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Channel: 更新情報 --- 東工大ニュース | 東京工業大学
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「環境報告書2018」を発行

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環境報告書2018

2017年度における本学の研究・教育活動に伴う環境負荷低減への取り組みや環境保全活動を「環境報告書2018」にまとめました。

環境報告書は、企業などの事業者が経営責任者の緒言、環境保全に関する方針・目標・計画、環境マネジメントに関する状況、環境負荷の低減に向けた取り組みの状況等について取りまとめ、名称や報告を発信する媒体を問わず、定期的に公表するものです。

2004年に環境報告書の普及活動、信頼性向上のための制度的枠組みを整備し、環境報告書を社会全体として積極的に活用していくために「環境配慮促進法」が制定され、独立行政法人や国立大学法人等の特定事業者は、毎事業年度の報告書の作成と公表が義務づけられています。本学では2005年度よりウェブサイトおよび印刷物で公表しています。

「環境報告書2018」は、キャンパスマネジメント本部 総合安全管理部門ウェブサイトouter等でご覧いただけます。

お問い合わせ先

総合安全管理部門 環境報告書作成事務局

E-mail : kankyouhoukoku@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3407

9月21日16:00 環境報告書の目次を削除しました。

「イノベーション・ジャパン2018」大学組織展示 出展報告

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東京工業大学は8月30日、31日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた「イノベーション・ジャパン2018~大学見本市&ビジネスマッチング~」の「大学組織展示」に出展しました。大学組織展示は、大学と産業界との間で新たなパートナーシップを創造することを目的に、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が主催する「大学見本市ゾーン」で開催され、58大学が出展しました。

本学ブースでは、「安全・安心~世界一の大型動的加力装置による建設物の安全・安心の実現~」をテーマに、科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の笠井和彦特任教授の研究内容を展示しました。高層建築等の大型建設物の部材を実物大で評価する世界最大の加力装置の構想を「実物大の免震ゴム模型」「免震・制振ダンパー」「提案加力装置の縮小模型」を用いて研究室による個別説明により紹介しました。

さらに、構想の必要性や加力装置のスケール感等を、VR動画を用いて説明しました。VR動画ではさまざまな部材(たとえば鉄筋コンクリートや鉄骨、免震ゴムや制振装置等)を実際に破壊する様子を再現して示すことで、普段想像することの少ない破壊現象に対して、来場者はリアリティをもって実感することができました。

実物大の免震ゴム模型(下)、免震・制振ダンパー(左)、提案加力装置の縮小模型(右)
実物大の免震ゴム模型(下)、免震・制振ダンパー(左)、
提案加力装置の縮小模型(右)

東京工業大学のブースで、VR体験を行う来場者
東京工業大学のブースで、VR体験を行う来場者

2日間で合計300名を超える来場者が本学ブースに参加し、本学の構想の意義を多くの方々に理解していただくことができました。

本学は、安全・安心な社会を目指して構想の実現に邁進していきます。

お問い合わせ先

研究・産学連携本部 産学連携部門

E-mail : sangaku@sangaku.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2445

多元合金ナノ粒子の新たな合成手法を開発 不可能だった5種類を超える元素のハイブリッド化を実現

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要点

  • 5種類以上の金属を含んだナノ粒子を合成する手法を開発
  • 多様な金属元素の種類や比率などを制御
  • 新しい物質群の発見や次世代機能性材料の創出に期待

概要

東京工業大学 科学技術創成研究院の塚本孝政特任助教、山元公寿教授、神戸徹也助教、今岡享稔准教授、および理化学研究所の中尾愛子専任研究員らの研究グループは、極微小なナノ粒子中に多種の金属元素をさまざまな比率・組み合わせで配合できる「アトムハイブリッド法[用語1]」を開発し、これを利用した5種類あるいは6種類の金属を配合した多元合金ナノ粒子[用語2]の合成に初めて成功した。

従来の手法では、多元合金ナノ粒子の合成に困難があり、均一な合金化は最大でも3種類までしか達成されていなかった。「アトムハイブリッド法」により合成される物質は、多様な金属元素種に加え、ナノ粒子のサイズと混合比率も考慮すれば非常に多くの組み合わせが考えられ、新しい物質群の創成や新しい分野の開拓につながる。またこの手法を利用することで、将来的には今まで発見されてこなかった新たな機能材料の創出が期待できる。

この研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)「山元アトムハイブリッドプロジェクト(山元公寿 研究総括)」で実施された。

2018年9月24日発行の英科学雑誌Nature Publishing Groupの「Nature Communications」オンライン版に掲載された。

背景と経緯

多種類の金属元素を混ぜ合わせた多元合金ナノ粒子は、その多様な機能性から研究が盛んに行われている。さまざまな金属元素を自在に混ぜ合わせることができれば、高機能材料の開発や新物質の発見につながる。しかし、混合する金属の種類が多いと、ナノ粒子中で異なる金属同士が分離してしまうため、これまで最大でも3種類の金属までしか均一に混合できていなかった。

通常のナノ粒子よりもさらに小さな、粒径1ナノメートル(nm)に達する極微小粒子においては金属同士の分離が起こらず、3種類を超える合金化が可能と考えられている。しかしながら、従来の手法では、1ナノメートルの極微小領域で粒子のサイズや混合比率を精密に制御して合金ナノ粒子を合成する技術は確立されていなかった。

研究成果

研究グループは今回、粒径1ナノメートル程度の極微小なナノ粒子に、5種類以上の金属をさまざまな比率や組み合わせで自在に合金化できる「アトムハイブリッド法」を開発した。この手法は、樹状型の規則構造を持つデンドリマー[用語3]を鋳型として利用するもので、デンドリマー構造中に多種多様な金属イオンを取り込み、その金属イオンを化学的に還元することで多元合金ナノ粒子を合成する。今回、5種類および6種類の金属を配合した合金ナノ粒子の合成に初めて成功した。「アトムハイブリッド法」を適用することで、粒子のサイズや合金の混合比率を精密に制御して合金ナノ粒子を合成することができる(図1)。一方で、デンドリマーを用いない一般的な手法では、粒子サイズや混合比率を制御することが困難で、金属同士が混ざらずに分離してしまう現象が見られた(図2)。

新たに開発されたアトムハイブリッド法。1ナノメートル程度のナノ粒子の中に、5種類の金属元素が混合していることが分かる。
図1.
新たに開発されたアトムハイブリッド法。1ナノメートル程度のナノ粒子の中に、5種類の金属元素が混合していることが分かる。
鋳型であるデンドリマーを用いない一般的な合金ナノ粒子の合成法の場合。10ナノメートルを超えるサイズに粒子が肥大化し、粒子内では金属同士が分離していることが分かる。
図2.
鋳型であるデンドリマーを用いない一般的な合金ナノ粒子の合成法の場合。10ナノメートルを超えるサイズに粒子が肥大化し、粒子内では金属同士が分離していることが分かる。

今後の展開

本研究で開発した「アトムハイブリッド法」により、これまで困難とされてきたサイズと比率を制御した多元合金ナノ粒子の合成に成功した。この手法を使うと通常では混ざらない金属元素を混ぜることもできる。

現在、周期表に並ぶ元素は118種。粒子中の元素の組み合わせや比率も考慮すれば無限大の組み合わせが存在する。この手法により、今まで検討されてこなかった未知の物質群の発見・新分野の開拓が実現する。また、将来的には、この未知の物質群の中から新たな機能材料の創出が期待できる。

用語説明

[用語1] アトムハイブリッド法 : デンドリマー[用語3]をナノサイズの鋳型として利用し、1ナノメートル程度の多元合金ナノ粒子を合成する手法。デンドリマーの構造中には多種多様な金属イオンを、さまざまな組み合わせで取り込ませることができる。この取り込んだ金属イオンを化学的に還元することで目的の多元合金ナノ粒子[用語2]を得る。

[用語2] 多元合金ナノ粒子 : 多種の金属元素が混合した金属ナノ粒子で、触媒をはじめとした特異な機能を有している。従来は最大でも3種類の金属までしか均一に混合できず、また、粒子のサイズ・合金の混合比率を制御することも困難であった。今回、5種類の金属(ガリウム・インジウム・金・ビスマス・スズの混合や、鉄・パラジウム・ロジウム・アンチモン・銅の混合)や6種類の金属(ガリウム・インジウム・金・ビスマス・スズ・白金の混合)を、1ナノメートル程度の粒子中に、比率を精密に制御して混合することに成功した。

[用語3] デンドリマー : コアと呼ばれる中心構造と、デンドロンと呼ばれるコアから樹状に延びる側鎖構造から構成される特殊な高分子。本研究では、金属イオンを取り込むことが可能なイミンと呼ばれるユニットを、コアとデンドロンの構造中に多数組み込んだ、独自設計のデンドリマーを採用している。今回、最大で8種類の金属イオン(鉄・ガリウム・インジウム・金・アンチモン・ビスマス・スズ・白金)を同時に取り込むことに成功した。

論文情報

掲載誌 :
Nature Communications(ネイチャー・コミュニケーションズ)
論文タイトル :
"Atom-hybridization for synthesis of polymetallic clusters"
(多元合金クラスターの合成を可能とするアトムハイブリッド法)
著者 :
Takamasa Tsukamoto, Tetsuya Kambe, Aiko Nakao, Takane Imaoka, Kimihisa Yamamoto
DOI :

研究に関する問い合わせ先

東京工業大学 科学技術創成研究院 教授

山元公寿(やまもと きみひさ)

E-mail : yamamoto@res.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5260 / Fax : 045-924-5260

JST事業に関する問い合わせ先

科学技術振興機構 研究プロジェクト推進部

古川雅士(ふるかわ まさし)

E-mail : eratowww@jst.go.jp
Tel : 03-3512-3528 / Fax : 03-3222-2068

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

科学技術振興機構 広報課

E-mail : jstkoho@jst.go.jp
Tel : 03-5214-8404 / Fax : 03-5214-8432

研究者・留学生向け英文メールニュース 「Tokyo Tech Bulletin No. 50」を配信

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Tokyo Tech Bulletin(トーキョー テック ブリテン)」は、東京工業大学の研究成果やニュース記事、学生の活動などを紹介し国内外へ広く配信する英文メールニュースです。

この度、Tokyo Tech Bulletin No. 50が発行されました。

メールでの配信をご希望の方は申込フォームからご登録ください。

SPECIAL TOPICS

Naoyuki Hayashi - What is "health"? - A unique look at exercise and nutrition

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Everyone wants to live a long and healthy life. There is so much interest in the topic of health, but what exactly is "health"? Institute for Liberal Arts professor Naoyuki Hayashi studies health by looking at two specific relationships: exercise and ocular blood flow, and chewing and nutrition.

