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Channel: 更新情報 --- 東工大ニュース | 東京工業大学
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リーダーシップ教育院 登録学生を迎え、本格始動

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9月26日、大岡山キャンパス本館にて東京工業大学リーダーシップ教育院(ToTAL)の開設式とオリエンテーションを行いました。

今年4月に設立されたリーダーシップ教育院は、卓越した専門性に加え、学術分野の枠を超えた多様な人々を巻き込んで将来の国際社会を牽引することができるリーダーシップを備えた人材の育成をミッションとする、大学院修士課程・博士後期課程一貫(5年間)の教育プログラムです。リーダーシップ教育院では、グローバルリーダー教育院(AGL)等で約7年にわたり培ってきた博士課程教育リーディングプログラムのリーダーシップ教育と、本学リベラルアーツ研究教育院の知見を組み合わせることで、社会・経済の持続可能な発展を担う理工系人材を育成する、全く新しい教育プログラムを実現しています。

祝辞を述べる益学長
祝辞を述べる益学長

開設式では、今秋から始動する本プログラムの第1期登録学生として全学院から集まった10名(うち4名が外国人留学生)を迎え、文部科学省高等教育局大学振興課の平野博紀大学改革推進室室長、益一哉学長、水本哲弥理事・副学長(教育担当)による祝辞がありました。益学長は祝辞の中で、2030年に向けた東工大ステートメント「尖らせる、共鳴する、実装する」について触れ、リーダーシップ教育院で学ぶ際には、専門分野の研究等に加え、ステートメントの意思を心に留めておくとともに、1.多様性と寛容さ、2.協調と挑戦、3.決断と実行の三つの姿勢をもって学修に臨んでほしい、と話しました。

続いて井村順一教育院長から挨拶と教育院教員の紹介があり、その後、益学長から登録学生1人ひとりに対して登録許可書が授与されました。

開設式出席者の集合写真

開設式出席者の集合写真

続いて行われたオリエンテーションでは、リーダーシップ教育院で育むリーダーシップの3つのタネが紹介されました。

1.
歴史や世界の中で自己を認識し、内発的動機を見つけることができる
2.
自己と他者の違いを受け入れ、共に尊重し、よりよい社会のために協働できる
3.
常に挑戦する心を持ち、思った通りにならなくても、創造的に楽しむことができる

また、登録学生が自身の学院の系・コースにおける専門教育に加えて受講することとなる、「社会課題の認知」、「グローバルコミュニケーション」、「リーダーシップ・フォロワーシップ養成、合意形成」、「オフキャンパスプロジェクト(3ヵ月)」、「幅広い教養」といったリーダーシップ教育院が提供するカリキュラムの説明がありました。

その後のワークショップでは、登録学生1名に対し教員1~2名が、対談相手に配慮した言語で2分ずつ相手を変えながら自己紹介を行いました。自己紹介のテーマは相手を変えるごとに設定され、好きなスポーツ・アートから、人生の転機、自分がリーダーシップを発揮したのはどんな時?などを語り、プログラムの導入としてお互いを知ることに重点を置いた内容となりました。最後に、リーダーシップ教育院で何をしたいかを、教員、登録学生から発表し、閉会となりました。

異なる専門分野、文化的背景をもつ仲間と切磋琢磨する中で、志を立て成長してゆく学生達の今後の活躍にご期待下さい。

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お問い合わせ先

リーダーシップ教育院(ToTAL)

E-mail : total.jim@total.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3755


11月の学内イベント情報について

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11月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

リベラルアーツ教養講座「メルヘンと歴史のはざまで―モーツァルトの歌芝居《後宮からの逃走》解読」

リベラルアーツ教養講座「メルヘンと歴史のはざまで―モーツァルトの歌芝居《後宮からの逃走》解読」

2016年秋に行ない大好評を博した、リベラルアーツ教養講座「ワーグナー《ニーベルングの指環》のコスモロジー」(全5回)の続編を開催。前回同様、本学の山崎太郎教授が講師を務め、11月下旬に予定されている東京二期会の公演に照準を合わせ、一回完結でモーツァルトの歌劇「後宮からの逃走」をとりあげます。

上演に先立ち予習をしておきたいという一般の音楽愛好家のニーズにも合わせ、作品の形態、あらすじ、登場人物、見どころ・聴きどころを、音楽や映像も交えて、わかりやすく解説。さらにはこの作品をめぐる様々な解釈や演出の潮流を紹介しつつ、講師自身による最新の研究成果に基づいて、18世紀の地中海世界におけるイスラム圏とキリスト教圏の攻防という視点から登場人物の性格や歴史的背景に光を当て、従来、荒唐無稽なメルヘンと見なされてきたこの歌劇が同時代の政治や社会の状況と密接に結びついていたことを解き明かします。

日時
11月1日(木)18:00 - 21:00(17:30開場)
会場
参加費
一般1,000円、本学学生および教職員は無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要(申し込み先:ila2018@ila.titech.ac.jp)
※予約なしでも、当日満席にならない限り入場は可能です

2018年度講演会「科学・技術で進化する、スポーツの世界」

2018年度講演会「科学・技術で進化する、スポーツの世界」

科学・技術の進展は、スポーツの世界に何をもたらすのか。いま研究・開発・実践の最前線に立つ講師とともに未来を構想します。

第1回は、パラアイスホッケープレイヤー上原大祐と、VRなどを用いたスポーツエンターテインメントも手がける映像ディレクター引地耕太が、「IT × パラスポーツ が拓く未来」について対談します。

第2回は、AIを活用したディジタルカーリングについて伊藤毅志が語ります。

第3回は、本学未来型スポーツ・健康科学研究推進体の代表でもある林宣宏が、最先端プロテオミクス研究によるアスリートの先進コンディショニングから始まる未来の健康社会について語ります。

第4回は、陸上男子400メートルハードルの日本記録保持者(2018年7月現在)為末大とバイオロボティクスを専門とする本学の中島求が、スポーツ工学の観点から科学・技術の進化がスポーツをどう変えるのか、対談します。

日時

第1回:10月20日(土) 13:00 - 15:00
第2回:10月27日(土) 15:00 - 17:00
第3回:11月3日(土) 13:00 - 15:00
第4回:11月17日(土) 17:00 - 19:00

会場
大岡山キャンパス西9号館 ディジタル多目的ホール
参加費
一般は有料(第1回、4回は2,500円、第2回、3回は2,000円、全4回一括8,000円)
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要(申込先着順)

CERI寄附公開講座「ゴム・プラスチックの安全、安心―身の回りから先端科学まで―」(2018年後期)

CERI寄附公開講座「ゴム・プラスチックの安全、安心―身の回りから先端科学まで―」(2018年後期)

私たちの身の回りにある化学品を含むゴムやプラスチックとその製品の安全・安心に関する情報とやさしい科学を、一般の方にもわかりやすく紹介します。更に、少し高度な内容として、最先端の安全性評価技術、劣化と寿命予測技術、耐性向上技術、高性能・高強度化技術 ・材料に関する科学を紹介し、将来の安心・安全な材料・製品設計の基礎を学べるようにします。

日時
(1)
2018年10月3日(水)、10月10日(水)、10月17日(水)、10月24日(水)、10月31日(水)、11月7日(水)、11月14日(水)、11月21日(水)
(2)
12月5日(水)、12月12日(水)、12月19日(水)、12月26日(水)、2019年1月9日(水)、1月16日(水)、1月23日(水)、1月30日(水)

※各日 10:45 - 12:15

会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般(先着20名)
申込
必要

第14回東工大バイオコン2018

第14回東工大バイオコン2018

生命理工学院の1年生約150名がバイオに関するテーマで“ものつくり”をする授業「バイオものつくり」に取り組んできました。このコンテストはその成果発表会です。

当日は4~8人ずつの班に分かれた学生たちが、約半年かけて取り組んだ成果を壇上で紹介します。お試しタイムでご来場いただきました方々に学生たちが作成した教材などの研究活動の成果を実際に体験していただきます。

日時
11月10日(土)コンテスト 9:30 -、発表会/お試しタイム 14:45 - 16:15
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
不要

エコライフめぐろ推進協会「環境推進員養成講座」(第11期)

エコライフめぐろ推進協会「環境推進員養成講座」(第11期)

エコライフめぐろ推進協会「環境推進員養成講座」は、地域で積極的に環境保全活動を行うことのできる人材の育成を目的とした講座で、今年で11回目を迎えます。前年度に引き続き、本学の環境・社会理工学院 神田学教授も講師を務めます。

日時
9月29日(土)、10月20日(土)、11月10日(土)、12月1日(土)、2019年1月19日(土)、2月2日(土)
会場
目黒区エコプラザほか(目黒区駒場野公園、旧三河島汚水処分場、目黒川)
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般(目黒区内在住・在勤・在学の方)
申込

必要(定員:20名、応募者多数の場合は抽選、9月4日(火)必着)

お問い合わせは目黒区エコプラザ(03-5721-2300)へ

第3回東京工業大学COIシンポジウム

第3回東京工業大学COIシンポジウム

東工大COIでは、地球上の人類の枠を超えた様々な声なき声(サイレントボイス)に耳を傾け共感する(インクルーシブセンシング)ことにより、人・社会・環境の問題に対して、人を通じて低環境負荷な人と地球に優しい方法で解決していくサイクルの実現を目指します。これらの実現に向け、センサー技術やAI処理、人へのフィードバック等の研究開発に取り組んでおります。シンポジウムでは、先端科学技術を活用し、このサイクルをいかに実現すべきか考えましょう。

日時
11月20日(火)13:00 -17:30(開場12:30)
会場
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
必要

東京工業大学・一橋大学 合同移動講座in北九州

東京工業大学・一橋大学 合同移動講座in北九州

2009年から蔵前工業会(東京工業大学同窓会)と如水会(一橋大学同窓会)が合同で開催している移動講座の第10弾!浜松、神戸、福岡、広島、札幌、名古屋、仙台、富山、大阪に続き、今年は北九州で開催いたします。お近くの方は、ぜひ足をお運びください。

