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東工大 工系学生国際交流プログラム 2019年度実績および秋季派遣生の報告会

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東京工業大学の「工系学生国際交流プログラム」は工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院の3学院が海外の大学に学生を派遣する制度です。2019年度の派遣実績報告会および秋季に留学した学生による報告会を2月12日、大岡山キャンパス本館で開催しました。

工系学生国際交流プログラム

工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院の3学院は、国際的感覚を持つ工学を専門とする高度技術者を養成するため、所属学生を海外の大学等に派遣する支援を合同で行っています。この学生国際交流プログラムは、海外で様々な国の研究者や学生と共に研究を行うことで、専門性を深め、さらにはより広範な先端科学技術と知識を学びながら異文化に触れることにより、学生自身の修学意欲の一層の向上と国際意識の涵養を図ることをねらいとして実施しています。

2019年秋季派遣生の報告会

後半には2019年度の工系留学報告会が行われました。これは当プログラムで2019年秋季に短期留学した学生が履修対象となっている講義「国際研究研修」の一環として実施されたものです。他に「官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の留学奨学金を受給し、個人留学にてマサチューセッツ工科大学で研究活動をした「グローバル理工人育成コース」上級履修学生も発表をしました。

派遣先大学と発表者(計10名)は以下の通りです。(敬称略)

派遣先大学
発表者(所属・学年は発表当時)
留学期間
ケンブリッジ大学(英国)
安宅優季(工学院 機械系 修士課程1年)
2019年9月~12月
アーヘン工科大学(ドイツ)
市川研佑(工学院 電気電子系 修士課程1年)
2019年10月~2020年1月
ソルボンヌ大学(フランス)
松本健汰(物質理工学院 材料系 修士課程1年)
2019年9月~12月
マドリード工科大学(スペイン)
河鰭康平(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程2年)
2019年9月~12月
霍明珠(工学院 経営工学系 修士課程2年)
2019年8月~12月
国立台湾大学
田川帆師(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程2年)
2019年12月~2020年2月
武漢理工大学(中国)
﨑村広人(物質理工学院 材料系 博士後期課程3年)
2019年10月~12月
日立ケンブリッジ研究所(英国)
シナン・ブグ(工学院 電気電子系 博士後期課程2年)
2019年9月~11月
マサチューセッツ工科大学(米国)
中畑育歩(物質理工学院 材料系 修士課程2年)
2018年10月~2019年8月
アジア工科大学院(タイ)
タッデオ・クマウ(環境・社会理工学院 土木・環境工学系 修士課程2年)
2019年10月~11月

報告会では、留学経験者が留学生活について英語で発表を行いました。

留学経験者の報告

工学院 電気電子系の市川研佑さん(修士課程1年)/ アーヘン工科大学(ドイツ)へ留学

留学中の研究内容は、放射型の配電系統に直流系統を追加し、孤立した交流システム同士を直流で接続する際の最適な(電力損失が最小となるような)ブレーカー条件、電力指令値などの導出を目的として、そのための解析シミュレーションモデルの作成と検討を行いました。直流送電システムを用いた研究は自分にとって初めてであり、様々な論文を読んで知識を補ってから実際の研究を開始しました。東工大での研究とは別に、新しい研究をやってみたいと思っての留学でしたが、その他にも得るものが非常に多かったと思います。同じ空間をシェアしたルームメイトを始め、現地の色々な国籍の友人たちは様々な新しい考え方を教えてくれました。もし留学先としてアーヘン工科大学を選んでいなかったら、ヨーロッパの国々について、聞いて知る以上のことは経験できなかったと思います。もちろん、最初はなかなか友人もできず期間の短さから研究に焦ることもありました。それらを乗り越えることが出来た今となっては、大きな自信につながった経験です。

特に、日本語ではコミュニケーションが絶対に取れない環境において、苦労しながらも英語でやり遂げることが出来たのは将来における大きなアドバンテージとなったと思います。また、拙いながらもドイツ語で簡単なコミュニケーションを図ることが出来たのも自信になりました。ただし、自分の場合はドイツ到着後にドイツ語を勉強し始めたので、余裕があるなら出発前にドイツ語を勉強しておくことをお勧めします。

アーヘン市街地
アーヘン市街地

市川さん
市川さん

環境・社会理工学院 融合理工系の河鰭康平さん(修士課程2年)/ マドリード工科大学(スペイン)へ留学

受入大学の一機関であるitdUPM(Technology Innovation Center for Development)の活動を学び、日本国内のSDGs(Sustainable Development Goal:持続可能な開発目標)活動を調べて比較を行い、考察と提案をすることを研究として行いました。itdUPMはSDGsを目標とし、ファシリテーターとして活動する研究機関です。主な研究として持続可能な開発の実施と、パートナーシップを築きながら持続的な開発を行う手法があります。それらを滞在中に学びつつ、itdUPMと日本のSDGs研究組織の違いを抽出し、itdへの提言を行いました。提言内容としては、開発のインパクトを示す際に、インジケーターとしてSDGsのターゲットシンボルを活用して表すことで、より広範な人々に理解可能な形でインパクトを与えることが出来る可能性があると示しました。

