストロバイオロジープログラムによって助成されています。

論文情報

Introductory Chapter

著者 :
Nancy Y. Kiang1,2,3 et al.
論文タイトル :
Exoplanet Biosignatures: At the Dawn of a New Era of Planetary Observations
掲載誌 :
Astrobiology Volume 18, Number 6, 2018
DOI :
所属 :

1NASA Goddard Institute for Space Studies (GISS), New York, New York, USA.

2Nexus for Exoplanet System Science, ROCKE-3D Team, NASA GISS, USA.

3NASA Astrobiology Institute, Virtual Planetary Laboratory, University of Washington, Seattle, Washington, USA

Chapter 1

著者 :
Edward W. Schwieterman1,2,3,4,5 et al.
論文タイトル :
Exoplanet Biosignatures: A Review of Remotely Detectable Signs of Life
掲載誌 :
Astrobiology Volume 18, Number 6, 2018
DOI :
所属 :

1Department of Earth Sciences, University of California, Riverside, California, USA

2NASA Postdoctoral Program, Universities Space Research Association, Columbia, Maryland, USA

3NASA Astrobiology Institute, Virtual Planetary Laboratory Team, Seattle, Washington, USA

4NASA Astrobiology Institute, Alternative Earths Team, Riverside, California, USA

5Blue Marble Space Institute of Science, Seattle, Washington, USA

Chapter 2

著者 :
Victoria S. Meadows1,2 et al.
論文タイトル :
Exoplanet Biosignatures: Understanding Oxygen as a Biosignature in the Context of Its Environment
掲載誌 :
Astrobiology Volume 18, Number 6, 2018
DOI :
所属 :

1Department of Astronomy, University of Washington, Seattle, Washington, USA

2NASA Astrobiology Institute, Virtual Planetary Laboratory Team, Seattle, Washington, USA

Chapter 3

著者 :
David C. Catling1,2 et al.
論文タイトル :
Exoplanet Biosignatures: A Framework for Their Assessment
掲載誌 :
Astrobiology Volume 18, Number 6, 2018
DOI :
所属 :

1Astrobiology Program, Department of Earth and Space Sciences, University of Washington, Seattle, Washington. USA

2Virtual Planetary Laboratory, University of Washington, Seattle, Washington. USA

Chapter 4

著者 :
Sara I. Walker1,2,3,4* et al.
論文タイトル :
Exoplanet Biosignatures: Future Directions
掲載誌 :
Astrobiology Volume 18, Number 6, 2018
DOI :
所属 :

1School of Earth and Space Exploration, Arizona State University, Tempe, Arizona, USA

2Beyond Center for Fundamental Concepts in Science, Arizona State University, Tempe, Arizona, USA

3ASU-Santa Fe Institute Center for Biosocial Complex Systems, Arizona State University, Tempe, Arizona, USA

4Blue Marble Space Institute of Science, Seattle, Washington, USA

Chapter 5

著者 :
Yuka Fujii1,2 et al.
論文タイトル :
Exoplanet Biosignatures: Observational Prospects
掲載誌 :
Astrobiology Volume 18, Number 6
DOI :
所属 :

1NASA Goddard Institute for Space Studies, New York, New York, USA

2Earth-Life Science Institute, Tokyo Institute of Technology, Ookayama, Meguro, Tokyo, Japan

お問い合わせ先

東京工業大学 地球生命研究所 特任准教授

藤井友香

E-mail : yuka.fujii@elsi.jp

ELSIに関すること

東京工業大学 地球生命研究所 広報室

E-mail : pr@elsi.jp
Tel : 03-5734-3163 / Fax : 03-5734-3416

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

8月の学内イベント情報

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8月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

第8回工学院特別セミナー「A Bilinear Optimal Control Problem with Application in Bee Colony Population Dynamics」

第8回工学院特別セミナー「A Bilinear Optimal Control Problem with Application in Bee Colony Population Dynamics」

工学院では、著名な講師の方々をお招きして特別セミナーを開催しています。今回はジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)のErik I. Verriest教授が双線形システムの最適制御と蜂の個体群動態への応用について講演します。Verriest教授は制御理論の第一人者であり、現在、工学院の特別招聘教員として「最適制御」の集中講義を担当しています。

日時
8月1日(水)17:00 - 18:00
会場
参加費
無料
対象
最適制御やpopulation dynamics(個体群動態系)に興味・関心のある学内外の研究者、学部生、大学院生等
申込
不要

百年記念館 再オープンのお知らせ

百年記念館 再オープンのお知らせ

空調改修工事のため休館していた百年記念館が、8月1日(水)より再オープンします。

開館
月~金 10:00 - 16:30(祝日、年末年始等の休館日を除く)
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般

ひらめきときめきサイエンス2018「目で見てわかる昔の日本語と今の日本語 : タイムマシンに 乗らずに行ける昔の世界」

ひらめきときめきサイエンス2018「目で見てわかる昔の日本語と今の日本語 : タイムマシンに 乗らずに行ける昔の世界」

「目で見てわかる昔の日本語と今の日本語 : タイムマシンに 乗らずに行ける昔の世界」

ことばは時代につれて変化していきます。今の私たちの知っていることばの意味は今の意味で、昔のことばの意味とまったく同じではありません。昔の文章から、ことばの使い方を図に描くことで、目で見てわかる昔のことばの世界についてお話しします。

日時
8月1日(水)10:00 - 17:15(受付9:50 - 10:00)
会場
参加費
無料
対象
中学生 (定員20名)
申込
必要(定員に達したため募集終了)

社会人アカデミー主催 2018年度「理工系一般プログラム」

社会人アカデミー主催 2018年度「理工系一般プログラム」

毎年好評の理工系一般プログラムを本年度も開講します。以下の4コースにおいて、理工系に基本を置く学問を様々な視点から学びます。

日時
『環境科学』4月21日(土)~ 6月23日(土)14:00 - 18:15 (全15回)(終了)
『食の安全と安心』4月18日(水)~ 8月1日(水)18:00 - 20:30 (全15回)
『環境工学 (1)リサイクルコース』4月20日(金)~ 6月15日(金)18:00 - 20:30 (全8回)(終了)
『環境工学 (2)エネルギーコース』6月22日(金)~ 8月10日(金)18:00 - 20:30 (全8回)
会場
参加費
有料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要

夏のワークショップ2018「声に出してシェイクスピア vol.3-喜劇編 その1『ヴェニスの商人』-」

夏のワークショップ2018「声に出してシェイクスピア vol.3-喜劇編 その1『ヴェニスの商人』-」

昨年度、『マクベス』と『ヘンリー五世』をテキストにして開催した2回のワークショップは、いずれも大盛況のうちに終了いたしました。今年度も同様のワークショップを企画し、今回は『ヴェニスの商人』を取り上げます。才色兼備の娘のもとへヴェニスの若者が求愛の旅に出かけるというロマンティックな喜劇ではありますが、この主筋と並行して、借金の抵当に人肉を要求するユダヤ人シャイロックをめぐる物騒な物語も展開します。俳優の下総源太朗さんの指導のもと、本学の小泉勇人准教授の解説つきで台詞を声に出して読み、演じてみましょう。前回までのワークショップと同じく、最終回に小さな発表会を開く予定です。

日時
2018年7月19日(木)、26日(木)、8月2日(木)、9日(木)、23日(木)(全5回、各回 18:00 - 20:00)
会場
参加費
全5回4,000円(本学学生、教職員は無料)
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要(定員30名、7月2日(月)より受付開始、先着順)

CERI寄附公開講座「ゴム・プラスチックの安全、安心―身の回りから先端科学まで―」(2018年前期)

CERI寄附公開講座「ゴム・プラスチックの安全、安心―身の回りから先端科学まで―」(2018年前期)

前期は、私たちの身の回りにある化学品を含むゴムやプラスチックとその製品の安全・安心に関する情報とやさしい科学を、一般の方にもわかりやすく紹介します。後期は、少し高度な内容として、最先端の安全性評価技術、劣化と寿命予測技術、耐性向上技術、高性能・高強度化技術・材料に関する科学を紹介し、将来の安心・安全な材料・製品設計の基礎を学びます。

日時
2018年6月16日(土)、6月23日(土)、6月30日(土)、7月7日(土)、7月14日(土)、7月28日(土)、8月4日(土)、各日 13:20 - 14:50、15:05 - 16:35
会場
参加費
無料(但し「追加資料代」として1,000円(全14講議分)のみ別途必要)
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要

高校生・受験生のためのオープンキャンパス2018

高校生・受験生のためのオープンキャンパス2018

東工大での学びや学生生活について体験し、深く知ってもらうためのオープンキャンパスを開催します。

日時
8月10日(金)10:00 - 16:00
会場
参加費
無料
対象
主に高校生・受験生(保護者同伴可)
申込
一部の企画に参加するためには事前申込みが必要です。

東京工業大学IDCロボットコンテスト大学国際交流大会2018

東京工業大学IDCロボットコンテスト大学国際交流大会2018

「The World Star Hunting Swallow(つばめよ、地上の星を探せ!)」を競技テーマにIDCロボットコンテスト大学国際交流大会(IDCロボコン)を開催します。

IDCロボットコンテスト大学国際交流大会(International Design Contest)は、創造性豊かな国際的感覚を持つ学生の育成を目的に1990年からスタートし、今年で29回目を迎える歴史ある国際ロボコン大会です。世界各国の有名大学からロボット工学を学ぶ学生が集まり、10日間あまりという短い期間の中で、言葉や文化の違いを乗り越えロボットの設計・製作を競います。

日時
8月6日(月)~18日(土)
会場

ワークショップ一般公開

学生たちがロボットを製作している会場(ワークショップ)が見学できます。

日時
8月10日(金)10:00 - 16:00(オープンキャンパス催事)
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
不要

最終競技

学生たちが作り上げたロボットで、熱戦を繰り広げます。

日時
8月18日(土)13:00 - 16:00
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般(700人、応募先着順、7月19日(木)より応募開始)
申込
必要

国立科学博物館「2018夏休みサイエンススクエア」

国立科学博物館「2018夏休みサイエンススクエア」

生命理工学院 山田研究室は国立科学博物館主催「2018夏休みサイエンススクエア」に「腸内細菌ってなんだ?」をテーマに出展します。ヒトの腸内には、1,000種100兆個体の細菌が共生していると言われています。近年、腸内細菌の解析技術が飛躍的に向上し、これらの細菌を網羅的に調査する事が可能になり、様々な発見が相次いでいます。生命理工学院の学部生たちが開発した腸内細菌ボードゲーム「バクテロイゴ」を使ってそうした目に見えない細菌達の活動や仕組みを子ども達に楽しく学んでもらいます。