日時
11月25日(日) 13:00開演
会場
ステーションホテル小倉 飛翔(5階)
北九州市小倉北区浅野1-1-1
参加費
無料
対象
本学の学生・教職員、一般
申込
800名(先着順・事前申込制)

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

連合会長神津里季生氏、事務局長相原康伸氏を招き「働き方改革」をめぐる特別講義開催

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リベラルアーツ研究教育院の西田亮介准教授が、自身が担当する「社会学Aouter」の授業に、日本労働組合総連合会(連合)の神津里季生会長、相原康伸事務局長を招き、7月2日、9日の2回にわたって「働き方改革」をめぐる特別講義を行いました。

神津会長(左から4人目)、西田准教授(同5人目)を囲んで
神津会長(左から4人目)、西田准教授(同5人目)を囲んで

相原事務局長(前列右)、西田准教授(前列左)を囲んで
相原事務局長(前列右)、西田准教授(前列左)を囲んで

神津会長からは現在の日本が置かれた諸課題に対する懸念を、相原事務局長からは将来日本が直面する課題に対して何をすべきか、という点を中心に、さまざまなワークルール上の諸課題、労働組合やワークルールの重要性について、それぞれおよそ1時間の講演がありました。

神津会長は、労働組合の役割、そして連合の取り組みについて、また、自分自身が楽観論者であると言われる意味合いや職場における男女共同参画について語りました。相原事務局長は豊富な身近な事例を切り口にしながら、本学学生に対して、将来の少子高齢化やAIによる労働市場の変化などが予想されるなか、「雇う力」を持てるようになってほしいということ、それからこうした諸課題を技術的に、そして社会的に解決できる人材になってほしいというメッセージを情熱的に語りかけました。

このゲストレクチャーにあたって、学生たちは、前週までに2種類の働き方改革関連法案に関する資料を読み、同法案に対する賛否を各自考えるという課題に取り組んだ上で、当日に挑みました。熱心な聴講の後、学生からは質問の挙手が相次ぎ、30分の質疑応答時間はあっという間に経過していきました。授業後もお二人を囲んで熱心に語りあう学生の姿が見られたことも印象的です。

ちょうど働き方改革関連法案の成立を巡って、連日報道が加熱していたこと、さらに理工系総合大学という本学の性質を踏まえた話に触発されるかたちで、学生たちにとってもワークルールが身近で誰にとっても関係ある主題であることを改めて理解することができました。中等教育までの教育課程で十分にワークルールを学習する機会が乏しいことを鑑みても、とても貴重な機会であったと西田准教授は語っています。

特別講義の詳細は以下に紹介されていますので、ご覧ください。

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TBSテレビ「未来の起源」に科学技術創成研究院の武元宏泰助教が出演

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科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の武元宏泰助教が、TBS「未来の起源」に出演します。

がんの中で性質を変えてがん細胞にくっつく高分子の研究について紹介されます。

武元助教のコメント

武元助教

この度、がんを認識して性質を切り替える高分子について取材して頂きました。

開発した高分子は、血液中の物質や正常組織に対しては吸着特性を示さないのに対し、がん組織内では性質が変化し、がん細胞などのがん構成物質に吸着します。がん組織内環境を認識して性質を切り替える分子設計は難しかったのですが、それを化学の力で可能とし、既存のシステムに比較して3倍以上の効率で物質をがんに送達出来るようになりました。

今回の放送を通じて、皆さんにも本研究の魅力を感じて頂ければ幸いです。

番組情報

  • 番組名
    TBS「未来の起源」
  • 放送予定日
    2018年11月4日(日)22:54 - 23:00(放送地域:関東、愛知、岐阜、三重)
    ※放送時間に変更がある場合があります。
  • (再放送)
    BS-TBS 2018年11月11日(日)20:54 - 21:00

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

若松英輔教授著『小林秀雄 美しい花』が第16回角川財団学芸賞を受賞

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リベラルアーツ研究教育院の若松英輔教授の著作『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋刊 2017年12月10日発行)が第16回角川財団学芸賞を受賞しました。

若松教授のコメント

若松教授

「書物」とは、書かれたときにではなく、読まれたときにはじめていのちを帯びるものです。その言葉は、読む者の知性と経験によって新生するとさえいえます。

このたび、本作に与えられた栄誉も、選考委員をはじめとした関係者の皆さんのそのような「読み」の助力があったからに違いないと思います。

また、書物は、書き手のほかに編集者、校正者、装丁者らの参与があって初めてかたちを帯びます。このたびの光栄をまず、この同志たちと共に喜びたいと思います。

この作品にはもうひとり重要な協同者がいます。越知保夫(1911年~1961年)です。

彼は一冊も著作を遺すことなく、亡くなりましたから、その名前を知る人は多くないかもしれません。しかし、没後、有志らによって編まれた遺著の冒頭に置かれた「小林秀雄論」は、数多ある小林論のなかで、きわめて独創的なだけでなく、小林以上に、小林の精神に肉薄した秀作であり、遠藤周作をはじめとした人々に影響を与えてきました。

十代の終わりごろ、この人物とその作品を知り、以来、私にとって書くとは、彼が病のためになし得なかったことを実現することと同義になりました。

この著作に良きところがあれば、多くを越知保夫に負うことをここにお伝えしないわけには参りません。この機会に彼の言葉がよみがえることを切に願います。

『小林秀雄 美しい花』について

『小林秀雄 美しい花』
『小林秀雄 美しい花』

帯の一節を紹介します。

「小林秀雄は月の人である。

中原中也、堀辰雄、ドストエフスキー、ランボー、ボードレール。

小林は彼らに太陽を見た。

歴史の中にその実像を浮かび上がらせる傑作評伝。」

角川財団学芸賞について

角川財団学芸賞は、アカデミズムの成果をひろく一般読書人・読書界につなげ、知の歓びを共有するとともに、研究諸分野の発展に寄与することを目的として、公益財団法人 角川文化振興財団によって2003年に設立されました。

対象は、日本の文芸・文化(文学・歴史・民族・思想・宗教・言語等とその周辺分野)、あるいはそれらを広範・多義的にテーマとする著作で、高レベルの研究水準にありながら、一般読書人にも読まれうる、日本語で書かれたものとされています。

今回は、10月12日に大澤真幸氏(社会学者)、鹿島茂氏(明治大学教授)、佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)、松岡正剛氏(編集工学研究所所長、イシス編集学校校長)によって選考会が行われ、受賞作が決定しました。

候補作4点の中には、本学リベラルアーツ研究教育院の中島岳志教授の『親鸞と日本主義』(新潮社刊)も選ばれており、その中での受賞となりました。

2018年12月6日(木)にホテルメトロポリタンエドモント(東京・飯田橋)で、本賞の贈呈式が行われます。

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お問い合わせ先

リベラルアーツ研究教育院文系教養事務

E-mail : ilasym@ila.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-7689

ラジオ ベイエフエム「ラブ・アワ・ベイ」に菅野了次教授が出演

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科学技術創成研究院 全固体電池研究ユニットの菅野了次教授がベイエフエム(bayfm78)の自然環境番組「ラブ・アワ・ベイ(love our bay)」に出演します。全固体電池の仕組み、その実用化の目途、現在の研究状況などについて語ります。「ラブ・アワ・ベイ」は、自然や環境、文化を中心としたインタビュー形式の番組で、1992年より26年続いています。

菅野教授

菅野教授のコメント

言わば、自然との対話の営みのなかで発見することができた超イオン導電体の地道な研究成果に関心を持っていただき、紹介させていただける機会を持てて幸いです。お聞きいただいた幅広い方々に東工大の研究に関心を持っていただければ望外の喜びです。

番組情報

  • 番組名
    ラブ・アワ・ベイ
  • 放送予定日
    2018年11月12日(月) - 15日(木) 11:53 - 11:59
    ※インターネット、スマートフォンはアプリradikoにて1週間リピート放送が有ります。

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

ナノグラフェンを水に溶かして分子膜作製に成功 次世代材料ナノグラフェン研究に新たな扉

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要点

  • 溶媒に溶けにくいナノグラフェンの水溶化に成功
  • 水中でナノグラフェン分子膜作製を可能とする「分子コンテナ」を利用した環境にやさしい新手法を開発
  • 次世代の機能性ナノ材料の作製や分析に期待

概要説明

熊本大学 大学院先端科学研究部の吉本惣一郎准教授と東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の吉沢道人准教授らの研究グループは、ミセル[用語1]型カプセルを利用した難溶性のナノグラフェン分子の水溶化と、基板上へ高配向組織化膜の作製を可能にする「分子コンテナ法」を見出しました。ナノグラフェンは有機半導体や分子デバイスの材料として期待されていますが、あらゆる溶媒に不溶であるため基礎物性の十分な理解が進んでいませんでした。この手法は、親水性と疎水性の両方の分子構造を有するミセル型カプセルを分子コンテナとして利用するもので、分子間にはたらく相互作用を利用して不溶な分子をカプセル内に取り込み、その分子を基板上に輸送し基板上で高配向に組織化させる(規則正しく並ぶ)ことで分子膜の作製を可能にしました。さらに、電気化学走査型トンネル顕微鏡を用いることにより、本手法で金電極表面に作製したナノグラフェン分子膜の分子スケール撮像に世界で初めて成功しました。

本研究で見出した「分子コンテナ法」はさらに巨大な構造を有する分子群にも適用が可能であり、物性の解明をはじめ分子の精密設計により分子サイズの導電性配線、新しい電池材料や有機半導体への展開が期待されます。さらに本手法は生体や環境への影響が懸念される有機溶媒を用いる必要がなく、実験者のみならず地球環境へも優しい新技術としても注目されます。

この研究成果は、2018年10月23日に科学雑誌『Angewandte Chemie International Edition』にオンライン公開されました。

これらの成果は、2016年に発生した熊本地震により困難に直面した熊本大学の学部4年生を東京工業大学が特別聴講生として受け入れ、そこからスタートした共同研究であり、非常事態における東京工業大学の迅速な対応・連携により結実した成果です。