Fastest Crawl Stroke

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In two years, the Summer Olympics will be hosted by Tokyo, where the Ookayama Campus is located. Among the Olympic events, swimming is one of the most popular sports. The crawl is especially popular because it is the fastest of the swimming events. Identifying the most efficient crawl stroke has long been the dream of researchers. Tokyo Tech's Motomu Nakashima Laboratory has played an important role in this research.

Research

Research video: Sustainable energy through artificial photosynthesis

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Associate Professor Kazuhiko Maeda of the School of Science, Tokyo Tech developed an innovative mixed anion compound photocatalyst, which allows for efficient artificial photosynthesis using visible light. Please watch and share the video.

All wired up: New molecular wires for single-molecule electronic devices

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Scientists at Tokyo Institute of Technology designed a new type of molecular wire doped with organometallic ruthenium to achieve unprecedentedly higher conductance than earlier molecular wires. The origin of high conductance in these wires is fundamentally different from similar molecular devices and suggests a potential strategy for developing highly conducting "doped" molecular wires.

Harnessing energy from algae: Scientists identify enzyme that could help accelerate biofuel production

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Researchers at Tokyo Tech have honed in on an enzyme belonging to the glycerol-3-phosphate acyltransferase (GPAT) family as a promising target for increasing biofuel production from the red alga Cyanidioschyzon merolae.

Expanding the limits of Li-ion batteries: Interface for all-solid-state batteries

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Scientists at Tokyo Tech have addressed one of the major disadvantages of all-solid-state batteries by developing batteries with a low resistance at their electrode/solid electrolyte interface. The fabricated batteries showed excellent electrochemical properties that greatly surpass those of traditional and ubiquitous Li-ion batteries; thereby, demonstrating the promise of all-solid-state battery technology and its potential to revolutionize portable electronics.

A reliable, easy-to-use mouse model for investigating bone metastasis

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Researchers at Tokyo Tech propose an improved mouse model that could revolutionize bone metastasis research. Their method, which involves injecting cancer cells via the so-called caudal artery in the mouse tail, overcomes many limitations of traditional mouse models. The new model could thus open a new chapter in the development of therapeutic strategies for bone metastasis and cancer progression.

How do plants rest photosynthetic activity at night?

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Scientists at Tokyo Tech have identified two proteins that allow plants to respond to changes in surrounding light conditions and thereby make photosynthesis more efficient.

ELSI's of Tokyo Tech Dr. Ramses Ramirez's paper was published in Geosciences

ELSI's of Tokyo Tech Dr. Ramses Ramirez's paper was published in Geosciencesouter

ELSI's Dr. Ramses Ramirez reviews the latest advances in the understanding of planetary habitability, synthesizing them into a more comprehensive habitable zone model that can be used to search for life on other planets.

PI Helffrich and Director Hirose's paper was published in American Mineralogist

PI Helffrich and Director Hirose's paper was published in American Mineralogistouter

The journal editors of American Mineralogist chose PI George Helffrich and colleagues' paper for one of their July issue highlights.

The 2018 Astrobiology Graduate Conference from the Eyes of an ELSI Researcher

The 2018 Astrobiology Graduate Conference from the Eyes of an ELSI Researcherouter

From June 4th to June 8th, the 2018 NASA Astrobiology Graduate Conference (AbGradCon) was held at Georgia Institute of Technology in Atlanta, Georgia, USA. In recent years, ELSI has sponsored this conference in some capacity, as ELSI expects that this will foster the development of young Astrobiology researchers around the world.

In the spotlight

Tokyo Tech Bulletinは英語で配信を行っていますが、コンテンツは一部を除いてすべて日英両方で掲載しています。

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : publication@jim.titech.ac.jp

大学の先端研究は、社会のニーズに応えているか 東京工業大学 科学技術創成研究院 研究公開2018のご案内

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科学技術創成研究院は、新たな研究領域の創出、異分野融合研究の推進、産学連携強化、人類社会の問題解決等、多様な大学に対する期待に応えて研究活動を進めています。現在は、4つの研究所、3つの研究センターに加え、最先端研究を機動的に推進する11の研究ユニットを設置し、弾力的で有機的に先端研究成果の社会実装を目指しています。

この度、科学技術創成研究院では研究公開を行います。研究公開では、量子コンピュータやビッグデータ等、最新の研究テーマに関する講演会やセミナーの他、108に及ぶ研究室のポスター展示、更に普段は立ち入ることのできない研究室の見学もできます。詳細は研究公開のためのホームページを新設しましたので是非ご覧下さい。たくさんの方々のご来場をお待ちしています。

概要

日時
2018年10月12日(金) 10:00 - 17:00
場所
参加費
無料(入退場自由)
科学技術創成研究院 研究公開 2018 ポスター
科学技術創成研究院 研究公開 2018 ポスター

お問い合わせ先

東京工業大学 科学技術創成研究院 研究公開担当

Email : openlab@iir.titech.ac.jp

「歴史劇の現場から2 ―新国立劇場の『ヘンリー五世』をめぐって―」開催報告

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5月28日、東工大大岡山キャンパス 大岡山西9号館のディジタル多目的ホールで、リベラルアーツ研究教育院主催のシンポジウム「歴史劇の現場から2―新国立劇場の『ヘンリー五世』をめぐって―」が開催されました。これは、新国立劇場で2009年からシリーズ上演されているシェイクスピアの歴史劇のうち、最新公演である『ヘンリー五世』に連動して企画されたものです。本学のイベントとしては、2年前の『ヘンリー四世』に関するシンポジウムに続くもので、演劇ワークショップ「声に出してシェイクスピア」とも関連しています。

パネリストには、前回のシンポジウムと同様、武蔵大学の北村紗衣准教授、俳優の下総源太朗氏、新国立劇場演劇制作の三崎力氏を迎え、司会は本学の小泉勇人准教授が担当しました。

司会の小泉准教授
司会の小泉准教授

左から北村准教授、三崎氏、下総氏
左から北村准教授、三崎氏、下総氏

シンポジウムは、東工大演劇サークル「娘の予感」による『ヘンリー五世』の演技からスタートし、来場者は冒頭から一気にシェイクスピア演劇の世界へ引き込まれていきました。

シェイクスピア劇の中で最も有名な一節「クリスピアンスピーチ」を演じる演劇サークル「娘の予感」のメンバー

シェイクスピア劇の中で最も有名な一節「クリスピアンスピーチ」を演じる演劇サークル「娘の予感」のメンバー

続く北村准教授のレクチャーでは、『ヘンリー五世』の見所となる場面や、多様な解釈と演出の可能性が講じられました。北村准教授はこの作品をシンプルな戦争アクションとしてとらえ、目の前で繰り広げられる贔屓(ひいき)役者のアクションを見る楽しさがシェイクスピア劇の大きな魅力だと語りました。さらに、英国における、イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの4つの民族・地方・方言の特徴とその位置づけがこの作品のベースになっていることを説明し、作品の理解を促しました。また、新国立劇場での上演に関しては、ラストシーンの血染めの大きな旗の意味するもの、キャサリン妃のキャラクター設定も特徴的なポイントであると評しました。

英国の4つの民族・地方・方言を、4種類のぬいぐるみを見せて説明する北村准教授

英国の4つの民族・地方・方言を、4種類のぬいぐるみを見せて説明する北村准教授

その後、三崎氏と下総氏も加わり、パネルディスカッションが行われました。

三崎氏は、同じ役者が同じ役を演じるこの4作品のシリーズ公演は、世界でも稀な非常に価値ある興味深い企画であるとし、それを制作する喜びを語りました。また、シェイクスピア劇は現代劇であり、彼の描いた人間の感情は、時代や場所によって変化するものではないことを強調しました。

下総氏もその現代性や普遍性に共感を示し、シリーズを通じてシェイクスピアを考え続ける楽しさを語りました。また、いわゆる「シェイクスピア役者風」の演技だけがシェイクスピア劇ではなく、今回ヘンリー五世を演じた浦井健治氏の、さらりとしていながらもしっかり聞きとることが出来る観客に届く演技は、今後のシェイクスピア劇のひとつのあり方を提示していると述べました。

今回のシンポジウム全般は、作品を大きく俯瞰するとともに細部にも入り込んだ密度の濃い内容のものでした。新国立劇場の公演をすでに見ているか、これから見る予定の参加者が大半を占めましたが、熱心に聞き入るその様子からは、作品や公演の人気とともに、シェイクスピア作品の懐の深さとその揺るぎない魅力が伝わってきました。

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お問い合わせ先

リベラルアーツ研究教育院 文系教養事務

E-mail : ilasym@ila.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-7689

濱田貴大さんが「遊戯王ワールドチャンピオンシップ2018」デュエルリンクスの部で世界王者に

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情報理工学院 情報工学系の濱田貴大さん(修士課程2年)が、8月4日、5日にかけて行われた「遊☆戯☆王」シリーズのeスポーツ世界選手権「遊戯王ワールドチャンピオンシップ2018(Yu-Gi-Oh! World Championship 2018)」のデュエルリンクスの部において、世界チャンピオンとなりました。

チャンピオントロフィーを掲げる濱田さん

チャンピオントロフィーを掲げる濱田さん

「遊☆戯☆王」は高橋和希氏による漫画作品であり、のちにアニメ化、カードゲーム化されるなど世界中で楽しまれています。「遊戯王ワールドチャンピオンシップ」は、2003年から毎年開催され、一般の部、小学生の部、デュエルリンクスの部の各部門に分かれて勝者を決定する世界選手権です。世界各地の予選参加者延べ260万人の中から見事決勝大会に勝ち進んだメンバーが幕張メッセ(千葉県)に集結し、濱田さんが出場したデュエルリンクスの部には、12ヵ国から16名が参加しました。