日時
8月11日(土)、12日(日)10:00 -、11:20 -、13:20 -、14:40 -
会場
国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)日本館1階
参加費
入館料として高校生以下・65歳以上無料/一般・大学生620円(団体500円 ※20名以上)
対象
小学2年生~中学3年生
申込
必要

グローバル産業リーダー育成プログラム 2018年度8月Enterprise Engineering(Leading Digital)コース

グローバル産業リーダー育成プログラム 2018年度8月Enterprise Engineering(Leading Digital)コースのご案内

社会人アカデミーでは、産業のグローバル化に対応できる企業人材を育成することを目的として、グローバル産業リーダー育成プログラム(GINDLE―Global INDustrial LEader)を設置しています。 その中のコースとして、情報システムベンダーあるいはユーザ企業の情報システム関連部署の部課長レベルおよびシニアコンサルタントを対象にEnterprise Engineering(Leading Digital)コースを開講します。ICT(情報通信技術)の利活用に焦点を当てた講義・演習を通じて、企業活動におけるICT活用力向上のための、知識とスキルを身につけることができます。以前は英語での講義でしたが、今回は日本語で講義が行われます。

日時
8月23日(木)、24日(金)、25日(土)各日 9:00 - 17:20
会場
参加費
121,500 円(税込み)
対象
一般
申込
必要(締切8月3日(金)必着)

中高生のためのプログラミング教室(2018年 夏)

中高生のためのプログラミング教室(2018年 夏)

デジタル創作同好会traPは、プログラミング初心者のお悩みを解決する「プログラミング教室」を開催します。

日時
8月25日(土)10:00 - 17:00
会場
参加費
無料
対象
中高生 (定員65名)
申込
必要(先着順)

科学教室「植物の葉について学ぼう ―葉脈のしおりを作ろう―」

科学教室「植物の葉について学ぼう ―葉脈のしおりを作ろう―」

植物にとって大切な役割を持つ葉っぱの構造、働きを知り、葉の骨組みである葉脈を取り出して観察します。取り出した葉脈でしおりを作ります。

日時
8月25日(土)13:00 - 15:00
会場
参加費
無料
対象
小学4、5、6年生の親子(定員30組)
申込
必要(定員に達したため募集終了)

科学教室「ウニについて学ぼう ―ウニランプを作ろう―」

科学教室「ウニについて学ぼう ―ウニランプを作ろう―」

海辺にすむいろいろな種類のウニの構造や生態を学びます。トゲが取れてしまったウニの殻を利用してランプを作ります。

日時
8月26日(日)13:00 - 15:00
会場
参加費
無料
対象
小学4、5、6年生の親子(定員30組)
申込
必要(定員に達したため募集終了)

夏休み特別企画「地球とあそぼう2018」

夏休み特別企画「地球とあそぼう2018」

「地球とあそぼう2018」では、次の実習が体験できます。

1.
きれいな鉱物をタガネで宝石のような形にけずって、その形や色を観察しよう
2.
南アメリカ・ボリビア産化石を砂利の中から探し出そう
3.
重液という薬品を使って重い石と軽い石に分ける実験を行おう
4.
椀かけ用の椀を使って砂の中から金を取り出そう
日時
8月28日(火)9:45 -、13:45 -
会場
参加費
無料
対象
小学5、6年生(定員100名)
申込
必要(定員に達したため募集終了)

一部締め切りを過ぎているものがございますが、取材をご希望の場合はご連絡ください。

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

簡便、確実、短時間に骨転移モデルマウスを構築 骨転移研究を推進する新モデルで創薬研究を加速

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要点

  • がん細胞を尾動脈から移植して骨転移モデルマウスを作る手法を確立
  • がん細胞の生体内での転移状態を可視化
  • 骨転移の新規治療法や新薬開発の加速に貢献

概要

東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の口丸高弘助教(現自治医科大学・講師)と近藤科江教授らは、創薬研究などで有用な骨転移を特異的に確実に形成するマウス(骨転移モデルマウス)の新たな構築法を開発した。

がん細胞の骨への転移は、乳がん、前立腺がん、肺がんなど多くのがん種で高頻度に発生する。しかしながら、根本的な治療や予防法は確立されていない。開発した骨転移モデルマウスは、簡便・確実・短期間にがん細胞の骨転移を形成できる手法だ。これは、マウス尾部表面にある尾動脈から、がん細胞を移植する新たな移植方法で、高度な手技を必要としない。従来の左心室移植法[用語1]に比べ、がん細胞を高効率、かつ特異的に骨髄に送達できる。その結果、他の臓器へのがん転移頻度を抑えることで、骨転移病巣を形成する時間を短縮できる。この新たな骨転移モデルにより、骨転移研究の裾野が広がり、がんに関する新規治療法や新薬の開発が進むと期待できる。

本成果は、7月30日にネイチャー・パブリッシング・グループのオンラインジャーナル「Nature Communications」に掲載された。

背景

骨転移は、がんが最初に発生した場所(原発巣)から血中に流出したがん細胞が骨髄組織に到達し、増殖することで発症する。その過程で重要な役割を果たす分子機構が明らかになれば、効果的な治療・予防のための方法・薬剤の開発が進む。そのためには、骨転移の実験動物モデルを用いた解析が求められていた。

1990年代に、マウスの左心室にがん細胞を移植して、動脈血流によって骨髄にがん細胞を送達する左心室移植法が確立された。以来、左心室移植法は、骨転移モデルのゴールドスタンダードとして、転移機構の解明や創薬研究に利用されてきた。

しかし、マウスを用いた左心室移植法は、数ミリメートルのとても小さなマウスの左心室に正確に針を刺し、がん細胞を注入するという高度な手技を必要とする。また、心臓に直接針を刺すため、マウスにとって大きなストレスとなり、移植ができても致死的なストレスのために、実際に研究で使用できるマウスの数は限られている。それが骨転移研究を実施する上での大きなハードルとなっていた。さらに、この手法は、左心室から動脈を経て全身にがん細胞が送達されるため、骨髄以外の臓器にも転移巣を形成する。骨転移自体は、転移巣形成が遅いため、転移巣が確認された時には、他の臓器の転移が進行して死亡することも多く、長期の骨転移の観察ができないという課題を抱えていた。これまで幾つかの代替法の開発も行われてきたが、手術が必要であったり、骨への送達頻度が低かったりと左心室移植法に代わる有用な骨転移モデルは確立していなかったことから、汎用的で簡易な骨転移モデル構築法が望まれていた。

研究の経緯と成果

そこで今回、マウスの尾動脈に注目した。尾動脈は、血流に対して逆行性の移植になるため細胞の移植経路に適さないと考えられていたが、研究グループでは、麻酔下のマウスは血圧が下がるため、尾静脈注射よりもやや勢いよく尾動脈から細胞を注入することで、下肢に血液を送る腸骨動脈の分岐点まで血流に逆行して細胞を送り込むことができることを見出した。尾動脈移植により細胞がどのような経路で下肢の骨に到達するかは、1,000 nmを超える近赤外光を放つナノ粒子を細胞にみたて、尾動脈移植直後からビデオ撮影をして明らかにした(図1、以下のビデオ参照)。

尾動脈移植による移動経路

図1. 尾動脈移植による移動経路

生体発光イメージング[用語2]を用いて、左心室と尾動脈から移植したがん細胞の体内分布を可視化したところ、左心室から移植されたがん細胞は全身組織に分布し、尾動脈から移植されたがん細胞は主にマウスの下半身に分布していることがわかった(図2a)。両手法について、同数のがん細胞を移植して2週間後の大腿骨に形成された骨転移病巣(赤色)を比較すると、尾動脈移植による骨転移病巣は有意に成長が亢進していた(図2b)。また、従来の左心室法ではマウスは頭部に形成された転移が原因となり短命だったが、新規の尾動脈法では、100%の成功率で骨転移が形成され、長期の観察が可能であった(図2c)。さらに、尾動脈移植により、乳がん、前立腺がん、肺がん、腎がんなど、これまで左心室法では骨転移の再現が難しかったがん細胞の骨転移モデルの構築に成功した。

これらの結果は、尾動脈からがん細胞を移植することで、高効率かつ特異的にがん細胞をマウスの骨髄に送達することで、簡便・確実・短時間に骨転移病巣が形成され、長期にわたり骨転移を観察できることを示している。

(a)各移植経路からがん細胞を移植して30分後のがん細胞の分布。(b)各移植経路からがん細胞を移植して2週間後に大腿骨に形成された骨転移病巣(赤色)。(c)各移植経路からがん細胞を移植した後、25日目と32日目の転移巣の成長と分布。黄色矢印は頭部への転移を示している。
図2.
(a)各移植経路からがん細胞を移植して30分後のがん細胞の分布。
(b)各移植経路からがん細胞を移植して2週間後に大腿骨に形成された骨転移病巣(赤色)。
(c)各移植経路からがん細胞を移植した後、25日目と32日目の転移巣の成長と分布。黄色矢印は頭部への転移を示している。

今後の展開

新規の骨転移モデルである尾動脈移植法は簡便・確実・短時間に構築できる。骨転移治療薬開発における薬効評価のプラットフォームとして活用でき、創薬研究の加速に貢献すると期待できる。また、この新手法で骨転移能が低いがん細胞株のマウス骨転移モデルを構築できる可能性があり、新たな骨転移研究に道を拓くと期待できる。

研究サポート

この研究は、日本学術振興会の科学研究費助成事業 新学術領域研究「がん微小環境ネットワークの統合的研究」、若手Bの支援を受けて実施した。

用語説明

[用語1] 左心室移植法 : 触診で位置を把握したマウスの左心室に極細の注射針を挿入し、がん細胞を移植する手法。

[用語2] 生体発光イメージング : ホタルが発光酵素と基質との反応で発光する仕組みを利用して、発光酵素を導入したがん細胞を樹立・移植し、マウスなどの小動物の体内にあるがん細胞を非侵襲的に可視化する手法。

論文情報

掲載誌 :
Nature Communications
論文タイトル :
A reliable murine model of bone metastasis by injecting cancer cells through caudal arteries
著者 :
Takahiro Kuchimaru, Naoya Kataoka, Kenji Nakagawa, Tatsuhiro Isozaki, Hitomi Miyabara, Misa Minegishi, Tetsuya Kadonosono, Shinae Kizaka-Kondoh
DOI :
<$mt:Include module="#G-11_生命理工学院モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