本研究は、文部科学省科学研究費助成事業、加藤科学振興会研究助成、「東工大の星」(STAR)プロジェクトなどの支援を受けて実施されました。

ナノグラフェンを取り込んだミセル型カプセルの作製方法

図1. ナノグラフェンを取り込んだミセル型カプセルの作製方法


ナノグラフェンとV字型(両親媒性)アントラセン分子を室温で粉砕・混合するだけで、「ナノグラフェンを取り込んだミセル型カプセル」が容易に作製可能

説明

炭素原子がシート状に配列したグラフェンは金属よりも軽く優れた電気特性を有しているため、次世代の電子材料として注目されています。中でも長さや幅がナノサイズで規定された「ナノグラフェン(多環芳香族炭化水素)」は、その構造が無限に広がるグラフェンとは違った物性を示す可能性があります。ナノグラフェンは有機半導体や分子デバイスの材料として期待されていますが、ナノグラフェン分子群はあらゆる溶媒に溶けにくい性質のため基礎物性の十分な理解が進んでいませんでした。一方、共同研究者である東京工業大学の吉沢准教授が開発した親水性と疎水性両方の性質を有する分子から構成されるミセル型カプセルは、機能性分子の構造や形状を高精度で認識可能です。そこで、本研究ではミセル型カプセルを溶解度の限界に直面していたナノグラフェン化合物群へ展開しました。

この手法は、特定の化学構造(アントラセン構造)から成るミセル型カプセルを分子コンテナとして利用するもので、分子間にはたらく相互作用を巧みに利用して不溶な分子を効率よくカプセル内に取り込みます。ミセル型カプセルは卵の殻のような役割を果たしており、卵の黄身に相当する疎水性の高いナノグラフェン分子はカプセルに包まれた状態で基板表面近傍まで輸送されます。ミセル型カプセルは酸性水溶液中で分子集合状態の変化(平衡関係)が起こっており、これに伴い内部に取り込まれているナノグラフェンがカプセル内部から飛び出し、水には溶けきれず基板へ吸着・組織化することで安定化します(図2)。

分子膜作製のしくみ

図2. 分子膜作製のしくみ


分子コンテナの内部に取り込まれているナノグラフェンがカプセル内部から飛び出し、水には溶けきれず基板へ吸着・組織化することで安定化し、分子膜を作製する。

また、今回、電気化学走査型トンネル顕微鏡[用語2]を用いることにより金電極表面における3種類のナノグラフェン分子(オバレン、サーコビフェニル、ジコロニレン)の2次元組織化の分子スケール解像に世界で初めて成功しました(図3)。画像から、基板へ吸着した分子が規則正しく並び、高配向な分子膜が形成されている様子がわかります。

電気化学走査型トンネル顕微鏡による分子スケール解像

図3. 電気化学走査型トンネル顕微鏡による分子スケール解像


作製した分子膜のイメージ。基板へ吸着したジコロニレン分子は規則正しく並びかつ各分子が分子構造を反映した形状で解像され、高配向な分子膜が形成されている様子がわかる。

本研究で見出した「分子コンテナ法」により、これまで溶解が困難であったナノグラフェンの水溶化とその2次元組織化に成功し、限界に直面していた分子膜作製に留まらず、ナノグラフェン科学の新たな扉を開きました。この手法は、ナノグラフェンを水溶化できるため生体や環境への影響が懸念される有機溶媒を用いる必要がなく、実験者のみならず地球環境へも優しい技術としても注目されます。

この手法はさらに巨大な構造を有する分子群にも適用が可能であり、基礎物性の更なる解明をはじめ分子の精密設計により分子ワイヤ、新しい電池材料や薄膜結晶成長への展開が期待されます。

用語説明

[用語1] ミセル : 石鹸の場合、親水性と疎水性(両親媒性)の両方の性質を持つ分子が主成分となっている。この分子は水中で凝集して内側が疎水(親油)部、外側が親水部となった球状の構造体となって油性の汚れを内側に包んで水に流れていく。この両親媒性の構造体のことをミセルという。

[用語2] 電気化学走査型トンネル顕微鏡 : 探針で表面を走査し基板と探針の間に流れる「トンネル電流」の変化を表面の凹凸として捉えることで、物質表面を原子レベルで解像する顕微鏡。

論文情報

掲載誌 :
Angewandte Chemie International Edition
論文タイトル :
A Supramolecular Approach to the Preparation of Nanographene Adlayers Using Water‐Soluble Molecular Capsules
著者 :
Sakura Origuchi, Mai Kishimoto, Michito Yoshizawa, Soichiro Yoshimoto
DOI :

お問い合わせ先

熊本大学 大学院先端科学研究部

吉本惣一郎(准教授)

Email : so-yoshi@kumamoto-u.ac.jp
Tel : 096-342-3948

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

科学技術創成研究院 研究公開2018 開催報告

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2016年から、秋恒例となった科学技術創成研究院の研究公開2018を、今年は10月12日にすずかけ台キャンパスで開催しました。

挨拶する小山二三夫科学技術創成研究院長
挨拶する小山二三夫科学技術創成研究院長

科学技術創成研究院は、4つの研究所、3つの研究センター、10の研究ユニットから構成され、これらが有機的に結合し、先端研究を進めています。研究公開2018では、その研究成果を多角的に紹介するため、講演会・セミナーと、ポスターによる研究内容紹介、及び研究室見学の3つのセクションを設けました。

講演会・セミナーの部は、すずかけ台大学会館の多目的ホールで開催されました。

午前中は未来産業技術研究所の教授陣によるセミナーで、機械、物性応用、建築、嗅覚、ディープラーニング、医用材料等、多岐にわたる6つのテーマについて先端研究の動向を紹介しました。

引き続き午後には、先端研究の中でも最近特に注目を浴びている下記2つのテーマを行いました。来場者の関心は高く、広い会場が満席状態となりました。

量子コンピューティング研究ユニットの西森秀稔教授による「量子コンピュータ研究開発の現状と将来 ―量子アニーリングを中心として―」

ビッグデータ数理科学研究ユニットの高安美佐子教授による「ビッグデータに基づく社会・経済現象のモデリング」

講演する高安教授
講演する高安教授

講演する西森教授
講演する西森教授

ポスター展示の様子
ポスター展示の様子

研究室のポスター展示は、終日にわたりR2棟オープンコミュニケーションスペースにて、先導原子力研究所等(一部の研究室は大岡山地区)を含め、99の研究室と3つの共同研究拠点の研究内容を展示しました。展示会場では、URAと呼ばれる研究マネジメントの一翼を担う専門的なリサーチ・アドミニストレーターが案内と説明を行い、来場者に多岐に渡る科学技術創成研究院の研究を知ってもらう良い機会となりました。

研究室見学は、研究公開ならではのイベントです。来場者は普段は立ち入ることのできない研究室を訪問し、研究者から直接研究内容や研究施設の説明を受けることにより、研究の最前線の様子を見学しました。

研究室見学の様子

研究室見学の様子

研究室見学の様子

企業関係者を中心に多くの方が来場し、科学技術創成研究院の最新の研究動向に対する関心の高さが際だったイベントとなりました。

お問い合わせ先

科学技術創成研究院 研究公開担当

E-mail : openlab@iir.titech.ac.jp


TAIST-Tokyo Tech 2017年度修了式を開催

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8月29日、東工大がタイの関連機関と連携して運営している大学院、TAIST-Tokyo Tech(Thailand Advanced Institute of Science and Technology 以下、TAIST)の2017年度修了式がタイ国立科学技術開発庁(NSTDA)で行われました。多数の来賓が出席し、盛大に修了生の門出を祝しました。

修了生とTAIST協力職員ら

修了生とTAIST協力職員ら

TAISTは、タイ政府からの要望により、理工系分野での高度な「ものつくり人材」の育成と研究開発のハブを目指して、2007年に設立された国際連携大学院です。タイの先端研究機関であるNSTDA とタイの4大学(キングモンクット工科大学ラカバン校(KMITL)、キングモンクット工科大学トンブリ校(KMUTT)、カセサート大学(KU) 、およびタマサート大学シリントーン国際工学部(SIIT))そして東工大の連携により運営されています。今回の修了生を含め、これまでに339名の修了生を輩出してきました。TAISTはThailand Advanced Institute of Science and Technologyの頭文字です。

タイ・パトゥムタニー県タイランドサイエンスパーク内のNSTDAで行われた修了式には、NSTDAからオムジャイ・サイメック副長官、本学から水本哲弥理事・副学長、タイの4大学から代表者が出席し、修了生たちに祝辞を述べました。また、在タイ日本国大使館から小林茂紀参事官が出席し、修了生へのお祝いを述べました。

水本理事・副学長(左)、オムジャイ副長官と記念撮影
水本理事・副学長(左)、オムジャイ副長官と記念撮影

NSTDAのオムジャイ・サイメック副長官
NSTDAのオムジャイ・サイメック副長官

本学の水本哲弥理事・副学長
本学の水本哲弥理事・副学長

在タイ日本大使館の小林茂紀参事官
在タイ日本大使館の小林茂紀参事官

修了生たちは、水本理事・副学長からプログラム修了証書を、オムジャイ副長官から記念品を授与されました。式典の最後には、修了生およびTAIST協力教員らで記念写真を撮影しました。修了生たちの進路は、東工大を含む博士課程への進学、民間企業や政府機関への就職など様々です。TAISTで学んだ知識や経験を活かし、大いに活躍することが期待されます。

お問い合わせ先

国際部国際事業課 TAIST事務室

E-mail : taist@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-7607

将棋部が東日本大会で3位入賞

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東工大将棋部が、東日本大会団体戦において3位に入賞しました。

本大会は関東大学将棋連盟が主催し、東日本の各地方から選抜された大学(北海道1校、東北1校、関東2校、北信越1校)と、各地方からの選抜チーム(北海道1チーム、東北1チーム、関東2チーム、北信越1チーム)の合計10チームで争われる大会です。今回は8月20日、21日、22日の3日間にわたって千葉市民会館にて開催され、総当たりのリーグ戦方式で行われました。関東からは東工大と日大が出場し、本学将棋部は東北大と関東選抜Ⅱチームに敗れたものの、日大など強豪校に勝利して総合で7勝2敗という成績を残し、全体3位入賞、大学内では1位を獲得しました。