デュエルリンクスの部は、7,000万ダウンロード(2018年5月時点)を突破しているモバイルゲームアプリによる対戦であり、制限時間は60分間で最大5戦、うち3戦先取した者が勝者となります。濱田さんは、デュエルリンクス歴が4ヵ月と短い中での世界選手権進出となりました。

対戦相手の手を読みながらその攻撃をつぶす圧巻かつ早い展開を見せて3戦連勝し、世界チャンピオンの座を獲得しました。

濱田さんのコメント

本アプリのプレイ経験においては若輩の身ではありましたが、小中学校の頃に慣れ親しんだ遊戯王というコンテンツにおいて今回の結果を出すことが出来、非常に嬉しく思います。

学業においては、メンタルコミットロボットの有用性に関する研究を行っています。

今回の結果を経て来年度の世界大会へもご招待いただける予定です。次の大会においてもよい結果を出せるよう、油断せずに精進していきたいと思います。応援してくださった方々、特に、大会用のデッキ調整に付き合ってくださった方々、本当にありがとうございます。

益学長への世界チャンピオン獲得報告

益学長への世界チャンピオン獲得報告

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2975

舞踏研究部が国公立大学学生競技ダンス選手権大会で団体準優勝

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9月2日に一橋大学小平国際キャンパス(東京都小平市)で開催された第105回国公立大学学生競技ダンス選手権大会(東部日本学生競技ダンス連盟主催)において、東工大舞踏研究部が団体の部で15校中、準優勝を果たしました。

個人の部においては、同部から出場した29組のうち15組が入賞し、そのうち10組が決勝進出を果たしました。

競技ダンスとは

男女がペアになって踊る社交ダンスとほぼ同じものですが、社交ダンスが社交を目的としているダンスであるのに対し、競技ダンスは競技会にて技術や表現を競うことを目的としています。

学生の競技ダンスには、大きく3つの部門があり、全部で9種目のダンスがあります。

スタンダード

男女が組んで踊ります。

  • ワルツ
  • タンゴ
  • スローフォックストロット
  • クイックステップ

ラテンアメリカン

基本的に男女が離れて踊ります。

  • チャチャチャ
  • サンバ
  • ルンバ
  • パソドブレ

フォーメーション

4~8組が2~4種目のメドレーで隊列を構成しながら踊ります。

今回の国公立大会では開催されません。

今大会の入賞者

今回の国公立大学選手権の東工大チームの入賞者をご紹介します。

スタンダード

石井智(情報理工学院 数理・計算科学系 学士課程3年)・榮みなみ(白百合女子大学)組
ワルツ2~3年生の部 8位入賞
タンゴ2~3年生の部 5位入賞

石井智(情報理工学院 数理・計算科学系 学士課程3年)・
榮みなみ(白百合女子大学)組
(写真提供/澄川杏梨)

笛木怜(環境・社会理工学院 建築学系 学士課程2年)・増川理恵(情報理工学院 数理・計算科学系 学士課程2年)組
ワルツ2~3年生の部 12位入賞
笛木怜(環境・社会理工学院 建築学系 学士課程2年)・
増川理恵(情報理工学院 数理・計算科学系 学士課程2年)組
(写真提供/中尾優花)

鈴木晟仁(第6類 学士課程1年)・吉村舞夏(第7類 学士課程1年)組
ワルツ1年生の部 準優勝
鈴木晟仁(第6類 学士課程1年)・吉村舞夏(第7類 学士課程1年)組
(写真提供/増川理恵)

アンジュンソク(第4類 学士課程1年)・松本奈々花(杉野服飾大学)組
ワルツ1年生の部 3位入賞
アンジュンソク(第4類 学士課程1年)・松本奈々花(杉野服飾大学)組
(写真提供/松田菜子)

松尾拓海(第7類 学士課程1年)・小此木葵衣(第7類 学士課程1年)組
ワルツ1年生の部 10位入賞
松尾拓海(第7類 学士課程1年)・小此木葵衣(第7類 学士課程1年)組
(写真提供/増川理恵)

鈴木晟仁(第6類 学士課程1年)・藤村凪沙(白百合女子大学)組
クイックステップ1年生の部 準優勝
鈴木晟仁(第6類 学士課程1年)・藤村凪沙(白百合女子大学)組
(写真提供/増川理恵)

アンジュンソク(第4類 学士課程1年)・小倉万実(白百合女子大学)組
クイックステップ1年生の部 6位入賞
アンジュンソク(第4類 学士課程1年)・小倉万実(白百合女子大学)組
(写真提供/増川理恵)

松尾拓海(第7類 学士課程1年)・阿尻向日葵(白百合女子大学)組
クイックステップ1年生の部 11位入賞
松尾拓海(第7類 学士課程1年)・阿尻向日葵(白百合女子大学)組
(写真提供/増川理恵)

ラテンアメリカン

佐藤大樹(環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程3年)・川合真桜子(東京音楽大学)組
チャチャチャ2~3年生の部 3位入賞
ルンバ2~3年生の部 優勝

佐藤大樹(環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程3年)・
川合真桜子(東京音楽大学)組
(写真提供/田中朱)

金子和夢(理学部 地球惑星科学科 学士課程3年)・町田茉菜美(白百合女子大学)組
チャチャチャ2~3年生の部 6位入賞
サンバ2~3年生の部 5位入賞

金子和夢(理学部 地球惑星科学科 学士課程3年)・
町田茉菜美(白百合女子大学)組
(写真提供/増川理恵)

杉村峻也(第2類 学士課程1年)・下山紗季(第7類 学士課程1年)組
チャチャチャ1年生の部 4位入賞
杉村峻也(第2類 学士課程1年)・下山紗季(第7類 学士課程1年)組
(写真提供/澄川杏梨 )

鈴木晟仁(第6類 学士課程1年)・松菜々子(白百合女子大学)組
チャチャチャ1年生の部 6位入賞
鈴木晟仁(第6類 学士課程1年)・松菜々子(白百合女子大学)組
(写真提供/増川理恵)

アンジュンソク(第4類 学士課程1年)・吉村舞夏(第7類 学士課程1年)組
チャチャチャ1年生の部 8位入賞
アンジュンソク(第4類 学士課程1年)・
吉村舞夏(第7類 学士課程1年)組
(写真提供/澄川杏梨)

杉村峻也(第2類 学士課程1年)・阿尻向日葵(白百合女子大学)組
ルンバ1年生の部 4位入賞
杉村峻也(第2類 学士課程1年)・阿尻向日葵(白百合女子大学)組
(写真提供/松田菜子)

鈴木晟仁(第6類 学士課程1年)・尻石夏美(杉野服飾大学)組
ルンバ1年生の部 6位入賞
鈴木晟仁(第6類 学士課程1年)・尻石夏美(杉野服飾大学)組
(写真提供/松田菜子)

代表 石井智さん(情報理工学院 数理・計算科学系 学士課程3年)からのコメント

今大会では1年生を中心に、非常に多くの部員が結果を残すことができて、大変嬉しく思っております。

僕自身、計算機科学を日頃学んでおり、その中でダンススポーツと関連づけながら文武両道で頑張っているところです。

今後もこの調子で練習に励み、今後の活躍につなげたいと思います。

東工大 舞踏研究部について

東京工業大学舞踏研究部は、学生競技ダンス連盟に所属している大学公認のサークルです。共同加盟校である白百合女子大学と杉野服飾大学と共に活動しています。部員数は、東工大生26人 白百合女子大生17人 杉野服飾大生7人(2018年9月現在)です。競技会にむけて日々練習に励んでいます。

東工大基金

舞踏研究部の活動は東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

東京工業大学 舞踏研究部

E-mail : tsubame.buken@gmail.com


高校生・大学院受験生向け広報誌「TechTech」34号発行

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東京工業大学広報誌「Tech Tech(テクテク)」34号を発行しました。

Tech Techは、学士課程・大学院課程受験生向けに、東工大の最新の研究や、学生生活、研究室の様子、卒業生の活躍など本学のさまざまな面を豊富な画像とわかりやすい文章でご紹介する広報誌です。

最新号では、「ロボ×ヒト×AI」と題して、工学院機械系の鈴森康一教授と本学卒業生で株式会社エクサウィザーズの石山洸代表取締役社長との対談や、学生企画「文系?リベラルアーツ?」で魅力的なリベラルアーツ科目をご紹介しています。

裏表紙にある「頭の体操QUIZ」も人気コンテンツですので、ぜひご挑戦ください。

TechTech No.34

TechTech No.33

CONTENTS

ロボ×ヒト×AI

鈴森康一教授(工学院)×石山洸さん(株式会社エクサウィザーズ代表取締役社長、本学卒業生)

防災新論

髙木泰士准教授(環境・社会理工学院)

進化する東工大

学びだけじゃない!未来へ向けた多様な「場」づくり

博士たちのキャリアデザイン論

西場正浩さん(エムスリー株式会社エンジニアリンググループ 機械学習エンジニア)

学生企画

文系?リベラルアーツ?

