東京工業大学 産学連携推進本部と蔵前工業会は、10月13日、大岡山キャンパス西9号館のコラボレーションルームにて、第6回Techカフェを開催しました。Techカフェは、東工大の技術を紹介し、ベンチャー企業の創出と成長を促進するイベントです。
今回は、 東工大発ベンチャー第72号の株式会社メタジェン 取締役COOの水口佳紀氏に、同社のサービスやビジネスモデルについてご講演いただきました。 同社は、下記2つの技術を組み合わせた「メタボロゲノミクスTM」により、腸内環境を解析し、健康情報の抽出・還元を行っています。
- 1.
- 腸内環境を、代謝物レベルで網羅的に調べるメタボロミクス
- 2.
- 腸内細菌叢を、遺伝子レベルで網羅的に調べるメタゲノミクス
また、経口摂取する全てのマテリアルを対象として、これらが与える腸内環境の変動を捉え、分子レベルでのエビデンスを提供しています。さらに、得られた解析データを元に、科学的根拠に基づく腸内環境を標的とした新製品の開発や研究成果の論文化を行っています。
現在立ち上げつつあるビジネスモデルのコアは、
- 1.
- 食品会社・製薬会社・畜産会社などを対象としたB2B(企業間での電子商取引)型の受託解析、及び研究デザイン・コンサルティング
- 2.
- 個人向けの腸内環境解析サービス
の2つです。
水口COO は、本学大学院生命理工学研究科の大学院生です。従前よりあたためていたビジネス構想を、福田真嗣CEO(慶應義塾大学特任准教授)、山田拓司CTO(本学大学院生命理工学研究科講師)との出会いを通じてブラッシュアップし、「第1回バイオサイエンス・グランプリ」を受賞したのち、メタジェン社は設立されました。
現在は B2B型のビジネスを行っていますが、将来的にはB2C(企業と個人消費者間の商取引)型の受託解析サービスを展開し、万人の健康維持への寄与を目指します。水口COOの講演後は、技術的な側面から今後のビジネスの展開まで、さまざまな観点から活発な質疑応答が行われました。
つづいて、「ショートプレゼン」のコーナーでは、東工大発ベンチャー第60号の株式会社レゾニック・ジャパン 畠山昭一氏より、同社の近況についてご講演をいただきました。第4回Techカフェでもご登壇いただいた同社は、きわめて短時間で物体の剛体特性を計測することができる、独創的な装置を開発しています。 着実にビジネス基盤を築いてきた同社は、今後、より大型の装置(2トン~3トンクラス)や小型の装置(20kg以下)をラインアップに加え、さらなるマーケットの拡大を試みます。
今回のTechカフェへの参加者は35名でした。講演の終了後も20時すぎまで、ネットワーキングと意見交換が行われました。
お問い合わせ先
東京工業大学 産学連携推進本部 Techカフェ事務局 鈴木
Email : techcafe@sangaku.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2445