3位に入賞した東工大将棋部のみなさん

3位に入賞した東工大将棋部のみなさん

部長の大野弘喜さん(生命理工学院 生命理工学系 学士課程2年)のコメント

本大会では部長の私が敵のエースを倒してチームを楽にするという作戦で、私が負けるとチームとしては辛いだろうという気持ちで挑んだ大会でした。しかし私が負けた関東選抜I戦、北海学園戦では仲間が強く、チームは勝ちを収めることができました。チームメイトにとても感謝しています。このように今回は個々人の負けをみんなで助け合う展開が多く、なんと7勝中5勝が3-2での勝ちで、チームとしてのまとまりの強さを感じる大会でした。学業では週2回の実験とレポートが大変ですがうまく両立させ、このチームワークを生かして秋季団体戦を頑張っていきたいと思います。

副部長の高田翔平さん(工学院 システム制御系 学士課程3年)のコメント

本大会は1チーム5人の団体戦で、先に3勝した方が勝ちというルールでした。私は高学年かつ副部長としてチームを率いていく立場であったにもかかわらず、最終日に調子を崩し、全敗を喫してしまいました。しかし他の部員の活躍により、その日を2勝1敗で切り抜け、全体3位になることができました。学業では制御の基礎として、流体力学から画像処理、ロボット機構など幅広い分野を学習しています。チームメイトの大野、有賀、飯田、大東、椎野、田中(敬称略)の皆さんに感謝しつつ、次回の大学対抗秋季団体戦で同じ失態を起こさないよう精進していきます。

表彰式で賞状を受け取る部長の大野さん

表彰式で賞状を受け取る部長の大野さん

東工大将棋部とは

毎年春から秋にかけて行われる個人戦や団体戦などの対局に出場しています。初心者から全国制覇経験者まで、学士課程から博士後期課程の学生約40名が所属し、週2回部室に集まって部員同士で対局しています。

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

中臺一博特任教授が総務省「異能(inno)vation」ジェネレーションアワード部門分野賞を受賞

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10月24日、総務省の「異能(inno)vation(イノベーション)」プログラムの「異能ジェネレーションアワード」授賞式が行われ、工学院 システム制御系の中臺一博特任教授の「ドローンが耳を澄まして要救助者の位置を検出 ―災害発生時の迅速な救助につながる技術―」が、「何かが新しく聞こえるようになる」分野のジェネレーションアワード部門分野賞に選ばれました。

異能vationプログラムとは

ロゴ

総務省が2014年度から開始した、ICT(Information and Communication Technology 情報通信技術)分野において奇想天外でアンビシャスな技術課題に失敗を恐れずに挑戦する人を支援するプログラムです。破壊的価値を創造する奇想天外でアンビシャスな技術課題への挑戦を支援する「破壊的な挑戦部門」と、未来がより良くなるような、ちょっとした独自のアイデア等を、異能vation協力協賛企業と連携して表彰を行う「ジェネレーションアワード部門」から成ります。

中臺特任教授が分野賞を受賞したジェネレーションアワード部門には、今年は自薦・他薦で10,440件の応募があり、10の分野において最優秀技術として認められた、それぞれ10件の分野賞が選ばれました。

中臺特任教授
中臺特任教授

中臺特任教授のコメント

「ドローン聴覚」は、これまでの私の研究で培ってきたロボットの耳を実現する「ロボット聴覚」研究を災害現場で役立てられないかという発想から、2011年の東日本大震災直後に思いついたテーマです。ドローンに耳の機能を構築できれば、人が助けを求める声や携帯の着信音を検出できます。緊急車両も入れず、瓦礫に人が埋もれてしまっている災害地で、人を捜索する一手段を提供できるはずです。継続的な研究開発の結果、屋外模擬環境で実機デモができるレベルの技術となり、この一連の研究の成果に対して今回の賞をいただきました。本研究を一緒に進めていただいた奥乃博教授(早稲田大学)、公文誠准教授(熊本大学)、干場功太郎助教(神奈川大学)、多大な支援をいただいたImPACT タフ・ロボティクス・チャレンジ(田所諭プログラム・マネージャー)、中臺研究室のメンバーに深く感謝の意を表します。

ImPACTは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラムです。
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2018年度 3学院サマープログラム 活動報告

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今夏、工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院の3学院が主催する各種のサマープログラムに参加する留学生が6月から7月にかけて来日し、約3ヵ月間、各学生が設定した研究を行いました。世界各地の計19の大学・研究機関から32名の学生が参加しました。

 
プログラム名
2018年 参加校(順不同)
1
Asia-Oceania Top University League on Engineering: AOTULE
アジア・オセアニア工系トップ大学リーグ
1)清華大学
2)香港科技大学
3)国立台湾大学
4)南洋理工大学
5)マラヤ大学
6)バンドン工科大学
7) チュラロンコン大学
8)インド工科大学マドラス校
9)モラトゥワ大学
2
Summer Exchange Research Program: SERP
夏期短期学生交流プログラム
1) UCサンタバーバラ
2) アーヘン工科大学
3) マドリッド工科大学
4) ソルボンヌ(パリ第6)大学
5) ウォーリック大学
6) オックスフォード大学
3
Asia-Oceania Strategic Universities Exchange Program: AOSU
アジア・オセアニア重点大学交流プログラム
1) 国立台湾科技大学
2) 武漢理工大学
3) シンガポール工科デザイン大学
4
Student Exchange Program for School of Materials and Chemical Technology
物質理工学院 学生国際交流プログラム
フランス国立航空宇宙研究所

工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院は、欧米やアジア・オセアニアの先進理工系大学と独自に協定を締結し、これらの大学から留学生を受け入れ、同時に東工大からも学生を協定校に派遣しています。学生交流を中心とした協定校とのネットワークを構築・確立することで、3学院はさらなる国際化を推進し、国際的な舞台で活躍できる人材の育成を目指しています。

留学生たちは、それぞれ自身の専門分野の研究室に所属して、受入教員の指導のもとで短期研究プロジェクトを行うと共に、日本語の基礎を学ぶ授業を履修しました。また、日本を代表する先端企業の見学や日本文化に関わる活動など、日本の技術や文化への理解を深めるためのイベントにも参加しました。

研究活動

参加学生 : パブロ・マリンさん(夏期短期学生交流プログラム:SERP)

在籍大学 : スペイン マドリード工科大学(修士課程1年)

東工大での所属 : 工学院 機械系

私の研究は流体力学に関連し、具体的には、多孔質内部の二相流界面に発生する2つの不安定性、すなわち、ビスカスフィンガリングと重力不安定性の相互作用に関するものです。このような流体力学的な不安定現象は、二酸化炭素地下貯留(CCS)や原油増進採掘(EOR)などのエネルギー技術において広くみられ、より持続可能なエネルギー産業への貢献が期待されています。実験では、二相流体の粘性比や密度差を様々に変化させ、また、注入速度を変化させながら現象の挙動を観察しました。三次元構造の可視化にはX線CT装置を用いました。これらの画像解析のための様々なソフトウェアの開発を行いました。詳細な解析は今後行う予定です。

受入指導教員 : 末包哲也教授

パブロには、スタンフォード大学の先生から提案されていた研究テーマに従事してもらいました。理論的・数値的な研究は行われていましたが、実験的な側面は手つかずの状況でした。来日前から専門の先生を探してアドバイスを受けながら研究計画を立案しました。最終的に多孔質内部のビスカスフィンガリングの3次元構造を可視化し、重力と流体力学不安定性の相互作用を明らかにしました。彼の非常にアクティブな研究態度は研究室にも良い影響を与えたようです。

研究室にて
研究室にて

研究室のメンバーと(左がパブロさん)
研究室のメンバーと(左がパブロさん)

特別講義

サバイバル・ジャパニーズ(日本語集中講座)/小学校訪問

本講座は、日本語初級レベルの学生向けの日本語クラスです。

講義では、日常生活場面で用いる会話表現を学び、実際に会話できるようになり、また、日本社会についてのプレゼンテーションを行い、日本の文化や社会について理解を深めることを目指します。また授業の一環として、地元の小学校を訪問し、児童たちと交流する機会もありました。

参加学生 : ペマトゥトゥ・ヘワ・ニマルシャナ・ヴィラジさん(アジア・オセアニア工系トップリーグ:AOTULE)

在籍大学 : スリランカ モラトゥワ大学(博士後期課程3年)

東工大での所属 : 環境・社会理工学院 建築学系

「アユボワン!」(スリランカでは伝統的に挨拶がわりにこう言います。「長生きできますように」という意味です。)私の日本の息子たち、娘たち、そして担任の先生、歓迎会を開いてくださり、本当にありがとうございました。校内見学に連れていってくれた子どもたちにも感謝を述べたいと思います。皆さんのおかげで、日本の小学校のしくみを理解することができました。日本の教育が「知識を与える教育」から「さまざまな活動を通して学ばせる教育」に変わっていったことも理解できたように思います。

児童のみなさんから日本の書道を学ぶことができたことは貴重な体験になりました。皆さんは控えめでしたが、熱心に教えてくれました。私が日本の文字の正確な書き方を学んだのは、今回が初めてのことでした。書道を教えてくれて本当にありがとう。いただいた名札や書道作品をスリランカに持ち帰り、家族や先生、友達に見せて、自分の部屋に飾ることにします。

また今回は、給食を一緒に食べるという、貴重な経験もさせてもらいました。2018年7月3日は、間違いなく人生の中でとても大切な一日となりました。私の大切な小さな星たち。皆さんは素晴らしい日本の将来を担っています。日本だけでなく世界の将来も担っています。児童のみなさんが、将来に向って努力を惜しまないことを願います。

書道体験をするニマルシャナさん
書道体験をするニマルシャナさん

自己紹介をするニマルシャナさん
自己紹介をするニマルシャナさん

ハイテク・ジャパン(工場・企業見学)