東京工業大学 生命理工学院
生命理工学系 ライフエンジニアリングコース
教授 近藤科江

E-mail : skondoh@bio.titech.ac.jp
Tel / Fax : 045-924-5800

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

トポロジカル絶縁体で世界最高性能の純スピン注入源を開発 次世代スピン軌道トルク磁気抵抗メモリの実現に期待

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要点

概要

東京工業大学 工学院 電気電子系ファム・ナム・ハイ准教授の研究チームは、次世代スピン軌道トルク磁気抵抗メモリの実現に向けた、トポロジカル絶縁体であるBiSbの(012)面方位を用いた世界最高性能の純スピン注入源を開発した。

スピン軌道トルク磁気抵抗メモリは、スピンホール効果による純スピン流を用いて、高速で書き込みができる次世代の不揮発メモリ技術である。しかし、従来から純スピン流源として使われている白金やタングステンなどの重金属は、スピンホール角が低い(0.1~0.4程度)という問題があった。研究チームでは、BiSb(ビスマス/アンチモン)トポロジカル絶縁体薄膜を評価したところ、電気伝導率が2.5×105 Ω-1m-1と高い上に、室温でも超巨大なスピンホール角(~52)を示すBiSb(012)面を発見した。さらに今回、BiSb(012)の薄膜を用いて、従来よりも1桁~2桁少ない電流密度でMnGa(マンガン/ガリウム)垂直磁性膜の磁化反転を実証した。

このBiSbをスピン軌道トルク磁気抵抗メモリへ応用すると、データの書き込みに必要な電流を1桁、エネルギーを2桁低減でき、さらに記録速度を20倍、記録密度を1桁向上させられる。本研究成果は、7月30日16時(英国時間)に英国の学術誌『Nature Materials』に掲載された。

研究の背景

近年、電子回路の低消費電力化の観点から超高速、超高密度、高耐久性の不揮発性メモリが求められる。磁気抵抗メモリ(MRAM)は、ランダムアクセスメモリの一種であり、不揮発性に加えて、高速動作、極めて高い耐久性など、大変優れた特性を持つ。そのため、MRAMは不揮発性メモリと集積回路の融合に適する最有力候補とされ、世界中で研究開発が盛んに行われている。

しかし、MRAMは既存の揮発性メモリと比べて、書き込みに必要なエネルギーが大きいという欠点がある。第一世代のMRAMのメモリ素子(磁気トンネル接合: MTJ)では、磁界印加による磁化反転法が用いられている。近年、第二世代の書き込み技術として、スピン・トランスファー・トルク法(Spin transfer torque; STT)が研究開発され、製品に使われ始めている。

このSTT法では、MTJ素子の磁化固定層から磁化自由層にスピン偏極電流を注入し、STTによって、磁化自由層に磁化反転を起こす。しかし、STTによるMRAMの書き込みエネルギーが従来の揮発性メモリよりも1桁大きいという課題が残っている。また、STT-MRAMの書き込み電流が大きいため、サイズが大きなトランジスタを使う必要があり、既存のワーキングメモリのDRAM並みのビット密度を実現することは難しかった。

研究の経緯

ファム准教授らの研究チームは、スピンホール効果によって発生した純スピン流によるスピン軌道トルク(Spin orbit torque:SOT)を用いた磁化反転技術に着目した。SOT法では、スピンホール効果のスピンホール角(θSH )>1および、高い電気伝導性を示すスピンホール材料を開発できれば、MRAM素子の磁化反転に必要な電流を1桁、エネルギーを2桁以上も下げることができる。図1にSTT-MRAMとSOT-MRAMの違いを示す。

(a)スピン・トランスファー・トルクを用いるSTT-MRAM(左)(b)スピン軌道トルクを用いるSOT-MRAM(右)
図1.
(a)スピン・トランスファー・トルクを用いるSTT-MRAM(左)(b)スピン軌道トルクを用いるSOT-MRAM(右)

しかし、これまで研究されてきた純スピン流源の重金属(タンタル、プラチナ、タングステンなど)はθSHが0.1~0.4程度と小さい。一方、トポロジカル絶縁体はθSH>1を満たせることが知られているが、よく研究されているBi2Se3(ビスマス/セレン)など、バンドギャップが大きいトポロジカル絶縁体は電気伝導率がσ~104 Ω-1m-1程度と小さく、結果として純スピン流生成の性能を反映するスピンホール伝導率は重金属とあまり変わらなかった。この電気伝導率の低さにより、磁性金属との接合において、大分部の電流が磁性金属側に流れてしまい、スピン流の発生に寄与しないという問題があった。

研究チームは、バンドギャップが小さく、電気伝導率が高いBiSbトポロジカル絶縁体に着目した。分子線エピタキシャル法[用語3]を用いて、Sb組成比が0~100%のすべての領域において系統的にBiSb薄膜の結晶成長を行い、金属並みの高い電気伝導率である~2.5×105 Ω-1m-1を示すBiSb製膜技術を確立した。さらに、50 kOeと高い垂直異方性磁界を示すMnGa磁性薄膜と接合する作製技術を確立した。本研究では、BiSb(012)面/MnGa磁性薄膜の接合において、BiSbのスピンホール効果の評価およびSOTによる磁化反転を検討した。

研究成果

研究チームは、BiSb(012)面/MnGaの接合において、BiSb(012)面のスピン軌道トルクを評価したところ、室温でも超強大なスピンホール角θSH~52を観測した。

図2に今まで研究されてきた重金属とトポロジカル絶縁体の常温におけるスピンホール角、電気伝導率およびスピンホール伝導率を示す。BiSbは従来の材料よりも2桁も高いスピンホール伝導率を示す。

今まで研究されてきた重金属とトポロジカル絶縁体の常温におけるスピンホール角θSH、電気伝導率σおよびスピンホール伝導率σSH
図2.
今まで研究されてきた重金属とトポロジカル絶縁体の常温におけるスピンホール角θSH、電気伝導率σおよびスピンホール伝導率σSH

さらに、図3に示すように、BiSb/MnGaの接合において、従来よりも1桁~2桁少ない超低電流密度でMnGaのスピン軌道トルクによる磁化反転を実証した。

これらの成果から、BiSbをスピン軌道トルク磁気抵抗メモリへ応用した場合、データの書き込みに必要な電流を1桁、エネルギーを2桁、記録速度を20倍、記録密度を1桁向上できることがわかった。

幅50 μmのBiSb(5nm)/MnGa(3nm)接合におけるSOTによる磁化反転の実証(左)および磁化反転電流密度のベンチマーク(右)。MnGaの磁化の向きを異常ホール効果により評価した。BiSbによるMnGa磁化反転の電流密度は1.5x106A/cm2と既存の材料より1桁~2桁少ないことを見出した。
図3.
幅50 μmのBiSb(5 nm)/MnGa(3 nm)接合におけるSOTによる磁化反転の実証(左)および磁化反転電流密度のベンチマーク(右)。MnGaの磁化の向きを異常ホール効果により評価した。BiSbによるMnGa磁化反転の電流密度は1.5x106 A/cm2と既存の材料より1桁~2桁少ないことを見出した。

今後の展開

本成果は、トポロジカル絶縁体を用いた場合、特性が優れたSOT-MRAMを実現することで、トポロジカル絶縁体の産業応用のきっかけになる可能性がある。

トポロジカル絶縁体を応用した高性能磁気メモリが実現できれば、組み込みメモリ(SRAMやFLASH)やワーキングメモリ(DRAM)の置き換えができることから、電子機器の省エネルギー化というインパクトがあるだけでなく、5~10兆円の新メモリ市場の展開も期待できる。今後は、産業界と連携して、SOT-MRAMの早期実用化を目指す。

用語説明

[用語1] スピンホール効果 : スピン軌道相互作用が大きな材料に流れる電流と垂直な方向に、アップスピンとダウンスピンが逆向きに流れ、純スピン流が発生する現象。この純スピン流を磁化自由層に注入することによって、磁化に働くトルクが発生し、磁化自由層に磁化反転を起こすことができる。ここで生じた純スピン流は、垂直(膜厚)方向には正味の電荷移動の代わりに、スピン角運動量を運ぶことができる。

[用語2] トポロジカル絶縁体 : 内部には、絶縁体(正確には半導体)のようにバンドギャップが存在するが、その表面においてヘリカルにスピン偏極電流が存在しうるディラック型金属伝導状態を有する物質群である。表面状態のスピンの向きsは波数ベクトルkに直交しており、スピン・運動量ロッキングが生じている。一方、スピンホール効果によって発生するスピン流がs×kの方向に流れるため、トポロジカル絶縁体は表面に垂直な方向には極めて高い効率でスピン流を発生する。

[用語3] 分子線エピタキシャル法(MBE) : 超高真空下で、材料元素の分子線を基板に照射し、基板の上に化学反応をさせることで薄膜の結晶成長を行う技術。半導体へテロ構造の結晶成長のために開発された技術であるが、近年では金属や絶縁物など多くの材料にも応用されている。基板温度、成長レート、組成などのパラメータを精密に制御できることから、高品質の結晶成長に最適な方法と言える。

論文情報

掲載誌 :
Nature Materials
論文タイトル :
A conductive topological insulator with large spin Hall effect for ultralow power spin-orbit torque switching
著者 :
Nguyen Huynh Duy Khang, Yugo Ueda, Pham Nam Hai
DOI :
<$mt:Include module="#G-05_工学院モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

東京工業大学 工学院 電気電子系 准教授

Pham Nam Hai (ファム ナム ハイ)

E-mail : pham.n.ab@m.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3934 / Fax : 03-5734-3870

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

ACM-ICPC2018国内予選開催 ―東工大会場―

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7月6日にACM-ICPC2018(国際大学対抗プログラミングコンテスト)国内予選が全国の各大学で開催されました。16時30分から3時間にわたって行われた国内予選には87大学(短大・高専4年次以降を含む)から411チームが参加しました。東工大では、情報理工学院 数理・計算科学系 計算機室と学術国際情報センター 第一実習室が会場となり、11チームが参加して熱戦を繰り広げました。