今回の留学の目的は、海外で主体的に研究を行い、不自由な環境においても物事を遂行して成果を出す経験をして、成長することでした。結果として、専攻とは異なる分野の研究を、スペイン語圏の国でやりきることが出来、成功の体験とそのプロセスを学んだと思います。大袈裟な表現を用いましたが、社会で活躍するために必要な地道な努力、真摯な取組み、人に好かれる力等の基本的なことが大切であると改めて学びました。itdUPMは様々なステークホルダーと協業しており、彼らと行動を共にすることで頭でっかちにならず、他者との協業を行い、柔軟な行動の重要性を学ぶことが出来ました。また、英語に関しては不安があったものの、研究をやり遂げ自信がつきました。非ネイティブの会話では、相手を理解しようという姿勢が何より大切であると学びました。留学に行きたいと感じる方がいるなら、とりあえず応募してみることをおすすめします。留学に行って後悔したという人を見たことがありません。

河鰭さんが在籍したitdUPM
河鰭さんが在籍したitdUPM

研究室の仲間とサッカー(上列左から2番目が河鰭さん)
研究室の仲間とサッカー(上列左から2番目が河鰭さん)

環境・社会理工学院 融合理工系の田川帆師さん(修士課程2年)/ 国立台湾大学へ留学

国立台湾大学の前身は、1928年に当時植民地支配を行っていた日本によって設立された台北帝国大学です。1945年に当時の中華民国が接収、国立台湾大学と改称し、現在に至っています。設立当初は文政学部と理農学部のみでしたが、現在では11学院、54学部、3万人を超える学生を有するマンモス校です。立地としては、都市部に近く、MRTが台北全体に広まっていることもあり、台北101を中心とした繁華街へアクセスできます。キャンパスには研究の最新設備だけでなく、銀行や理髪店などもあり生活環境も整っていました。初日に現地のコーディネーターと待ち合わせたのですが、広大なキャンパスで迷子になり遅刻してしまったのは良い思い出です。受入指導教員の張學孔教授は、公共交通の中でもグリーン・モビリティに関わる研究をしており、様々な政策に携わってきました。研究グループには、博士学生を含む13名の学生が所属しており、毎週月曜日にはセミナーが開かれ様々な議論を行いました。研究室内に一つのデスクが与えられそこで研究を行いました。研究施設として申し分なかったと言えます。

今回の留学で触れ合った台湾人はみな親切でとても温かい性格の持ち主でした。どこへ行っても、分からないことがあれば丁寧に優しく教えてくれ、大学内でもすごく親切にしてくれました。台湾は環境も整っており、気軽に留学に行ける地域です。一人でも多くの人が、台湾に興味を持ち留学に前向きになることを願っています。

指導教員の張學孔教授と研究室の仲間と(左端が田川さん)
指導教員の張學孔教授と研究室の仲間と(左端が田川さん)

台湾の春節
台湾の春節

派遣実績報告会

前半に行われた実績報告会では、工系国際交流委員会主査の竹村次朗准教授(環境・社会理工学院 土木・環境工学系)がプログラムの概要ならびに本年度の派遣実績について説明を行いました。また、グローバル人材育成推進支援室 太田絵里特任教授からは、当プログラムによる留学は、科学・技術の力で世界に貢献する人材の育成を目的とする教育カリキュラムである「グローバル理工人育成コース」上級の修了要件の一部を満たすとの説明がありました。

工系国際交流委員会主査の竹村准教授による実績報告
工系国際交流委員会主査の竹村准教授による実績報告

グローバル人材育成推進支援室の太田特任教授による「グローバル理工人育成コース」上級の説明
グローバル人材育成推進支援室の太田特任教授による
「グローバル理工人育成コース」上級の説明

本イベントは、帰国して間もない留学経験者からの新鮮な現地情報や感想に触れることができる機会です。2020年夏季派遣が決定している学生も参加し、情報を収集したり、発表学生と交流したりする機会にもなりました。また、本プログラムは受入・派遣の双方向でもあり、夏季には協定大学より来日する留学生との交流イベントも企画・運営されています。

学生国際交流プログラムは年3回募集があり、次回の公募開始は4月を予定しております。

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お問い合わせ先

工系国際連携室

E-mail : ko.intl@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3969


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