2016年4月、東工大の教養教育を主導する「リベラルアーツ研究教育院」(ILA:Institute for Liberal Arts)が発足しました。新組織、新カリキュラムの始動を目前に控えた2月下旬、「2016年度リベラルアーツ研究教育院FD研修」が実施されました。FD(ファカルティ・ディベロップメント)研修とは、大学教員の教育および研究能力を高めるための実践的な研修です。
昨年2月の湘南国際村センターでの開催に引き続き、ILAにとってはこれが2度目のFD研修となります。今回の研修には、ふたつの目的があり、ひとつは、4月より新入生を対象に開講されるILAのコア科目「東工大立志プロジェクト」について、担当教員が情報を共有し、十分な準備・訓練を行うこと。もうひとつは、新組織発足に向けて、異なる部局から集まった教員同士が親睦をはかり、相互理解を深めることです。
ILA所属予定の教員43名が参加し、企画担当の山崎太郎教授(本学 外国語研究教育センター長)の進行のもと、2日間にわたって密度の濃い充実した研修が行われました。
日程 |
2月22日 13:00~18:30 2月23日 10:30~19:00 |
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主会場 |
大岡山キャンパス 西9号館2階 コラボレーションルーム |
2月22日のプログラム
- 1.
- 開会・オリエンテーション
- 2.
- 導入ワーク:自己紹介
- 3.
- 「立志プロジェクト」研修
- ① 講義体験:本学 保健管理センター齋藤憲司教授「東工大生気質と新入生教育―東工大立志プロジェクトの創始に際して―」
- ② 少人数クラス体験
- ③ 解説:少人数グループワークの進め方
ILA研究教育院長就任予定の上田紀行教授の挨拶、山崎教授によるオリエンテーション、中野民夫教授(本学 大学マネジメントセンター)による自己紹介のための導入ワークに続いて、教員が学生の立場になって「立志プロジェクト」を体験するという趣向で、一連の研修が実施されました。
「立志プロジェクト」は大教室での講義と少人数クラスでのグループワークを交互に行う科目です。そこでまず講義体験として、本学保健管理センター齋藤憲司教授による講義(「東工大生気質と新入生教育―東工大立志プロジェクトの創始に際して―」)を全員が受講しました。
次に、各自がふりかえりシートに講義の要点や感想を記入した上で、4人ずつのグループに分かれ、適宜メンバーを入れ替えつつ、グループによるディスカッションを行いました。最後に締めくくりとして、この科目のために新たに作成された教科書「立志プロジェクトガイドブック」を参照しつつ、ワーキンググループのメンバーが授業の進行案を解説しました。
2月23日のプログラム
- 1.
- 「立志プロジェクト」研修
- ④ 解説:書評、プレゼンテーション、ラーニングマネージメントシステム活用など
- 2.
- 各セクション担当者による授業・カリキュラム紹介
- 3.
- 授業クリップ
- 4.
- この指とまれ分科会
- 5.
- クロージング
午前中は1日目に引き続き、立志プロジェクト関連の研修が実施されました。「ガイドブック」を参照しつつ、書評課題や期末プレゼンテーションの指導法をめぐる解説がなされ、さらにラーニングマネージメントシステム活用法の説明も行われました。
午後はまず、ILAを構成する科目(英語、第二外国語、文系教養、教職、ウェルネス、日本語・日本文化)の担当者が、それぞれの授業やカリキュラムの紹介を行いました。続く「授業クリップ」の時間では、参加者が6つの小グループに分かれ、各自が15分の持ち時間内で授業や研究内容をグループメンバーに紹介しました。
さらに、「この指とまれ分科会」と称されたプログラム最終セッションにおいては、たとえば「共同研究の促進」や「学生の社会貢献」など、参加者がテーマを出し合い、各自が興味のあるテーマのもとに参集。小グループによるディスカッションののち、最後は全員が円座して、議論の報告もなされました。
クロージングでは出席カードリーダーの紹介も行われ、2日にわたる盛り沢山なプログラムは終了。和やかな雰囲気のなか質問や意見も多数出され、全体を通じて活気あふれる研修となりました。新カリキュラム開始に向けての準備を整えるとともに、教員間の交流もおおいに促進され、実り多い2日間でした。
リベラルアーツ研究教育院 ―理工系の知識を社会へつなぐ―
2016年4月に新たに発足したリベラルアーツ研究教育院について紹介します。