ACM…Association for Computing Machineryの略称。情報理工学に関する国際的な学会。

問題に取り組む参加者達

問題に取り組む参加者達

ACM-ICPCとは

ACM-ICPCは、ACMが主催する大学対抗で行われる世界規模のプログラミングコンテストです。同じ大学の学生3名とコーチ1名でチームを結成し、チームでプログラミングと問題解決の能力を競います。各大学から複数のチームが国内予選に出場し、その成績により選抜されたチームが地区予選(日本の場合はアジア地区予選)に出場、各地区から選抜された最優秀チームが世界大会に出場するというしくみとなっています。全世界で毎年3万人以上が参加する大会で、世界大会は1つの大学から1つのチームしか参加できないことから、大学対抗プログラミングコンテストと位置づけられています。

問題の難易度は様々で、単純な計算問題から、複数のアルゴリズムを組み合わせて解く問題まで多岐にわたります。また、ACM-ICPCの特徴として、チーム戦であることが挙げられます。チームには1台のコンピュータしか与えられないため、個人のプログラミング能力だけではなく、1台のコンピュータをいかに効率よく活用するかというチームワークの良さも重要なポイントです。

国内予選の結果を受け、成績上位39位のチームのメンバーとコーチが表彰され、本学からは5チームがその対象となりました。国内予選には様々な企業賞が用意されており、チームnarianZ(ナリアンズ) は、上位3位までのチームに贈られるLINE(ライン)賞、上位7位までのチームに贈られるMUJIN(ムジン)7賞、2位・6位・8位のチームに贈られるツバメ賞を受賞し、チームIQ1(アイキューイチ)とチームj2j2w8(ジェイツージェイツーダブリューエイト)は、成績上位チームではあるが惜しくもアジア地区予選に出場できなかったチームに贈られるニコニコ賞を受賞しました。

アジア地区予選はシンガポール、台北(台湾)、ナコンパトム(タイ)、ハノイ(ベトナム)、ジャカルタ(インドネシア)、ソウル(韓国)、ヤンゴン(ミャンマー)、そして横浜で開催されます。

ICPC運営委員が定める選抜ルールに従って、本学の上位3チームであるチームnarianZ、new_moon_with_face(ニュー・ムーン・ウィズ・フェイス)、60odnight(グッドナイト)が、2018年12月8日(土)~10日(月)にかけて行われるアジア地区横浜大会に参加する権利を得ました。

各アジア地区予選の成績上位校が、世界大会に出場することになります。

表彰対象チームとメンバー

  • チームnarianZ (全国2位)

    福成理紀さん (工学部 情報工学科 学士課程4年)

    久保田陸人さん (情報理工学院 情報工学系 修士課程1年)

    勝又広揮さん (工学院 情報通信系 修士課程2年)

チームnarianZからのコメント

東京大学や京都大学等の多数の強豪チーム相手に、2位という順位を取れてとても嬉しいです。

普段使用しているプログラミング言語がバラバラで、デバッグ等に難があるかと思いましたが、適切なコミュニケーションでうまく問題を解くことができました。

今年も世界大会に出場できるよう、地区予選でより良い成績を取りたいです。

チームnarianZ 左から、勝又さん、福成さん、久保田さん

チームnarianZ 左から、勝又さん、福成さん、久保田さん

  • チームnew_moon_with_face (全国10位)

    宮本柊吾さん (理学部 情報科学科 学士課程4年)

    吉野慎司さん (理学部 情報科学科 学士課程4年)

    増田尚紀さん (工学院 システム制御系 修士課程2年)

チームnew_moon_with_faceからのコメント

ICPCは3人1組のチーム戦です。各メンバーの長所を上手く活かすことで各々の実力が自分たちよりも高いチームに勝つことができたり、1つの問題を相談しながら解くことで他の人のアプローチの仕方を知ることができたりと、チーム戦には多くの魅力があります。興味が少しでもある人は出場してみましょう。今回はメンバー全員が初参加でしたが、本番では役割をうまく分担でき、落ち着いて問題に取り組めました。最後に、チームを結成してくれた方、コーチや監督者の方に心より感謝申し上げます。

チームnew_moon_with_face 左から、増田さん、宮本さん、吉野さん

チームnew_moon_with_face 左から、増田さん、宮本さん、吉野さん

  • チーム60odnight (全国13位)

    吉田拓人さん (情報理工学院 情報工学系 学士課程2年)

    山根初美さん (情報理工学院 情報工学系 学士課程2年)

    永田怜慈さん (第5類 学士課程1年)

チーム60odnightからのコメント

今回は、年々レベルが上がり、予選通過が難しい中で、国内予選を通過することができ嬉しく思っています。大会当日は大会前のチーム練習の甲斐もあり、チームでベストに近い動きができました。12月のアジア地区大会でも良い結果が残せるように努力していきたいと思います。

チーム60odnight 左から、山根さん、永田さん、吉田さん

チーム60odnight 左から、山根さん、永田さん、吉田さん

  • チームIQ1 (全国22位)

    櫻井義孝さん (情報理工学院 情報工学系 修士課程1年)

    高桑健太郎さん (情報理工学院 情報工学系 修士課程2年)

    遠藤康矢さん (情報理工学院 数理・計算科学系 学士課程2年)

  • チームj2j2w8 (全国28位)

    松村有倫さん (情報理工学院 情報工学系 修士課程1年)

    加藤遊馬さん (情報理工学院 情報工学系 修士課程1年)

    阪本哲郎さん (情報理工学院 情報工学系 修士課程1年)

村上修一教授が米国物理学会フェローに選出

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理学院 物理学系の村上修一教授が、米国物理学会(American Physical Society。以下、APS)フェローに選ばれました。

授賞式当日の写真

授賞式当日の写真

APSは米国に本部を持つ物理学分野の国際的な学会で、約55,000人の会員を有しています。APSフェローは学会員の中から非常に優れた功績を持つ研究者に授与され、その人数の上限は学会員の0.5%以下となっています。村上教授のこのたびの受賞は、スピンホール効果の理論予言、超薄膜ビスマスがトポロジカル絶縁相となるという理論予言、ワイル半金属の提案などの物性理論への貢献が評価されたものです。授賞式は分野毎に行われ、今回は3月6日にアメリカ・ロサンゼルスにて行われました。

村上教授は、現在の物理学系担当教員では斎藤晋教授に次ぐ2人目、旧・物性物理学専攻の高柳邦夫名誉教授、安藤恒也名誉教授を含めると4人目のAPSフェローとなります。

村上修一教授のコメント

村上修一教授

受賞理由の主要な業績は、スピンホール効果、トポロジカル絶縁体および半金属の理論に関するものです。我々の構築した理論自身は大変シンプルなものですが、広い範囲の物質群に適用することができるものです。我々の提出した理論の予言する物性現象が、今までも数々の実験で実証されてきており、物性理論の研究者としての大変な喜びを感じております。

この度APSフェロー選出につきまして、今までご指導をいただいた先生方、共同研究者の方々、私の研究室の学生およびスタッフの方々に、平素からのご支援・ご指導に対して厚く御礼申し上げます。また本学の多くの方々に平素よりご支援をいただいていることに関して、この場を借りて感謝申し上げます。

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お問い合わせ先

理学院物理学系 村上修一 教授

E-mail : murakami@stat.phys.titech.ac.jp


迅速・高収率でアミノ酸N-カルボキシ無水物を合成 マイクロフロー合成で0.1秒以内にpHをスイッチ

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要点

  • マイクロフロー合成法でNCAの迅速かつ高収率での合成に成功
  • 瞬間希釈法により酸性条件で不安定なNCAの合成も達成
  • タンパク質構成アミノ酸全20種と非天然アミノ酸を原料にNCAを合成

概要

東京工業大学 生命理工学院の小竹佑磨大学院生(博士後期課程2年)、科学技術創成研究院の中村浩之教授、布施新一郎准教授は、不安定なアミノ酸N-カルボキシ無水物(NCA)[用語1]を迅速かつ高収率で合成することに成功した。マイクロフロー合成法[用語2]を駆使して0.1秒以内に塩基性(アルカリ性)から酸性にpH(水素イオン指数=酸・アルカリの程度)をスイッチする手法により実現した。NCAは医薬品やそのキャリアとして重要なポリペプチドの主要な原料であり、ポリペプチドの利用拡大につながる成果である。

NCAは約100年前に開発されたアミノ酸とホスゲン[用語3]を強酸性条件下で反応させる手法で現在も生産されている。この手法は副反応を引き起こす点や酸性条件下で不安定なNCAの合成には利用できない点が問題となっている。一方、塩基性条件下では速やかにNCAが得られるものの、生じたNCAが重合[用語4]するため、その合成は不可能とされてきた。

開発手法はマイクロフロー合成法を駆使した高速のpHスイッチで、速やかに反応を進行させると同時に、NCAの重合を抑止することに成功した。このため、多様なNCAの大量・低コスト供給を可能にする技術として期待される。

研究成果は7月12日に国際的学術誌「Angewandte Chemie International Edition(アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション)」に掲載された。

研究成果

アミノ酸とホスゲン等価体のトリホスゲンを塩基性条件下で反応させて速やかにNCAを得た後、マイクロフロー合成法を駆使して0.1秒以内に酸性にスイッチし、望まないNCAの重合反応を抑止することに成功した。しかも酸は外部から添加するのではなく、トリホスゲンと水から生じた塩化水素を利用した。これによりプロセスをシンプルなものにしている。

さらに、酸性条件下で不安定なNCAの合成を可能にするため、反応液を酢酸エチルで瞬間希釈することによりNCAと酸の接触を抑制した。これらの技術により酸性条件で不安定なNCAを合成することに世界で初めて成功した。既にタンパク質構成アミノ酸全20種および酸性条件で不安定な官能基をもつ非天然アミノ酸を原料としたNCAの合成に成功している。

マイクロフロー法を駆使するNCAの効率合成

マイクロフロー法を駆使するNCAの効率合成

研究の背景

アミノ酸N-カルボキシ無水物(NCA)は生体適合性材料、生分解性ポリマー、薬剤キャリアや医薬品として有用なポリペプチドの原料として重要であり、様々なアミノ酸を原料として高純度のNCAを簡便に合成できる手法の開発が求められている。現在、唯一の実践的なNCAの合成法はアミノ酸に対してホスゲンおよびホスゲン等価体を反応させる手法だが、本手法は強酸性条件下で長時間の加熱を要するため、副反応をひきおこす点が問題となっており、酸性条件下で不安定な官能基をもつNCAの合成は困難である。

