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大規模アンモニアプラントに用いられる非貴金属触媒の量産化開発を開始 NEDO「グリーンイノベーション基金事業・燃料アンモニアサプライチェーンの構築プロジェクト」へ参画

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東工大および東工大発ベンチャーのつばめBHB株式会社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「グリーンイノベーション基金事業/燃料アンモニアサプライチェーンの構築」に対し、2021~2030年度を事業期間と想定した「アンモニア製造新触媒の開発・実証」と題したプロジェクト(以下、本プロジェクト)の中で重要な役割を担う「非貴金属触媒の研究開発」(2021~2024年度で開発予定)の再委託先に選定されました。本プロジェクトは千代田化工建設株式会社が主幹事となり、東京電力ホールディングス株式会社、株式会社JERAが共同で実施し、再委託先を定めています。

東京工業大学元素戦略研究センターの細野研究室、北野研究室では、これまでつばめBHBと開発および実証してきたエレクトライドのコンセプトに立脚したアンモニア合成触媒の研究をさらに進めており、本プロジェクトにおいて非貴金属触媒の開発を推進します。また、つばめBHBは2017年の設立以降、触媒の工業化を実施しており、製造方法の検討やパイロットプラントにおける実証など触媒の工業化ノウハウを活用し、非貴金属触媒の工業化を進めます。

東工大およびつばめBHBは、既に研究開発を進めている非貴金属触媒の研究開発を本委託によりさらに推進し、大規模アンモニア製造プラントにて効率よくアンモニアを生産できる触媒の開発を目指します。

出典:NEDO グリーンイノベーション基金事業「燃料アンモニアのサプライチェーン構築」 に着手((別紙2)事業概要資料)

出典:NEDO グリーンイノベーション基金事業「燃料アンモニアのサプライチェーン構築」 に着手((別紙2)事業概要資料)

本プロジェクト立ち上げの背景

(1)ハーバーボッシュ法を凌駕する低コストプロセスの必要性

現在、アンモニアは100年以上前に発明されたハーバーボッシュ法(以下、HB法)を用いて主に生産されています。HB法は空気中の窒素と、天然ガス等から得られる水素※1のみでアンモニアを合成することができる非常に優れた生産技術であり、世界中で広く活用されています。一方、HB法は高温(400~500℃)かつ高圧(10~30 MPa)の反応条件が必要であり、高いエネルギー負荷がかかるプラントであるという課題があります。こういった課題を解決するために低温・低圧条件下で高効率のアンモニア合成が可能で商業化に資する触媒が求められてきました。東工大とつばめBHBが共同開発を行うエレクトライド触媒は既に小型アンモニア製造プラント向けに量産化されていますが、現状の触媒は貴金属を用いているため大型プロセスには適していません。東工大では、貴金属を使わない新しいアンモニア合成触媒を数多く生み出しており※2、本プロジェクトを通じて大型プロセスへの適用が可能な非貴金属触媒の工業化を目指していきます。

(2)燃料用途のアンモニアチェーン構築の必要性

日本国政府は2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素燃料の普及拡大や電力の脱炭素化を推進する必要があると発表しており、その脱炭素燃料の候補の1つとしてアンモニアが挙げられています。現在、アンモニアは肥料や工業原料として用いられていますが、燃焼時に二酸化炭素を排出しないため、発電用や船舶用などでゼロエミッション燃料としての役割が期待されています。一方で、燃料用途での市場が拡大すると現状の世界のアンモニア生産量では賄いきれないと考えられており、また同時に化石燃料に代わる燃料となるためにはアンモニア製造コスト・調達コストの削減が求められています。現在のアンモニア製造技術は海外のライセンサーが保有しており、今後エネルギーとしての活用を考えると、海外ライセンサーに依存しない国内企業によるアンモニア製造コストの削減を目指した製造技術開発が望ましいと考えられています。つばめBHBでは設立時から培ってきたアンモニア合成触媒の評価、実証、量産化のノウハウを活用し、本プロジェクトの推進への寄与を目指していきます。

※1
宇宙で最も多く存在する元素。近年では燃料電池車の燃料等クリーンエネルギーとしても着目されている。
※2
2020年7月に元素戦略研究センターが発表した新たな触媒。
(これまで活性が乏しいといわれていたNiを使った触媒をNature誌に掲載)
貴金属を使わないアンモニア合成の画期的技術|東工大ニュース

お問い合わせ先

つばめBHB株式会社 中村 / 小出

E-mail : hp_contact@tsubame-bhb.co.jp
Tel : 045-744-7337

東京工業大学 総務部 広報課

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661


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