学内の配布場所や、郵送での請求方法については、以下のページをご確認ください。

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お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

電話 : 03-5734-2976

E-mail : publication@jim.titech.ac.jp

東工大×ロンドン芸術大学CSM 産学実験プロジェクト『10年後の東京、ひとはなにを着ているか?―Existential Wearableを探して―』発表会のご案内

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10年後の東京をわたしたちはイメージできるだろうか。そのとき、わたしたちはなにをまとい、なにを考えているのだろうか。Existential Wearable=実存的ウェアラブルというものを提案したい。Ex=外へ、is=存在するもの。すでにあるものではなく、ここにはないものである(外にある)「実存(existence)」は、未来的でわたしたちの存在を導くタームだ。Wearableは未来にどんな形をとるのだろうか。私たちの存在をアシストし、自由をキープし、風のように開放的なものであってほしい。

東京工業大学×ロンドン芸術大学セントラル・セントマーティンズ校は、上記のコンセプトで、合同でカフェイベントやウェアラブル考案ハッカソンを行ってきました。東京で日本語、英語、アート言語、科学・工学の言語やメソッドが飛び交い、議論、制作が続きました。その発表会をひらきます。高度情報化社会のおとずれが予想されるなか、わたしたちの「実存」はどんなウェアラブルを発見するのでしょうか。

概要

日時
2018年9月29日(土)13:00 - 16:30(開場12:45)終了後は懇親とアートセッション18:00くらいまで。
場所
渋谷ヒカリエ COURT(8F)
お申込み
イベント申し込みフォームouterよりお申込みください
10年後の東京、ひとはなにを着ているか?~Existential Wearableを探して ポスター
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お問い合わせ先

東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系
野原研究室

E-mail : tokyotechxcsm@tse.ens.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3521

益学長がラジオ日本「こんにちは!鶴蒔靖夫です」に出演

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本学の益一哉学長がラジオ日本の対談番組「こんにちは!鶴蒔靖夫です」に出演します。

本番組は、評論家の鶴蒔靖夫氏がパーソナリティを務める、政界・財界・文化人を始め、各界で活躍する第一人者をゲストに迎えてざっくばらんに語り合い、リスナーのライフスタイルや人生の参考にしてもらおうという番組です。

対談テーマは「世界最高の理工系総合大学を目指す」。益学長は、学長就任の抱負や指定国立大学法人に選ばれた意義、教育改革、経営基盤の強化への道筋などについて語ります。

ラジオ収録の様子(左が益学長、右がパーソナリティの鶴蒔氏)

ラジオ収録の様子(左が益学長、右がパーソナリティの鶴蒔氏)

益学長のコメント

学長に就任して半年が経ちました。私が目指す革新的創造に向けて、教育であっても研究であっても協調と挑戦が色々なものを創造する原点だと思っています。今回の対談では、教職員、学生1人1人が誇りを持って世界最高の理工系総合大学に向かって邁進する「東工大のこれから」について語りました。

番組情報

  • 番組名
    読売系列 ラジオ日本「こんにちは!鶴蒔靖夫です」
  • 放送予定日
    2018年10月3日(水) 11:30 - 11:50

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

10月の学内イベント情報について

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10月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

CERI寄附公開講座「ゴム・プラスチックの安全、安心―身の回りから先端科学まで―」(2018年後期)

CERI寄附公開講座「ゴム・プラスチックの安全、安心―身の回りから先端科学まで―」(2018年後期)

私たちの身の回りにある化学品を含むゴムやプラスチックとその製品の安全・安心に関する情報とやさしい科学を、一般の方にもわかりやすく紹介します。更に、少し高度な内容として、最先端の安全性評価技術、劣化と寿命予測技術、耐性向上技術、高性能・高強度化技術 ・材料に関する科学を紹介し、将来の安心・安全な材料・製品設計の基礎を学べるようにします。

日時
(1)
2018年10月3日(水)、10月10日(水)、10月17日(水)、10月24日(水)、10月31日(水)、11月7日(水)、11月14日(水)、11月21日(水)
(2)
12月5日(水)、12月12日(水)、12月19日(水)、12月26日(水)、2019年1月9日(水)、1月16日(水)、1月23日(水)、1月30日(水)

※各日 10:45 - 12:15

会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般(先着20名)
申込
必要

工大祭2018

工大祭2018

工大祭は、大岡山キャンパスが1年で最も熱気に包まれる2日間のお祭りです。例年在学生や受験生、そして近隣住民の方々など、約50,000人の来場者を迎えています。講義室では様々な展示や発表が行われ、キャンパスにはたくさんの模擬店が並びます。野外ステージではバンドコンサートやお笑いライブなど、様々なイベントが催され、大いに盛り上がります。最先端の研究や技術を体験できる、恒例の研究室公開もあります。

日時
10月6日(土)、7日(日) 10:00 - 18:00
会場
参加費
無料
対象
一般
申込
不要

先導原子力研究所 施設公開(10月6日、7日)/原子力オープンスクール(10月7日)

先導原子力研究所 施設公開(10月6日、7日)/原子力オープンスクール(10月7日)

先導原子力研究所では、平素実施している研究の他に、福島第一原子力発電所の廃止のための科学技術的な研究や、周辺環境の除染など福島の復興に向けた研究を進めるとともに、これからの日本を支える学生の教育を行っています。今年も工大祭の企画として学生が中心となり、施設公開ツアー、原子力オープンスクール、模型展示などを企画しています。

日時

原子力オープンスクール(10月7日のみ)

13:10 - 14:00 放射線についての授業(予約不要)

14:10 - 17:00 体験実習(要予約)

施設公開、展示(10月6日、7日)

10:00 - 17:00 「原子力に関する展示」(予約不要)

11:00 - 12:00、14:00 - 15:00 研究室ツアー(予約不要)

※ツアーは1日2回開催(大岡山キャンパス北1号館 1階会議室に開始15分前集合予定)

会場
大岡山キャンパス 本館 H111講義室、大岡山北1号館
参加費
無料
対象
一般

東工大・一橋大共同開催「デザイン思考1-dayワークショップ」2018

東工大・一橋大共同開催「デザイン思考1-dayワークショップ」2018

米国Stanford大学d.schoolで行われている「デザイン思考」を構成する、5 stepsを体験し、「デザイン思考」のコンセプト理解を目指します。従来の知識の積み重ねではなく、先入観に縛られないアイデア出し、プロトタイプによるユーザーに潜在するニーズの発掘を通して、イノベーションを生み出すコンセプトを体験できる5時間の集中ワークショップです。

昨年に引き続き、一橋大学国立・東キャンパスでの開催で、東工大学生と一橋大学生でワークショップを行います(使用言語は日本語です)。

尚、本ワークショップとは別に、10月28、29日に、東工大(大岡山)にて、米国Stanford Univ./d.schoolの現役tutors 3名によるワークショップ「d.school comes to Tokyo Tech」も開催します。d.schoolのtutorによるワークショップは、日本の大学では唯一開催されるものです。丸々2日間、ずっと英語のワークショップですが、d.school流のスピーディでリラックスした雰囲気の中で、Creative ConfidenceとUser Centricを、より詳細に体感できます。この1-Dayワークショップで「コツ」を掴んで、d.school comes to Tokyo Tech 2018に臨むのが、理想的です。

日時
10月8日(月) 11:00 - 16:00
会場
一橋大学 国立・東キャンパス(東京都国立市中2-1) マーキュリータワー7F 多目的ルーム
参加費
無料
対象
学部生・大学院生(東工大、一橋大以外も応募可)
申込
必要

科学技術創成研究院 研究公開 2018

科学技術創成研究院 研究公開 2018

科学技術創成研究院は、新たな研究領域の創出、異分野融合研究の推進、産学連携強化、人類社会の問題解決等、多様な大学に対する期待に応えて研究活動を進めています。現在は、4つの研究所、3つの研究センターに加え、最先端研究を機動的に推進する11の研究ユニットを設置し、弾力的で有機的に先端研究成果の社会実装を目指しています。

この度、科学技術創成研究院では研究公開を行います。研究公開では、量子コンピュータやビッグデータ等、最新の研究テーマに関する講演会やセミナーの他、108に及ぶ研究室のポスター展示、更に普段は立ち入ることのできない研究室の見学もできます。

日時
10月12日(金)10:00 - 17:00(入退場自由)
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
不要

リベラルアーツ研究教育院主催シンポジウム「AIとヒューマニティ」

リベラルアーツ研究教育院主催シンポジウム「AIとヒューマニティ」

近年のAI(人工知能)の進歩には目を瞠るものがあります。AIは人間の営みをどう変えてゆくのでしょうか?今回は、池上彰特命教授の司会のもと、本学の調麻佐志教授(科学技術社会論)、國分功一郎教授(哲学)、それに俳人の大塚凱さんをお迎えして、AIと人間性との関わりを議論します。

日時
10月17日(水) 18:00 - 20:00 (開場17:30)
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込

不要(定員200名、先着順)

入場希望者が多数の場合、開場前に整理券を配布することもあります。

2018年度健康・衛生週間特別講演会「ストレスとの付き合い方」

2018年度健康・衛生週間特別講演会「ストレスとの付き合い方」

誰もがストレスを抱えている現代、ストレスとうまく付き合って心を健康に保ち、気持ちを前向きにするヒントをカウンセラーと精神科医のお二人に対談形式で楽しく教えていただきます。

日時
10月17日(水) 17:30 - 19:00
会場
参加費
無料
対象
一般
申込
不要

2018年度講演会「科学・技術で進化する、スポーツの世界」

2018年度講演会「科学・技術で進化する、スポーツの世界」

科学・技術の進展は、スポーツの世界に何をもたらすのか。いま研究・開発・実践の最前線に立つ講師とともに未来を構想します。

第1回は、パラアイスホッケープレイヤー上原大祐と、VRなどを用いたスポーツエンターテインメントも手がける映像ディレクター引地耕太が、「IT × パラスポーツ が拓く未来」について対談します。

第2回は、AIを活用したディジタルカーリングについて伊藤毅志が語ります。

第3回は、本学未来型スポーツ・健康科学研究推進体の代表でもある林宣宏が、最先端プロテオミクス研究によるアスリートの先進コンディショニングから始まる未来の健康社会について語ります。

第4回は、陸上男子400メートルハードルの日本記録保持者(2018年7月現在)為末大とバイオロボティクスを専門とする本学の中島求が、スポーツ工学の観点から科学・技術の進化がスポーツをどう変えるのか、対談します。

日時

第1回:10月20日(土) 13:00 - 15:00
第2回:10月27日(土) 15:00 - 17:00
第3回:11月3日(土) 13:00 - 15:00
第4回:11月17日(土) 17:00 - 19:00

会場
大岡山キャンパス西9号館 ディジタル多目的ホール
参加費
一般は有料(第1回、4回は2,500円、第2回、3回は2,000円、全4回一括8,000円)
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要(申込先着順)

d.school comes to Tokyo Tech 2018 - 2-days BOOTCAMP "Design Challenge"

d.school comes to Tokyo Tech 2018 - 2-days BOOTCAMP "Design Challenge"