一方、塩基性条件下でNCAを合成すれば速やかにNCAが得られるが、生じたNCAが塩基性条件下で容易に重合してしまうため、この手法も未報告となっている。このような背景から約100年も前に報告された合成手法が現在も使用され続けている。

研究の経緯

「塩基性条件下だと反応は速いが、目的物が望まない反応を起こしてしまう」―有機合成においてたびたび遭遇するこのような問題の解決が今回の研究の焦点となった。布施准教授らはこの問題をクリアするため「マイクロフローリアクター中で0.1秒以内に塩基性から酸性に瞬間転換する」というアイデアを試みた。 つまり、塩基性条件下で速やかに望む反応を進行させて、0.1秒以内という極めて短時間で酸性にスイッチして目的のNCAを重合させずに得るという方法である。

これを実現するには0.1秒以内という短時間にアミノ酸の水溶液とトリホスゲンの有機溶媒溶液を混合してpHを制御しなくてはならない。しかし通常のフラスコの反応では原理的に数秒以上を混合に要するため、この制御は不可能である。一方で微小な流路を反応場として用いるマイクロフロー法ではこれが実現可能であることに着目した。

今後の展開

マイクロフロー合成法は連続・並列運転により容易にスケールアップが可能であるため、産業への展開も十分期待できる。既に特許を出願しており、今後、産業利用を目指した研究を推進する。NCAは既述の通りポリペプチドの原料として重要であるが、不安定なため、その貯蔵や保管には厳密な温度や湿度の制御が求められ、これがNCAのさらなる用途拡大を阻む要因になっている。

マイクロフロー合成は小スペースでスケールアップが容易であるため、開発した手法により、必要に応じて、使用場所でNCAを合成できるようになると期待される。

用語説明

[用語1] アミノ酸N-カルボキシ無水物(NCA) : アミノ酸がC=Oを介して環状になった分子。NCAに塩基を作用させると環の開裂を伴って重合し、多数のアミノ酸がペプチド結合(アミノ酸同士の結合)により連結したポリペプチドを与える。

[用語2] マイクロフロー合成法 : 微小な流路を反応場とするマイクロフローリアクターを駆使する合成法。旧来のフラスコ等を用いるバッチ合成法と比較して、反応時間(1秒未満も可)、反応温度の厳密な制御が可能である。

[用語3] ホスゲン、トリホスゲン : ホスゲンはCOCl2の分子式をもち、NCAのC=O部分の源となる。ホスゲンは毒性の高い気体であり、取扱いに注意を要するため、本研究では固体で比較的取り扱いやすいトリホスゲンを代替として用いている。分子式は(Cl3CO)2C=Oで表される。

[用語4] 重合 : 小さい分子が互いに多数結合して高分子となること。

論文情報

掲載誌 :
Angewandte Chemie International Edition
論文タイトル :
Rapid and Mild Synthesis of Amino Acid N‐Carboxy Anhydrides: Basic‐to‐Acidic Flash Switching in a Microflow Reactor
所属 :
Yuma Otake1,2, Hiroyuki Nakamura1 and Shinichiro Fuse1,*
著者 :
1Laboratory for Chemistry and Life Science, Institute of Innovative Research, Tokyo Institute of Technology, 4259 Nagatsuta-cho, Midori-ku, Yokohama 226-8503, Japan
2School of Life Science and Technology, Tokyo Institute of Technology 4259 Nagatsuta-cho, Midori-ku, Yokohama 226-8503, Japan.
DOI :
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お問い合わせ先

東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 准教授

布施新一郎

Email : sfuse@res.titech.ac.jp
Tel : 042-924-5279 / Fax : 042-924-5976

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

西武信用金庫と包括的連携・協力協定を締結 地域の活性化と産業の振興を図るため、相互に協力

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東京工業大学は、西武信用金庫と、地域の活性化と産業の振興を図るため相互に協力し、地域社会の発展に寄与することを目的として、包括的連携・協力協定を7月31日に締結しました。

握手を交わす西武信用金庫の落合寛司理事長(左)と本学の益一哉学長(右)

握手を交わす西武信用金庫の落合寛司理事長(左)と本学の益一哉学長(右)

協定締結に至った経緯

本学は、研究戦略企画・実施機能と産学連携機能を強力に束ねて実施するため、2017年に研究・産学連携本部を新たに設置しました。今まで行ってきた知財の権利化、ライセンシングに加え、新産業の創出、地域連携の強化、国際共同研究の推進、イノベーションの促進に貢献するとともに、更なる知財の創出を図っています。

日本国内企業のうち、99.7%を中小企業が占め、その中には優れた技術を持つ企業や、大企業では進出の難しいニッチな市場を開拓する企業も多数存在しています。こうした中小企業にネットワークを持つ西武信用金庫と、世界最先端の技術、研究成果を有する本学が連携・協力していくことは、将来的には国内中小企業と本学との共同研究等を通じて、国内中小企業の更なる活性化、国際競争力の強化に大きく寄与できることが期待されます。

本学の実践する新産業の創出・地域連携の強化と、西武信用金庫の推進する地域中小企業への技術力強化を含めた総合的な課題解決という双方のメリットが合致し、今回の協定締結に至りました。

主な連携内容

本学と、西武信用金庫の取引先となる中小企業との相互協力を軸として、以下の5点を柱に連携を進めていきます。

  • 西武信用金庫の取引先等から依頼があった委託研究や共同研究
  • 西武信用金庫の取引先等から依頼があった商品開発や販売促進に関する相談等
  • 本学と西武信用金庫の取引先等とのニーズマッチング支援
  • 本学および西武信用金庫の関係するベンチャー企業、起業予備軍への支援
  • 本学および西武信用金庫が行うセミナー等のイベントへの相互協力

今回の協定により、西武信用金庫の取引先である、地域の中小企業との連携を促進すると共に、東工大発ベンチャー企業および西武信用金庫の関連するベンチャー企業への相互支援を通じた地域貢献を、本学は積極的に推進していきます。本学内でベンチャー創業を検討している研究者も増えてきており、新規創業支援に関して数々の実績をあげている西武信用金庫との連携・協力によって更なる知財の創出を目指します。

お問い合わせ先

東京工業大学 研究・産学連携本部

E-mail : venture@sangaku.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2445

研究者・留学生向け英文メールニュース 「Tokyo Tech Bulletin No. 49」を配信

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Tokyo Tech Bulletin(トーキョー テック ブリテン)」は、東京工業大学の研究成果やニュース記事、学生の活動などを紹介し国内外へ広く配信する英文メールニュースです。

この度、Tokyo Tech Bulletin No. 49が発行されました。

メールでの配信をご希望の方は申込フォームからご登録ください。

SPECIAL TOPICS

Shinya Koshihara - Shining light to alter materials at the blink of an eye

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For some materials, light can induce a change in state through a process known as photo-induced phase transition. This phenomenon has attracted global attention as a pathway to replacing current electronic devices with ultrafast, low-energy, optical devices.

GSEP vision, TSE aspiration: Going beyond borders - Inspiring Tech students to develop a global perspective

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GSEP, Tokyo Tech's first international Bachelor of Engineering degree program run by Transdisciplinary Science and Engineering (TSE) provides rare opportunities for students to gain valuable hands-on experience in sustainable development and many other issues of global concern. Now, as the program enters its third year, current students of GSEP and TSE, and faculty members provide an inside view of the program and describe the advantages of transdisciplinary learning.

Research

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Each issue of the journal Nature Electronics contains a column called "Reverse Engineering," which examines the development of an electronic device now in widespread use from the viewpoint of the main inventor. So far, it has featured creations such as the DRAM, DVD, CD, and Li-ion rechargeable battery. The July 2018 column tells the story of the IGZO thin film transistor (TFT) through the eyes of Professor Hideo Hosono of Tokyo Tech's Institute of Innovative Research (IIR), who is also director of the Materials Research Center for Element Strategy.

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ELSI's contribution to early Mars research centers on water, and the key and much-debated question of how much of it might have been present and free-flowing on the surface 3 to 4 billion years ago. ELSI of Tokyo Tech, associate principal investigator Tomohiro Usui, an expert in geo and cosmo chemistry, has been working for several years on the question of how much water was present on early Mars.

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A combination of materials that reduces energy loss in organic solar cells has been identified by Tokyo Tech researchers.

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A step towards quantum memory. Ultrashort Light-pulse-induced vibrations of atoms in a lattice, called optical coherent phonons, have been controlled in various materials. However, different experiments demonstrating such control have been explained differently through empirical theories, and a unified theory based on quantum mechanics is lacking. Scientists at Tokyo Tech successfully formulated a unified theory for this phenomenon and experimentally verified it in diamond, the optical phonons of which have great potential for application in quantum information technology.

In the spotlight

Tokyo Tech Bulletinは英語で配信を行っていますが、コンテンツは一部を除いてすべて日英両方で掲載しています。

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : publication@jim.titech.ac.jp

ハンググライダー部が2017年度PGリーグ団体戦年間総合優勝を果たし、優勝旗を授与される

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東工大ハンググライダー部Sylph(以下、シルフ)が、日本学生フライヤー連盟が主催する2017年度パラグライディング学生リーグ(PGリーグ)団体戦において年間総合優勝を果たし、6月下旬に優勝旗が授与されました。

優勝旗を掲げるメンバー(一番右が個人戦でも優勝した畔柳大樹さん)

優勝旗を掲げるメンバー(一番右が個人戦でも優勝した畔柳大樹さん)

PGリーグは、パラグライダーの学生フライヤー同士の交流の輪を広げ、楽しみながら技術を向上させ、パラグライダー界全体の発展・活性化を目的として開催される大会です。

昨年の8月下旬に新潟県で2017尾神岳PG スチューデントカップが、今年の2月下旬から3月初旬に茨城県で第22回全日本PG学生選手権が開催されました。年間団体戦では、上記2大会に参加した各チームにおいて獲得ポイントの上位3選手の得点を合計し、最も高い得点のチームが優勝となります。

シルフは75ポイントを獲得し、団体戦に参加した21校中、2位に35ポイントという大差をつけ団体戦年間ランキング1位を獲得しました。

着陸するパラグライダー

着陸するパラグライダー

パラグライダーは、空気を入れて弧を描くように翼を膨らませた機体を用いて、左右にあるブレークコードという紐を引きながら、体重を曲がりたい方にかけることにより機体をコントロールします。ハンググライダーに比べると滑走性能やスピードなどは少し劣りますが、空を飛ぶ楽しさは同じです。また、山の上から飛ぶために必要な講習期間は、パラグライダーは8日前後、ハンググライダーは20日程度と、ハンググライダーと比べて講習期間が短いのも特徴です。