本講義は、研究所や工場の見学を通して様々な分野の日本企業の先端技術を概観することを目的としています。本年度は、東京ガス株式会社 扇島LNG基地、JFEスチール株式会社、鉄道総合技術研究所(以下、鉄道総研)、NHK放送技術研究所を訪問しました。

参加学生 : タン・ヨンゼンさん(AOTULE)

在籍大学 : シンガポール 南洋理工大学(博士後期課程4年)

東工大での所属 : 物質理工学院 材料系

見学先 : 鉄道総研

鉄道総研は、私の鉄道研究に関する見解を変えてくれました。日本においてはこれまで、より確実な耐震構造を構築することで電車本体とともに人命犠牲を防ぎ、運輸サービスの大混乱を減らすことが必要であったかもしれません。しかしながら、鉄道総研が行った様々な考察を知った後、昨今の鉄道研究は、耐震性増強をはるかに超えて、乗客の経験や利便性にまで及んでいることに気が付きました。

国の交通システムとは、充実した社会の中心であり、その国の労働者がどれほど効率的に機能しているか、移動時間を出来るだけ少なくし、その分、より本来の業務に従事することができるかの指針になっていると思います。ゆえに、日本の非常に効率的な社会は、世界的水準の鉄道輸送ネットワークとして現れているのです。

鉄道総研にて

鉄道総研にて

JFEスチール 東日本製鉄所にて

JFEスチール 東日本製鉄所にて

第10回 多専門領域にわたる国際学生ワークショップ(MISW 2018)

8月7~8日、工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院の修士・博士後期課程学生、国際大学院プログラムの3学院に所属する留学生およびAOTULEサマープログラム参加留学生を主な対象として「第10回多専門領域にわたる国際学生ワークショップ(MISW 2018)」を開催しました。

このワークショップは、議論や懇親会を通じて、それぞれの方法論・価値観・世界観の交流を行い、多文化共生と新たなイノベーションへの手掛りを模索することを目的としています。

また本ワークショップの発表者の中から、特に優秀な学生に優秀講演賞を授与し、さらに、3学院に所属する正規大学院生から20名程度の優秀な学生を選抜し2018年11月21日(水)~24日(土)にインド工科大学マドラス校で開催される「AOTULE学生会議」への派遣を予定しています。

今年は台風第13号の接近に伴い、プログラムの一部が変更・中止となりましたが、日ごろの研究の成果を存分に発表し、意見交換しあう、実りある機会となったようです。また、今回は、株式会社アクセルスペース代表取締役 中村友哉氏による世界初の民間商用超小型衛星事業に関する基調講演を行いました。

参加学生 : 杨光さん (AOTULE)

在籍大学 : 中国 清華大学(学士課程4年)

東工大での所属 : 工学院 機械系

学士課程の学生である私は、初めて国際的な会議やワークショップに参加しました。個人的にも光栄なことでした。第10回MISWでは、東工大で行っている研究に深く感銘を受けました。複合分野のワークショップだったので、私は多くの分野に明るくありませんでしたが、発表された多くの研究はかなりの労力を費やして完成されたものであったことは分かりました。様々な工学系分野の最先端の研究テーマだけでなく、研究発表の仕方も学ぶことができました。

MISWで私は口頭発表をしました。学士課程学生として仲間たちの研究を共有することができ、とても貴重な機会となりました。初めての口頭発表だったのでとても緊張し、とりわけ時間配分がうまくできませんでしたが、私より経験豊かな他の発表者たちから多くのことを学ぶことができました。発表者の多くは、研究内容を見せるだけでなく、研究の背景から可能性、方法や結果まで、素晴らしい筋立てで発表していました。これらのスキルを自分も将来、発表の場で使えるようになると確信しています。

口頭発表の時間が短かったため、研究の背景や手法を詳細に説明するには十分でなかったのが残念でした。事前により詳細な資料を入手できていればもう少しよかったかと思います。その結果、あまり多くの人から質問を受けることができませんでした。台風のせいで、とても楽しみにしていたグループワークもできず残念でした。

結論としては、このワークショップはとても貴重な経験であり、感謝しています。これからも、より多くの学生たちが参加し、互いに学びあうことができればと願っております。

全体集合写真

全体集合写真

口頭発表する杨光さん
口頭発表する杨光さん

ポスターセッション
ポスターセッション

文化・交流イベント

日本文化体験(生け花・茶道)

7月9日、公益財団法人 目黒区国際交流協会の協力の下、目黒区総合庁舎にて生け花と茶道の体験をしました。短い時間の間に、基礎的な作法のみならず、おもてなしの心や歴史的背景も学ぶことが出来ました。

参加学生 : アントン・ジョセフさん(SERP)

在籍大学 : ドイツ アーヘン工科大学(修士課程1年)

東工大での所属 : 物質理工学院 応用化学系

日本の素晴らしい伝統を説明しながら見せていただき、心から感謝申し上げます。普段の生活から解放されるような、とても満足できる寛ぎの時間であり、日本文化の重要な一部を経験した後に日本を発つことができることを大変嬉しく思います。出来ることならば、ドイツでも生け花を練習する機会を持てればと思っております。なぜならば、これほど少ない花だけで美しい作品を作ることができることに大変感銘を受けたからです。

アントンさんの作品
アントンさんの作品

茶道を楽しむ留学生
茶道を楽しむ留学生

指導してくださった相馬尊子先生と

指導してくださった相馬尊子先生と

キャンパス・ツアー

交換留学プログラムの特徴を生かし、留学生と東工大派遣学生による交流イベントも企画・運営されました。留学生が来日後まもなく出席するオリエンテーションの一環として、本年度協定校に派遣予定、および過年度に派遣された東工大生が中心となり、大岡山キャンパス・ツアーを実施しました。

ツアー・リーダー : 高橋未央さん(工系学生国際交流プログラム 2017年度派遣学生)

所属 : 物質理工学院 材料系(修士課程2年)

派遣先大学 : イタリア ジェノア大学(2017年11月~2018年2月)

英語で談笑しながら食堂や体育館など各施設の使い方を説明しました。留学生たちはプールやジムに最も興味を示していました。ツアー後は第二食堂で一緒にランチをしました。

キャンパス・ツアーにて(左が高橋未央さん)
キャンパスツアーにて(左が高橋未央さん)

キャンパス・ツアー後に留学生、派遣生、チューターでランチ
キャンパス・ツアー後に留学生、派遣生、チューターでランチ

歓送迎会

各プログラムで、歓送迎会が開催されました。自国や在籍大学の紹介、工系学生国際交流プログラム派遣生たちとの交流、日本の夏を象徴するようなお楽しみイベントなど、賑やかな時間を過ごしました。

参加学生 : 手塚沙也可さん(工系学生国際交流プログラム 2018年度派遣学生)

所属 : 物質理工学院 材料系(修士課程1年)

派遣先大学 : ドイツ マックス・プランク研究所(2018年8月~11月)

留学生はどの方もフレンドリーで、様々な話題で会話が盛り上がりました。特に印象的だったのは、世界でトップレベルを誇る日本の研究分野を学ぶために東工大に留学に来て、さらに将来は日本で就職したいと考えている方とお話することができたことです。

加えて、互いの研究テーマや自国での研究生活の違い、日本滞在をどのように楽しんでいるかなどの話題を通して交流することができました。これから3ヵ月間、ドイツで研究留学するという貴重な機会を通して、私も周囲の人と積極的に関わり合い、英語力の向上に努めるだけにとどまらず、普段の研究生活では得られない知識と経験を積みたいと考えています。また、このような留学生との交流の輪が今後さらに広がっていくことを期待します。

7月24日SERP・AOSU留学生と工系派遣生の歓送迎会(前列右が手塚沙也可さん)

7月24日SERP・AOSU留学生と工系派遣生の歓送迎会(前列右が手塚沙也可さん)

8月29日AOTULEの送別会(留学生、環境・社会理工学院長中井検裕教授、受入指導教員、プログラム担当教職員と)

8月29日AOTULEの送別会(留学生、環境・社会理工学院長中井検裕教授、受入指導教員、プログラム担当教職員と)

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お問い合わせ先

工系国際連携室

E-mail : ko.intl@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3969

東工大・芙蓉GAPファンド設立記念 平成30年秋のシンポジウム 開催のご案内

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芙蓉総合リース株式会社、株式会社みらい創造機構と東京工業大学は、2017年10月27日にGAPファンドの設置および運営にかかる協定を締結いたしました。

会場の様子

このたびは、協定に基づきかねてより連携しながら進めてまいりました「東工大・芙蓉GAPファンド」の第1回審査会を終え、各技術シーズに対する資金支援を軸に具体的な運用を始めることとなりました。

つきましては、本GAPファンドの運用開始を記念して、シンポジウムを開催いたします。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

日時
2018年11月20日(火) 15:00 - 19:00 (14:30 開場)
場所
主催
国立大学法人東京工業大学
共催
芙蓉総合リース株式会社/株式会社みらい創造機構
申込方法

登録/申し込みフォームouterから事前登録して下さい。

プログラム

Opening Remarks
15:00 -

開会案内・イベント概要のご説明

国立大学法人東京工業大学 研究・産学連携本部 特任教授 武重竜男

15:05 -

開会挨拶

国立大学法人東京工業大学 学長 益一哉

15:15 -

来賓挨拶

経済産業省 産業技術環境局長 飯田祐二

Session 1 産・学における新規事業・新技術へのアプローチについて
15:20 -

「新事業開発への取り組み」

東京電力ホールディングス株式会社 代表執行役社長 小早川智明

15:55 -

「全固体蓄電デバイスの実用化に向けてー基礎研究からデバイス開発へ(仮)」

国立大学法人東京工業大学 科学技術創成研究院 教授 菅野了次

16:30 -

「社会的課題解決と企業活動の両立/SDGsとCSV」

芙蓉総合リース株式会社 代表取締役社長 辻田泰徳

Session 2 GAPファンドの具体的な状況について
16:55 -

GAP ファンド運用説明及び第一回審査結果発表

国立大学法人東京工業大学 研究・産学連携本部 特任教授 武重竜男

株式会社みらい創造機構 代表取締役社長 岡田祐之

各研究課題の発表

1.
挟み込み検出装置(科学技術創成研究院 准教授 田原麻梨江)
2.
ゲル化剤、ゲル組成物、電解質、及び電気化学デバイス、並びにゲル化剤の製造方法(物質理工学院 准教授 松本英俊)
3.
二酸化炭素発生システムおよびそれに搭載する液体カートリッジ(物質理工学院 教授 宮内雅浩)
4.
瞳孔径変動に基づいた情報入力装置(工学院 教授 金子寛彦)
Closing Address and Receptions
17:25-

