附属図書館大岡山本館の2階・3階(通称"チーズケーキ")が1月6日にリニューアルオープンしたことを記念して、リベラルアーツセンターと附属図書館主催のイベントを実施しました。
はじめに、高橋栄一附属図書館長(大学院理工学研究科地球惑星科学専攻)からリニューアルしたフロアについて簡単に紹介がありました。2階は可動式什器を導入したことにより、様々な人数での学修に対応できるようになりました。3階は従来通りグループ用の学修室が利用できます。
第1部 ニューイヤートーク「今年を読もう!新聞を読もう!」
池上彰教授(リベラルアーツセンター)
池上彰教授が元日の大手新聞6紙を題材に、新聞の読み解き方や新聞制作の裏話などを語りました。一面記事や年始シリーズから読み取れる各社の意図や問題意識、出版社の広告から見える想定読者層といった内容が解説され、参加者に新聞を読む際の新しい視点が示されました。また、通常あまり意識されない新聞の版数を取り上げ、同じ新聞でも配達地域によって早版と遅版があり、見出しや内容が異なることがあるという豆知識も紹介されました。会場からはウェブが普及している状況下での紙の新聞の役割は何かという質問があり、池上教授が紙とウェブそれぞれの利点と、ウェブを利用する際の注意点を回答しました。参加者は、時折ジョークを交えたわかりやすい解説に興味深く耳を傾けました。
第2部 対談「アクティブ・ラーニングってなに?~大学図書館の新しいあり方について~」
高橋栄一附属図書館長×池上彰教授
高橋附属図書館長が、電子資料が普及する中での附属図書館利用者の推移と国内外の大学図書館の先進事例を話題提供し、池上教授と大学図書館の新しいあり方について対談しました。中央教育審議会による「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)」では、生涯学び続ける力を習得するには、大学教育を能動的学修(アクティブ・ラーニング)へ転換する必要があるとされています。
今回の附属図書館のリニューアルは、本学の教育改革によって増加することが予想されるアクティブ・ラーニングに対応するものです。国内外の事例では、アクティブ・ラーニングに資する施設であるラーニング・コモンズを中心に、大学図書館の取り組みが紹介されました。池上教授は海外の大学の視察経験もふまえて、本学には講義室外で自由に議論できる場所が少ないので、そのような場所が附属図書館内にできたことが喜ばしいと話しました。参加者からは、学外の友人や研究者と話し合える場所を設置することはできないか、すずかけ台キャンパスでも教養授業を実施したり図書館でイベントを開催したりしてほしい、といった質問・要望が寄せられ、今後の大学や附属図書館の活動における課題が得られました。池上教授からは、イベントなどやりたいことがあれば自分でやってみる姿勢も大事だというコメントがありました。
最後に、高橋附属図書館長が、学修支援機能強化やその他のサービスの充実を実施するにあたり、附属図書館だけでできることには限りがあるので、学生や教職員の力を借りていきたい、学生も今回のイベントのように図書館でやりたいことがあったら提案してほしいと締めくくりました。
今回のイベントには学生および教職員が約120人参加し、会場となった附属図書館大岡山本館の2階フロアを埋めつくしました。附属図書館にとっては、新しくなったスペースを多くの方に見てもらうこと、また学修支援に関するイベント開催という新しい取り組みを提示することができる機会となりました。
今後も附属図書館では学修支援に関するさまざまな取り組みを実施していきます。
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