受賞学生コメント

畔柳大樹さん(工学部 機械知能システム学科 学士課程4年)

私が参加したのは滞空時間を競うデュレーションという種目でした。パラグライダーは動力がないため、見えない上昇気流を捕まえないと8分程度で降りてしまいます。上空の体感温度が氷点下という状況の中、6時間飛び続けるのは身体的に非常に堪えました。でもそれは共に飛び続けようとしたライバルがいたからこそ乗り越えられたと思います(実は、空を飛びながら励ましあっていました)。

個人戦でも団体戦でも優勝し、表彰台に上がった時の喜びは今でもはっきり覚えています。今年度もまた大会に出てさらなる高みを目指していきます。

シルフとは

スカイスポーツのハンググライダー、パラグライダーを主な活動とする東工大の公認サークルです。部員の大多数は大学に入って初めてハンググライダー等に触れる初心者で、現在は、他大の学生を含め30名が所属しています。土日など休日を中心に、茨城県の筑波山の近くにある足尾山をホームエリアとして活動しています。

お問い合わせ先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

太田啓之教授が2018年テリー・ガリアード・メダルを受賞

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生命理工学院 生命理工学系の太田啓之教授が、7月12日、第23回国際植物脂質シンポジウムにおいて2018年テリー・ガリアード・メダルを受賞しました。

受賞者の紹介をするブリティッシュコロンビア大学のリヤカ・クンスト教授

受賞者の紹介をするブリティッシュコロンビア大学のリヤカ・クンスト教授

テリー・ガリアード・メダルは2年に1度、植物脂質の分野における研究および当該コミュニティの発展に国際的に顕著な貢献をした研究者に与えられる賞です。今回の受賞は、太田教授の植物・シアノバクテリアにおける糖脂質合成経路※1とその制御機構、植物・藻類におけるリン欠乏ストレス下の油脂蓄積機構、植物の陸上化の鍵となる車軸藻植物※2のゲノム解読、植物ホルモンのジャスモン酸※3のシグナル伝達機構、植物における遺伝子共発現データベース※4構築に関するこれまでの太田教授の植物脂質研究すべてに対して授与されました。

(左から)リヤカ・クンスト教授、太田教授、埼玉大学の西田生郎教授(第23回国際植物脂質シンポジウム オーガナイザー)
(左から)リヤカ・クンスト教授、
太田教授、埼玉大学の西田生郎教授
(第23回国際植物脂質シンポジウム オーガナイザー)

太田教授の受賞講演
太田教授の受賞講演

太田教授からのコメント

テリー・ガリアード・メダルは、1974年の創設以来40年以上の長い歴史を持つ国際植物脂質シンポジウムで植物脂質科学研究者に与えられる最も名誉ある賞で、この会の創設者であるテリー・ガリアード氏が亡くなられた翌年の1994年に設けられました。それ以来、過去12人の受賞者がおられますが、日本人としては第1回の受賞者である基礎生物学研究所の村田紀夫名誉教授以来、24年ぶり2人目の受賞になります。今回の受賞は、この東工大で最初の指導学生として一緒に研究を立ち上げ、また現在の同僚でもある下嶋美恵准教授をはじめとする多くの卒業生や同僚と一緒に27年間行ってきた成果が認められたものです。特に私は、この東工大で、多くの才能ある東工大生の皆さんと一緒にこのように国際的に高く評価される一連の研究を行うことができたことを、何よりも嬉しく、また誇りに思います。

※1 糖脂質合成経路 : 植物の光合成を担う葉緑体は、光合成をおこなう重要な場であるチラコイド膜と呼ばれる葉緑体内部の膜の大半が糖脂質で作られており、その組成は、葉緑体の起源と言われるシアノバクテリアと極めてよく似ている。特にその主要成分のモノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)は葉緑体の膜脂質のうち50%近くを占めており、植物のバイオマスの大きさから、地球上で最も大量に存在する極性脂質と言われている。1997年太田教授は、当時東工大生であった下嶋准教授らとともにこのMGDGを合成する酵素遺伝子を世界に先駆けて発見し、それ以来、その植物における機能や生合成の仕組みを明らかにしてきた。

※2 車軸藻植物 : 現在の陸上植物が、緑藻のような単細胞性の水生の藻類からどのように進化して陸上の激しい環境に適応できるようになったかを明らかにすることは、植物の進化の解明のみならず、動物の陸上進出の過程を考える上でも重要な課題である。車軸藻植物は緑藻とコケなどの基部陸上植物の中間に位置しており、現在植物の陸上進出研究のモデルとして世界中で注目されている。太田教授は国内の多くの研究者との共同研究を主導し、車軸藻の中でも最も原始的な仲間であるクレブソルミディウムに着目して、車軸藻ゲノムを世界に先駆けて解読し、ゲノム情報からその原始的な細胞表層脂質やホルモンの情報伝達の存在を明らかにした。

※3 ジャスモン酸 : 植物の葉緑体に存在する膜脂質中の脂肪酸から合成される脂肪酸由来の植物ホルモン。太田教授らは、ジャスモン酸でその発現が誘導される遺伝子群を網羅的に見出し、それらの機能の一端を解明するとともにジャスモン酸の前駆体である12-オキソフィトジエン酸がジャスモン酸と異なる機能を持つことも証明した。

※4 遺伝子共発現データベース : 生物のゲノム情報や発現情報を閲覧できるデータベースは一次データベースとして広く活用されている。一方、太田教授と現在東北大学の大林武准教授らは、大林准教授の東工大在学時に個々の遺伝子の発現の協調性を遺伝子の網羅的な発現情報をもとにその相関係数を指標として表し、初めて網羅的にデータベース化した。このようなデータベースは共発現データベースと呼ばれ、未知の遺伝子の機能解析や特定の代謝経路に関わる遺伝子の同定などに広く用いられている。現在世界中で様々な共発現データベースが作成され利用されている。

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高出力な全固体電池で超高速充放電を実現 全固体電池の実用化に向けて大きな一歩

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要点

  • 5 V程度の高電圧を発生する全固体電池で極めて低い界面抵抗を実現
  • 14 mA/cm2の高い電流密度での超高速充放電が可能に
  • 界面形成直後に固体電解質から電極へのリチウムイオンが自発的に移動

概要

東京工業大学の一杉太郎教授らは、東北大学の河底秀幸助教、日本工業大学の白木將教授と共同で、高出力型全固体電池で極めて低い界面抵抗を実現し、超高速充放電の実証に成功しました。

全固体電池の開発は、世界中で競争となっています。特に、通常のリチウムイオン電池より高い電圧を発生する高出力型全固体電池が注目されています。この実用化のために解決すべき課題の1つが、高電圧を発生する電極と固体電解質が形成する界面でのリチウムイオンの抵抗低減です。しかし、界面抵抗低減についての明確な方策はなく、実現性は不明でした。

本研究では、薄膜作製技術と超高真空プロセスを工夫して、高電圧を発生する電極材料Li(Ni0.5Mn1.5)O4を用いて、固体電解質と電極との良好な界面を作製しました。その結果、極めて低い界面抵抗を実現できました。さらに、その界面は大きな電流を流しても安定で超高速充電が可能であることを実証しました。

この成果は、高出力型全固体電池の実用化に向けて重要な一歩となるのみならず、固体電解質と電極の界面におけるイオン輸送の学理構築にもつながります。

本研究成果は8月1日(米国時間)に米国化学会誌「ACS Applied Materials and Interfaces」オンライン版に掲載されました。

背景

固体の電解質を用いる全固体電池は、高いエネルギー密度[用語1]と安全性を兼ね備えた究極の電池として、早期の実用化が期待されています。特に、現在広く利用されている4 V程度の発生電圧のLiCoO2系電極材料でなく、5 V程度のより高い電圧を発生する電極材料Li(Ni0.5Mn1.5)O4を用いた高出力型全固体電池が注目されており、研究が活発化しています。

しかし、Li(Ni0.5Mn1.5)O4を用いた高出力型全固体電池は、固体電解質と電極が形成する界面における抵抗(界面抵抗)が高く、リチウムイオンの移動が制限されてしまうため、高速での充放電が困難でした。高速充放電が実現すれば、携帯電話やパソコンが数分で充電完了することも夢ではありません。そこで、高出力型全固体電池における界面抵抗の低減、さらには高速充放電の実証は、喫緊の課題でした。

研究の成果

本研究グループでは、薄膜作製技術と超高真空プロセスを活用し、Li(Ni0.5Mn1.5)O4エピタキシャル薄膜[用語2]を用いた理想的な全固体電池を作製しました(図1)。そして固体電解質と電極の界面におけるイオン伝導性を評価した結果、界面抵抗が7.6 Ωcm2という極めて低い値となることを見出しました(図2)。これは、従来の全固体電池での報告より2桁程度低く、液体電解質を用いた場合と比較しても1桁程度低い値です。さらに、活性化エネルギーを見積もったところ、超イオン伝導体[用語3]と同程度の低い値(0.3 eV程度)を示すことがわかりました。

本研究で作製した全固体電池の概略図(左)と写真(右)

図1. 本研究で作製した全固体電池の概略図(左)と写真(右)

全固体電池の界面抵抗の測定結果(交流インピーダンス測定)。x軸が実部、y軸が虚部に対応する。赤の円弧の大きさから、界面抵抗の値を7.6 Ωcm2と見積もることができる
図2.
本全固体電池の界面抵抗の測定結果(交流インピーダンス測定)。x軸が実部、y軸が虚部に対応する。赤の円弧の大きさから、界面抵抗の値を7.6 Ωcm2と見積もることができる

このような低抵抗界面の安定性を探るため、大電流で充放電試験を行い、14 mA/cm2という大電流でも安定して高速充放電することに成功しました。100回の超高速充放電では、電池容量の変化は全く見られず、リチウムイオンの高速な移動に対して、固体電解質と電極の界面が安定であることを実証しました。(図3)

また、全固体電池の構造解析を行った結果、固体電解質と電極の界面を形成した直後に、固体電解質から電極へ、リチウムイオンが自発的に移動することも明らかになりました。

全固体電池の超高速充放電試験の結果

図3. 全固体電池の超高速充放電試験の結果

今後の展開

今回の成果により、従来の4 V程度の発生電圧から5 Vへ、全固体電池を高出力化する道筋が見えてきました。極めて低い界面抵抗を得ることができ、さらに、超高速充放電が実現しました。