今年も、10月に、デザイン思考の総本山米国スタンフォード大学d.schoolの現役ファシリテーター3名がフルに2日間かけて行うワークショップ「d.school comes to Tokyo Tech 2018 - Design Challenge」を開催します。d.schoolの講師が行うワークショップは、日本の大学では、このワークショップだけです。デザイン思考は、皆さんのように、「新たな価値」つまり「イノベーション」を日常的に求められる人々にとって、基本となる考え方です。創造力に自信のない人でも画期的なアイデアや提案はだせるというマインドセットと、仲間と協力し、ユーザーの要望を構成する機構を解明し、ロジックを超えた発想を促すスキルセットを、この米国スタンフォード大学d.school流の、スピーディ、フレンドリー、ダイバーシティ環境の2日間のワークショップを通して、体感してくれればと思っています。

日時
10月27日(土)・28日(日) 9:00 - 18:00
会場
参加費
無料。ただし、ランチ・スナック・飲み物等として\3,000をお支払いただきます。
対象
学生であればどなたでも応募いただけます。申込多数の場合は、東工大AGL所属生を優先、及び選抜をすることがあります。
申込
必要

第39回 蔵前科学技術セミナー

第39回 蔵前科学技術セミナー

一般社団法人蔵前工業会は、時宜に適した技術テーマを取り上げて「蔵前科学技術セミナー」を主催してきました。今年は、国立大学法人東京工業大学との共催により、「今、原子力研究が目指すものは何か」を特集テーマとする講演会を開催します。2011年の福島第一原発事故から7年余り経過した事故現場の状況と今後の見通しについて関係者から説明いただくとともに、このような現状を背景に、核分裂発見から80年の今、大学の研究機関が目指す先導的研究について開発に携わっている専門家から分かり易く解説していただきます。

日時
10月20日(土)
講演会 13:00 - 17:30(受付開始12:30)
交流会 17:50 - 19:20
会場
大岡山キャンパス 東工大蔵前会館outer 東工大蔵前会館(TTF)くらまえホール(講演会)、ロイアルブルーホール(交流会)
参加費
講演会は参加費無料。交流会参加費は 一般3,000円、学生は無料。
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要

エコライフめぐろ推進協会「環境推進員養成講座」(第11期)

エコライフめぐろ推進協会「環境推進員養成講座」(第11期)

エコライフめぐろ推進協会「環境推進員養成講座」は、地域で積極的に環境保全活動を行うことのできる人材の育成を目的とした講座で、今年で11回目を迎えます。前年度に引き続き、本学の環境・社会理工学院 神田学教授も講師を務めます。

日時
9月29日(土)、10月20日(土)、11月10日(土)、12月1日(土)、2019年1月19日(土)、2月2日(土)
会場
目黒区エコプラザほか(目黒区駒場野公園、旧三河島汚水処分場、目黒川)
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般(目黒区内在住・在勤・在学の方)
申込

必要(定員:20名、応募者多数の場合は抽選、9月4日(火)必着)

お問い合わせは目黒区エコプラザ(03-5721-2300)へ

一部締め切りを過ぎているものがございますが、取材をご希望の場合はご連絡ください。

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

13個の金属原子を三次元型にサンドイッチした有機金属ナノクラスターの開発に成功

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要点

  • 三次元サンドイッチ型構造をもつ安定なキューブ状有機金属ナノクラスターが形成されることを発見
  • サンドイッチ構造内にバルク金属内と同じ最密充填金属構造が形成されることを発見
  • 触媒や材料として注目される金属ナノクラスターの新しい分子設計方法を開発

概要

東京工業大学 村橋哲郎教授、山本浩二助教ら、京都大学 倉重佑輝特定准教授、自然科学研究機構分子科学研究所の共同研究グループは、13個のパラジウム原子を環状不飽和炭化水素[用語1]で三次元型にサンドイッチした有機金属ナノクラスター[用語2]の合成に成功した。サンドイッチ錯体は1973年のノーベル賞の対象になった化合物であり、二つの環状不飽和炭化水素が2方向から一つまたは複数の金属原子を挟みこむことで形成される。村橋教授らは、七角形の環状不飽和炭化水素が複数の金属原子に結合しやすい性質をもつことに着目し、10個以上の金属原子が塊状に集合して生じる金属ナノクラスターの周りを環状不飽和炭化水素が6方向からサンドイッチすることで、安定な有機金属クラスター分子が生じることを発見した。

合成した三次元型サンドイッチ金属ナノクラスターは、炭素平面がキューブ(立方体)状に配置された構造をもち、新たなナノスケール分子として、触媒や機能材料への応用が期待される。

研究成果は9月17日付の米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」電子版に掲載された。

研究の背景

サンドイッチ錯体は、平行に配置された二つの環状不飽和炭化水素間に金属原子が挟み込まれた化合物の総称であり、およそ70年前に初めてその存在が明らかにされた化合物である(図1)。一般的に炭素-金属結合をもつ有機金属錯体は不安定な化合物だが、このサンドイッチ錯体は有機金属錯体でありながら高い安定性を示したことから大きな興味が持たれ、結合構造が解明された後の1973年にノーベル化学賞の対象になった。

その後も、サンドイッチ構造を化学的に変換することにより、有用な触媒や材料が次々と開発され、錯体化学[用語3]有機金属化学[用語4]、触媒化学、材料化学などに大きな発展をもたらした。

村橋教授らは、従来の2方向から金属を挟み込むサンドイッチ構造に対して、6方向から塊状金属クラスターを挟み込んだ三次元型サンドイッチ構造が形成される可能性に着眼し、同構造をもつ金属ナノクラスターの合成・実証に成功した(図1)。

従来型のサンドイッチ金属錯体(左)と本研究で新たに創出した三次元型サンドイッチ金属ナノクラスター(右)の模式図

図1. 従来型のサンドイッチ金属錯体(左)と本研究で新たに創出した三次元型サンドイッチ金属ナノクラスター(右)の模式図

研究の成果

村橋教授らは、これまでに七角形構造をもつ環状不飽和炭化水素であるシクロヘプタトリエニル(トロピリウム)配位子[用語5]がシート状に集合した金属原子に結合することにより、2方向サンドイッチクラスターを合成することに成功している。今回、13個のパラジウム原子が塊状に集合したクラスターを6枚のシクロヘプタトリエニル配位子で6方向から三次元型にサンドイッチしたパラジウムナノクラスターの合成に成功した(図2)。

単結晶X線構造解析を用いてこの化合物の分子構造を解明した結果、各シクロヘプタトリエニル配位子が最密充填型パラジウムクラスターの四角形面に結合し、シンプルかつ対称な6配位型構造を形成していることをつきとめた。分子の表面形状はキューブ状であり、代表的な球状ナノカーボン分子であるC60フラーレンと比較して同程度のサイズをもっている(図3)。合成した三次元型サンドイッチパラジウムナノクラスターは多段階の酸化還元能を示すこともわかり、同構造をもつ常磁性体も合成可能であることも明らかにした。

三次元型サンドイッチパラジウムナノクラスターの分子構造

図2. 三次元型サンドイッチパラジウムナノクラスターの分子構造

三次元型サンドイッチナノクラスターのキューブ状分子表面形状(左)と、代表的なナノカーボンであるC60フラーレンの球状分子表面形状(右)
図3.
三次元型サンドイッチナノクラスターのキューブ状分子表面形状(左)と、代表的なナノカーボンであるC60フラーレンの球状分子表面形状(右)

今後の展開

今回の研究成果により、三次元型サンドイッチ構造をもつ有機金属ナノクラスターが合成可能であることが示された。このようなナノクラスター分子は多電子の酸化還元挙動を示すなど、金属原子が集合した構造に起因する特徴的な挙動を示すこともわかってきている。本研究で創成した三次元型サンドイッチ構造をもつ有機金属ナノクラスターは、今後、反応性や物性を解明していくことにより、有用な触媒やナノ分子材料に応用できる可能性が期待される。

この研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業の基盤研究(B)、新学術領域研究「柔らかな分子系」、旭硝子財団研究助成等の支援を受けて行われた。

用語説明

[用語1] 環状不飽和炭化水素 : 環状の炭化水素化合物のうち、炭素骨格に二重結合あるいは三重結合を含むものの総称である。

[用語2] 金属ナノクラスター : 数個から数百個の金属原子が集まって出来る集合体で、単核錯体やバルク金属とは異なる性質を示す。

[用語3] 錯体化学 : 配位結合を含む化合物に関する化学。特に金属元素に対する配位結合を含む化合物のことを金属錯体と呼ぶ。

[用語4] 有機金属化学 : 金属錯体の中で金属-炭素結合を有する場合を特に有機金属錯体と呼ぶ。有機金属化学は、有機金属錯体に関する化学のことである。

[用語5] シクロヘプタトリエニル(トロピリウム)配位子 : 7個の炭素原子が環状につながった環状不飽和炭化水素の一種である。C7H7の組成をもつ。

論文情報

掲載誌 :
Journal of the American Chemical Society
論文タイトル :
Three-Dimensional Sandwich Nanocubes Composed of 13-Atom Palladium Core and Hexakis-Carbocycle Shell
著者 :
Masahiro Teramoto, Kosuke Iwata, Hiroshige Yamaura, Kenta Kurashima, Koshi Miyazawa, Yuki Kurashige, Koji Yamamoto, Tetsuro Murahashi
DOI :
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お問い合わせ先

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 教授 村橋哲郎

E-mail : mura@apc.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2148 / Fax : 03-5734-2139

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

京都大学 総務部 広報課 国際広報室

E-mail : comms@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
Tel : 075-753-5729 / Fax : 075-753-2094

平成30年度「末松賞『ディジタル技術の基礎と展開』支援」採択者決定

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平成30年度「末松賞『ディジタル技術の基礎と展開』支援」(以下、「本支援」)採択者が学内外の審査員による審査を経て決定し、9月12日に授賞式を執り行いました。