閉会挨拶

国立大学法人東京工業大学 副学長(産学官連携担当) 環境・社会理工学院 教授 屋井鉄男

17:30-

閉会の案内・懇親会のご案内

国立大学法人東京工業大学 研究・産学連携本部 特任教授 武重竜男

(移動・休憩)

17:50 -

懇親会

19:00

閉会

お問い合わせ先

東京工業大学 研究・産学連携本部

ベンチャー育成・地域連携部門

E-mail : venture@sangaku.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-7659

高橋栄一名誉教授、吉田尚弘教授が紫綬褒章を受章

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2018年秋の褒章において、高橋栄一名誉教授、物質理工学院 応用化学系の吉田尚弘教授が紫綬褒章を受章しました。

紫綬褒章は、学術研究や芸術文化、技術開発において功績をあげた者に贈られるものです。

高橋栄一名誉教授

経歴

高橋名誉教授
高橋名誉教授

高橋栄一名誉教授(2017年4月称号授与)は、1974年に東京大学理学部地球物理学科を卒業、1979年に同大大学院理学系研究科地質学専門課程博士課程を修了し、理学博士の学位を授与されました。

その後、1979年米国カーネギー研究所ポスドク(PD)研究員、1981年岡山大学温泉研究所助手、1988年東京工業大学理学部助教授を経て、同大理学部に新設された地球・惑星科学科の教授に1994年に就任し、2009年に評議員、2013年には附属図書館長となり、2016年の改組により理学院教授となりました。

この間、文部科学省科学研究費補助金特別推進研究「ホットスポットの起源」代表者(2000-2004年度)、文部科学省21世紀COEプログラム「地球:人の住む惑星のできるまで」拠点リーダー(2004-2008年度)、文部科学省科学研究費補助金新学術領域「地殻流体」領域代表(2009-2013年度)などを務めました。

2017年に本学を定年退職後、中国科学院広州地球化学研究所特別教授として、5年間の予定で中国の科学者との共同研究および若手教育を継続中です。このたびの受章はこれらの実績が認められたものです。

コメント

紫綬褒章の受章理由となった研究は、高温高圧実験を用いたマグマ起源研究、深海調査に基づくハワイのホットスポット火山研究、超高圧発生装置の開発とそれを用いた地球深部ダイナミクス研究、内熱式ガス圧発生装置の開発とそれを用いた日本列島活火山研究などです。東工大在職28年間の前半は、実験装置の開発とそのセットアップに多忙でした。後半は各種世話役の仕事が増えたことで加速度的に忙しくなり、自ら実験することができなくなりました。したがって、高橋研究室から育った多くの研究者が、火成岩岩石学、地球深部科学の2つの分野で日本並びに世界の研究をリードしておられることが何よりの誇りです。三島良直前学長のお取り計らいにより、開発した高圧実験装置の一部を東工大から中国科学院に寄贈いただき移設することができました。残された時間は多くありませんが、中国では自ら率先して実験し、研究の上で光るものを残したいと願っています。

吉田尚弘教授

経歴

吉田教授
吉田教授

吉田尚弘教授は、1983年に本学大学院理工学研究科博士課程を単位取得満期退学後、三菱化成生命科学研究所特別研究員となり、1984年に理学博士の学位を授与されました。富山大学理学部助手、助教授を経て、1994年に名古屋大学大気水圏科学研究所助教授となりました。1998年に東京工業大学大学院総合理工学研究科教授となり、2002年に本学フロンティア創造共同研究センター教授を経て、2013年本学地球生命研究所主任研究員を兼務し、改組により2016年本学物質理工学院教授となりました。

この間、学内では理事・副学長(研究担当)総括補佐、研究戦略室副室長、環境エネルギー機構副機構長などを務めました。学外ではAtmospheric Chemistry & Physics(アトモスフェリック ケミストリー アンド フィジックス)誌やGeophysical Research Letters(ジオフィジカル リサーチ レターズ)誌の編集長、日本学術振興会学術システム研究センター研究員、日本学術会議連携会員、日本地球化学会会長を歴任し、現在は国連環境計画 GEO-6科学パネル委員、日本学術振興会国際事業部委員、国際アイソトポマー会議主宰などに従事しています。また、今年12月には米国地球物理学連合フェローに就任予定です。これらの長年の教育研究への多大な貢献が評価され、今回の受章に繋がりました。

コメント

環境学の研究教育が評価され、望外の栄誉を賜りました。環境学は優れて垣根のない学問ですが、専門性とともに学際性も問われるので、感慨深くこの栄誉をお受けします。一分子に多数存在する安定同位体化学種(アイソトポマー・アイソトポログ)という共通指標を発見して、時空間にとらわれない、地球環境物質の起源解明に適用する研究スタイルのため、発見が多くあり、研究することが増える一方です。ご評価いただいた方向性の研究を次世代の方々とともに、より推進したいと気持ちを新たにしています。

本受章は恩師、研究室の仲間と約200名の学生、数多くの国内外の共同研究者、政府系研究支援機関、および本学の皆様のご協力の賜物です。これらの方々、および、この他にも本当に数えきれない多くの方々からお力をいただいています。ここに記して心より厚くお礼申し上げます。

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2975

研究者・留学生向け英文メールニュース 「Tokyo Tech Bulletin No. 51」を配信

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Tokyo Tech Bulletin(トーキョー テック ブリテン)」は、東京工業大学の研究成果やニュース記事、学生の活動などを紹介し国内外へ広く配信する英文メールニュースです。

この度、Tokyo Tech Bulletin No. 51が発行されました。

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Quantum science and technology

Quantum science and technology
Unlocking the quantum world to surpass the limits of the present

Over the past few years, a new research field has arisen at Tokyo Tech called "quantum science and technology." But what exactly is quantum science and technology and why are we talking about it? We interviewed the Dean of the School of Engineering, Nobuyuki Iwatsuki, who plays a central role in promoting the advancement of this exciting field.

Dormitory life at Tokyo Tech

Dormitory life at Tokyo Tech
Residents share experiences and advice for prospective students

Student dormitory residents and the Institute's Student Support Division provide an inside look at dorm life and offer advice for prospective residents, including what to expect and how to apply.

I want to do things differently from other people and live creatively -- Alexis André

I want to do things differently from other people and live creatively -- Alexis André

I want to do things differently from other people and live creatively -- Alexis André Fifteen years ago, a young man from France left his hometown and came to Tokyo Tech. At our school, he overcame difficulties and obtained his doctoral degree through the Tokyo Tech graduate program. Today, he has started to provide the world with a series of results from unique research that is a blend of art and computer science.

Research

Piecing Together the Narrative of Evolution

Piecing Together the Narrative of Evolutionouter

EON postdoctoral fellow Jennifer Hoyal Cuthill's work looking at fossil records of the Ediacaran to shed light on the evolution of early life in the early Earth's environment.

The role of the Atg2 protein in tethering pre-autophagosomal membranes to the endoplasmic reticulum

The role of the Atg2 protein in tethering pre-autophagosomal membranes to the endoplasmic reticulum

Postdoctoral Researcher Tetsuya Kotani, Associate Professor Hitoshi Nakatogawa, Honorary Professor Yoshinori Ohsumi and colleagues at Tokyo Tech have analyzed the Atg protein1 Atg2, whose function had been completely unknown, and have discovered that Atg2 tethers the pre-autophagosomal membrane to the endoplasmic reticulum during autophagosome formation.

No Assembly Required: Self-assembling Silicone-based Polymers

No Assembly Required: Self-assembling Silicone-based Polymers

Scientists at Tokyo Tech, RIKEN and Tohoku University have developed a silicone polymer chain that can self-assemble into a 3D periodic structure. They achieved this by using their recently reported self-assembling triptycene molecules to modify the ends of the polymer chains.

A pheromone-sensing gene that predates land-dwelling vertebrates

A pheromone-sensing gene that predates land-dwelling vertebrates

Scientists at Tokyo Tech have discovered a gene that appears to play a vital role in pheromone sensing. The gene is conserved across fish and mammals and over 400 million years of vertebrate evolution, indicating that the pheromone sensing system is much more ancient than previously believed. This discovery opens new avenues of research into the origin, evolution, and function of pheromone signaling.

Breakthrough in blending metals: Precise control of multimetallic one-nanometer cluster formation achieved

Breakthrough in blending metals: Precise control of multimetallic one-nanometer cluster formation achieved

Researchers in Japan have found a way to create innovative materials by blending metals with precision control. Their approach, based on a concept called atom hybridization, opens up an unexplored area of chemistry that could lead to the development of advanced functional materials.

Lighting it up: A new non-toxic, cheap, and stable blue photoluminescent material

Lighting it up: A new non-toxic, cheap, and stable blue photoluminescent material

Scientists at Tokyo Tech have designed a novel photoluminescent material that is cheap to fabricate, does not use toxic starting materials, and is very stable, enhancing our understanding of the quantic nature of photoluminescence.

In the spotlight

Tokyo Tech Bulletinは英語で配信を行っていますが、コンテンツは一部を除いてすべて日英両方で掲載しています。

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : publication@jim.titech.ac.jp


合宿で情報システムの価値をデザイン!