高出力型全固体電池における界面抵抗の低減や高速充放電の実証は、全固体リチウム電池の実用化の鍵であり、実用化を目指す上で、大きな一歩です。

また、今回見出した固体電解質と電極の界面におけるリチウムイオンの自発的な移動は、界面近傍でのイオン輸送についての学理を構築する上でも意義深いものです。今後、詳細な界面構造の解析により、さらなる電池特性の向上につながる界面設計指針の構築が期待されます。

なお本研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)リチウムイオン電池応用・実用化先端技術開発事業、トヨタ自動車株式会社、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(CREST)「超空間制御に基づく高度な特性を有する革新的機能素材等の創製」の支援を受けて行われました。

用語説明

[用語1] エネルギー密度 : 電池から取り出すことのできるエネルギー量の値。単位体積や単位質量などで規格化される。

[用語2] エピタキシャル薄膜 : 基板となる結晶の上に成長させた薄膜で、下地の基板と薄膜の結晶方位が揃っているもの。良好な界面の作製によく用いられる。

[用語3] 超イオン伝導体 : 液体電解質と同等のイオン伝導度を有する固体電解質。リチウムイオンの場合、1 mScm-1程度の値が最高のイオン伝導率とされている。

論文情報

掲載誌 :
ACS Applied Materials and Interfaces
論文タイトル :
Extremely low resistance of Li3PO4 electrolyte/Li(Ni0.5Mn1.5)O4 electrode interfaces
著者 :
Hideyuki Kawasoko, Susumu Shiraki, Toru Suzuki, Ryota Shimizu, and Taro Hitosugi
DOI :
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お問い合わせ先

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系
教授 一杉太郎

E-mail : hitosugi.t.aa@m.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2636

東北大学大学院 理学研究科 化学専攻
助教 河底秀幸

E-mail : hideyuki.kawasoko.b7@tohoku.ac.jp
Tel : 022-795-7727

日本工業大学 基幹工学部 応用化学科
教授 白木將

E-mail : shiraki.susumu@nit.ac.jp
Tel : 0480-33-7741

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

東北大学大学院 理学研究科・理学部
広報・アウトリーチ支援室

Email : sci-pr@mail.sci.tohoku.ac.jp
Tel : 022-795-5572、6708 / Fax : 022-795-5831

日本工業大学 教育研究推進室

Email : kyoken@nit.ac.jp
Tel : 0480-33-7712 / Fax : 0480-33-7713

東京工業大学 環境・社会理工学院 2018年度 高次システム化対応教育プログラム「建築・土木産業に関わるビジネスの技術経営(MOT)講座」のご案内

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2018年度 高次システム化対応教育プログラム「建築・土木関連ビジネスの技術経営(MOT)講座」の受講生募集プログラム説明・講演会(参加無料)を開催します。

日時

下記のとおり同じ内容で2回開催します。

  • 第1回:2018年8月21日(火) 19:00 - 20:00
  • 第2回:2018年9月13日(木) 19:00 - 20:00
場所
内容

講座プログラム説明(募集要項、カリキュラムなど)に加えて、次の講演会を行います。

  • 講演テーマ:「産業の高次システム化とイノベーション」
  • 講師:東工大 教授 藤村修三
申込方法

参加申し込みはメールで受付けします。「参加日」「氏名」「所属先」を記載のうえ、下記の事務局までお送りください。

※教育プログラムに参加するしないに関わらず、どなたでも聴講できます。

問い合わせ・参加申し込み先
東京工業大学 環境・社会理工学院 イノベーション科学系
高次システム化対応教育プログラム事務局 (藤村研究室)
E-mail : sle-info@mot.titech.ac.jp

昨年度の様子

昨年度の様子

昨年度の様子

コースの詳細については、以下の関連ページをご参照ください。

お問い合わせ先

東京工業大学 環境・社会理工学院 イノベーション科学系

高次システム化対応教育プログラム事務局 (藤村研究室)

E-mail : sle-info@mot.titech.ac.jp


第24回スーパーコンピューティングコンテスト 高校生・高専生の熱き知的な戦い「夏の電脳甲子園」

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スーパーコンピューティングコンテスト(以下、スーパーコン)は、スパコン上で行う高校生・高専生対象のプログラミングコンテストです。

予選を通過した高校生・高専生の22チームがスパコンを使い、難しい出題に対し、試行錯誤しながら4日間かけてプログラムを作成し、その性能を競います。

1995年より毎年夏に行われ、「夏の電脳甲子園」という名で、プログラミングが大好きな若者をひきつけてきました。このコンテストから毎年、様々なドラマが生まれています。

今年の問題は、量子コンピューティングがテーマです。

スーパーコンピューティングコンテスト

  • 予選を通過した強豪22チームが東工大と阪大に集結、本選 (8月20日~24日)に挑む
  • 東京工業大学のスーパーコンピュータTSUBAME3.0を使用
  • 成果発表会・表彰式を8月24日に東工大・阪大で同時開催

最終日の成果発表会・表彰式では、その奮闘の様子を紹介いたします。成果発表会・表彰式にお越しいただき、若者たちの熱い戦いをご覧ください。

本選

日時
2018年8月20日(月) - 24日(金)
場所
東京工業大学 大岡山キャンパス 学術国際情報センター
大阪大学 豊中キャンパス サイバーメディアセンターouter
本選会場に入室できるのは参加者及び大会関係者のみとなります。

成果発表会・表彰式

日時
2018年8月24日(金) 10:00 - 12:00
場所

お問い合わせ先

スーパーコン18実施委員会(東京工業大学学術国際情報センター、大阪大学サイバーメディアセンター)

E-mail : sc18query@gsic.titech.ac.jp

ニュースレター「AES News」No.14 2018夏号発行

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科学技術創成研究院 先進エネルギー国際研究(AES)センターouterは、「AES News」No.14 2018夏号を発行しました。

AESセンターは、従来の大学研究の枠組みを越えて、企業・行政・市民などが対等な立場で参加する「オープンイノベーション」プラットフォームを推進しています。ここでは、低炭素社会実現のための研究プロジェクトを創生し、社会実装することをその大きな目的の一つとしています。

季刊誌「AES News」は、本センターの活動をより多くの方々にご理解いただき、また、会員および本学教職員の連携を深めるため、年4回発行しています。

ニュースレター「AES News」第14号 2018夏号

第14号 2018夏号

  • 東京工業大学先進エネルギー国際研究センター 小鑓隆史特任教授(参議院議員)
    巻頭言「再生可能エネルギーを我が国における主力電源に」
  • 福島県企画調整部 林千鶴雄福島イノベーション・コースト構想推進監(兼)政策監
    特別寄稿「福島からの報告 ~第8回地域プロジェクト推進会議(福島)開催に寄せて~」
  • 研究推進委員会、イブニングセミナ-などの開催報告
  • 2018年度の活動予定

ニュースレターの入手方法

PDF版

資料ダウンロード|先進エネルギー国際研究センター(AESセンター)outer

バックナンバーもリンク先よりご覧いただけます。
冊子版
  • 大岡山キャンパス:東工大百年記念館1階 広報棚
  • すずかけ台キャンパス:すずかけ台大学会館1階 広報コーナー

お問い合わせ先

科学技術創成研究院 先進エネルギー国際研究センター

Email : aescenter@ssr.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3429

8月9日(木)期末試験・補講等について(通常通り実施)

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8月9日(木)の期末試験・補講等の取り扱いについて下記のとおり連絡します。

学生及び教員の皆様

8月9日(木)の期末試験・補講等について

8月9日(木)の期末試験・補講等は通常通り実施します。

学士課程の期末試験は、電車が遅延した場合に追試の申請ができます。手続は以下を確認してください。

イベント等で東工大へお越しの皆様

学内で開催予定のイベントの実施につきましては、各イベント主催者へお問い合わせください。

ポリマー化技術により肝臓がん幹細胞の標的化を実現

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要点

  • 新しいドラッグ・デリバリー・システムを構築し、がん幹細胞の特性に照準を合わせた創薬を実現した。
  • 本ドラッグ・デリバリー・システムと既存の抗がん剤を組み合わせることにより、抗腫瘍効果が増強した。
  • 動物実験で効果と安全性を確認することで、将来的に臨床応用が期待される。

概要

大阪大学 大学院医学系研究科の俊山礼志 大学院生(卒業生)、今野雅允 寄附講座講師(先進癌薬物療法開発学寄附講座)、石井秀始 特任教授(常勤)(疾患データサイエンス学共同研究講座)、江口英利 准教授、森正樹 教授(消化器外科学Ⅰ)、土岐祐一郎 教授 (消化器外科学II)らの研究グループは、東京工業大学の西山伸宏教授らとの協働した研究により、PEG-ポリアミノ酸ブロックコポリマー[用語1]ウベニメクス[用語2]を用いたドラッグ・デリバリー・システム(DDS)[用語3]を構築しました。このDDSを用いることによって、がん幹細胞[用語4]におけるウベニメクスの濃度を局所的に高めることができるようになりました。さらに、標準的な抗がん剤と併用させることで、がん幹細胞を著しく減少させることに成功しました(図1)。

これまで、研究グループは、肝臓がん幹細胞の表面マーカーとしてCD13を同定しました。CD13の阻害剤であるウベニメクスを添加すると、がん細胞が細胞死を起こすことが明らかとなっていましたが、固形がんではウベニメクスの局所濃度を高めることができなかったために、腫瘍組織の中の一部にしか存在しないがん幹細胞を標的化することは困難とされてきました。

今回、ブロックコポリマーのポリアミノ酸側鎖にウベニメクスを結合したDDSを用いることにより、進行期肝臓がんの幹細胞においてウベニメクス濃度を局所的に高めることができ、肝臓がん腫瘍を減少させることができました。この技術を応用することで、抗がん治療の効果が高まることが期待されます。

本研究成果は、英国科学誌「Oncogene」に8月8日(水)午後9時(日本時間)に公開されました。

本研究で構築したドラッグ・デリバリー・システム(DDS)の概要

図1. 本研究で構築したドラッグ・デリバリー・システム(DDS)の概要

本研究では、ブロックコポリマーにウベニメクスを結合したDDSを構築した。このDDSに搭載されているウベニメクスが、肝臓がん幹細胞表面マーカーCD13を認識する。ウベニメクスはCD13の阻害剤であるため、がん幹細胞で局所的に濃度を高めることによりがん幹細胞を死滅させることに成功した。また、本DDSと標準的な化学療法を組み合わせることで、相乗効果を示し、がん幹細胞を著しく減少させることができた。