末松栄誉教授と授賞者を囲んでの記念写真

末松栄誉教授と授賞者を囲んでの記念写真

本支援は、将来の基盤技術としてのディジタル技術に関心を持った若手研究者の育成と、コンピュータ、ロボティクス、ネットワーク技術等の活用に関する研究に幅広い支援を行うことを目的として、平成30年度に末松基金により創設されました。

本支援初となる採択者3名の支援決定通知書授与式が行われ、今回は本支援創設を記念して、特に顕著な業績を挙げた2名に対し特別賞も授与されました。

平成30年度末松賞「ディジタル技術の基礎と展開」支援採択者一覧

所属
職名
氏名
研究課題
工学院 電気電子系
准教授
小寺 哲夫
半導体量子コンピュータに向けた関連基盤技術の開発
情報理工学院 数理・計算科学系
研究員
坂野 遼平
pub/subメッセージングにおける負荷分散性と低遅延性の並立
環境・社会理工学院 建築学系
助教
川島 範久
コンピュータ・シミュレーションとセンサー・モニタリングおよびネットワーク技術を活用したパッシブ手法活用型の建物利用者に対する低コストな環境行動誘発システムの開発

小寺准教授
小寺准教授

左から益学長、川島助教、渡辺理事・副学長(研究担当)
左から益学長、川島助教、渡辺理事・副学長(研究担当)

坂野研究員によるプレゼンテーション

坂野研究員によるプレゼンテーション

末松賞『ディジタル技術の基礎と展開』支援」創設記念特別賞授賞者一覧

所属
職名
氏名
情報理工学院 数理・計算科学系
特任教授
松岡 聡
科学技術創成研究院 量子コンピューティング研究ユニット
教授
西森 秀稔

西森教授特別賞授賞の様子
西森教授特別賞授賞の様子

松岡特任教授による謝辞スピーチ
松岡特任教授による謝辞スピーチ

末松基金および本支援設立の背景

末松安晴栄誉教授・元学長は、本学で行った光ファイバー通信の研究、特に動的単一モードレーザーの先駆的研究が、大容量長距離光ファイバー通信の発展に寄与し、社会に貢献したとして2014年日本国際賞、2015年度文化勲章を受賞(章)しています。

「若い人たちが様々な分野で未開拓の科学・技術システムの発展を予知して研究し、隠れた未来の姿を引き寄せて定着させる活動が、澎湃(ほうはい)として湧き出てほしい」との末松栄誉教授の思いから賞金の一部を寄附いただいたことを受け、その思いを継承し、研究活動を奨励するため、末松基金を設立することとしました。

また、本支援の設立にあたっては、末松基金設立当初より賛同いただいている本学同窓生、株式会社ぐるなびの滝久雄代表取締役会長からの更なるご寄附を受け、本支援を開始する運びとなりました。

東工大基金

このイベントは東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

研究企画課研究企画第1グループ

E-mail : kenkik.kik1@jim.titech.ac.jp

NHK BSプレミアム「驚き!ニッポンの底力 ロボット王国物語」に鈴森教授、遠藤准教授が出演

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工学院 機械系の鈴森康一教授、遠藤玄准教授がNHK BSプレミアム「驚き!ニッポンの底力 ロボット王国物語」に出演します。「驚き!ニッポンの底力」シリーズは、「ブレイクスルーの物語」、「お宝映像の発掘」、「日本を元気にする」の3つをキーワードに、世界に誇る日本の技術力を紹介する番組です。これまでに、建築・土木、鉄道、自動車、航空機など日本を代表する産業を取り上げて紹介してきましたが、今回は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて注目が高まる「ロボット」を特集。東工大大岡山キャンパスの百年記念館をスタジオとして収録が行われ、東工大のロボットの他にも有名なロボット達が百年記念館に集結。鈴森教授は日本のロボット研究の案内役としても登場し、番組を盛り上げました。

鈴森教授と人工筋肉を使った筋骨格ロボット
鈴森教授と人工筋肉を使った筋骨格ロボット

遠藤准教授と四脚歩行ロボット「タイタン13」
遠藤准教授と四脚歩行ロボット「タイタン13」

コメント

鈴森教授

東工大百年記念館をメインスタジオに、丸一日かけた楽しい収録でした。司会の高橋克典さん、ゲストのテリー伊藤さん、市川紗椰さん、ハマカーンさんはいずれもなかなかの「ロボットオタク?」でロボット談議で盛り上がりました。私たちのロボットも含め、過去から最新まで様々なロボットが登場します。

遠藤准教授

スタジオ収録は東工大で行われましたが、日本の主要なロボットも広く取材されていて最新の情報が網羅されており、とても充実した番組です。私たちの研究室で開発した四脚歩行ロボット「タイタン13」(TITAN-XIII)や、初公開となる全長10mの垂直多関節ロボット「スーパードラゴン」(Super Dragon)も登場します。ライブでの「スーパードラゴン」のデモンストレーションは大変緊張しました。放送を楽しみにしています。

番組情報

  • 番組名
    NHK BSプレミアム「驚き!ニッポンの底力 ロボット王国物語」
  • 放送予定日
    2018年10月10日(水)21:00 - 22:30
<$mt:Include module="#G-05_工学院モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975


菅野了次教授が山﨑貞一賞を受賞

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科学技術創成研究院 全固体電池研究ユニットの菅野了次教授が、第18回山﨑貞一賞を受賞することが決定しました。

山﨑貞一賞(正式名称:一般財団法人材料科学技術振興財団山﨑貞一賞)は、科学技術水準の向上とその普及啓発に寄与することを目的とし、同財団の初代理事長を務めた故山﨑貞一氏の科学技術および産業の発展に対する功績、人材の育成に対しての貢献を記念して創設された賞です。「材料」、「半導体及び半導体装置」、「計測評価」、「バイオサイエンス・バイオテクノロジー」の4分野において、論文の発表、特許の取得、方法・技術の開発等を通じて、実用化につながる優れた創造的業績をあげている方が授賞対象となっています。

この度の菅野教授の受賞は、材料分野となり、「新規リチウムイオン伝導体の創成と全固体電池の開発」に対するものです。

贈呈式は、2018年11月21日(水)に日本学士院で行われる予定です。

菅野教授のコメント

菅野了次教授
菅野了次教授

歴史ある山﨑貞一賞を受賞することは、私にとって大変な名誉です。これまでに受賞された方々の業績を改めて拝見しますと、身の引き締まる思いがします。

特に、私自身は、東工大で加藤与五郎先生が創設された電気化学科の流れを組む専攻で、長年研究開発を行ってきたこともあり、加藤与五郎先生と武井武先生のフェライトの発明を事業化された山﨑貞一先生が創設された賞を受賞できたのを、たいへん嬉しく思います。

さらに、私たちの研究グループが物質開発から電池開発に大きな成果をあげることができたのは、ひとえに、一緒に研究を行ってきた非常に優秀な共同研究者・技術者の方々、そして苦労と発見の喜びを共にしてきた研究室の学生の方々の努力があってのことです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

この受賞のテーマとなった技術が、社会に大きく貢献するまでに育つには、さらなる技術開発の進展が必要です。そのための一層の努力をする所存です。

お問い合わせ先

研究企画課 研究企画第1グループ

Email : kenkik.kik1@jim.titech.ac.jp

東工大生がハーバード大生等と交流~第7回大倉山学生フォーラム・たたら製鉄ワークショップ

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6月30日、横浜市大倉山記念館にて「大倉山国際学生フォーラム横浜2018」がハーバード大学等の主催で開催され、東工大からも学生が参加しました。今年で7回目となる本フォーラムは、ハーバード大学の学生がサマースクールやインターンシップなどで日本に滞在中に、日本文化をテーマに日本の大学生と国際交流するイベントです。日本からは、東京工業大学、慶應義塾大学、横浜市立大学の学生(各10名、計30名)が集まりました。

大倉山国際学生フォーラム横浜での集合写真
大倉山国際学生フォーラム横浜での集合写真

大阿闍梨の上原氏による講演
大阿闍梨の上原氏による講演

今回は、千日回峰行※148人目の阿闍梨※2である大阿闍梨・上原行照氏による講演と、竹山流三味線奏者の高橋竹童氏の津軽三味線の演奏が行われました。ハーバード大学のジェームズ・ロブソン教授との対談形式による大阿闍梨の過酷な修行についての体験談と、高橋氏による三味線の迫力ある力強い音色に、参加した日米の学生たちは興味深く聞き入りました。

7月21日には、今年で2年目となるハーバード大学・ジャパンプログラム※3で来日中のマサチューセッツ工科大学(MIT)・東工大との学生交流「たたら製鉄ワークショップ」の一環として、東工大大岡山キャンパスの大岡山西5号館レクチャーシアターで、東工大 物質理工学院 材料系の渡邊玄助教が「日本の伝統技術である和鉄づくり」について講義を行いました。その後、千葉県無形文化財の保持者でもある刀匠の松田次泰氏が日本の歴史や神事に欠かせない刀に関する講義を行った後、日本刀の鑑賞会を行いました。参加した東工大生は浴衣姿や甚平姿で2校の学生を迎え、通訳としても活躍するなど終始和やかなムードのなか共に時間を過ごしました。

渡邊助教の講義
渡邊助教の講義

刀匠の松田氏持参の日本刀を鑑賞
刀匠の松田氏持参の日本刀を鑑賞

同日午後に東工大で行う予定だったたたら製鉄の実演とペーパーナイフづくりは、猛暑のため8月11日に延期し、千葉県にある刀匠の松田氏宅に会場を変更して開催されました。

7月21日の講義に参加した学生を中心に、東工大生6名、ハーバード大3名とMIT6名の学生、合わせて15名が参加しました。

たたら製鉄は、砂鉄を木炭によって還元し鉄を得る、日本独自の製法です。このような製法でつくられた鉄は「和鉄」と呼ばれ、非常に純度が高く、良質で日本刀などに使われています。参加者は、任意団体「ものづくり教育たたら連絡会」の支援のもと、たたら製鉄の手法を用いて和鉄を作り、手作りの鍛冶炉で和鉄の棒からペーパーナイフを作る体験をしました。