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9月11日から12日、マホロバマインズ三浦(神奈川県三浦市)で、「ビッグデータ・AI分野」をテーマに東工大情報理工学院が主催するenPiT2(えんぴっと2)の夏合宿が行われました。さまざまな大学から参加者が集い、活発なアイデアの提案や、生き生きとした意見の交流がありました。

講義の様子

講義の様子

夏合宿の様子

東京大学、電気通信大学、お茶の水女子大学、千葉大学の共催を得て、各大学の学士課程3~4年生を対象として実施された夏合宿には、東工大生4名(学士課程3年)が参加した他、9大学から計50名の参加がありました。また、6社の企業から10名の協力がありました。

この夏合宿では、チームを組んでデザイン思考や要求開発手法を学び、情報システムの価値をデザインし、実際のユーザー企業に情報サービスの提案を行いました。

提案テーマは、「若者がリピートしたくなる三浦海岸」だったため、身近な課題として積極的に取り組みました。初日午前中にチームビルディングを行い、さっそく現地リサーチにでかけ情報収集を行いました。はじめてのメンバー同士でしたが、リサーチ・課題分析・仮説導出・検証というプロセスの中で、チームの結束が育まれました。

最終プレゼンテーションでは、朝釣りと食材データを組み合わせたサービスを提案したチームが、enPiT賞を受賞しました。その他にも、宿泊データを活用した館内利用サービスや、地理情報を利用したデートプラン提案サービスなど、それぞれのチームの個性が現れた提案プレゼンテーションが行われました。

デザイン思考に基づいた開発
デザイン思考に基づいた開発

情報サービスを提案する参加学生
情報サービスを提案する参加学生

参加学生の大学

  • 東京工業大学(4名)
  • お茶の水女子大学(14名)
  • 電気通信大学(13名)
  • 千葉大学(12名)
  • 諏訪東京理科大学(4名)
  • 早稲田大学(3名)
  • 香川大学(1名)
  • 筑波大学(1名)
  • 東京工科大学(1名)
  • はこだて未来大学(1名)

enPiT(えんぴっと)とは

文部科学省 研究拠点形成費等補助金の「Society(ソサエティ)5.0に対応した高度技術人材育成事業成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成」を受けて運営されている教育プログラムです。大学と産業界が協力し、「ビックデータ・AI分野」「セキュリティ分野」「組み込みシステム分野」「ビジネスシステムデザイン分野」の4つの専門分野における情報系スペシャリストの育成を目的とした実践的教育を行う全国的な教育ネットワークです。

東工大は、ビッグデータ処理技術、人工知能技術、クラウド技術などを用いて、社会の具体的な課題を解決できる人材の育成を行う「ビッグデータ・AI分野」に参加しています。

お問い合わせ先

東京工業大学情報理工学院IT特別教育プログラム事務局

E-mail : jimu@itpro.titech.ac.jp

藻類のデンプン産出を自在にコントロール 環境に優しいプラスチックや医薬品の増産に期待

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要点

  • 藻類デンプン合成を調節する仕組みを発見
  • 藻類を用いたデンプン生産実現に向けたエコな基盤技術
  • 国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する有用物生産手法

概要

東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所のイムラン・パンチャ日本学術振興会 外国人特別研究員(研究当時)、田中寛教授、今村壮輔准教授の研究グループは、東北大学 大学院生命科学研究科の東谷なほ子博士、東谷篤志教授と、同大 大学院医学系研究科の島弘季助教、五十嵐和彦教授と共同で、藻類のデンプン合成をコントロールする新たな仕組みを解明した。

藻類デンプンは、高付加価値を持つレブリン酸メチルなどの有用化学品原料となるため、この成果を基に藻類のデンプン生産量を増加できれば、環境に優しい燃料添加剤(エンジンをきれいにする薬剤)や医薬品、化粧品、プラスチックなどに用いられる可能性がある。

藻類は、「油脂」を蓄積するためバイオ燃料生産で注目を集めているが、「デンプン」も細胞内に高蓄積することが知られている。しかし、油脂に比べてデンプンを合成する仕組みはよく理解されていなかった。研究グループは今回、デンプン合成開始時に機能するGLG1タンパク質のアミノ酸がリン酸化修飾を受け、リン酸化状態がデンプン合成のオン/オフを決定することを発見した。

本成果は10月23日、英国の科学雑誌「ザ・プラント・ジャーナル(The Plant Journal)」オンライン版に掲載された。

研究成果

研究グループは、藻類オイル[用語1]が蓄積する条件で藻類デンプン[用語2]が同様に蓄積する現象に注目。藻類オイル合成で重要なタンパク質リン酸化酵素のTORキナーゼ[用語3]が、デンプン合成においても機能しているのではと考えた。

この仮説を支持するように、単細胞紅藻シゾン[用語4](図1)内でTORキナーゼのリン酸化活性を人為的に阻害すると、細胞内でデンプン量が顕著に増加することが確認された(図2)。これはTORキナーゼが藻類オイルのみならず、藻類デンプン合成でも重要な役割を担っているタンパク質と言える(図3)。

このTORキナーゼは、その活性によって標的となるタンパク質のリン酸化[用語5]状態を変化させるため、タンパク質のリン酸化状態の網羅的な解析を行った。その結果、デンプン合成に関わると考えられるGLG1タンパク質[用語6]を発見した。その後、TORキナーゼ経路によってリン酸化を受けるGLG1のアミノ酸を特定し、このアミノ酸のリン酸化状態によって、細胞内のデンプン量が調節されていることを明らかにした(図3)。

単細胞紅藻シゾンの細胞と実験室における培養の様子

図1. 単細胞紅藻シゾンの細胞と実験室における培養の様子

TORキナーゼの活性を阻害するとデンプンの蓄積が誘導される

図2. TORキナーゼの活性を阻害するとデンプンの蓄積が誘導される

TORキナーゼの活性によりGLG1のリン酸化状態が変化して、デンプン蓄積のON/OFFが決定される。蓄積されたデンプンは、医薬品やプラスチックなどの有用化学品の原料となるレブリン酸メチルなどに変換可能である。図中のGLG1に付した「P」はリン酸化を示している
図3.
TORキナーゼの活性によりGLG1のリン酸化状態が変化して、デンプン蓄積のON/OFFが決定される。蓄積されたデンプンは、医薬品やプラスチックなどの有用化学品の原料となるレブリン酸メチルなどに変換可能である。図中のGLG1に付した「P」はリン酸化を示している

背景

国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)には、クリーンで持続可能なエネルギーの利用の拡大や地球温暖化への具体的なアクションを起こすことなどが盛り込まれている。デンプンは、各種化成品の原料やエタノールなどの燃料に変換できる有用物質だ。その中でも微細藻類を用いたデンプン生産は、SDGsを達成するための重要な技術と考えられる。しかし、藻類がデンプンを生産する仕組みはこれまで不明であり、藻類を用いたデンプン生産性を高める機構の解明が待たれていた。

研究の経緯

研究グループは以前、藻類デンプンからレブリン酸メチル[用語7]及び乳酸メチル[用語8]などの化学品原料を合成する新たな化学変換プロセスを開発している。それら化学品原料を増産させるためには、藻類におけるデンプン合成の仕組みを理解し、それを基にデンプン量を人為的に高めた藻類株の育種が必要であった。

今後の展開

GLG1タンパク質とそのリン酸化を調節するTORタンパク質は、藻類に広く保存されており、今回明らかにした仕組みは藻類一般に保存されていると考えられる。よって、GLG1とTORによる調節系は、他の藻類においてもデンプン量を変える優れた標的になると考えられる。今後、デンプン合成におけるGLG1の更なる詳細な解析を進めることで、デンプン生産能を向上させた藻類株の育種が期待される。

用語説明

[用語1] 藻類オイル : ここでは、藻類が生産するオイルの中でも、バイオ燃料の原料となる中性脂質であるトリアシルグリセロールを指す。

[用語2] デンプン : グルコース貯蔵の一形態であり、多数のグルコース分子が重合した天然高分子。

[用語3] TORキナーゼ : 真核生物に広く保存されたタンパク質リン酸化酵素。アミノ酸やグルコースなどの栄養源により活性が制御されている。標的分子のリン酸化を通してタンパク質合成を調節し、細胞の成長(大きさ)を制御している。

参考:微細藻類にオイルをつくらせるスイッチタンパク質を発見―バイオ燃料生産実現に向けた基盤技術として期待―

[用語4] シゾン : 学名はCyanidioschyzon merolae(通称シゾン)。イタリアの温泉で見つかった単細胞性の紅藻(スサビノリ、テングサの仲間)。真核生物として初めて100%の核ゲノムが決定されるなど、モデル藻類、モデル光合成真核生物として用いられている。

[用語5] リン酸化 : タンパク質分子などにリン酸基を付加する反応。リン酸化によってタンパク質分子の機能が変化したり、細胞内での局在や他のタンパク質分子との結合状態が変化する。タンパク質の機能を調節する主要な調節の仕組み。

[用語6] GLG1タンパク質 : デンプン合成の初期の段階でグルコース数分子をつなぎ合わせるグライコジェニン(glycogenin)と相同性を持つタンパク質。その分子を基にデンプン合成酵素がさらにグルコース分子をつないでデンプンが合成される。

[用語7] レブリン酸メチル : 工業的には燃料添加剤として利用されている。 出発物質として種々の有用化合物へと展開し、医薬品、化粧品、プラスチックなど様々な化学品の合成にも用いられている。

参考:藻類オイル抽出残渣から化学品原料の合成に成功 ―藻類バイオマスを徹底的に活用する技術を確立―

[用語8] 乳酸メチル : バイオプラスチック(バイオマスを原料とするプラスチック)の一つであるポリ乳酸(PLA)の原料として利用されている。PLAは植物由来のプラスチックであり、石油由来のABS樹脂の代替として利用が推進されている。

研究サポート

この研究は、科学研究費補助金の支援を受けて実施した。

論文情報

掲載誌 :
The Plant Journal
論文タイトル :
Target of rapamycin (TOR) signaling modulates starch accumulation via glycogenin phosphorylation status in the unicellular red alga Cyanidioschyzon merolae
著者 :
Imran Pancha, Hiroki Shima, Nahoko Higashitani, Kazuhiko Igarashi, Atsushi Higashitani, Kan Tanaka, Sousuke Imamura
DOI :