研究の背景

がん組織の細胞には、大きく分けて二つの細胞(がん細胞とがん幹細胞)があります。がん幹細胞はがんの悪性化や転移に関わることから、がんを治すためにはがん幹細胞を根絶させることが重要です。しかし、がん幹細胞は、薬物療法や放射線療法へ治療抵抗性を示し、これががん難治性の原因であることが知られていました。

研究グループはこれまでに、肝臓がん幹細胞にCD13という表面マーカーが存在することを発見しました。この肝臓がん幹細胞にCD13の阻害剤であるウベニメクスを添加すると、がん幹細胞がアポトーシス(細胞死)を起こし、死滅します。しかしながら、がん幹細胞は腫瘍組織の一部にしか存在しないために、ピンポイントで高濃度に標的化できるデリバリーの方法の開発が急務とされてきました。

本研究の成果

研究グループは、まず、高濃度のウベニメクスを運ぶDDSの開発を行いました。ポリエチレングリコールとポリリジンを組み合わせたブロックコポリマーに、ウベニメクス20分子を結合したDDSを新規に構築しました。この手法で、腹腔投与及び静脈注射にてマウスにウベニメクスを投与したところ、肝臓がんの体積が著しく減少することが明らかとなりました(図2)。これは、ピンポイントでウベニメクスを高濃度でがん幹細胞に運ぶことが可能となったことを示しています。

次に、ウベニクスを搭載したDDSと既存の抗がん剤(アントラサイクリン系、シスプラ系、フッ化ピリミジン系)を併せてマウスに投与したところ、相乗効果を示してがん幹細胞に細胞死を誘導できることを明らかにしました。

抗腫瘍効果の比較

図2. 抗腫瘍効果の比較

コントロール(生理食塩水)、ブロックコポリマーのみ、ブロックコポリマーとウベルメクチンをそれぞれ肝臓がんのマウスに投与した。投与後の経過日数とがん組織の体積を測定したところ、ブロックコポリマーとウベルメクチンを投与したマウスでは肝臓がん細胞が著しく減少した。

研究成果の意義

本研究成果により、がん幹細胞に対する薬効が示されていながらデリバリーに課題があった薬剤のリポジショニングが加速化することが期待されます。またDDSの技術として、本研究で用いたブロックコポリマーはその製造が比較的簡便でありながら高度な機能を発揮できるDDSであるので、他の薬剤への発展的な応用も期待されます。

用語説明

[用語1] ブロックコポリマー : 二種以上の単量体から構成される重合体のこと。本研究では、ポリエチレングリコールとポリリジンを組み合わせたブロックコポリマーを使用している。

[用語2] ウベニメクス : がん幹細胞の表面マーカーであるCD13の阻害剤。これまで、白血病の治療薬として用いられてきた。

[用語3] ドラッグ・デリバリー・システム(DDS) : 薬剤を局所に運搬する技術。全身投与では投与量が多くなるので副作用が出てしまう薬剤などで有効である。

[用語4] がん幹細胞 : 造血器腫瘍、固形がんではその腫瘍の一部にがん幹細胞が存在して、治療抵抗性の原因となっている。このがん幹細胞を如何に効果的にターゲットするかが創薬での鍵を握っている。

論文情報

掲載誌 :
Oncogene
論文タイトル :
“Poly(ethylene glycol)–poly(lysine) block copolymer–ubenimex conjugate targets aminopeptidase N and exerts an antitumor effect in hepatocellular carcinoma stem cells”
著者 :
Reishi Toshiyama1,2,3,#, Masamitsu Konno2,#, Hidetoshi Eguchi1, Hiroyasu Takemoto4, Takehiro Noda1, Ayumu Asai2,3, Jun Koseki3, Naotsugu Haraguchi1, Yuji Ueda1,2,3, Katsunori Matsushita1,2,3, Kei Asukai1,2,3, Tomofumi Ohashi1,2,3, Yoshifumi Iwagami1, Daisaku Yamada1, Daisuke Sakai2, Tadafumi Asaoka1, Toshihiro Kudo2, Koichi Kawamoto1,2, Kunihito Gotoh1, Shogo Kobayashi1, Taroh Satoh2, Yuichiro Doki1, Nobuhiro Nishiyama4, Masaki Mori1,%, Hideshi Ishii3,% (#同等貢献、%責任著者)
所属 :
1大阪大学 大学院医学系研究科 消化器外科学
2大阪大学 大学院医学系研究科 先進癌薬物療法開発学
3大阪大学 大学院医学系研究科 疾患データサイエンス学
4東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所
DOI :

お問い合わせ先

大阪大学 大学院医学系研究科

疾患データサイエンス学 特任教授(常勤)

石井 秀始(いしい ひでし)

E-mail : hishii@gesurg.med.osaka-u.ac.jp

先進癌薬物療法開発学 寄附講座講師

今野 雅允(こんの まさみつ)

E-mail : mkonno@cfs.med.osaka-u.ac.jp
Tel : 06-6210-8406 / Fax : 06-6210-8407

取材申し込み先

大阪大学 大学院医学系研究科 広報室

E-mail : medpr@office.med.osaka-u.ac.jp
Tel : 06-6879-3388 / Fax : 06-6879-3399

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

「東工大ホームカミングデイ2018」開催報告

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正門の立看板
正門の立看板

7回目となる「東工大ホームカミングデイ2018」(以下ホームカミングデイ)が、本学と本学同窓会組織である一般社団法人蔵前工業会との共催で、5月26日に大岡山キャンパスで開催されました。ホームカミングデイは、同窓生の親睦・交流や同窓会主催の講演会に加え、施設の見学会、小・中・高校生向けの理科実験教室といったオープンキャンパスのような企画や、公認サークル有志による実演などさまざまなプログラムがあります。今年の目玉企画は、2016年ノーベル賞受賞者である大隅良典栄誉教授の特別講演会でした。約1,500名と多くの方々が来場した今回の企画、特別講演会、全体交流会について紹介します。

午前10時に開場し、工大祭実行委員会と事務局が作製した二つの立看板が参加者を出迎えました。参加者は総合受付のテントでパンフレットを受け取り、全体交流会に申し込みました。

学科等同窓会

多くの学科等同窓会が総会や講演会等を行い、サークルのOB・OG会も現役との交流戦や幹事会等を開催しました。

白星会講演会
白星会講演会

サッカー部同窓会交流試合
サッカー部同窓会交流試合

サークル企画

ジャグリングサークルの「ジャグてっく」や東工大マジックサークルによる実演、東工大心身統一合氣道部による演武会、ものつくりサークル合同での活動紹介、アカペラサークル「あじわい」、シュヴァルベンコールOB会、ロス・ガラチェロスなどによるコンサートも行われました。

学内施設見学会

スーパーコンピュータTSUBAMEでは紹介ビデオの上映と併せて約40分間のツアーが行われました。図書館では地下1階の図書館エリアと2階の学内者専用エリアで約20分の見学ツアーが行われました。図書館のあちらこちらに隠された理系難問クイズを解きながら脱出成功を目指す「図書館脱出ゲーム」も行われました。

スーパーコンピュータTSUBAME見学
スーパーコンピュータTSUBAME見学

図書館脱出ゲーム
図書館脱出ゲーム

実験教室

未来の東工大生となるかもしれない小中学生を対象に、東工大OB・OGが組織する「蔵前理科教室ふしぎ不思議」(くらりか)による偏光板万華鏡と活性炭電池などの実験教室が行われました。また東工大ScienceTechno(サイエンステクノ)のサイテクサイエンスフェスタでは、工作を作って遊んで、実験を見て体験する催しも行われました。

東工大に関心のある高校生向けの魔法教室では、「ゆっくり地震:うさぎとかめ」と題する講演や、物理実験の体験などもありました。

2016年4月からスタートした学院、リベラルアーツ研究教育院、科学技術創成研究院の紹介も、70周年記念講堂ロビーにおいてパネル展示として行われました。

蔵前理科教室
蔵前理科教室

魔法教室
魔法教室

学長主催昼食会

学科等同窓会代表、蔵前工業会役員、公認サークルOB・OG会代表を招き、益一哉学長主催の昼食会を行いました。

昼食会

昼食会

大隅良典栄誉教授 特別講演会、大隅良典記念奨学金授与式

大隅栄誉教授の特別講演会が70周年記念講堂で開かれ、約600名が参加しました。講堂ロビーには、ノーベル財団が複製した公式レプリカと、受賞の対象であるオートファジー研究を紹介するパネルの展示が行われました。

講演会に先立ち、大隅良典記念奨学金の授与式がありました。大隅栄誉教授からの寄附を原資として東京工業大学基金の中に設置された大隅良典記念基金による奨学金で、今年度から開始されたものです。今年度は5名の東工大生に対して、益一哉学長から奨学生証が授与されました。

その後、大隅栄誉教授から「40年の研究生活を振り返って」という題目で、オートファジーの全容を明らかにしていった経緯や、研究への想いなどについて特別講演がありました。講演後には、魔法教室にも参加した高校生からは専門的な質問もありました。

大隅良典記念奨学金授与式
大隅良典記念奨学金授与式

大隅良典栄誉教授特別講演会
大隅良典栄誉教授特別講演会

全体交流会

全体交流会は、各イベント終了後に東工大蔵前会館で行われ、約500名が参加しました。講演会を終えたばかりの大隅栄誉教授も出席しました。くらまえホールで行われた益学長と蔵前工業会の石田義雄理事長の挨拶、伊賀健一元学長の乾杯の発声などは、昨年度に続きロイアルブルーホールでも音声・画像を見ることができました。シュヴァルベンコールOB会合唱では、益学長・伊賀元学長も交えて大学歌斉唱が行われました。最後に佐藤勲総括理事・副学長が挨拶し閉会となりました。

益学長の挨拶
益学長の挨拶

石田理事長の挨拶
石田理事長の挨拶

伊賀元学長の乾杯の音頭
伊賀元学長の乾杯の音頭

司会の富塚ゆみ子氏
司会の富塚ゆみ子氏

全体交流会の模様

全体交流会の模様

来年のホームカミングデイは2019年5月25日(土)です。再び皆様にお会いできることを楽しみにしております。

お問い合わせ先

東工大ホームカミングデイ事務局

E-mail : hcd@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2414

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