今日の私たちが暮らす情報社会の次に訪れる未来社会として、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会「超スマート社会(Society 5.0)」が提唱されています。この社会の実現に向けて、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)やAI技術などを基軸とした製品・サービスが社会実装されていくことが求められますが、それを実現するにあたり生じる「データ量の増大」「消費エネルギーの増大」が課題として挙げられています。
NEC C&C財団によると、C&C賞は1985年に創設され、情報処理技術、通信技術、電子デバイス技術、およびこれらの融合する技術分野の開拓または研究、あるいはこの分野の進歩がもたらす社会科学的研究活動について顕著な貢献があった研究者に対して授与される賞です。国内外から推薦された候補者の中から、原則として毎年2件以内(1件3名以内)に授与されています。2017年度までに67グループ、110名が受賞しました。その後、ノーベル賞や文化勲章を受章した研究者もいます。C&Cは「コミュニケーション技術とコンピュータ技術の融合(Computers and Communications)」という意味です。
「クリスマス・レクチャー」は、英国王立科学研究所(The Royal Institution of Great Britain。以下、RI)が青少年向けに開催するイベントで、190年以上続く人気の科学実験講座です。このクリスマス・レクチャーを日本で再現するイベントは1990年から始まり、東工大では2015年から毎年開かれ、今回は4回目です。英国側主催はRI、日本側主催は読売新聞社、共催東工大、後援駐日英国大使館・文部科学省で開催されました。
Image may be NSFW. Clik here to view. 講師を務めたロンドン大学ソフィー・スコット教授
Image may be NSFW. Clik here to view. 司会を務めた斎藤准教授
今回のクリスマス・レクチャーは2017年にロンドンで開催されたレクチャーを日本向けにアレンジしたものです。講師は認知神経科学が専門のロンドン大学教授ソフィー・スコット博士で、本学工学院 機械系の齊藤卓志准教授が司会を務めました。「生き物のコミュニケーション(The Language of Life)」と題し、スコット博士が様々な生き物のコミュニケーションとその仕組みについて紹介しました。東工大からも工学院 システム制御系の倉林大輔教授がフェロモンの研究とそれを応用した探索ロボットについて講演し、約1時間半の充実したレクチャーとなりました。
東京工業大学 科学技術創成研究院の岩﨑博史教授、伊藤健太郎研究員、黒川裕美子研究員、国立台湾大学の李弘文教授(Pro. Hung-Wen Li)、台湾国立中央研究院の冀宏源准教授(Assoc. Prof. Peter Chi)等からなる国際研究チームは、DNA相同組換えの中心的な反応である“DNA鎖交換反応”をつかさどるDNA―Rad51タンパク質[用語1]複合体形成制御のしくみを世界で初めて明らかにした。
フォン ヒッペル賞は、アーサー・R・フォン ヒッペル教授(Arthur R. von Hippel, 1898-2003)を記念し、分野を横断した材料について際立った研究業績を挙げた研究者(会員・非会員を問わない)1名に毎年授与されています。本賞は今回で第42回を数えますが、日本人が受賞するのは初めてです。
参考文献:Rational synthesis of organic thin films with exceptional long-range structural integrity N. Seiki, Y. Shoji, T. Kajitani, F. Ishiwari, A. Kosaka, T. Hikima, M. Takata, T. Someya, T. Fukushima, Science2015, 348, 1122‒1126.
フォーラムは、「Innovation and Development of Engineering Education(工学教育のイノベーションと発展)」と題して、中国工程院及び国連教育科学文化機関(ユネスコ)との共催で開催されました。世界各国の大学の代表者、関係機関及び企業関係者など約150名が参加しました。
フォーラムは、各セッションの基調講演と分科会に分かれて行われ、益学長は2日目のEngineering Education for Sustainable Development(持続可能な発展のための工学教育)」のセッションの中で、本学の教育システムについて講演を行いました。各セッションや分科会では熱心な質疑応答があり、工学系分野における教育の在り方について議論が深まりました。
Image may be NSFW. Clik here to view. 邱(チウ)学長(右)と益学長