お問い合わせ先

東京工業大学 科学技術創成研究院

化学生命科学研究所 准教授 今村壮輔

Email : simamura@res.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5859 / Fax : 045-924-5859

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

小学生低学年を対象にしたマルチスポーツキャンプを開催

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9月29、30日、大岡山キャンパスの体育館にて、東工大リベラルアーツ研究教育院と株式会社みらい創造機構、株式会社イースリーとの共催で、小学校低学年向けマルチスポーツキャンプ「スポキャン(SPOCAM)」を開催しました。小学校1~3年生30名とその保護者の方々が参加しました。

大きな遊具に興奮しながらもルールを守って運動する子どもたち

大きな遊具に興奮しながらもルールを守って運動する子どもたち

「スポキャン」は失敗を自信に変えることを目標に、チャレンジをテーマにしたスポーツプログラムです。「チャレンジする力」につながる5つの力「探究心」「考える力」「表現力」「自己認識」「やりぬく力」を指標化したライフスキルプログラムを導入しています。非日常空間で行われる遊びを通して、安心して失敗できる場と、失敗を自信に変えられる場を経験することで、子どもたちが主体的に成長していくことを期待する内容です。子たちを補助するために、参加した大学生たちは予め研修を受けての参加となりました。

参加者の保護者に対して東工大の説明をする林教授
参加者の保護者に対して東工大の説明をする林教授

初日11時のプログラム開始と同時に、子どもたちは保護者とは別行動になります。子どもたちが説明を受けて準備体操をしている間に、リベラルアーツ研究教育院の林直亨教授から保護者に対し、東工大とリベラルアーツ研究教育院の教育内容を紹介しました。続いて、今回のプログラムのような体験と学習とがどのようにつながるのか、リベラルアーツと専門教育との関連からの30分間の説明を受けました。

プログラムは2時間程度のものを、お昼休憩を挟んで2回行いました。いきなり両親と別行動で、知らない人ばかりの場に移された子どもたちは不安を感じたかもしれませんが、すぐに馴染みのない大型の体操道具に興味深々となり、早く使いたいという表情が見て取れました。道具の使い方を学んだ後、「順番に使っていいよ」と言われると夢中で遊び始めました。

東工大生を含む9名の大学生が補助に来てくれました。最初のうちは、大きなお兄さん、お姉さんに慣れない子どももいましたが、徐々に安心し、一緒に走り回っていました。

2日目は台風の影響もあり、2時間のプログラムを2回から1回に短縮しました。前日の疲れも見せず、子どもたちは大変元気に動き回っていました。当たっても痛くないボールをチームで当て合うときには、大学生にも遠慮なく投げている姿が印象的でした。

活動の最後には、プログラムを通してどのようなことが学べたのか、できるようになったのか、できなかったのか、自信がついたのか、態度が変わったのか、などについて自己評価をします。同時に、担当の大学生が子どもたちを評価してプログラムは終了しました。大型の体操道具の片付けも、大勢の子どもたちが手伝ってくれて、名残惜しい様子でした。

大型の遊具の貸し出しとプログラム開発のアドバイザーとして株式会社ボーネルンドのご協力と、本プログラムの実施にあたって株式会社スポイクと株式会社学びのご協力がありました。

参加した子どもたちが、このプログラムでチャレンジしたことを通して自信をつけ、将来よりよい世の中づくりに貢献することを願っています。

2日のプログラム終了後、満面の笑顔で集合写真

2日のプログラム終了後、満面の笑顔で集合写真

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お問い合わせ先

リベラルアーツ研究教育院 教授 林直亨

E-mail : naohayashi@ila.ttitech.ac.jp
Tel : 03-5734-3434

リベラルアーツの必修科目「東工大立志プロジェクト」発 学生プロジェクト

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2016年度の教育改革によって開設された学士課程1年目の全学生を対象とする「東工大立志プロジェクト」から学生プロジェクトが発足し、その活動を広げています。

立志会の様子

立志会の様子

立志会の様子

本プロジェクトは、学生が教員とともにリベラルアーツ教育の創造に参加すべく、かつてリベラルアーツセンターに設けられていた学生プロジェクトがベースとなっています。2016年に新設されたリベラルアーツ研究教育院にその枠組みが引き継がれました。

現在は、「東工大立志プロジェクト」の講堂授業の際に、リベラルアーツ研究教育院の教員から受講者に対して、学生プロジェクトの発足を呼びかけています。それに賛同した学生たちが企画書を提出し、教員による審査を受け認定が得られた場合にそれぞれの活動を行います。

認定された学生プロジェクトのテーマは「東工大立志プロジェクト」の内容から発展・スピンアウトしたものが多く、これまで、学生自身の夢や問題意識のもとに定めた目標を達成するプロセスの中で、授業やサークル、年齢や専門分野の枠に捉われない、自発的で自由な学びや、その深化とコミュニティづくりなどが実現しています。

2016年度からこれまで10件が設立されました。今回は、2018年度に認定された3つのプロジェクトのうち「立志会」をご紹介します。

立志会(立志会を通してファシリテーションを学ぶプロジェクト)

メンバー

学士課程8名、修士課程3名、その他不定期参加者30名程度、2018年10月現在

活動内容

立志会は有志の東工大生により今年の7月に設立された団体で、各分野で活躍する東工大生に議論の場を提供することを目的としています。学年も専門分野も違うメンバーが集まって語り合えば、いつもと異なる視点で物事を捉え、何か新しくおもしろい発見に出会えるかもしれません。「議論」と一口に言ってもさまざまありますが、立志会が目指しているのは、いろいろな意見の多様性を認めながら、議題から離れてどんどん発散していく議論です。また、長期的な目標としては、これらの議論の中で出てきたユニークなアイディアを大切にし、実現に向けていきたいと思っています。そのため、現在行っている議論の会の他にも、アイディア実現会議など、さまざまなイベントを企画しています。学生プロジェクトとしては、このようなイベントの企画等を通して、ファシリテーションの在り方など多くのことを学んでいます。

代表の清原明加さん(第4類 学士課程1年)のコメント

こんにちは。立志会では、学年や分野を越えた参加者による自由でクリエイティブな議論を通し、なにかおもしろいことを実現したい!という目標のもと、さまざまなイベントを企画しています。まずは議論を思いきり楽しんで互いに刺激しあい、その上でなにか社会に貢献できるような、おもしろいものが生み出せたら良いなと考えています。今までに行った議論の会では、学士課程1年から博士後期課程の学生まで、実に多様な意見が集まり、会の始めに行われるプレゼンの内容に縛られない自由な議論で大いに盛り上がりました。私は4類に所属していて今はポンポン蒸気船を作ったり、心理学の授業を受けたりと幅広く学んでいるのですが、私自身毎回知らないことに出会える議論をとても楽しんでいます。会の様子は東京工業大学立志会サイトから見ることができますので、ぜひご覧ください。皆さんも自分のアイディアやバックグラウンドを生かして、一緒に議論しませんか?立志会では、東工大生の皆さんのご参加を楽しみにお待ちしています。

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お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

国公立27大学対校戦5,000m、10,000mで塩田匠さんが優勝するなど、東工大陸上部が健闘

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本学陸上競技部が、9月18日から20日にかけて熊谷スポーツ文化公園(埼玉県)で行われた第33回国公立27大学対校戦に出場しました。本大会は本陸上競技部が出場する大学対校戦の中でも最大規模の大会の1つで、レベルも非常に高い大会です。

男子5,000m、10,000mに出場した塩田匠さん(工学部 化学工学科 学士課程4年)は、2種目共に安定した走りで勝負強さを見せ、両種目で優勝を勝ち取りました。この結果が評価されて、本大会における優秀選手の1人にも選ばれています。

これは、前年度これらの種目で2冠を果たしている本学卒業生の松井将器さん(2018年3月 工学院機械系修士修了)に匹敵する結果で、現在の本学陸上競技部エースとしての存在感を十分に示しました。

5,000mで先頭を走る塩田さん

5,000mで先頭を走る塩田さん

男子4×100mリレー、4×400mリレーの2種目では、本種目で歴代最高順位となる2位という結果を残しました。決勝では、4×100mリレーで東工大歴代1位、4×400mリレーで東工大歴代2位の記録がマークされるハイレベルなレースが展開されました。

両種目で決勝に出場した妻木泰斗さん(生命理工学院 生命理工学系 修士課程2年)は、接戦となったレースで実力を発揮し、2位入賞の立役者となりました。妻木さんは男子200mでも3位入賞を果たし、他のリレーメンバーも見事なバトンワークと個人種目の疲労をものともしない走りを見せてくれました。

4×100m男子リレー_第3走者の妻木さんから第4走者の永島さんにバトンタッチ(右から3レーン目が東工大)

4×100m男子リレー_第3走者の妻木さんから第4走者の永島さんにバトンタッチ(右から3レーン目が東工大)

前任主将 横山毅仁さんのコメント(物質理工学院 材料系 学士課程3年)

私たち陸上競技部はこの国公立27大学対校戦を最大の目標に、シーズンのトレーニングを積んできました。負傷者が続出する中で、目標としていた総合3位には及ばなかったものの、総合5位という結果は予想を上回る健闘でした。2冠を達成した塩田さん、2種目リレーに出場した妻木さんをはじめ、多くの学部4年生以上の選手が研究活動の合間をぬって練習し、本大会では東工大陸上競技部をリードしました。私は材料系で有機材料を中心に学んでいますが、今後研究活動へ費やす時間が多くなっても競技を続けていきたいと思えました。若手選手にもまた、来シーズンに向けて精進してほしいと思います。

陸上競技部の紹介

私たち東工大陸上競技部は関東インカレ、各対校戦、箱根駅伝予選会などの大会に向け、自己記録の更新、チームの入賞を目標に日々練習に励んでいます。監督、コーチの方々からご指導をいただきながらも、各々が理想とするパフォーマンスを思い描き、選手同士がそれに向けたアプローチを議論し、実践できる環境ができています。

お問い合わせ先

東京工業大学 陸上競技部

E-mail : tfclub_hp@titech-tfclub.net

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