11月1日~3日にかけて、東京工業大学を会場にStartup Weekend Tokyo Tech (SWTT) が開催されました。Startup Weekendとは、週末の54時間でアイデアピッチ(1分プレゼン)、チームビルディング、プロダクト開発、顧客開発、ビジネスプラン立案までを行うイベントです。最終日には、業界を代表する審査員が優劣を決めます。110ヶ国を超える世界中で開催され、実際に多くの起業家がこのイベントから生まれています。
今回、東工大で開催されたのは、日本初の"Tech"に焦点をあてたSWで、80名が参加しました。科学技術に関連したビジネスを扱うということで、東工大からも浸透圧発電技術や、CO2発生体、力覚デバイス、紫外線の累積時間で色が変わる塗料など、最新の科学技術を提供しました。
初日、11月1日は軽食付きのミニパーティーからスタートです。空気がほぐれウォーミングアップが終わったところで、1分間のアイデアピッチ。約45人の参加者が事前に考えてきたビジネスアイデアをプレゼンしました。プレゼン後はお互いに情報収集しながら「一緒にやってみたい!」と思うアイデアに投票をしながらチームメンバーを集め、最終的に13チームが結成されました。
2日目、南4号館に会場を移して9:00スタートです。会場となった教室には数々の文具や工作道具が用意されています。3DプリンターやKinectも設置されていました。まずは今回のイベント・ファシリテーターDong Yol Lee氏によるプレゼンです。Lee氏の軽妙な進行でSWが目指すもの、審査基準、MVP(Minimum viable product:ビジネスの最小単位)とは何かについて説明が行われたら、さっそく作業開始。それぞれのチームに分かれて、自分たちがターゲットにしている顧客、どんな価値を提供するのか、どうやって実現するのか、熱い議論がかわされました。
SWでは「試してみる」ことも重要視しています。MVPという最小の価値を提供できるものを作り、実際に試してみる。2日目はさっそくMVPを製作して自由が丘までリサーチに行ったチームや、Webを使ってアンケートを実施するチームも多くありました。3Dプリンターも大いに活用されていました。
そして3日目。さすがに疲れが顔に出ているメンバーもいましたが、朝食でしっかり目を覚まして顧客検証の続きを行います。
最終プレゼンは17:00から。ずらりと並んだ4人の審査員と、80名の参加者、そしてオブザーバーを前にプレゼン開始です。各チーム、緊張しながらも堂々と自分たちのアイデアをプレゼンします。中には、女性靴の辛さを体感するために朝からハイヒールを履いて過ごした男性がいたり、スポーツに入り込んで楽しめるサービスを実演したり、ウェアラブルガジェット(身につけられる端末)の紹介もありました。発表テーマが初日のアイデアピッチから変わったチームも多く、いかにこの2日間で様々な試行と議論が重ねられたのかが伺えます。中には、会場中が大爆笑になるようなビジネスアイデアもあり、非常に盛り上がった最終プレゼンとなりました。
起業をリアルに体験するのがSWですから、質疑応答では審査員から鋭い質問が飛び、緊張した空気が流れる場面もありました。しかし、審査員からは、これからのビジネスの参考になる情報も惜しみなく提供され、起業という面のみならず、今後に向けて大いに参考になったのではないでしょうか。
さて、緊張のプレゼンが終われば、優勝発表と打ち上げパーティーです。第1回目のSWTTの優勝は、生体情報を活用した企業向けの社員福利厚生サービスです。すでに1社目の顧客もほぼ内定しているとのことで、今後の展開が非常に楽しみです。
表彰に引き続き、東工大 丸山理事・副学長の乾杯で始まった打ち上げパーティーは、緊張が解けてホッとした参加者や、自分たちのプレゼンのフィードバックを審査員にもらう参加者、次に集まる相談をするチームの姿が見られました。今回の体験が参加者にとってとても大きなものだったことが、熱気と興奮となって伝わってきました。
最後に、Lee氏からSWはこれからも続くということ、この体験からの学びを次回に繋げて欲しいという話があり、みんなで記念写真を撮影して、この週末の熱い54時間は幕を閉じたのでした。
次回のStartup Weekend Tokyo Techは半年後の開催を予定しています。東京工業大学CBEC(チーム志向越境型アントレプレナー育成プログラム)では、引き続きSWTTを後援していきますので、興味を持った方は、ぜひご参加ください。
お問い合わせ先
チーム志向越境型アントレプレナー育成プログラム事務局
Email: query@cbec.titech.ac.jp
TEL: 03-5734-3475