手作りの鍛冶炉でペーパーナイフづくり
手作りの鍛冶炉でペーパーナイフづくり

たたら炉の前で記念撮影
たたら炉の前で記念撮影

本年も両イベントを通して、日本の伝統芸能鑑賞やものつくりを体験し、日米学生間の国際交流が進み、友好関係を築く素晴らしい機会となりました。

たたら製鉄ワークショップ後、5.3kgのケラと一緒に全員で記念撮影

たたら製鉄ワークショップ後、5.3kgのケラと一緒に全員で記念撮影

参加者のコメント

福田萌斐さん(情報理工学院 数理・計算科学系 学士課程3年)

この大倉山学生フォーラムとたたら製鉄ワークショップのことは以前から知っており、“次は参加しよう!”とずっと心に決めていました。グローバル理工人育成コース※4からの募集を受けて今年度参加することになりました。

当初ハーバード大やMITの学生と交流ができることに魅力を感じていましたが、実際に参加してみて、私自身が日本人として改めて日本の文化を認識する機会にもなり、期待以上にとても有意義な時間になったと感じています。

大倉山学生フォーラムでは天台宗の千日回峰行を実際に満行された上原行照大阿闍梨さんの講演や、津軽三味線の生演奏を留学生とともに楽しみました。私にとっても初めて知ることばかりで新鮮でしたし、“本当にこんなことできるの?”と素直に驚きを表現していたり、体でリズムを取りながら三味線の音楽を楽しんだりする留学生の反応も、見ていて興味深かったです。海外の人から見て日本の文化がどのように映るのか、一緒に楽しむことでより理解できたような気がします。

また、たたら製鉄のワークショップではたたら製鉄についてのレクチャーを受け、実際にペーパーナイフを作りました。それだけでなく、鎌倉時代の日本刀を再現している松田刀匠に、日本刀の歴史や日本人の美意識についてのお話を伺い実際の日本刀も鑑賞させていただいて、ただ昔の出来事で完結するようなことではなく、今の日本に根付く価値観が形成されるに至る背景を学ぶことができました。日本刀が大好きな留学生が目を輝かせながら話を聞いているのを見て、私はこんな格好いい文化を持っている国に生まれたのだと、より日本のことを誇りに思えるようになったと同時に、もっと日本の文化について知っていたいと強く実感するようになりました。

ワークショップ全体を通じて、ハーバード大やMITの学生が持つ好奇心には刺激されました。学んだ日本語でユニークな考えを教えてくれたり、積極的に作業のプロセスに加わってきたりする学生の意識に純粋に感動し、将来世界の同じフィールドで活躍するために自分自身に足りない部分を認識することができました。これを通して出会った留学生とはワークショップの作業や合間の時間を通して仲良くなり、それぞれの大学のことや日本のことなどについて色々な話をしました。アメリカで学ぶ同年代の学生と構築できた貴重なつながりは、今後ずっと大切にしたいと思います。

※1

回峰行は、文字どおり、比叡山の峰々をぬうように巡って礼拝する修行です。千日回峰行は7年間かけて行なわれます。1年目から3年目までは、1日に30キロの行程を毎年100日間行じます。4年目と5年目は、同じく30キロをそれぞれ200日。ここまでの700日を満じて、9日間の断食・断水・不眠・不臥の“堂入り”に入り、不動真言を唱えつづけます。6年目は1日約60キロの行程を100日。7年目は200日を巡ります。前半の100日間は“京都大廻り”と呼ばれ、比叡山山中の他、赤山禅院から京都市内を巡礼し、全行程は84キロにもおよびます。最後の100日間は、もとどおり比叡山山中30キロをめぐり満行となるものです。

※2

日本で、真言・天台両宗の僧に与えられた職位。上原氏は天台宗・姨倚耶山伊崎寺住職で、48人目の大阿闍梨です。

※3

日本の企業、研究所等でインターンシップを行うプログラムです。詳しくはMIT-Japan Program(English)outerのサイトをご覧下さい。

※4

世界の企業、大学、研究所、国際機関など、様々な分野で活躍できる科学者・エンジニア・技術者=「グローバル理工人」を育成するために2013年度に開設したコース。系・コースの標準課程で身につける専門性に加え、高い国際性を養います。東工大に入学してきた学士課程の学生を対象にした初級・中級コースと、修士課程を対象にした上級コースがあります。

グローバル理工人育成コースouter

お問い合わせ先

グローバル人材育成推進支援室(担当:鹿取、太田)

Email : ghrd.info@jim.titech.ac.jp
Tel:03-5734-3520

リベラルアーツ研究教育院主催シンポジウムのご案内 『AIとヒューマニティ―』

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近年のAI(人工知能)の進歩には目を瞠るものがあります。AIは人間の営みをどう変えてゆくのでしょうか?

今回は、池上彰特命教授の司会のもと、本学の調麻佐志教授(科学技術社会論)、國分功一郎教授(哲学)、それに俳人の大塚凱さんをお迎えして、AIと人間性との関わりを議論します。

大塚凱さんは、2017年学生俳句チャンピオンで、北海道大学の開発した俳句AIとの対決に人類代表として出場し勝利しました。第7回石田波郷新人賞など数々の受賞歴もある気鋭の若手俳人です。

2018年の秋の一夜、東工大リベラルアーツ研究教育院ならではのシンポジウムにぜひご来場ください。

概要

日時
2018年10月17日(水)18:00 - 20:00 (開場17:30)
場所
参加概要
定員200名、先着順、入場無料、予約不要
※ただし、入場希望者が多数の場合、開場前に整理券を配布することもあります。
リベラルアーツ研究教育院主催シンポジウム「AIとヒューマニティ」ポスター
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お問い合わせ先

リベラルアーツ研究教育院文系教養事務

E-mail : ilasym@ila.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-7689

東工大博物館で特別展示を開催 94年前の入試問題 ノーベル賞メダル 百年記念館レゴ模型

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8月1日に再オープンした博物館で3つの特別展示が、オープンキャンパス(8月10日)に合わせて開催されました。

最も古い入試問題

1つ目は資史料館・博物館による「大正13・14年の入試問題」の展示を百年記念館1階のT-POTで行いました。夏休みを利用して本学を訪問する多くの高校生を主な対象としたものですが、本学の学生にも入試問題の変遷とその中でも変わらない本質的な特徴を読み取ってもらうのが狙いでした。当時は初日の英語(2時間)と数学(3時間)が第1関門で、この成績で定員の約2倍の範囲に入った受験生のみが、間を1日おいて行われる物理(2時間)と化学(2時間)の試験を受けることができました。英語と数学でかなり勝負は決まっていたようです。今回展示された入試問題は、本学に保存されている中で最も古い入試問題であり、訪れた受験生、見学者は普段目にしない文体の問題を熱心に鑑賞していました。

入試問題を熱心に見る来場者
入試問題を熱心に見る来場者

歳月を経てセピア色になった入試問題は私たちに多くのことを語りかけてくれ、当時の受験生と出題者の格闘がよみがえるようでした。実際に本学の学士課程1年目の学生に数学と化学の問題を解いてもらい、解答例も作成しました。本学の本拠地だった蔵前の地を離れて最初に入学試験が行われたのは1924 年(今から94年前の大正13年)でした。前年の関東大震災で隅田川のほとりの蔵前の地にあった校舎が全焼し、大岡山に移転することになったからです。校舎と共に、図書や文書類の多くも焼失しましたので、蔵前時代の入学試験問題は残っていません。このように、1924~1925年(大正13~14年)は本学の歴史にとって大きな変革点だったため、展示ではそのことについても紹介しました。

この入試問題について「資史料館とっておきメモ帳 No.12PDF」(特定歴史公文書等になった現存最古の入試問題: 関東大震災で蔵前キャンパスが灰燼に帰した半年後の入学試験)で詳しく紹介しています。

大隅良典栄誉教授のノーベル賞受賞メダル

ノーベル賞関連展示風景
ノーベル賞関連展示風景

2つ目は、地下展示室Aにて2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大隈良典栄誉教授の特別展示です。受賞メダル、ディプロマ(レプリカ)、研究成果などをまとめたパネルのほか、受賞当日の様子が掲載されたさまざまな新聞や関連資料を展示しました。また、2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士(本学卒業生、筑波大学名誉教授)の受賞メダルも同時に展示しました。

受賞メダルは2018年10月6日(土)、7日(日)に開催する工大祭でも展示を行います。博物館での常設展示を計画しており、現在準備を進めています。

レゴで作った百年記念館模型

レゴで作られた百年記念館
レゴで作られた百年記念館

そして1階T-POTには、東工大レゴ同好会による百年記念館の外観模型を設置しました。レゴ同好会は工大祭での展示や近隣の小学校でワークショップを行い、ものつくりに必要な想像力、観察力をレゴを通して伝える活動をしています。

学内では図書館を含むさまざまな建物の制作をしており、百年記念館の設計は現部長の上村英隆さん(工学院機械系 学士課程3年)、制作は5名によって行われました。作品で苦労した点を聞くと「百年記念館の特徴であるかまぼこ部分の再現です。また、ガラス張りを再現するために、レゴでは種類が少ない透明な部品を大量に使用しお金がかなりかかりました」ということでした。普段見ることのできない細部をさまざまな角度から見て楽しめるのもレゴ模型の良さの1つです。このレゴ模型は引き続き展示していますので、東工大にお立ち寄りの際はぜひご覧ください。

お問い合わせ先

東京工業大学博物館

E-mail : centjim@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3340

ほぼ全ての脊椎動物に共通するフェロモン受容体を発見 1細胞-1受容体ルールを破るフェロモン受容体

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要点

  • 種間での共通性がないというフェロモン受容体のこれまでの定説を覆す
  • シルル紀の祖先から受け継いだフェロモン受容体を発見
  • 脊椎動物のフェロモン受容の起源や進化の解明に大きな期待

概要

東京工業大学 生命理工学院の二階堂雅人准教授と鈴木彦有大学院生(研究当時:博士後期課程、現:日本バイオデータ)、バイオ研究基盤支援総合センターの廣田順二准教授、生命理工学院の伊藤武彦教授が中心の研究グループは、115種におよぶ生物種の全ゲノム配列を網羅的に解析して、ほぼ全ての脊椎動物が共有する極めて珍しいタイプのフェロモン受容体遺伝子を発見しました。

一般的に、フェロモンやその受容体は多様性が大きく、異なる種間での共通性は極めて低いことが知られています。しかし、今回新たに発見された遺伝子は、古代魚のポリプテルスからシーラカンス、そしてマウスなどの哺乳類におよぶ広範な脊椎動物で共通であるという驚くべき特徴を備えていました。

これは4億年に亘る脊椎動物の進化の歴史において、この受容体が太古の祖先から現在に至るまで高度に保存されてきたことを意味し、フェロモン受容の要となる中心的な機能を担っている可能性を示唆しています。この発見はフェロモン受容の進化的起源の謎を解く重要な成果であり、今後はフェロモンの生理機能の解明や、様々な家畜種に共通した繁殖管理技術の開発にもつながると期待されます。

この成果は、2018年9月24日に米国の学術誌『Molecular Biology and Evolution』に掲載されました。

研究の背景と経緯

地球上の多くの生物にとって、子孫を残すための生殖システムはもっとも重要で不可欠なものと言えます。そして、脊椎動物におけるフェロモン受容は、この生殖システムの中心的役割を果たしています。フェロモンは、ある個体が分泌し同種内の別個体が受容することで、生得的な行動や生理的変化を引き起こす化学物質のことを指します。特に同種の異性を誘引する働きがあることはよく知られています。

V1Rフェロモン受容体は、哺乳類の鋤鼻器(じょびき)[用語1]に存在する神経細胞(鋤鼻神経細胞)で発現し、様々なフェロモンを受容します。このV1R受容体は多重遺伝子族[用語2]を形成し、種間での遺伝子数やレパートリーが非常に多様であることが分かっています。異なる種間ではフェロモンやV1R受容体の種類が異なっており、このことが種に特異的な行動の誘導や、同種内のみでの繁殖を可能にしていると考えられています。また、鋤鼻器には多くの神経細胞が存在しますが、個々の神経細胞は数あるV1R遺伝子の中からただ1種類のみを選択して発現するという「1細胞-1受容体」ルール[用語3]が存在します。そして、鋤鼻器は発現するV1Rの種類によって異なる多様な個性をもった神経細胞の集団を有することになり、それが様々なフェロモンの受容や識別を可能にしています。

二階堂准教授らの研究グループは、進化生物学研究の一環として、フェロモンを介した種分化の研究を進めており、これまでにタンザニアの湖に生息する熱帯魚や霊長類、さらにはシーラカンスのV1R受容体遺伝子群の単離と進化解析を行ってきた経緯があります。今回は、研究対象種をより広範な脊椎動物に広げてゲノムの網羅解析をしたところ、以下の興味深い発見に至りました。

研究成果

研究グループは広範な種の脊椎動物計115種の全ゲノム配列を対象に、V1Rフェロモン受容体遺伝子群の網羅的な探索と得られた配列の系統解析を行いました。その結果、ほぼ全ての脊椎動物に共通する例外的なV1R遺伝子が存在することを発見しました。V1Rは種間での多様性が大きく、異なる種では同じV1Rを共有していないと考えられてきました。しかし、今回見つかったV1R遺伝子は、古代魚と呼ばれる下位条鰭類のポリプテルスやガー、肉鰭類のシーラカンス、さらにカエルやトカゲ、マウスなどの哺乳類といったほぼ全ての脊椎動物に共通しているという、驚くべき特徴をもっていました。脊椎動物の進化に照らし合わせて考えると、このV1R受容体遺伝子の起源は今から4億年以上前のシルル紀にまで遡ることが分かりました(図1参照)。このV1Rはこれまでに見つかっていない新規遺伝子であったため、研究グループはこれをancV1R(ancient:起源が古いという意味を含めた)と名付け、さらなる解析を進めました。

脊椎動物の進化とancV1Rの進化シナリオ

図1. 脊椎動物の進化とancV1Rの進化シナリオ

脊椎動物の進化の過程でancV1Rはサメの分岐した後に誕生し、その後は広範なグループで保持されてきた。黒色で表した種は機能的なancV1R配列をもつ種で、灰色はancV1Rが偽遺伝子化した種を表す。ancV1Rの誕生と欠失のタイミングをそれぞれ黒色と灰色の丸印で表した。

注目すべき重要な発見として、いくつかの種においては、このancV1R遺伝子に変異が入り偽遺伝子[用語4]化し、その受容体としての機能を消失していたことです。たとえばクジラやヒトを含めた高等な霊長類、鳥、ワニなどです。興味深いことにこれらの種では、フェロモン受容するための鋤鼻器が退化しているという共通点がありました。つまりancV1Rは鋤鼻器において中心的な役割を担っているものの、鋤鼻器が退化した種ではその役割を失ったため偽遺伝子化したと予想できます。

さらに研究グループは、マウスの鋤鼻器におけるancV1Rの遺伝子発現をin situハイブリダイゼーション法[用語5]で確認したところ、鋤鼻器の全体に渡る広い発現が確認されました(図2参照)。従来のV1Rが「1細胞-1受容体」ルールに従ってまばらに発現していることを考えると、今回ancV1Rで見られた全ての鋤鼻神経細胞における発現は、極めて興味深い知見です。この結果は、1つの鋤鼻神経細胞にはancV1Rと、既知のV1Rのどれか1種類とが共発現(1細胞-2受容体)していることを示唆し、これまでの定説を大きく覆すことになります。ancV1Rのこのような発現は、マウス以外にもマーモセット、ネコ、ヤギ、カエルでも確認されたことから(図2参照)、ancV1Rを持つ生物種に共通した現象であることも分かりました。

本研究で発見したフェロモン受容体遺伝子ancV1Rは、脊椎動物が古くから共通に保持してきたこと/鋤鼻器が退化した生物では偽遺伝子化していること/鋤鼻神経細胞全てに発現していること、全て考え合わせると鋤鼻器を介したフェロモン受容には、まだ解明されていない未知の機構が存在すると考えられます。今回の成果は、その未知の機構をancV1Rが担っている可能性を示唆し、今後の研究がさらに大きく展開することが期待できます。

鋤鼻器におけるancV1Rの発現パターン

図2. 鋤鼻器におけるancV1Rの発現パターン

各脊椎動物の鋤鼻器の凍結切片を用いてancV1Rの遺伝子発現を調べた結果、ほぼ全ての鋤鼻神経細胞にその発現を示すシグナルが得られた。これは様々な生物種で共通であった。

今後の展開

ancV1Rの分子生物学的な機能の解明は、フェロモン受容に関わる情報伝達系のメカニズムのさらなる理解に欠かせません。本研究グループはすでにancV1Rの欠損マウスの作製に着手しており、今後はその表現型観察から研究を進めていく予定です。ancV1Rは進化的に古くから保存された遺伝子であることから、鋤鼻器の起源やその進化的変遷を理解する上で重要な知見を得られると考えられます。

ancV1Rは、脊椎動物に共通に存在する受容体であるため、多くの家畜動物に対して共通に作用して生殖を促すような化学物質の探索も可能となり、農産業の分野にも大きな意義をもたらすことが期待されます。

ただし、ヒトancV1R遺伝子はすでに偽遺伝子化してその機能を失っているため、残念ながら今回の発見が私たちの夢みるヒトフェロモンの研究に直接つながることはなさそうです。

研究体制

本研究は、東京工業大学 生命理工学院、東京工業大学 バイオ研究基盤支援総合センター、東京都医学総合研究所、岩手大学 農学部、農業・食品産業技術総合研究機構、京都大学 野生動物研究センター、東京慈恵会医科大学 解剖学講座、東京大学 大学院新領域創成科学研究科に所属する研究者の共同で進められました。

研究サポート

本成果は主に、文部科学省(MEXT)/日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金、旭硝子財団、倉田記念日立科学技術財団のサポートを受けておこなわれました。

用語説明

[用語1] 鋤鼻器 : 四足動物が持つフェロモン受容に特化した嗅覚器官であり、匂いを感じる主嗅上皮とは独立した器官。発見者の名前にちなんでヤコブソン器官とも呼ばれる。我々ヒトでは鋤鼻器は退化していると考えられている。

[用語2] 多重遺伝子族 : ある1つの遺伝子配列が重複を繰り返すことで作られた遺伝子の集まり。一般的には配列上の相同性も高く機能的にも似たタンパク質をコードする。例えばマウスには187個、ラットには106個、ウシでは40個の機能的なV1R遺伝子が存在している。

[用語3] 「1細胞-1受容体」ルール : 嗅覚受容体の研究により明らかにされた現象で、多数存在する受容体のうちどれか1種類が発現すると他の受容体の発現を抑える負のフィードバックが働くため、1つの嗅神経細胞には1種類の受容体のみが発現する機構。

[用語4] 偽遺伝子 : 変異が入ることで、タンパク質をコードしなくなったDNA配列のことを指す。多くの場合はコードするタンパク質が生体にとって役割を失うことで進化的な制約が緩み、偽遺伝子化が起こる。

[用語5] in situハイブリダイゼーション法 : 組織中における目的遺伝子の発現部位を調べる方法。今回は鋤鼻器の凍結組織切片に、ラベルを入れたancV1R遺伝子のmRNA相補鎖を結合させることで、その発現パターンを可視化した。

論文情報

掲載誌 :
Molecular Biology and Evolution 2018 (in press)
論文タイトル :
A single pheromone receptor gene conserved across 400 million years of vertebrate evolution
著者 :
Hikoyu Suzuki, Hidefumi Nishida, Hiro Kondo, Ryota Yoda, Tetsuo Iwata, Kanako Nakayama, Takayuki Enomoto, Jiaqi Wu, Keiko Moriya-Ito, Masao Miyazaki, Yoshihiro Wakabayashi, Takushi Kishida, Masataka Okabe, Yutaka Suzuki, Takehiko Ito, Junji Hirota, Masato Nikaido
DOI :
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お問い合わせ先

東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系 准教授

二階堂 雅人(にかいどう まさと)

E-mail : mnikaido@bio.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2659 / Fax : 03-5734-2946

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

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